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ジョギング日記  5月第1週            

2006.5.6(土)

 秋田市内三井アーバンホテルで目覚めた朝。霧雨が降っている、時間がないという事情から、千秋公園までの往復3キロ走に止めた。千秋公園の桜も散り際の美しさを保っている。今回のロケでは、会津若松城をはじめ、山形、盛岡、弘前、秋田と城址まで走る機会を得た。いずれもいいところである。

 秋田市を7時半に出て、男鹿半島の戸賀温泉を目指す。ホテル帝水に着いたのが、9時20分。せっかくの日本海の景色が霧ではっきり見えない。40年ぐらい前に、ここで開発された石焼料理の実演を交えて、斉藤さんからお話をうかがった。人口減少に悩む男鹿半島に人を呼び戻すための食文化。考えてみれば、結構切羽詰ったものではある。おいしかった。

 男鹿半島を1:44に出て、仙台の戻って来たのは、18:40。道路のUターンラッシュのピークと言われていたが、渋滞はほとんどなし。渋滞なしでも、これだけの時間がかかってしまった。3泊4日の食文化を訪ねての旅だったので、食べるのが仕事。体重は確実に増えたはずである。体重計に乗るのが怖いほどである。


2006.5.5(金)

 青森泊まりで弘前に撮影に行く日である。ホテルを7時に出る日程なので、走るのを断念した。朝食を取れるところを探しに、青森国際ホテルのすぐ近くの朝市に行ってみた。やっているのは、海鮮丼などをやっている店だけ。そこで、ロケメンバー4人でどんぶりをかきこむ。

 交通渋滞を心配した早出だったが、全く渋滞なしで弘前着。撮影まで時間があったので、弘前城に短時間の花見に行った。外濠は丁度今日が満開。一つの枝についている花の数が多いから、ボリュームたっぷり。枝が下まで垂れ下がっているのは、りんごの木の剪定を手がける職人が関わっているからだと聞いたが、そのとおりで、濠の水に触れようとするほどにして咲いている。日本一の桜というのもうなずける。早く着いたおかげでできた花見であるが、こういうのも「怪我の功名」と言うのだろうか。

 撮影は、「レストラン山崎」にて。オーナーシェフの山崎隆さんの想いが結実した店である。「弘前をフランス料理の街に」を実践している。食材の近くにあり、こだわりの食材を作り続けている人たちに囲まれている。「腕は悪いが、食材はいい」と謙遜する山崎さんであるが、この言葉は、「食材がいいのだから、いいフランス料理ができるはず」というメッセージになっている。名実ともに、弘前がフランス料理の街になる日はもうすぐであろう。

 桜満開の弘前を1時には出て、秋田市着が4時半。連休なのにか、連休だからかわからないが、町が閑散としている感じである。明日は男鹿半島での撮影であるが、泊まりは秋田市である。


2006.5.4(木)

 昨夜の盛岡での焼肉がうまかった。うま過ぎて食べ過ぎた。肉屋さんが経営している「米内」という焼肉屋さん。地元の家族づれで、昼から客が並んでいて切れ目がない。味もいいが、量もすごい。値段は驚くほど安い。アサヒスーパードライとぴったり合う。ビールも進むし、焼肉も進む。そういう盛岡の夜が明けた朝に、走らないわけにはいかない。

 ホテルからすぐのお城跡の岩手公園へ。桜は満開を少し過ぎたぐらい。散歩がてら花見という人もちらほら。桜はいいが、走るのには適していない。北上川にかかる開運橋まで行って、そこから川沿いに走るコースを取った。北上川の流れが豊かで速い。水音が間近に聞こえる。芝桜とチューリップが美しく咲く花壇を横目に見ながら走る素晴らしさ。

 ホテルを8:30に出て、「とうほく食文化応援団」の今日の撮影地二戸へ。そこに向かうバスの車窓から岩手山が大きく、くっきりと見える。バスの仲間から、思わず「おーっ」の声が上がる。先日、山形県鶴岡市に行った時の鳥海山の美しさも感動的だったが、雄大さでは岩手山が勝っている。左に岩手山、前には八幡平という景色を楽しみながら、東北道を北上。

 番組の取材は、二戸市金田一温泉の雑穀を使った料理である。あわ、ひえ、きびといった、昔は米が作れない寒冷地で仕方がなく作っていた雑穀が、今や、米より値段が高く売れるという。青空が広がる二戸の田園に、桜が映える。いいところに、いい食文化がある。撮影も順調に進み、二戸を後にして、今夜は青森泊まり。


2006.5.3(水)

 横浜の家を出て、仙台に戻る。東京駅の混みようが尋常でない。「尋常でない」というのは、客層が違うという意味も含んでいる。私のような、背広にネクタイ姿はほとんど見かけず、家族づれ、旅姿、いずれも連休であちこちにでかける人たち。そのあおりを受けて、新幹線の座席を取るのが、ことのほか大変だった。やっと取れたのは、仙台まで2時間16分もかかる「Maxやまびこ」の喫煙席。席が確保できただけでもラッキーと思わなければならない。外は、雲ひとつない青空である。新幹線の車窓からは、この時期には珍しいことだが、富士山の姿がうっすらと眺められた。

 駅からまっすぐ美容院へ。家に戻って、楽天がオリックス相手に勝っている試合をケーブルテレビで途中まで見ているうちに盛岡に出発する時間になった。「とうほく食文化応援団」のロケで、二戸、弘前、男鹿半島と回る3泊4日の旅のスタートである。連休の真っ只中なので、交通混雑が心配である。


2006.5.2(火)

 4週目となる慶応大学での授業。「政治参加論」の履修者は、結局、260人ということを知ったばかりだったのだが、今日の受講者は140人ほどである。連休の谷間ということもあるのだろうか。それとも、こんな受講者数に落ち着いたのだろうか。授業中の学生のパソコン使用を規制して欲しいというコメントが前回あったので、学生に意見を聞くことにした。授業後の出席カードへのコメントを総合すると、規制の必要なしというのが多かった。SFCの特性を考えれば、パソコン使用を規制しようという発想自体が受け入れがたいのだろうと思う。

 夕方は、「組織における危機管理」の研究プロジェクトに集う学生との飲み会。湘南台東口の居酒屋に14人が集まった。一人ひとりの自己紹介を改めて聞かせてもらった。いずれも、個性的で夢一杯のメンバーである。この年になって、こんな若い仲間と愉快に一緒に酒を飲むなんてことは、私の人生設計には入っていなかった。ハッピーである。

 「疾走12年 アサノ知事の改革白書」(岩波書店)の発売日である。爆発的に売れるはずもない本だが、それなりの感慨はある。


2006.5.1(月)

 5月の最初の走りは、愛宕大橋から広瀬川沿いを少しだけ走る6キロコース。この辺の広瀬川の中州は鳥の楽園である。鳥の声を伴奏に軽い走りを楽しんだ。  県社協での仕事は、連休の谷間ということもあってか、あまりバタバタした感じではない。実に久しぶりになるが、歯科に行く時間が取れた。右下奥歯の埋めものが欠けたままになっていた。仮の埋めものをしてもらったが、型を取った本物を入れてもらうために、今度はいつ行けるだろうか。

 夕方の新幹線で横浜へ。明日の慶応大学での授業準備で、明日の午前中に研究室に入っていたいので、前日泊まりになった。新幹線の中で、5月5日締め切りの原稿一本仕上げ、さらにもう一本の原稿書き上げた。究極の貧乏性なのか。今日の首都圏は、30℃を超える真夏日であった。身体を気候に合わせるのがむずかしいほどの気温の激変である。


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