宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 9月第1週    

2003.9.6(土)

 朝、4キロ走った。走らない日が例外だったのが、最近は走るのが例外のような感じになっている。体調が完全で、走るための身体的条件が整っている時には、雨降りだったり、早朝から予定が入っていたり。間が悪いことが続いていた。早く本来のペースに戻りたい。

 昼から、加美町の開町式へ。中新田町、小野田町、宮崎町の3町がこの4月1日に合併して、新しい町ができた。市だったら、「開市式」になったのだろうか。人口28,000余。平成の合併とすれば、宮城県内では第一号である。トップランナーとしての自負はあっただろうが、同時にモデルなしの困難さがつきまとった。合併はゴールではなく、新しい自治体としてのスタートなのだから、果敢に挑戦して欲しい。

 式典の後の、記念シンポジウムにも参加。東北農政局の林局長、見城美枝子さん、星加美町長とご一緒で、コーディネーターは結城登美雄さん。結城さんと言えば、1日(月)の「全国女性農業経営者会議」の鼎談でもご一緒だった。

 全国知事会の会長に、岐阜県の梶原拓知事が選出されることが決まった。話し合いによる会長選びではなく、選挙による選出をすべきだと提案した私としては、選挙ではなく「無投票当選」による決定には複雑な思いである。しかし、きちんとしたルールにのっとった選出であることと、私も推薦した梶原知事の会長就任は、喜ばしいことである。


2003.9.5(金)

 忙しい、内容満載の一日だった。朝は、7時半から朝食会。9時から1時間半、社会福祉法人の青年経営者の全国大会で記念講演。それからは、例によって、説明、表敬、陳情などなど。

 そんな中で、今日のハイライトは、県警の犯罪捜査報償費に関する監査委員報告の提出と、宮城県緊急経済産業再生戦略プランの発表。

  前者は、今年の3月、私からの要求によって始められた監査の結果報告である。犯罪捜査報償費としての謝礼は、捜査員の手から捜査協力者に本当に渡っているのかという疑問に答えてもらいたいという趣旨での監査要求であったが、今日なされた報告における結論は、そういった違法執行の事実は確認されなかったということである。

  監査の過程において、監査委員からの捜査員からの聴き取り調査が、「捜査上の支障」ということで県警から拒否されたということのほうが、結論そのものよりも重大である。つまりは、「捜査上の秘密」を言い募れば、予算執行のチェックができない「聖域」ができあがるという図式である。監査委員にさえ「ノー」と言える「捜査上の支障」というのは、一体全体なんなのであろうか。不信感は募るばかりである。

  もう一つの戦略プランの発表も、大きなことである。いよいよプランができあがった。あとは、これをどうやって確実に実行していくかが課題である。


2003.9.4(木)

 千葉の幕張メッセで、全国知的障害関係施設職員研究大会に出席。全国から3000名を超える職員が集まっている。私の出番は、「ビッグ・フォーラム」というセッションで、千葉県の堂本暁子知事、埼玉県東松山市の坂本祐之輔市長、千葉県我孫子市の福嶋浩彦市長がご一緒。障害福祉のまちづくり、自立、介護保険、支援費などについてそれぞれ話をするのだが、4人で1時間50分は短過ぎる。つい先日、長崎での3時間半セッションを経験したので、なおのことそんなふうに感じる。

 朝は、実に久しぶりに走った。わずか4キロだが、いい汗をかいて満足である。10日ぶりということになる。やっとこれで「普通の生活」に戻った気がした。


2003.9.3(水)

 「ふるさと懇談会―知事さんあのね」で鶯沢町に。このふるさと懇談会も、今回で57回目になる。平成6年度に始まった時には、県内71市町村のうち、どれぐらい回れるものだろうかと思っていたのだが、このペースでは任期内に69市町村全部カバーできそうである。一つの町に朝から晩までいて(最近は、朝から夕方まで)、町内のいろいろな方とお話をし、いろいろ見て回るというものだが、どこに行っても新しい発見があり、新鮮な出会いがある。

 ということで、57回目は人口3200人の鶯沢町。鶯沢駅から細倉マインパーク前駅までは、くりはら田園鉄道に乗った。メインイベントである2時間にわたる町民との意見交換には、170人の町民が参加してくれた。参加率で言えば、ものすごく高い。大多数が高齢者ということではあったが、元気あふれるご発言に、こちらも元気をいただいた。過去56回の中で、53回が晴れで、担当の広報課長は53勝2敗1分けと豪語している。そして、今日も最近珍しい青空を見る好天であった。


2003.9.2(火)

 昨日のことになるが、9月1日は防災の日。県の総合防災訓練で迫町へ。連日の迫町入りである。町内数ヶ所で、住民参加による実戦さながらの訓練が行われた。7.26の地震の記憶があるだけでなく、2030年までに99%の確率で宮城県沖地震が発生することが予測されている中で、訓練は真剣にならざるを得ない。

 訓練を終えて、松島のホテル大観荘へ。全国女性農業経営者会議にて、鼎談をやる。私の他に、結城登美雄さん、渋谷文枝さん。結城さんとは、食材や農業に関して、何度かご一緒している。渋谷さんは、旧小野田町、現加美町で「ふみえはらはん」という農家レストランをしている。立ち上げのきっかけや、パートナー(「うちのとうちゃん」)の話を、実に面白おかしく展開して、会場は大笑い。そして有益だった。

 そして、今日。朝一番で、今野秘書から「24項目です」と言われた。何のことかと思ったら、本日の私の行事予定表の項目が24あるとのこと。それだけで、頭が少々くらくらしてしまって、一日中引きずった感じ。庁舎から一歩も出ることなく、記者会見、会議、説明、表敬、陳情と続いた。一つひとつ気を抜かずに対応したつもりである。こんな日もある九月の一日。


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