浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  3月第5週分        

2008.3.31(月)

 3月は今日でおしまい。最終日の走りは、大阪のリーガロイヤル・ホテルからなんば駅までの往復10キロ。走りはじめには小雨だったが、復路では上がっていた。御堂筋を南下したが、桜が見られるコースでなかったのが、ちょっと残念。これで、今月は、19日の走りで、181キロ。二桁の走りが10回あったので、結構距離を稼げた。1月は、88キロ、2月は65キロだったのだから、両方足したより多い。

 ホテルから関西テレビまで乗ったタクシーの年輩の運転手さん。信号待ちで止まっている時に、「芸能人でもない方に、ほんまにすいませんことですが、サインしてもらえますか」と、申し訳なさそうに頼んできた。色紙とペンまで差し出してくる。いやだと言うのも大人気ないので、「運転は命がけより心がけ」といういつもの交通標語を書いて渡した。河上さんとおっしゃるその運転手さんは、自営業から転向してタクシー始めてまだ半年なのだそうだ。そのタクシーが、関西テレビのすぐ近くで、渋滞に巻き込まれた。9時まで来いというのに、9時7分になっていたので、そこから降りて歩いてテレビ局に向かうというおまけもあって、忘れられないタクシー乗車になった。

 年度末である。今日で期限が切れる法律が何本もある。道路特定財源の暫定税率を除く租税特別措置法が、二ヶ月の「つなぎ法案」として可決、成立した。こんな離れ業も、ついぞ聞いたことがない。つながれた法案のほうだって、十分な審議が尽くされたとは思えない。一体、国会審議とは何なのだろうと、まじめに考えれば、いろいろ疑問が湧いてくる。

 夕方には、宮城県からすごいニュースが飛び込んできた。仙台地裁(畑中芳子裁判長)は、「99年度の宮城県警の報償費支出のほとんどは実態のない架空支出とみるのが相当」との判断を示し、個人名で発行されたものを除くすべての領収書などの開示を県警に命じた。私が証人として証言した事案で、仙台市民オンブズマンが情報開示請求をしていた訴訟での判決である。ここまで明確な司法判断が出て、宮城県警はどうするのだろうか。司法判断として、報償費の不正支出が明らかにされたのだから、県警は直ちに、改めて徹底的な内部調査をすべきであると思う。そうでなければ、県民の不信感は広がるし、不信感がある中で、適正な警察活動などできるものではないと思うのだが、どうだろうか。  


2008.3.30(日)

 ANAクラウン・プラザ・ホテル富山で目覚めた朝。神通川の堤防を上流に向かって走り出した。目の前に、雪をかぶった立山(たぶん)連峰が見える。うららかな日が射しているが、気温は低い。走りやすい条件の中で、10キロ。周りの景色に見覚えがある。以前にも走ったコースだったような気がする。

 サンダーバード号で大阪へ。大阪は雨降りである。インタネットの動画配信でチェックしていたら、今日も楽天は快勝。これで4連敗の後、4連勝である。そして、ジャイアンツはヤクルトに開幕3連敗。ヤクルトから4番打者とエースを取った優勝候補の巨人が、最下位候補のヤクルトにこうやってやられてしまう。数の力を誇示していても、いつもそうはいかないぞと言うと、現在の政局を眺めて言っているようだが、それはそれ、これはこれ。  


2008.3.29(土)

 テレビ出演などで、寝不足気味なので、今朝の走りはお休み。だったらゆっくり寝ていればいいものを、7時過ぎには起きてしまうのは、生活習慣というものだろうか。

 午後から、富山へ。ギリギリまで、インターネット配信の動画中継で、楽天対日本ハムの仙台での開幕戦を見ていた。ピッチャーは田中マー君。パソコンの速報で、3連続完投勝ちでの三連勝を確認したのが、羽田空港で富山行きに乗り込む直前だった。時間と関心が楽天の試合にこれだけ取られることになると、ちょっとまずいなと思い始めている。

 富山では、八尾(やつお)町工場協会主催の講演会が、越中八尾観光会館にて。去年の9月3日、おわら風の盆を見るために来たところである。あいにく、小雨で町を流す踊りは見られずに、杉山さんのお宅で見せてもらったことを思い出した。その杉山さんも、今日の会場に来ていらした。今年は、ちゃんとした踊りを見たいので、手配をお願いしてきた。珍しいことだが、講演前に、主催者の方々と会食。生まれて初めて食べたゲンゲの天麩羅が美味だった。  


