浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  7月第3週分        

2010.7.17(土)

 梅雨明け、夏本番を実感させるような太陽の輝きの中で、今朝の散歩は決行された。朝から気温が高いが、日陰を歩いていて、風があると、気持ちがいいぐらいの気候である。距離を増やそうと思ったが、夏の暑さに慣れる期間をとらなければならないと思い直した。しばらくは、散歩は朝夕20分間という線でいきたい。夕方の散歩は、暑さがおさまった19時過ぎから。風もかなり吹いていて、暑さは気にならない。盛夏の散歩は、なかなかむずかしいものである。

 世の中は、今日から3連休であるが、自宅療養中の身には、関係がない。そもそも「毎日が日曜日」であり、曜日の感覚がない。自宅での療養という仕事を、一日の休みもなく続けていると考えることもできる。そう考えたほうが前向きであり、生活に張りがでてくる。実際、一日、一日を無事にこなしていくことが、治療の実績のようなものととらえている。

 鏡に映る自分の姿を改めて観察してみる。頭の毛は、昨年6月に入院して抗がん剤治療が始まったところから、一気に抜けて、不毛地帯と化した。その後、抗がん剤を休んでいる期間に髪の毛は少し生え戻ったが、その後の放射線治療で再び無毛状態になった。今は、髪の毛が、後頭部から始まって前のほうに生え戻りつつある。まだまだ往時のふさふさにはほど遠い。 完全に戻るのには、あと半年ぐらいかかるかもしれない。どんな髪質で戻ってくるか、楽しみにしている。


2010.7.16(金)

 今朝の散歩は、今までとは違って、真夏の太陽を浴びながらであった。散歩のコースは、住宅街の狭い道路であるので、日陰が多い。日陰からはずれたところでは、ギラギラ太陽に照らされる。これこそが真夏の散歩というところである。

 小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる政治資金規正法違反事件で、2007年分の収支報告書への虚偽記載容疑に関して小沢氏を不起訴とした東京地検特捜部の処分について、東京第1検察審査会は8日付で、再捜査を求める「不起訴不当」を議決したことが報道されている。参議院選挙の話題で、しばらく忘れられていた事案であるが、まだ決着はついていない。

 政治資金規正法違反で小沢一郎氏の法的責任が問えるかどうかは、この際、小さなことかもしれない。政治家としての小沢一郎氏の適格性が問題にされるべきである。だとすれば、5億円もの資金がどうやって作られたのか、何に使われたのかを問うことのほうが重要である。特に、どうやって作られたのかがポイントだろう。となれば、地元岩手県を中心とした公共事業の受注に小沢事務所はどう関わっていたのか、解散した政党の政党助成金の剰余はどのように始末されたのかが調査される必要がある。

 こういったことも含めて、小沢氏の口から、きちんとした説明がなされる必要がある。国会の場で証言することもやぶさかではないとされていたのが、うやむやになっている。当の小沢氏は、参議院選挙以来、「雲隠れ」という状態だという。やはり、変だなと感じてしまう。


2010.7.15(木)

 空には青空が覗いて見える。お日様は雲で隠されている。風は心地いいぐらいの強さで吹いている。今朝7時の横浜はこんな感じだった。そんな中を、往復20分の散歩を楽しんでいた。そろそろ、片道11分に増やしてもいい頃だろう。梅雨明けが近い。暑さが本格的になってくると、朝夕でも、今のような涼しい状況は期待できない。散歩するには暑過ぎる状況になることが心配である。せっかく習慣化した散歩の日課を中断したくない。

 味覚障害は完全に治って、今は、何を食べてもおいしく感じられる。快眠、快食、快便と言いたいところだが、快眠だけは少し問題ありである。寝に就いてから、ひんぱんに小用で起きるので、眠りが浅くなっている。一晩に4回ほど小用に起きるというのは、普通ではない。今に始まったことではなく、昨年6月に入院した時から、こんな状態がずっと続いている。一日2000ccの水分の摂取を続けているので、それも関係しているのかもしれない。

 免疫力が落ちているので、感染症が怖い。人ごみに出られない、人に会うことも、極力避けている。刺身、お寿司、生卵といった生ものは、食べてはならないリストに残っている。味覚障害がなくなったので、たまには外食でおいしいもの(といっても、ラーメンといったもの)を食べたいのだが、まだそこまではいけない。免疫抑制剤は止められたが、ステロイドの服用は続いている。これが止められるようになった頃が、外食オーケーの時点ではないかと思う。その日を楽しみに、今は、がまんの時である。


2010.7.14(水)

