浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 6月第3週             

2006.6.17(土)

 埼玉県秩父市で目覚めた朝。「ルートイン秩父」を6:13に発して、直感的に山のほうを目指して走り出した。このルートが結構いい。山(武甲山?)のほうには、雲がかかっている。そちらのほうを眺めながら18分走ったところから、緩い上り坂の山道になる。そこを1キロほど走ったところから反転。28番(?)札所・橋立の鍾乳洞の入り口あたりであった。信号もほとんどないまっすぐなコースは、走るリズムを作りやすいので、気持ち良く走れる。気温も適温で、久しぶりに楽しいコースの8キロ走であった。こんなことで、初めて来る地である秩父の印象が大変いいものになる。

 西武秩父から池袋までのレッドアロー号1時間15分も快適であった。パソコンの調子がおかしくて、車中での仕事ができなかったことも幸いして、窓外の景色を眺めている時間が多かったことも一因である。

 仙台に戻って、13時からは、東北大学での講義。5月27日に続いて2回目である。公共政策の大学院生25名ほどが受講している。今回は、地方分権について。前回の地方自治と福祉施策の講義への20問ほどの質問にも答えておいた。90分、10分休み、90分の3時間授業であるが、学生諸君の熱心な聴講ぶりにも支えられて、快調に講義をすることができた。課外授業として設定した6時からの「おでん三吉」での飲み会には、予想以上の15人もの学生が参加した。授業とは違って打ち解けた雰囲気の中で、学生諸君のホンネも聞けて、楽しい時間であった。 。


2006.6.16(金)

 午前中県社協で執務してから、埼玉県秩父市へ。知的障害関係の事業を運営している社会福祉法人清心会に呼ばれて講演をする。「浅野史郎と瑞宝太鼓」という触れ込みであり、私の講演は、瑞宝太鼓の前座のようなものである。揶揄して、卑下して言っているのではない。それだけ瑞宝太鼓のパフォーマンスは素晴らしいし、人々に感動を呼ぶ点では、私の話など比較にならないという意味である。

 「講演」と書いたが、実際は、佐藤進埼玉県立大学教授との対談である。進さんとは、昭和62年に私が厚生省の障害福祉課長の時に出会った。障害福祉の分野だけでなく、宮城県知事選挙でも手伝ってもらった。同年代の友人として、かれこれ20年間苦楽を共にしてきた中である。放課後の遊び仲間でもあった。その進さんが相手の対談であるから、打ち合わせまるっきりなしの1時間45分など、なんということない。自分で言うのもなんだが、愉快な上に中身の濃い話を展開することができた。

  総合施設長の村山さんは、私の処女作「豊かな福祉社会への助走」を読んで感動して、施設職員の教科書として採用してくれた過去があることを、今回、初めて知らされた。そのせいもあり、「助走」のパート1、パート2、「アサノ知事のメルマガ」、「アサノ知事のスタンス」そして最近著の「疾走12年 アサノ知事の改革白書」の販売にも力を入れてくださった。おかげで、今回、数十冊売り上げという実績を挙げることができた。

 瑞宝太鼓は、90分の充実演奏。私は何回も聴いているから、この程度のパフォーマンスは当然という気持ちになってしまっている。しかし、初めて聴いた人たちは、「知的障害を持っている人たちが、なんでここまですごい演奏ができるのだろう」と、感動し、涙を流す。ここ秩父市での瑞宝太鼓もそのとおりの状況であった。


2006.6.15(木)

 慶應大学での仕事などを終えて、仙台に帰る日。東海道線で横浜から東京駅に出るのに、ラッシュアワーのぎゅうぎゅう詰めの電車は乗れず、グリーン車を利用。SUICAでグリーン券が買えるので、気軽にできる。券といっても、じっさいには電子的な権利の購入なので、グリーン権と呼ぶべきか。短い時間だが、ゆったりできるので、メールの送受信をこの機会にできることも捨てがたい。

 新幹線での東京・仙台間もパソコンが活躍する。郡山以北になると、トンネルが多くなって、メールの送受信が困難になるので、送受信はその前に済ませる。後は、原稿書きの時間である。こういう生活態度が定着してしまった。

 県社協での仕事は、気仙沼市松岩地区のふボランティア協会の方々への1時間20分の講演というかご説明。その後は、県内の市町村社協の若手中堅職員の集まりでの講演というか説明、意見交換。結局、3時間近く話し続けたことになる。

 夜は、雨中のプロ野球観戦。フルキャスト・スタジアム宮城での楽天イーグルス対阪神タイガースを妻と一緒に見に行った。阪神側の応援がすごい。ホームチームの応援をしのぐ勢いである。昨年経験済みであるが、50年の阪神ファンの私が、地元楽天との対戦では、百パーセント楽天の応援である。降雨がすごいので、5回裏の楽天の攻撃で1点先取したところで、球場を後にしてしまった。その後、結局2対1で楽天の勝利。その瞬間を見逃したのは、残念でもあり、申し訳なくもある。