2008.3.28(金)

 TBSテレビの「朝ズバ」出演の朝は、3:45起きである。腕時計のアラームの小さな音でパッと起きるのが常なのだが、今朝は、気がついたら3:54だった。「気がついたら」と、ちゃんと気がつくところが、自分でも不思議なのだが、それにしても、アラームの音では起きなかったのが、小さなショックである。春眠暁を覚えずでは済まない。ちゃんとした目覚まし時計を買い求めなくてはという気になった。

 その「朝ズバ」は、今日から5:30を15分早めて、5:15の開始。我々コメンテーター陣は、今までどおりのスタジオ入りの時間だが、女性アナウンサー、レポーターたちは、15分早まった。しかも、ディレクターの数が少ない中で、自分たちの判断で放送を作っていく部分が多いとのこと。大変なようだが、同年代の女性から見れば、こんなに責任ある仕事を任されているのはうらやましいのではないか。がんばって欲しい。

 先週がニュースの品不足だとすれば、今週は、盛りだくさん。なんといっても、福田首相が道路特定財源を09年度から一般財源化するという内容の記者会見を行ったニュースが大きい。実際は、松井秀喜選手の結婚のニュースがトップだったのには、やや苦笑。道路特定財源がらみでは、番組の最後に、自民、民主両党の国対幹部が「論戦」をする場面があったが、当然ながら、まったく噛み合わない。一体、いつまで噛み合わない議論になるのだろう。政策というより、政局が優先しているように見える。

 「朝ズバ」は3年前の今日から始まった。丁度その日に、「早ズバ」が始まり、柴田アナウンサーが「卒業」していく。番組終了後、柴田さんとのお別れの場面で、女性アナウンサーたちが泣いているのを見て、こちらももらい泣き。三月は別れの季節である。

 夜は、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」の直前収録に出演。テーマは、地方分権。松沢、東国原の現職知事、猪瀬東京都副知事、根本良一前福島県矢祭町長、神野直彦東京大学教授、片山虎之助前参議院自民幹事長、片山さつき自民党衆議院議員、浅尾慶一郎民主党参議院議員、佐々木恵美子北海道議会議員、相川俊英ダイヤモンド社記者の面々で、司会は田原総一朗さん。3時間は長過ぎるかと思ったが、終わってみたら、あっという間であった。


2008.3.27(木)

 6キロ走るつもりで、鳥山川方面に走り出した。三日見ぬ間の桜かな、川沿いは見事に桜が咲き揃っていた。花見がてら走ってみようということで、3キロ地点を越えて、1キロ、また1キロと走り続けたら、7キロ地点まで来てしまった。このコースでは初めての距離である。これ以上行くと、新幹線に間に合わなくなる。小雨まじりの涼しさの中、一定のリズムに乗ったこともあり、走りやすく、疲れを感じない。最後の1キロは、5分を切るペースで、復路のほうが40秒以上早く、14キロのゴール。

 毎週木曜日の読売テレビ「ミヤネ屋」に出演のため、大阪へ。大阪の桜は、満開には間がある。大阪より北にある東京のほうが桜が早いのは、感覚的には飲み込めない。番組では、岡山駅でのホームから突き落とし殺人事件。加害者、被害者の父親のコメント映像を見て、秋野暢子さんは、涙まじりのコメント。その後は、松井秀喜選手の結婚のニュース。気持ちの切り替えが難しい。続いて、東国原知事、橋下知事のテレビ出演について。「浅野さんが知事の時はどうでしたか」と振られる。4時には、画面が突然切り替わって、福田首相の記者会見。

 その記者会見。09年度から、道路特定財源をやめて一般財源化するというところまで踏み込んだ。大胆な提言である。これで、政府内、自民党内がまとまるのだろうかと危惧するぐらいに大きな転換である。ここまで言われて、民主党が受けないということになったら、新聞社説は「おかしい」と騒ぐだろう。三日見ぬ間に大きく変わるのは、桜だけではない。


2008.3.26(水)

