宮城県知事浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 9月第2週        

2004.9.11(土)

 同時多発テロの9.11である。新聞では、特集記事を組んでいる。その後、世界の各地で、テロは続発している。憎悪の循環はどこかで断ち切らなければならないのだが、どんどんエスカレートしていっているのが恐ろしい。

 1時から柴田町で、「タウン・ミーティング」が開催された。県では「みやぎの福祉夢プラン」の見直しを行っているが、その際に地域の意見を聴きたいということである。県内で数ヶ所開催することにしているが、今日が第1回である。実行委員会方式で、地元の人たちが企画運営を行っている。生の声をまとめて聴くことができて、とてもよかった。雰囲気もだいぶ盛り上がっていた。

 その前に、白石市のながさかホームを訪問。「共生型グループホーム」として、県内第一号。今年の1月に開設されたが、やっとこの時期になって訪問することができた。大きな農家を改造して、とても使い良い住居になっている。昼食をごちそうになってきたが、入居者7人、それぞれに個性があって、楽しく生活をしているのがよくわかる。

 ベガルタ仙台が、J2最下位のコンサドーレ札幌に負けてしまった。この時期のこの敗戦は、とてもとても大きな打撃である。もう、あとがない。


2004.9.10(金)

 名古屋の街を6時半発で、名古屋城方面に向けて出発。同じホテルに泊まっていた外人ランナーと一緒になった。ボストンから来ているという。私は走る知事として有名で、つばきマラソンでは「知事の部」で連続優勝していると自慢してやった。「君はどうだい」と尋ねたら、彼はボストンマラソンにも出場していて、2年前、44歳の時のタイムは2時間30分だとのこと。とんでもないエリートランナーである。後ろから今野秘書がついてきていることもあり、「どうぞお先に」と声をかけた。その声を聞いて、彼はものすごいスピードで走り去っていった。

 豊田市のトヨタ自動車を訪問。白水副社長にお目にかかって、お話をうかがったあと、堤工場を見学させてもらった。組立て行程の部分のみの見学であったが、工場のラインがなんとも合理的に考え抜かれていることに感銘を受けた。年間5万件の改善アイディアが従業員から提案され、そのほとんどが採用されているというからすごい。こういうことの積み重ねがあって、「世界のトヨタ」になっているのだろう。


2004.9.9(木)

 朝6時15分、今野秘書と東京の街に飛び出す。昨日遅く東京入り。今日の名古屋での仕事の前泊という感じである。9月の東京は、あの炎熱地獄の8月とは様相が違うが、わが仙台に比べれば暑い。皇居、靖国神社、神保町、駿河台下、小川町、東神田などを経由して、両国橋から隅田川べりに入るコース。信号が多い。特に、復路はタイミングが悪く、次々に信号に引っかかり、交差点ごとに止まるという走り。これではリズムに乗れない。14キロを走って、さすがに今野秘書は疲れ気味。でも、しっかりついて来れるようになったのだから、すごい。

 名古屋での企業誘致セミナーにでかける。東京駅で、大学の同級生である林省吾消防庁長官に会った。9月9日はキューキューということで救急の日。その展示をやっていた。名古屋での企業誘致セミナーは、平成12年以来である、結構集まっていただいたのが、ありがたい。


2004.9.8(水)

 西日本のほうで、記録的な強風を吹き荒らして北のほうにやってきた台風18号。今回は、だめかと思った。何かというと、「ふるさと懇談会・知事さんあのね」が、台風襲来のため中止という事態が、今度こそあるかなと覚悟した。第63回目の「ふるさと懇談会」は、石巻市での開催。台風18号は、東北地方を猛スピードで駆け抜けて、北海道に抜けていった。よって、石巻市での行事開催には、なんの支障もなし。

 同じことが、先週の田尻町での第62回「ふるさと懇談会」の際にも起きた。この時は、台風16号襲来だった。丁度、宮城県あたりを直撃という予報が見事にはずれて、当日は青空がのぞく最高の天気。私のことを「晴れ男」と称する伝説が、またまた裏付けられるような出来事だった。

 石巻は女性が元気な町と思っていたが、まさにそのとおり。印象を裏書きするような今日一日であった。とても気分よく石巻を後にした。土井喜美夫市長をはじめ、石巻市の皆様には、大変にお世話になった。

 オフィスに戻って一仕事、ふた仕事こなして、久し振りに「シローと夢トーク」の収録のため「ラジオ3」のスタジオに。生放送と録音1本。そのあと、たった30分ではあったが、「鳥よし」に寄った。なんということはないような、こういう生活が明日への活力を与えてくれる。


2004.9.6(月)

 あわただしいという忙しさではないが、一日中しゃべりまくっていたような気がする。忙しさのパターンとして、説明をひたすら聞き続けるという一日もあるが、今日のパターンは、私自身が説明者となってしゃべりまくるというものであった。定例記者会見は毎週のことだから当然。それとは別に、三位一体改革の真髄について、相手を変えながら3回話をすることになった。しゃべりながら自分の考えをまとめていくというのが、私の手法なので、自分にとっても有益ではあったのだが、口が疲れたという気がしないでもない。

 珍しく夕食に間に合う時間に帰宅したら、聡子が夏休みで帰省していた。それにしても、9月の半ばに夏休みだとは。大学は休み過ぎではないかといぶかりつつも、久し振りの親子対面は悪いものではない。


2004.9.5(日)

 福岡での朝。博多駅前の日航ホテルを半沢秘書とともに7時出発で、大濠公園方面へ。丁度一ヶ月前、今野秘書と走ったコースである。あの時はめちゃめちゃ暑かったが、今朝もそこそこ以上に暑い。湿度が高いので、発汗がすごい。そんな中を、きっちり6分10秒ペースで走った。この周回コースがぴったり10キロであることを、今日の走りで確認した。この暑さのせいもある。半沢秘書は、到着時にはかなりきつい様子であった。

 仙台空港からまっすぐに大河原町のえずこホールへ。みやぎ芸術銀河の開会式である。そうか、もう芸術の秋といってもいい頃なんだ。毎回対談をしているが、今回はバイオリニストの千住真理子さん。相手や聴衆の思いはともかく、私とすれば、今回も楽しく対談を終わらせてもらった。対談の中で、「愛のあいさつ」を即興で弾いてくださったのは、聴衆にも大きな感動を与えた。2メートル50センチの距離で世界的な演奏を聴けた私は、さらに感動。

 ロシア南部の北オセチア共和国で起きた学校占拠事件はひどい。「犠牲者323人、半数は子供」という新聞の見出しに、暗澹たる思いになる。憎しみの連鎖。その行き先には、こんな悲惨な結末が待っている。民族とは、国家とは、人間とは何かという問いを、いやがうえにもつきつけてくる惨事である。


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