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ジョギング日記 11月第3週分         

2008.1115(土)

 読売テレビ「ウエークアップ」出演。竹中平蔵、片山善博両氏も一緒。慶応大学教授が三人そろった。もう一人のコメンテーターの伊勢桃代さんも慶応大学出身。定額給付金、淀川水系のダム休止問題、市町村合併と、いずれも、地方分権がらみ。片山氏の毒舌、正論が冴えた。竹中氏も一緒になって、現政権の批判合戦の様相も。

 新大阪から新幹線を乗り継いで、郡山まで。奥羽大学歯学部同窓会30周年記念式典での記念講演。いつもの1時間半ではなく、1時間だったので、急ぎ足。それでも、熱心に聴いていただいた。今朝から、50年ぶりで歯が痛くなったのだが、歯学部での講演の機会と無関係だとは思えない。


2008.1114(金)

 TBSテレビ「朝ズバ」出演。横浜の家を4時半に出る時、見上げた空には満月が煌々と照っていた。番組では、定額給付金問題などが取り上げられた。「8時またぎ」のゲストに自民党の後藤田正純議員、民主党の原口一博議員が登場して、この問題を討議するのだが、これが討議にならない。攻める原口議員に対する守る後藤田議員のほうも、「これはおかしい」といったことを連発するので、守り役がいない。それだけ、とんでも施策ということだろう。私は、麻生首相が、「地域ごとに違うのも、地方分権だからいい」といった発言に、改めて怒りのコメントをしておいた。その麻生首相の漢字読み間違えも、格好の話題。一国の宰相の知的水準まで疑われるよう漢字能力が、これだけ、あけっぴろげに話題になり、一般国民までもが知るところとなるというのは、笑って済む問題ではない。もっと深刻な問題点を抱えていることに、多くの人が気づいていくだろう。

 番組を終えて、いつもの反省会にも出ずに、まっすぐ東京駅へ。広島市での講演会に向かう。「地方が変われば、日本が変わる」という演題だが、国の状況がこんなふうだと、ほんとに地方のほうから変わっていかないといけないと、ますます思う。そのためには、地方も、国頼みのような傾向から、早く脱しないといけない。


2008.1113(木)

 定額給付金をめぐって、政府・与党が迷走している。内容もさることながら、所得制限をするかどうかを実施する市町村の判断に任すとしてしまったのが、なんとも理解に苦しむ。そのことを問われた麻生首相が「いいんじゃないですか、地方分権ですから」と答えたのには、思わず、耳を疑った。こんなことを地方分権と呼ぶのでは、地方分権に人格があったら、真っ赤になって怒るだろう。そんなことを東京新聞から取材があったので、答えておいた。それにしても、この混乱は、尋常ではない。

 その麻生首相の漢字「読み間違え」が話題になっている。頻繁を「はんざつ」、踏襲を「ふしゅう」、未曾有を「みぞゆう」、詳細を「ようさい」。これは読み間違えではなくて、覚え間違いだろう。そばにいる秘書官が、気がついたら、なんとかすべきだろう。それにしても、この間違えぶりは、尋常ではない。

 昨日の「厚生労働行政在り方懇談会」での奥田座長の「テレビが批判ばかりしているのでは、スポンサー降りる」の発言が、朝刊各紙で取り上げられた。テレビの報道ぶりは、見ていない。懇談会の場でも私から申し上げたのだが、「スポンサー降りる」は言い過ぎだと思う。兵庫県の井戸知事の「関東大震災はチャンス」発言は、謝罪し、撤回を口にしたが、他人事ではない。私も、知事時代に、地震に関して失言をしている。すぐに間違いに気がついて謝罪、取り消しをしたが、そのスピード感は大事だと思う、


2008.11.12(水)

 今日は、少しでも走るべき日だったのだが、休養か、トレーニングかで迷っているうちに、チャンスを逃してしまった。

  慶応大学SFCでの授業は、「政策法務論」のみ。ゲストに、潟tルキャスト会長の平野岳史さんにおいでいただいた。平野さんとは、宮城県営球場のネーミングライツの件で知り合いになった。「フルキャストスタジアム宮城」となる権利、つまり、ネーミングライツを高額で契約していただいた。宮城県にとって、楽天ゴールデンイーグルスにとって、恩人の一人である。労働者派遣法の改正案で、日雇い派遣が禁止されることについて、反対の立場でのご意見をお聞かせいただいた。それに先立って、どうやって会社を立ち上げたのかの経験談があったが、学生も興味深く聞いていたが、私も同じであった。

  夜は、首相官邸で、第4回の「厚生労働行政在り方懇談会」に出席。十分議論しているとはいえない中で、「論点整理」のペーパーを基にした議論があった。毎度ながら、私も、いろいろ発言させてもらった。見直しの「目玉」がどうなるか、そのことが一番気になる。


2008.11.11(火)

 今日ぐらいは、ぜひとも走っておかなければならないという思いで、4キロだけ走った。だいたい、1キロ5'45"ペースぐらい。最後の1キロは、5'15ぐらいだから、ペーストしては速い。

 今日の慶応大学SFCでの4時限「地方分権と福祉政策」の研究会には、東京大学先端科学研究センターの福島智さんが、指点字の方お二人と一緒に、ゲストとしておいでいただいた。私が知事時代に東大の先端研を訪れてお会いしたのが最初の出会い。私が主宰していた霞ヶ関の若手勉強会のゲストとしてお招きしたのが二回目で、今日はそれ以来である。9歳で視力を失い、18歳で聴覚を失った福島さんの経験は、想像もつかないほど過酷なものである。そういった部分よりも、福島さんの明るさと頭脳明晰さ、そして、人生への前向きさの印象のほうが強かった。というのは、学生も同じだったろう。何よりも、指点字を媒介にして、健常者と同じようなスピードでコミュニケーションが成立するのに、ただただ驚いてしまったということ。授業後の学生からのコメントでは、そのことがほとんどの学生が感じていた。私にとっても、忘れられない授業になった。

 授業後は、東京駅近くで開催の会に駆けつけた。慶応大学SFCでの私の同僚である清水浩教授と一緒に東北大学工学部を昭和45年に卒業した仲間の会に、どういうわけか、私も招かれてしまった。清水教授とは、学校は違うが、仙台の英語塾で6年間一緒だった仲。仙台二高で同期の小野寺正KDDI会長も同席。なかなか、うるさくて、楽しい会であった。


2008.11.10(月)

 ホテルニューオータニ博多で目覚めた朝。大濠公園まで3キロ、大濠公園の池の周りを2キロの計8キロ。このコースは、これで10回ぐらい走っているだろうか。暑い時が多かったような気がするが、今朝は、適度に涼しくて走りやすかった。大濠公園では、たくさんの人が、ランニングやウオーキングを楽しんでいた。とてもいい環境であり、福岡の人の健康志向にも感心しながら走っていた。

 ホテルのすぐ向かいの電気ビルで、福岡5法人会共催の講演会。戦後すぐに建ったというこのビルは、来年初めには取り壊しになるらしい。そんな歴史的建造物で話をさせてもらうのは、光栄である。  追加経済対策の一環である定額給付金の内容で、政府内でもめている。所得制限をつければ、膨大な事務量になり、市町村はお手上げだろう。高額所得者にも配るとなると、バラマキの批判が伴う。だから、「自主的に」受け取り辞退をしろという案が有力とのこと。我が家は、辞退をすることになるのだろうか。こんな制度はあるのだろうか。個人的な感情ではない。なんだかすっきりしない。


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