 日中は暑い日だったが、朝、夕は涼しい。散歩をするには、暑すぎない。今日も、朝と夕、きっちり歩かせてもらった。

 日本振興銀行の木村剛前会長が銀行法違反(検査忌避)容疑で逮捕された。既存の金融機関では不十分な中小企業の振興のための金融を行うという目的で設立された銀行である。木村前会長は、日銀出身で、竹中金融大臣のスタッフとして、不良債権問題の解決など、金融機関のあるべき姿を求めて、大きな力を発揮していた。この頃が、彼の絶頂期であったのかもしれない。

  自分の経歴と能力からいって、自信満々で日本振興銀行の設立に突き進んだ。周りからは反対もあったし、慎重論も出ただろう。しかし、先駆者は周りの声を無視してでも、信念に従って進んでいくものである。木村氏の場合、先駆者としての「選ばれた者の恍惚と不安」の中で、恍惚のほうにアクセントを置きながらの行動だったのではないか。

 先駆者につきものの、いろいろな障害がある。失敗するリスクも大きい。今回の検査忌避に至る経過の中で、日本振興銀行の業績が上がらなかったということがあった。これも、あり得る障害である。その時に、いっしょになって心配し、力を貸してくれる勢力と、「それ見たことか」と冷ややかに眺める勢力とがある。どちらが多くなるかは、どうも先駆者たる個人の資質というか、人望によるところが大きいような気がする。

 今回の事件がどのような進展を見せるのかは、今のところ不明である。不明の中ではあるが、いかなる事業においても、それを担う人間の資質というものが、いかに大事なものであるかを示唆しているような気がする。


2010.7.13(火)

 降りそで降らない空もようの中で、散歩にでかけたが、ポツンポツンとやってきたところで戻ってきた。いつもは10分行って戻ってくるのだが、今朝は7分地点から戻った。完全に中止してしまうよりは、散歩の日課は少しでも継続することが大事という気持ちがある。

 先日取材があったフジテレビの人が、「追加取材」にや


ってきた。自宅療養中の日常生活の様子をもっと撮りたいということで、私は読書をしているところ、妻は料理をしているところが対象となった。取材はこれで終わり。夕方のスーパーニュースの時間に10分ぐらい放送されるのだが、いつになるかは未定。

2010.7.12(月)

 毎週月曜日の外来受診の日。検査結果は、問題なし。自覚症状としては、顔、頭、両肩、胸の上部のGVHDによる発疹。かゆみがある。そろそろ、ステロイド剤のプレドニンの服用量をさらに減らすか止めるかの時期なのだが、皮膚のGVHDが残っているので、しばらく今までの量でいくことにされた。偶数日2錠(10mg)、奇数日1錠(5mg)を続けるということ。

 毎回、薬の服薬については、少しずつ変更がある。今回は、細菌対応で肺炎予防のバクターを止める、骨粗しょう症予防のアクトネルを止める、コレステロール値を下げるリピトールを1錠から2錠に増やすことなどである。皮膚のかゆみ止めとして、ポララミンも処方してもらった。これは、必要な時だけ飲めばいい。腎臓の働きの指標であるクレアチニンの値がこのところ上昇傾向で、今回は1.2mg(正常上限1.1mg)であった。薬の影響による部分が大きい。薬の影響は、腎臓だけでなく、肝臓などへも影響があるので、なるべく薬は少なくしたいのだが、この辺のさじ加減がむずかしい。

 参議院議員選挙から一夜明けて、民主党大敗の政局がどうなるかの話題が新聞でもテレビでも目一杯報じられている。ごく個人的な感想であるが、日本としても大事なこの時期に、首相をまたまた取り替えるとか、民主党内で内紛が起こるとか、そういった混乱は見たくない。直近の衆議院議員選挙で多数を取った政党の政権は、参議院議員選挙の結果でどうこうされるものではないはずである。そうでなければ、政治の安定性など、あったものではない。粛々と政策実現ができるような環境こそが、今大事なことではないだろうか。


20107.11(日)

 7時から散歩。曇っているので、暑さを感じない。梅雨明けになれば、こうはいかないだろう。梅雨明けが待ち遠しくもあり、長引いて欲しくもある。

 参議院議員選挙の投票日。近くの神橋小学校に妻、娘とともに投票に行く。午前中の10時半ごろの時間帯なので、年配というか年寄りの姿が多い。投票所はどちらかというと閑散としている。でも、なんのかんの言っても、こうやって整然と投票が行われ、明日の朝には、誰も文句をつけられない結果を出すという選挙のシステム、文化は、それだけでも貴重なものである。

 夜には、テレビ各局とも、20時ごろから開票速報が始まった。民主党が50議席にも届かないという見方が早い時期に伝えられた。大敗と言えるほどの結果かもしれない。


以前のジョギング日記はこちらから



TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org
5