 久しぶりの国道1号線方面へ6キロ。まだペースが少し遅い。

 朝の新幹線で仙台へ。午後から、東北更生保護協会の理事会に出席。この協議会の理事長を宮城県知事就任後すぐに務めていたが、他の仕事が多忙になり、とても継続は無理になった。今日が、私としては最後の理事会となった。刑務所での刑期を終えて社会復帰を果たす人の支援を行うのが保護司の役割であり、更生保護施設はそのための施設である。目立たないが大事な仕事であり、しかもとてもむずかしいもの。知的障害者などの障害者が多数刑務所に入っており、その人たちの出所後の社会復帰のむずかしさは、通常の人の場合の何倍かである。結局は犯罪を繰り返すようになるケースが多い。法務省と厚生労働省の仕事の谷間にある。こういったことも、新しい課題であり、そのことを「遺言」として残して、理事長退任の挨拶とさせていただいた。

 そして、世の中では、理解困難な事件が続出。茨城県土浦市での刃物殺傷事件のショック覚めやらぬうちに、岡山駅での線路突き落とし事件。岡山県庁の職員が犠牲になった。不可解だけではすまない。犯人の心の闇、それを家庭だけでなく、社会がどうやって理解し、受け入れていくか。一人一人が、自分ごととして考えていくべき問題である。

 楽天が対オリックスに11対0、永井の初完封で今季初勝利。いつ勝てるかと思い始めたところだったので、ほっとした。明日の岩隈で連勝を狙いたい。


2008.3.25(火)

 6:45に家を出た頃は、吐く息が白いほどだったが、復路になると気温が上がってきた。鳥山川沿いの桜は、三分咲ほどのものもあるし、まだつぼみのままの木もある状況。この暖かさで、一気に花が開くだろう。そんな春の景色の中を10キロ。往路と復路は、同タイムに近い。これは、身体が回復してきた証拠なのだろうが、復路の疲れ具合は、まだまだである。

 新銀行東京への400億円の追加出資についての都議会委員会の採決を明日に控えて、いろいろ取材を受けている。今朝の朝日新聞に載った都民アンケート調査にも見られるように、納税者の見方はかなり厳しい。「情報を理解せずに答えている」というむきもあるだろうが、情報を的確に出さないのは都側である。都議会が追加出資を認めるのは、都にとっての勝利ということになるのだろうか。「あの時、否決されたほうが、むしろよかった」と都側が振り返ることになるほうの確率が高いと思われる。

 茨城県土浦市のJR荒川沖駅で発生した8人殺傷事件。なんとも悲惨な事件である。次なる殺傷を予告していた犯人であるので、県警としては、そのことについての県民への注意喚起をしておくべきであった。警察の情報囲い込みの本能のようなものが露呈した結果だとすれば、罪は深い。


2008.3.24(月)

 天気予報どおりに雨の朝。おとなしく寝ていればいいのだが、ついつい早めに起きてしまう。ゆったりと朝風呂に入って、一日が始まる。

 福田政権の支持率が24%という記事が新聞に載っている。危機的状況である。一方で、民主党への支持は増えていない。小沢一郎民主党代表への支持は広がっていない。結果を出せない政治。日銀総裁人事、道路特定財源の暫定税率問題、その他。大事なことが、何も進めないように見える。生みの苦しみと見るか、大破局への序奏と見るか。


2008.3.23(日)

 最近通い慣れた鳥山川コースを往復12キロ。今日は、復路のほうが12秒短かった。陽気のいい日曜日ということもあり、堤防にはランナーやウオーカーの姿が多く見られた。ランナーとすれ違う時には、「おはようございます」と声を掛けるのだが、「おはよう」と応じてくれる人はほとんどいない。仙台で走っている時は、ほぼ100パーセントだったのだが。復路では、声をかける気にならなくなってしまった。東京では開花宣言が出たらしいのだが、この堤防沿いの桜はまだ開いていない。桜を見ながらの走りはいつできるか、期待している。

 日曜日は、テレビの報道番組花盛りである。8時からの「サンデーモーニング」は走り終わって、朝風呂に入ってからでも間に合う。その後は、10時からの「サンデープロジェクト」。ここに出た竹中平蔵さんの話がわかりやすかった。つまりは、自分が手がけた郵政民営化と不良債権の処理のように、改革のメッセージが内外ともに伝われば、株式市場だって買いが先行する。今は、その逆に、改革の熱気が感じられないので、外人投資家は「安心して」日本株を売れるという解説であった。我田引水のにおいはするが、言っていることに説得力がある。それにしても、日本の政治の混迷は困ったものである。月並みではあるが、そんな感想を持つ年度末である。  


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