宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 6月第3週
2002.6.15(土)

 昨夜は、ワールドカップで日本代表が決勝トーナメント進出を決めたことのお祝いを、渋谷秘書とひっそりとやっていた。その余韻もあり、今朝は、少しゆっくりと寝ていた。7時半過ぎに起きて、「ゆっくりと寝ていた」という言い方をすると、私の隣で寝ている配偶者は、文句を言う。「休みの日ぐらい、もっとゆっくりと寝ていたらいい」。私にとっては、休日は長い距離を走るための大切な日。この辺が、生活習慣のずれではある。

 とはいえ、今朝は、夜来の雨が少し残っていたこともあり、走りはなし。午後から、宮城野原陸上競技場で、「オリンピック・デイ・ラン」という行事があり、そこで走ることになっていたので、そちらに譲ったのである。6月23日が、百年以上前に、クーベルタン男爵が近代オリンピックの宣言をした日で、そのことを記念して、その日の近くに世界各地でこの行事が行なわれている。

 ほんもののオリンピックに出場経験のある選手が、約10人ほど参加していた。その彼らと一緒に走るのである。小学生が2K、中学生が3K、高校生と一般アスリートが5K走る。私と渋谷秘書は、そのすべてに出場した。つまり、計10K走ったということ。ゆっくり走るつもりだったが、みんなと一緒だと、ついついペースが上がってしまう。それでも、楽しく汗を流すことができた。

 ワールドカップは今日から決勝リーグ。ドイツ対パラグワイ戦、イングランド対デンマーク戦をテレビ観戦。その合間に、巨人対阪神戦で阪神を熱烈応援。こういうのは、のんびりした日というのだろうか、それとも忙しい日というのだろうか。


2002.6.14(金)

 ワールドカップ一次予選の最終戦、日本対チュニジア戦。まさに、運命を決める、大事な一戦である。その大事な一戦の日に、いろいろなことがあった。

 来年度予算において重点的に取り組んで行く事業をどうするかということを決める、政策会議の第1回が今日であった。部局長が一堂に会しての会議である。実質的な議論に、各部局長が積極的に参加する、内容のある議論が展開された。ワールドカップでの日本の試合経過が気になりながら、会議に専念していた今日の3時半以降であった。

 5時過ぎも、別な会議をしていたが、5時14分になって、会議のメンバーに、「もう勤務時間も過ぎたから、テレビで歴史的瞬間を見よう」と提言した。結局、日本がワールドカップの決勝リーグに進出するという歴史的瞬間は、リアルタイムで体験することができた。

 それにしてもよくやってくれた。なんと、決勝リーグの日本の緒戦は、わが宮城スタジアムで行なわれることになった。なんと私は幸運なんだろうと、神に感謝したい気持ちである。次の日本開催は400年後、そんな中で、日本チームが宮城スタジアムで試合をするなんて、まるで夢のようである。相手は、C組2位のトルコ。勝ち負けは二の次である。見ている者を、感動させるような、いい試合をして欲しいものだ。

 筒砂子ダムの問題について、県の「建設しばらく休止」という判断の白紙撤回を主張する古川市長、鹿島台町長などの自治体メンバーが要請に来られた。中身ではなくて、知事に住民への説明会に出席要請をするという内容であった。しかし、まずは、段取りがあるでしょう、土木部長による事務的説明を尽くしてから知事が出向いて説明するのが適当ではないでしょうか。そういったことを申し上げたら、いきなり鹿野文永鹿島台町長にどなられてしまった。

 土木部長では役不足、説明会の日程の決め方も一方的。こういったことが、ご不満の内容であった。それにしても、マスコミも取材している中で、ちょっとびっくりするようなやりとりだった。案件に対しては真剣に対応する気持ちはあるのだから。

 18日、日本チームを宮城スタジアムに迎える。何度も言うようだが、夢のような出来事である。我と我が身の強運を思わざるを得ない。


2002.6.13(木)

 県内町村にほぼ一日滞在して、いろいろなところを見たり、住民の方々と話したりの機会が「ふるさと懇談会―知事さんあのね」である。回を重ねて、今回は51回目。栗原郡志波姫町にでかけた。

 9時過ぎに、志波姫小学校の4年生の総合的な学習の時間を見学。江戸時代からの地元の水利施設である伊豆の堰の歴史と、そこの生物の生態を調べるというのが学習の趣旨のようであった。小学生には、ちょっとむずかしいかなという感じがしたが、先生方のご努力でなんとかこなすのだろう。

 本番のふるさと懇談会のほうは、実にユニークな住民の方々ばかりで、重要な問題提起の発言を、ユーモアたっぷりに、しかも説得力をもって展開して下さった。時間が過ぎるのを忘れるほどに内容の濃い、興味深いセッションであった。ここにも、そこにも、スターがいるということを実感。

 梅雨入り宣言がなされて以来、その宣言に忠実に、雨っぽい、涼しい日が続いている。走る身にはありがたい。今朝の走りは、疲れるほどではまずいと思い、少し自粛して4K。体調良好、精神充実の日々である。


2002.6.12(水)