2006.6.14(水)

 慶應大学での「地方自治と福祉政策」の研究プロジェクト。その前に、朝、4キロを軽く走った。3日ぶりであるのと、自宅を7時半過ぎには出なければならないあわただしさのために、これ以上は走れない。

 研究プロジェクトには、旧知の宮崎恭一さんと、その友人である澤宣人さんにお出まし願った。「浅野さんの授業を聴きに行きたい」と言うものだから、「聴きに行くより、話し手になったほうが、意義があるよ」と私が応じて、今日の仕儀となった。澤さんは、建築関係のお仕事であるが、スウェーデンの事情に詳しい。彼の国での環境、福祉への取り組みの紹介など、意義深いお話を展開していただいた。

 午後は、日本フィランソロピー協会の事務所へ。会長を引き受けていながら、なかなか顔を出せないでいる。東京駅丸の内北口から歩いて3分の新大手町ビルの一室に引っ越したばかり。その快適な会長室で、2時間近く仕事をすることができた。


2006.6.13(火)

 仙台駅発8:15の新幹線で慶應大学へ。13:00からの「政治参加論」では、先週が提出期限の中間レポートについてレポートをした。特に、信じられない質と量の変換ミスについて。3分間読み返せば気がつくミスをそのままにして提出することは、これから社会に出たら通用しないし、その罪深さについては、やはり、きっちりと認識させなければならない。

 夜は、湘南台駅近くの中華料理屋で、慶應大学SFCの同僚である清水、浜中、石川、曽根の教授陣が私の歓迎会を催してくれた。SFCに来る前からの知り合いというのが、共通点である。清水さんとは同郷、同学年。小学校から大学まで、一度も同じ学校には行かなかったが、堀見英学塾で中学、高校の6年間一緒だった。浜中さんは、昭和49年から2年間在籍した環境庁の同僚。一緒に仕事をしたことはなかった。石川幹子さんも同郷。私の知事時代に、宮城県の仕事でいろいろご協力いただいた。曽根さんとは、知事、市長で作っていた会議の学者メンバーとして面識があった。話が弾んで楽しかっただけでなく、新米教授としての心細さが解消されるという機会になった。


2006.6.12(月)

 終日、県社協で執務。来客もお一人だけであり、たまった仕事をいろいろ片付けることができた。

 夜は、6月3日の出版パーティーの準備をしていただいた人たちとの打ち上げの食事会。出版した本人は、皆に祝ってもらっていい気になっていればいいが、お世話してくださる方あってのことである。本当にありがたい。でも、このパーティーの楽しみがあるから、「また本を出そう」という気になることも確かである。アイリス・オーヤマの岡本さんからのご連絡で、昨日の読売新聞書評欄で「疾走12年 アサノ知事の改革白書」が取り上げられていることを知った。これまた、ありがたいことである。書評で扱ってもらったことだけでない。こういうことを教えてくださる方がいることが、ありがたい。

 夜は、ワールドカップの日本代表対オーストラリア戦をテレビ観戦した。最後の10分で3点を取られるという最悪の結果。やはり、がっくり来る。こういうのも愛国心というのかどうか別にしても、相当に悔しい想いで寝に就くことになってしまった。


2006.6.11(日)

 霧雨模様であったが、SMCに出て行った。いつもより参加者は少なめである。久しぶりに参加の森由紀男さんと一緒に6キロ。短パン、短シャツでは肌寒いぐらいの天候だったが、走り終われば汗がしたたる。

 久しぶりに何も予定が入っていない日曜日。結局、朝から晩まで、慶應大学の「政治参加論」授業で提出させた中間レポートの採点作業に没頭してしまった。4問について、それぞれ400字から600字のレポートを求めた。掛ける232人分である。今日一日では無理かなと思ったが、なんとか10時過ぎには見終わった。採点結果のまとめもできた。

 一問ごとに、一応できているのが○、さらによくできているのが◎、そこそこが△、見当はずれが×。×がマイナス1、△がゼロ、○が1、◎が2という点数を配分したら、最低マイナス3点、最高が9点(三重丸があった)という結果であった。WEB上で提出されるので、すべてワープロ打ちであるから読みやすいのだが、変換ミスが多数あるのには、驚くというより、あきれてしまった。書いた後、一度も読み返していないことが歴然としている。これは、講師に対しても礼を失しているし、世の中それでは通らないぜという所業である。このことは、学生諸君にしっかり伝えねばと思う。


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