宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記
2001.9.8

 「新世紀・みやぎ国体」の夏季大会がいよいよ今日開幕。利府町のグランディ21で秋篠宮殿下、妃殿下をお迎えして開会式があった。今世紀初めての国体がこのみやぎの地で開催されたことに、感慨を覚える。

 開会式を終えて、両殿下のご視察に同行。古川農業試験場視察のあと、宮崎町の鳴瀬川でのカヌー競技、迫町の長沼でのボート競技を観戦した。朝からとてもいい天気。久しぶりに「暑いな」と感じるような好天で、国体日和としては申し分ない。全く科学的根拠はないのだが、この好天気は自分の精進のおかげと信じている。

 どこへでかけても、両殿下の人気にはすごいものがある。沿道で車に手を振る人達の顔が上気している。同行する私と佐藤勇県議会議長までもが熱気に当てられてしまっている。


2001.9.7

 朝の出発が早い日ではあったが、明日、明後日と早出が続くので、ちょっと無理して今朝は6K走った。涼しいので、走っている最中はあまり汗をかかない。

 早出になるのは、明日から国体の夏季大会が開幕するからである。開会式にてお言葉をいただく秋篠宮殿下、同妃殿下が今日宮城県にお着きになられた。まことに気さくで素敵なお二人である。私から県勢概要をご説明したあと、ご昼食、そして仙台文学館と福祉施設「せんだんの里」をご視察になられた。 

 その「せんだんの里」で、とても印象的な場面があった。秋篠宮殿下を見て、一人のおばあさんが「あんた、どっかで見たことあるねー、名前なんていうの?」と言ったのを受けて、殿下が「秋篠と言います」とお答えになられたら、両手を打って、「そうだそうだ、うちの兄貴の友達だ、どっかで見たことあると思ったよ」と喜んだ場面。

 思わず笑ってしまったもう一つの場面は、もう一人のおばあさん。紀子さまをじっと見て、まず、「あんたどっから来たの」と尋ねた。「東京からです」と紀子さまがお答えになられると、「遠くからよく来たね。東京のどこに住んでるの?この前火事あったね、大変だね。あんた、かわいいね、なんともかわいいね」と何度も繰り返した。そして、一息おいて、「かわいいね、宮様みたいにかわいいね」と言ったのを聞かれて、紀子さまは思わずお声を出されてお笑いになった。傍に控えてやりとりを聞いていた私と佐藤勇県議会議長も笑い声を上げ、そして二人ともどっと汗が出てきた。

 ほんとにいい場面だったと思う。痴呆性のお年寄の方々が入所している施設で、今日はずんだとあんこのダンゴつくりの作業をしているところだった。秋篠宮殿下がおじいさんが作っているずんだを、手の平にもらわれてお召し上がりになられるという「ハプニング」まであった。ハプニングではなくて、自然にそういうふうに振る舞われたのであろう。そのあと、入所者の一人ひとりにお声をおかけになられたり、手をとってお励ましになられたりのお姿を見ていると、そう確信できる。

 いよいよ明日は夏季国体の開会式だ。天気が崩れないでくれればよいのだが。


2001.9.6

 タバコ耕作組合の方々が陳情に来られた。用件はというと、「みやぎ21健康プラン」という計画の中で、喫煙率の目標設定をするのをやめて欲しいというもの。宮城県の男性の喫煙率は、全国が51%のところ、56%と、かなり高い。そのうち33%の人達は禁煙したいと思っている。だから、喫煙率を引き下げるという目標を掲げるのは、理由がないわけではない。 しかし、一方で、タバコの耕作で生計を立てている人達がいる。タバコ売上げの税金が県に51億円、市町村も合わせると211億円ほどになる。これも無視できない。なにごとも、あちら立てればこちら立たずというか、一筋縄ではいかないものである。

 少し疲れがたまっているようで、走ろうという身体からのメッセージが伝わってこない。ということで、今日はジョギングは休み。


2001.9.5

 久しぶりの東京の朝である。めっきり涼しくなった。日が出ているのに暑くない。空に浮かぶ雲は秋のものである。その秋空の下、皇居一周ランを渋谷秘書とともに敢行。渋谷秘書は、仙台の自宅の周りを40分走っているとのことで、今回はその成果を確認したいとの思いでの皇居一周であった。成果は十分に出て、途中脱落することもなく、27分01秒で一周。お互いに気持ちのいい走りだった。

