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ジョギング日記 9月第1週分         

2008.9.6(土)

 温度、湿度は高いが、曇り空の朝。ここ数日のような炎天下でなければ、温度、湿度は関係ない。走るのは楽である。三ツ沢方面に10キロ。往路はずっと緩やかな上りだから、復路は楽。それでも、復路のほうが30秒ほど多くかかった。汗でシャツが身体にべったりくっつく。発汗量だけは、この時期、すごいことになる。

 岐阜県の美濃加茂市の市民大学で講演。「人の道を外す人が増えているのはなぜか」というすごいタイトルだが、何を話しても、この命題に関係してくるということにもなる。ということで、政治から、地域づくり、ボランティア論まで、何でも話せる。美濃加茂市は、人口の10パーセントが外国人ということを初めて知った。外国人と共生できる街ということで、これからの日本を先取りするような試みがされているということになる。そんなことを、講演後に、渡辺直由市長と話してみた。


2008.9.5(金)

 TBSテレビ「朝ズバ」出演。4時半に自宅にお迎えの車が来る頃は、世の中はまだ暗い。6月は、もっと前から明るくなっていたのに、今頃は、日の出が5時15分。昼間の暑さは夏だが、朝晩の暗さは、秋の到来である。番組のほうは、自民党総裁選が、どうしても話題の中心になるが、あまり騒ぎ立てて、盛り上げることには躊躇がある。司会のみのもんたさんも、この点は、私とあまり変わりないようである。国政選挙こそが本番で、自民党の総裁選は、しょせん、首相候補の予備選であるのだから。それに、この時期になぜ総裁選をやるような事態に至ったのか、その点の反省も自民党にはなくてはならないはず。こんなことを、これからも、機会があるごとに言い続けなければと思っている。

 福田首相の退陣表明を受けて、厚生労働行政在り方懇談会がどうなるのか、気になっていたが、粛々と続けるということ。それはそうだろうが、今までどおりの情熱を傾けてできるかどうか。委員としての私の立場からも、そして運営する内閣官房にしても、同じことだろう。


2008.9.4(木)

 TBSラジオ5時半からの「生島ヒロシのおはよう一直線」に出演。前回出たのは、6月12日だから、3ヶ月ぶりぐらいである。このぐらい間遠な出演なのに、地方に講演に行った時などには、「生島さんのラジオ、いつも聴いていますから」と声をかけてくる方が、結構いらっしゃる。それだけラジオのインパクトは大きいのだろう。今朝も、さまざまな話題を、次から次へとコメントしていく。生島さんとは息が合った関係なので、全く打ち合わせなしのトークが、流れるように続いていく(と私は思っている)。あっという間に6時半になってしまった。もっとやっていたいなと思うような、楽しい、充実したひととき。いつも思うが、テレビよりラジオのほうが、コミュニケーションとしては優れている。

 番組を終えて、横浜の家に戻っても、まだ7時過ぎである。それから走りにでかけた。時間が足りないというせいもあるが、今朝は4キロ走にとどめておいた。このところ3日間、毎日10キロ走っていたから、疲れもある。実際、上り坂では、脛の筋肉が痛むほどで、疲労物質である乳酸がこの辺にたまっている感じ。まだまだ、軽快な走りには時間を要する。

 大阪に移動して、読売テレビ「ミヤネ屋」出演。加藤登紀子さん、梅沢富美男さんがご一緒。冒頭では、自民党総裁選が話題になる。「あまり、あおるな、お祭り騒ぎにするのに、番組が先棒を担ぐな」ということを強調させてもらった。


2008.9.3(水)

 朝、目覚めが遅かった。走りに出発するのも、したがって、遅くなった。既に太陽はじりじりと熱く照りつけている。そんな中を、横浜浅間町の方まで走っていった。いくらかでも日陰のできるところを選んで走っていったら、生まれて初めての、こんなコースになってしまった。それも楽しからずや。復路では、かなりの発汗になり、ペースをぐんと緩めて10キロ走った。こんなぐらいであごを出していたのでは、113キロを走り切ったエドはるみさんに申し訳が立たない。

