浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  10月第5週分        

2008.10.31(金)

 今日で10月も終わり。今月の走行日数は16日、距離は137キロ。目標に向かって突き進むというのではないが、なんとか150キロはいきたかった。20キロ以上が2回あったが、それでも目標に到達できないのは、走った日数が足りないから。

 TBSテレビ「朝ズバ」出演。慶応大学の学生が大麻売買で逮捕というニュースについては、早い時間にコメントしたのだが、二回目に扱われた時は、発言の指名がなかったので無言だった。番組ウオッチャーには、「慶応大学教授なのだから、何も言わないのは居心地悪い」と批評された。このウオッチャーは、朝の早い時間帯は見ていないのだな。それにしても、この大麻の件は、大変なことである。この際、学内でほかにも大麻吸引や売買の事例がないのか、徹底的に洗い出すことが必要だろう。そうしてからの出直しである。

 午後から、佐賀県伊万里市へ。福岡空港から、1時間40分かかった。「伊万里浪漫大学」で講演。浪漫大学は、市民ボランティアの手作り企画であり、多くの市民の献身的活動で支えられている。事務局長の田中直記さんに空港まで出迎えいただいた。田中さんは、伊万里市役所OBである。4回分9000円の有料講座であるので、それだけ、聴衆も熱心になる。だから、話すこちらも、気分がいい。講演終了は21:20。それから懇親会。これも盛り上がった。


2008.10.30(水)

 気温が低めなので、長袖シャツを着て走った。昨日と同じようなコースで、少しショートカットをした8キロ。後半は、ぐっとペースを落として走った。

 FMラジオのコメントが、9:09から10分ほど。今朝は、「朝日新聞」の1面に、2兆円の給付金を含む5兆円の緊急経済対策、高速道路料金の引き下げ、そして、5兆円の税収不足の記事が載っていたので、このことについて。税収が不足する中で、5兆円の経済対策を打つ。財源には、埋蔵金の姿もある。景気対策と選挙対策が一緒くたになっている。消費が伸びないのは、将来に不安があるから。社会保障の充実など、安心を保証する方策を打たなければ、不安は解消しない。それと、国の歳出の徹底的削減も不十分である。地方自治体では、職員給与の大幅カットにまで手をつけている。まだまだ、国は甘い。そんなことを話した。

 家を出る直前のラジオ出演なので、バタバタの状況ででかける。忘れ物がないことを瞬時に確認しながら、新横浜駅へと急ぐ。新幹線の中で隣あわせになったのは、アメリカのフロリダ州から夫婦プラス息子と日本旅行に来ている方。整形外科医である。ちょうど、「東洋経済」の「医療崩壊」という特集記事の号を読んでいたので、彼我の医療制度の問題点について意見交換。富士山が見えるのと反対側の席だったので、新富士駅のところで、彼の席に乗り出すようにして、富士山の姿を見ようとしたのが、会話のきっかけだった。その富士山、頂上付近には雲がかかっていたが、なかなかの雄姿であった。

 読売テレビの「ミヤネ屋」出演。局の入り口のところに、若い女性が何人か誰かを待っている。関ジャニの村上信五さんと丸山隆平さんがお目当てだったことが、彼らが「ミヤネ屋」にゲスト出演したことでわかった。二人は、ちょうど私の隣の席に座ったので、いろいろと話すことができた。変なたとえだが、こういうのも、猫に小判というのだろうか。ありがたみが、十分にわかっていないということ。そういえば、藤原紀香さんも一緒だった。ただただ、ゴージャス。言葉もない。


2008.10.29(水)

 6時半過ぎに家を出て、途中までは、昨日と同じコースを走ってみた。昨日は、新横浜通りから、環状道路に入っていったが、今日は、そのまま新横浜通りを走った。ちょうど5キロ行ったあたりが、国道1号線コースで5キロ近くでたどり着くあたり。そのコースを逆にたどって、戻ってきた。大回りの9キロコースとなった。これも初物。新しい地名を見ながら走るのも、一興である。

 帰宅して朝食を摂ったあたりで、テレビ朝日の取材が自宅までやってきた。向こうから来てくださるのは、楽ではある。秋田県のある市で、合併特例債を使って、豪華な総合施設を作ることの是非について。一般論としては、今の流行からははずれる。合併特例債に頼ってしまう例。この施設を作ることによって、この市の住民(納税者)の税金がいくらかでも上がるというシステムになっていれば、また別な判断があったかもしれない。ついでのようであるが、新銀行東京への400億円の追加出資を行う際に、「都民税がその分だけ上がりますよ」という仕組みがあったら、少なくとも、都民の関心は飛躍的に高まったであろう。

 慶応大学SFCで「政策法務論」の授業。先週、先々週に、「後期高齢者医療制度」と「千葉県障害者差別撤廃条例」について、現場からの説明を受けたが、今日はそれらに関しての学生によるディスカッション。限られた時間、限られた情報の中で、なかなか、内容のある議論をしていたことに、私自身が驚かされた。