 梅雨入り宣言が出た宮城県地方。今朝は、まさに梅雨入りを思わせる天気。このぐらいが走るのには丁度いい。そんな中を6K。結構気持ちよく走ることができた。

 午前中、しっかり仕事をして、午後からは、ワールドカップのモード。今日のアルゼンチン対スウェーデン戦のために、それぞれの国の大使も宮城県入りしている。表敬訪問で、がんばってくださいと申し上げたが、勝つのはどちらかしかない。

 その戦い。いい試合だったが、1対1の引き分け。優勝候補ナンバーワンのアルゼンチンが、決勝リーグ入りを逃してしまった。これがワールドカップ。密かに、アルゼンチンを応援していた私だったので、残念だった。

 思いは、14日の日本対チュニジア戦に及ぶ。この一戦に日本が勝てば、日本チームがこの宮城スタジアムにやってくる。ワールドカップが始まるまでは、冗談で言っていた、「日本対ブラジル戦」。それが夢ではなくなるかと思うと、ぞくぞくしてくる。

 今日の日記も、ワールドカップ一色でした。


2002.6.11(火)

 7時半からの勉強会があったが、少しでも走ろうと思い、3K。

 そのあとは、石巻地方県事務所にての政策ヒヤリング。原子力センターなど、他の地方公所にはない事務所がある。それぞれの部署でがんばっている状況はつかむことができた。恒例の若手職員との車座集会も、今回は参加が12名と、これまでで一番の人数。水産加工所と子どもセンター。全く違う職種のようだが、お互いに交流すれば、何か新しいものが生まれそうな気がする。そんな提案が、参加者の中から出た。面白い。

 県庁に戻って、いくつか仕事をこなして帰宅。ついつい、ドイツ対カメルーン戦をテレビ観戦してしまった。フランスが敗退したり、波乱含みの今回のワールドカップの様相である。


2002.6.10(月)

 カーサアズーリでのコンサートが1時近くまでかかり、今朝は、当然ながら起きられない。寝不足で朝を迎えた。

 月曜日。今日の定例記者会見では、当然のことながら、昨日のワールドカップについての質問が多かった。宮城スタジアムでの開幕戦より先に、日本がロシアを破ってワールドカップ初勝利を挙げたことへの感想を尋ねられた。歴史的な、そして感動的な勝利であるとコメントした。

 メキシコ対エクアドルの開幕戦については、試合内容はともかく、運営面が記者の関心事である。交通アクセスも大きな混乱なく運営できたし、空席問題も、先週の各地での大量の空席という事態は現出しなかった。そういう意味では、大成功ではなかったかと思う。関係者の目に見えないところでの努力に感謝したい。

 結構忙しい一日だった。県議会の建設企業委員会に出席を求められて、筒砂子ダム建設の休止問題についての質疑を受けた。予定を超過する1時間半。しかし、こういう機会はなければならない。あれだけの大きな事業を休止するとなれば、しかるべき説明をするのは当然である。

 それにしても、いささか疲れた。慣れない暑さの中で、汗をかきながらの一日であった。


2002.6.9(日)

 朝早い行事があるので、SMCでフルに走ると間に合わない。そこで、早起きをして、5時48分から走り始め、そのあとSMCに参加した。2K地点、我が家の前で途中棄権。

 宮城野原の総合運動場での、宮城県・仙台市障害者スポーツ大会への出席が「朝早い行事」であった。回を重ねて10回目である。全国大会は、昨年の宮城県でのものが第1回であるから、知的障害者と身体障害者の統合大会の歴史はこちらのほうが長い。

 いよいよ今日は、宮城県でのワールドカップのオープニングである。メキシコ対エクアドル戦。応援に来られたメキシコ大使、エクアドル大使をお迎えしての歓迎レセプションが利府町で開催された。

  その前の時間に、私の仙台二高の同級生、鈴木康博君のお宅に弔問に行ってきた。先日、心筋梗塞で突然亡くなってしまった。入院していたわけでもない。残されたご家族にとっては、あまりの突然さに、亡くなったという実感が持てないのではないか。まだ中学生のお嬢さんを含め、4人のお子さんが残された。おなぐさめの言葉もない。同年代の友人が亡くなって、自分の身に引き比べてしまう。改めて、健康に注意しようと心に誓う。

  ワールドカップのほうは、明日になって詳しい報告を聞かなければならないが、今のところ、大きな支障もなく順調に運営することができたようである。風が強かったが、天気もよく、絶好のコンディションであった。試合は2対1でメキシコの順当勝ち。心配していた空席は、それほど目立つほどではなく、これもほっと一息。

  夜遅く、カーサアズーリにて、パーティーに出席。イタリアの代表的歌手の歌など、素晴らしいものではあった。あまり遅くなるので、途中で出てきてしまったが、その「途中」というのがほぼ午前1時。イタリアの人達は、一体いつ寝るのだろう。

  注目の日本対ロシア戦は、1対0で日本がワールドカップで初めての歴史的勝利。その瞬間は、カーサアズーリでローマ県のパスクッチ議長などと一緒に見ていた。明日の新聞は、この記事で一杯だろう。


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