 浜松に出かけて、全国労働衛生週間説明会で「元気で働くために」という講演。早めに行って、私の前の説明を聞いていた。会場の半分ほどの人が寝ている感じ。いやな予感がしながら演壇に立ったが、そこから見ている限りでは、寝ている人がほとんどなかった。「この演題で、まず、聴いてもらいたいのが、福田首相ということだったよね」という最初のつかみが受けたせいかもしれない。


2008.9.2(火)

 「8月末豪雨」と名付けられたゲリラ豪雨も一段落。今朝は、早くから日が出て、暑い。その暑い中を菊名方面に10キロ。さすがに、発汗がすごい。いつもより、ゆっくりめのペースを心がけたが、それでも復路は結構きつかった。

 テレビは、朝から、「福田辞任」の報道一色。チャンネルを変えながら、それを見るのも仕事のうち。自民党総裁選は、形式的にも、そして実質的にも、総理大臣選びではない。その後、両院での首班指名選挙が行われて、首相が決まる。今回は特にそうだが、首相選びの予備選である自民党総裁選の段階で、国民全般が熱狂する必要はない。国民全般の中には、マスコミも含まれる。

 安倍晋三前首相は、首相をあんな形で辞めた後も、議員を辞めるでもなく、議員活動を休むでもなく、一人の衆議院議員として、活動をしている。福田さんは、首相を辞めた後どうするのだろう。安倍さんも同じだが、次の衆議院選挙には立候補するのは、首相の辞め方からいって、あり得ないとは思うのだが、どうするのだろう。


2008.9.1(月)

 9月最初の走りは、鳥山川方面へ。今日の鳥山川の水量はいつもと同じだが、土手の草が倒れている状態を見ると、このところの雨で、一時期は2,3メートル高いところまで水が上がったことがわかる。往路で、いつもより、1キロで10−20秒多くかかっている。そんなペースで5キロ。復路は、全体で往路よりも30秒遅れで10キロ走を終えた。発汗がすごい。それなのに、走後の計量では、体重は高値安定である。今月は、着実に走って、内臓脂肪と皮下脂肪、特に前者を減らさなければならない。そういう目標があるのは、いいことではある。

 夜になって、とんでもないニュースが飛び込んできた。民放のテレビを見ていたら、ニュース速報で、「福田首相辞任の意向」と出た。21:30からの福田首相の辞任記者会見の模様は、リアルタイムで見た。他の方と同じように、驚きが最初だが、「なんだ、これ」、「とんでも会見」という気がしてきた。

 会見そのものよりも、こんな時期に、こんな形で辞めるなんて。国民の姿が見えていない会見だった。国民が見えるはずがない。国民によって首相に選ばれたという契機がないのだから。福田康夫首相の個人的な性格の問題に帰してはならない。選ばれ方がすべてという、私の一つ覚えから言っても、ああいう選ばれ方をした首相は、ああいう首相にしかなれず、こういう辞め方をする運命である。

  議会制民主主義の国である一国の首相が辞めるということは、政権を野党に渡すということが憲政の常道なのに、自民党の中で回せると思っているから、危機感なき、ああいう辞め方ができる。今、こういう形で辞めれば、たとえ解散・総選挙を経ても、自民党中心の政権は継続可能だと高をくくっているから、ある意味、気楽に辞められる。

 マラソンにたとえると、フルマラソンを走るための練習を積んでいなかった福田選手が、突然、安倍選手が棄権することになったので、いやいやながらレースに出ることになった。出たからには、がんばろうと一時は思ったけれど、10キロぐらい来たところで、前方に厳しい上り坂が見えてきた。元々、マラソンレースには、出たくて出たのではなく、出さされた選手だから、その上り坂を見て、「もうやめた」となってしまったのではないか。それが、一国の首相のレースかと思うと、悲しくなってくる。あきらめるわけにはいかない。ここで政権交代ができないようでは、日本の政治も終わりとは言わないが、しばらくは脳死状態になるだろう。


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