 この時期の東京出張は予定になかったのだが、地元の伊藤宗一郎前衆議院議長のご逝去で、急遽東京に出ることになった。今日は午後1時から青山葬儀所で告別式があった。伊藤家と自民党の合同葬。葬儀委員長は小泉純一郎総理大臣、自民党総裁。歴代総理大臣をはじめ、各党の党首、現職閣僚、国会議員など多くの会葬者で一杯であった。会葬者の列は外の通りにまで長く延びていた。

 防衛庁長官をお務めになったからであろうが、自衛隊員による葬送があった。友人代表の永野健さんの弔辞の際には、母校旧制二高の同窓生により旧制二高の校歌が歌われたが、土井晩翠作の歌詞のよさもあり、心に残った。

 突然の日程変更で、明日以降の日程はだいぶ厳しくなりそうだが、覚悟している。


2001.9.4

 前衆議院議長、伊藤宗一郎先生が今朝お亡くなりになった。宮城県選出の衆議院議員として、40年以上の長きにわたり政界でご活躍になられた。この五月に勲一等旭日桐花大綬章をお受けになり、そのお祝いの会の7月1日にはお元気な姿に接したばかりであったので、「まさか」の思いで一杯である。

 政治家として、現役のままお亡くなりになったわけで、これも一つの形と言う人もいるだろうが、一人の私人としてゆったりとした老後の生活を楽しむことなくこの世を去られたわけで、とても悲しいことである。もちろん、周りの者がとやかく申すべきことではない。心からご冥福を祈るのみである。

 東京の青山斎場での通夜に参列してきた。歴代総理大臣多数をはじめ、大勢の弔問客が来られていた。祭壇の伊藤先生のお写真を見ていると、今にも声が聞こえてくるような気になった。


2001.9.3

 未明にはすごい雨降り。我が家の屋根は雨音が響くつくりになっているようで、ことのほか大音響である。40年近く前のヒット曲、カスケーズの「悲しき雨音」を思い出しながら眠りについていた。雨は朝方まで残っていたので、今朝のジョギングはなし。

 仕事を終えて、夜は東北福祉大学のけやきホールでの日露交歓コンサートに。去年も聴きに来たが、なかなかのものである。特に、バラライカの演奏が耳に残っている。ロシアの息吹きが聞こえるような演奏だった。

 宮部みゆきの最新作「R.P.G.」を読み終えた。娘から貸してもらったもの。山田詠美の「姫君」を私が貸してやってことのお返しのつもりなのだろうか。

  宮部みゆきラーメン屋説というのがある。つまり、はずれはまずない、そこそこは食えるということらしい。確かに、読ませる作品ではあった。インターネットでの会話が主題なのは、いかにも宮部作品らしい。話題作の「理由」では、サラ金を主題にしていたが、時代性を作品にすぐさま取り込むところがすごい。


2001.9.2

 サンデーマラソンクラブ(SMC)のみんなは、昨日から岩手県の田沢湖に出かけている。毎年、9月の第1日曜日に開催のSMCメンバーだけの田沢湖一周マラソン大会に参加のためである。前の日、バス2台に乗ってワイワイ騒ぎながら行くのが楽しいのだそうだ。前の晩の宴会が愉快なのだそうだ。当日のマラソンは、景色も良くて素晴らしいのだそうだ。

全部「そうだ」と書いているのは、私が一度も参加したことがないから。過去8回とも、なんかかんかの行事が入ってしまい、断念せざるを得なかった。修学旅行に行けなかったかわいそうな生徒の如く、彼らの楽しげな思い出ばなしを指をくわえて聞いているしかなかった。今年もそうである。一人寂しく、6kを走った。

 その「なんかかんかの行事」一つが、夏季国体の総合リハーサルだった。本番は今週の土曜日8日、開会式。本番さながらのおさらいで、おかげでプールサイドでの群舞とプールの中でのシンクロナイズドスイミングを一緒に演じる「ビバ、支倉」という集団演技を見せてもらうことができた。素晴らしい出来映えである。本番では、私は見ることができないので、これをもって満足するしかない。

 もう一つの「なんかかんか」は、大河原町での三町合併推進シンポジウムへの出席。45分間の基調講演をしてきた。合併への動きということでは、大河原、村田、柴田の仙南三町は県内の二番手を走っている。「加美郡四町を追い抜くつもりでがんばってください」とエールを送ってきた。それにしても、会場一杯、四百人ほどの住民の方々がおいでになっていた熱気には驚かされた。



以前のジョギング日記はこちら
 2001年8月第5週分
 2001年8月第4週分
 2001年8月第3週分
 2001年8月第2週分
 2001年8月第1週分
 2001年7月第4週分
 2001年7月第3週分
 2001年7月第2週分
 2001年7月第1週分
 2001年6月第5週分
 



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