宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  9月第3週

2002.9.19(木)

 日記を1日休んだだけなのに、ちょっと前のことが思い出せない。ボケたというより、毎日バタバタと時間が過ぎていくからと言い訳している。朝にやることがあって、この2日は、3K、4Kと短い距離しか走っていない。今朝あたりは、気温が低くて、秋晴れの青空が広がる、快適なジョギング日和であった。これから、こういった気候が続く。ジョガーにとっては、うれしい季節である。

 今日から県議会の代表質問が始まった。午前中一人、午後お二人が質問。一般質問は質問時間が30分なのだが、代表質問になると40分。答弁のほうも長くなってしまう。

 毎日気になっている大相撲。貴乃花がどうなったか知りたいのだが、夕方は翌日の答弁打ち合わせで、相撲どころではない。それにしても、すごいね、貴乃花。武双山を下して10勝2敗。この段階で、もう「感動した!」と言ってしまいたい。貴乃花ファンならずとも、相撲ファンならずとも、多くの人に勇気を与えてくれる活躍ぶりである。

 このところ私の頭を占めているのは、北朝鮮の拉致問題。「死亡確認」と言われてしまったご家族の様子が、連日報道されているが、知れば知るほど、いたたまれない気持ちになってしまう。


2002.9.17(火)

 歴史的な日朝首脳会談。その成果を固唾を飲んで見守っていた。関心の焦点は、拉致問題である。私だけではない。日本中の人たちが同じ思いであったろう。結果は、衝撃的な内容の情報がもたらされるということになってしまった。

 朝から、公務がずっと詰まっていて、ニュースに触れる機会がなかった。夕方、移動の車の中で、「4人生存、6人死亡」という報道に接した。最初に生存者の名前が発表され、続いて死亡が確認された人の氏名。横田めぐみさんの名前が記者の口から出てきた時には、思わず「なんとむごい」の思いに襲われてしまった。続いて、有本恵子さん。親御さんなど、ご親族の方々の思い、いかばかりかと、言葉もない。

  身内が亡くなるというのは、どんな時でも、悲しいものであるが、こういう形で「死亡確認」と一方的に言われてしまうというのは、通常あることではない。拉致、それに続く死亡には、国家の存在が関わっている。単なる事故や、災害、病気ではない。ご家族としては、怒り、絶望の思いを、どこに持ち込んだらいいのだろうか。

 首脳会談で、金正日総書記は拉致の事実を認め、率直に謝罪したということだが、これまでの「関知せず」の態度を、これほどあっさりと覆すのに、違和感は禁じえない。今頃になって、こうやって認めるのであれば、どうしてもっと早く事実を明らかにしなかったのか。それだけ現在の北朝鮮の状況が切羽詰っているのだとの推測は立つが、そういった国内事情に左右されること自体が、私達の理解を越えている。

  今は、まだ、いろいろな背景事情が明らかになっていない。その段階でこれを書いている。いずれ、事実関係は明らかになるであろう。その上で、改めてこの問題を考えてみたい。


2002.9.15(日)

 前日結構な距離を走っていたし、睡眠時間も短かったが、少しでも走ったほうがいい。SMCに出て、6Kコースの途中、我が家のところまで目一杯で飛ばした。森由喜男「コーチ」が伴走。ふだんなら10分近くかかるところを、7分30秒でクリヤした。そこで、戦線離脱。

 早めに離脱したのは、敬老の日の行事で、百歳に到達した方のところに、お祝いに出向く予定があったからである。今年は、中田町の佐藤ちよみさんのところを訪問。明治35年6月6日生まれで、今年百歳のちよみさんは、驚くほど元気で、しっかりしていらっしゃる。お祝いを申し上げたら、「こんなに幸せなことはありません」と、ご挨拶をいただいた。

 「お歌でもどうですか」と水を向けたら、花笠音頭をご機嫌に歌って下さった。アンコールに対しては、さんさ時雨を手拍子つきでご披露。お肌もつやつやだし、「恋の一つや二つまだできますね」という私の冗談に、恥じらいを見せるなど、とても素敵な方である。帰りがけには、「今日はありがとうございます」というお手紙をその場で書いて頂戴した。ちよみさんのお元気さにあやかりたいと願う私にとって、お宝になるお手紙である。

 県内の百歳以上の方は、250人。本当に長寿になったものである。しかも、ちよみさんのように、お元気で百歳を迎えられるなら、こんな幸せなことはない。しっかり手を握らせていただいたので、私にもそのご利益はきっとあるはずだ。

 昼からは、迫町で、登米郡の合併に関するシンポジウムに出席して、基調講演とパネル・ディスカッション。450人も集まっていただいた地元の方々の熱心さに、心打たれた。この熱心さがあれば、合併論議も前向きに進むだろう。


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