 マラソンの高橋尚子選手が引退。会見の様子がテレビで流れていた。36歳という年齢を聞いて、引退には納得である。あんなに極限まで自分を追い込んでの練習を続けていれば、身体もぼろぼろになるだろうし、精神も燃え尽きてしまう。私のように、ランニングは楽しんでやるのが、本筋ではないだろうか。だから、私のランニングに、「引退」はない。


2008.10.28(火)

 紋別で走った時に、スペシャルオリンピックス日本・北海道の渡部章会長に、ジョギングシューズをいただいて、オホーツク海を見ながら走った。今朝は、そのシューズを履いて走ってみたら、なんだか調子がいい。いつもの1キロ、2キロで、それぞれ20秒ぐらいずつ速い。シューズのせいなのか、このいい天気のせいなのか。新横浜のところから、環状線に入るという初めてのコース。とてもいいコースである。いつの間にか、5キロ、往復10キロ走ってしまった。走った後も、疲れもなく、気持ちがいい。

 慶応大学SFCでの授業。3時限の「地方自治論」には、大阪府高石市の阪口伸六市長がゲストとしておいでいただいた。5時限の「マスコミ像の解剖」では、日テレイベンツ、日テレ学院の石川牧子さんがゲスト。いずれも、現場の迫力が伝わってくる話で、学生も感銘を受けていた。


2008.10.27(月)

 8:09新横浜駅発の日程がきつくて、今朝の走りは断念。新幹線に4時間近く乗って、広島駅へ。いい天気である。新富士駅付近では、久しぶりに富士山の雄姿が眺められた。感動である。他の乗客で、ブラインドを下ろしていたり、眠っていたり、新聞に没頭していたりで、この素晴らしい富士山の姿を見ようとしない人がいるのは、なんとも理解できない。見るのは、無料だよ。感動しないのかな。関心がないのかな。

 新幹線の車内で原稿を一つ仕上げた。パソコンの蓄電池が、以前は、4時間近くもったのに、最近は1時間半で切れてしまう。蓄電池を買い換える時期か。バッテリーが切れて、「これで仕事はしたくても、できないな」と安心することが多くなった。

 広島では、株式会社ミウラの創立55周年での記念講演。企業の不祥事と危機管理という、55周年を祝うには、あまり似つかわしくない演題であったが、熱心に聴いていただいたのがうれしい。地道に55年の歴史を積み上げていく企業、そして長い付き合いの顧客の方々。金融工学の衣装をまとったマネーゲームに狂奔する会社とは、まったく異質な存在である。

 株価は、26年ぶりの安値の7162円。1982年なんて、はるか歴史の彼方という気がしていたが、その時の水準と同じとは。そして、円の独歩高。ここを何とか乗り越えなければならない。


2008.10.26(日)

 紋別市のセントラルホテルで目覚めた朝。外を見たら、海の上には太陽が出ている。前日に妻からは、「寒いんだから、走っちゃだめ」と言われ、ジョギング用品をそもそも持ってきていない。前日の式典で、アスリートの山内朋美さん、長尾淳一さんから、「一緒に走りたい」とのリクエストを受けていた。アスリートにお願いされたら、走らないわけには、いかない。昨晩のうちに、スペシャルオリンピックス日本・北海道会長の渡部章さんに、ジョギング用品の調達をお願いしておいたら、朝、ホテルに届けていただいた。

 ということで、7時発でホテルから「カニの爪」まで。渡部さん、山内さん、長尾さん、久保絵莉香さんとお兄さん、それに志村健一さんが一緒。左側にオホーツク海が見える。右側の山に虹がかかっていた。アスリートは、どのぐらいのペースで走れるのか、ちょっと心配だったが、私のいつものペース、つまり1キロ6分ペースで確実に先頭を走ってくれた。「カニの爪」は、その形をした巨大なモニュメント。そこまでが、3キロ。復路は、海岸沿いを走って、ホテルに戻る6キロを、とても幸せな気分で走った。ただ、妻には、「走った」と言おうか、それとも・・・・と迷いつつ、海を見ていたら、「うそーつくかい」という言葉が浮かんできた。どこかで、オヤジギャグとして使いそうな気がする。

 昼過ぎの帰りの便までの時間は、渡部章会長の案内で、マイナス20℃を体験できる流氷館や生きたアザラシを触れるところに行った。昼飯は、流氷番屋体験ということで、オホーツク海の海岸に復元された三室番屋というところでごちそうになった。三室番屋復活プロジェクト事務局長の木下正裕さんご夫妻の手によるお料理は、胸に沁みた。腹にも沁みた。

 忘れがたい思い出を残した一泊二日の紋別行きであった。今度は、流氷のこすれるキュッ、キュッという音を聴きながらの三室番屋の夜があってもいいかなと考えている。


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