2010.7.24(土)
霞ヶ関の各省では、今が人事の季節である。古巣の厚生労働省の人事の中で、雇用均等・児童家庭局長の伊岐典子さんが独立行政法人の研究職に異動になったことが、新聞でも取り上げられている。これが降格人事であり、朝日新聞記事によれば、子ども手当担当だった伊岐局長が、子ども手当の支給をめぐって長妻厚生労働大臣の不興を買ったことが背景にあるとのこと。
これまでの政権では、ほとんどの大臣が省内でリーダーシップを発揮せず、官僚の言うがままになっていたことが批判されていた。その主たる原因は、大臣在任期間があまりに短いために、省内人事にまで関わることができなかったことに求められる。ひとつの伝統として、省内人事に大臣の介入は許さないという、官僚側の対応もあった。
それが変わりつつある。今回の厚生労働省の人事では、長妻大臣の意向がかなり反映されているのだろう。その象徴が、特定の局長の降格人事である。大臣が人事を仕切るのは、大臣のリーダーシップ発揮のためには、絶対必要なことであるので、そのことは評価していい。問題は、個々の人事が適切かどうかである。「在日外国人の子ども手当支給問題で大臣の怒りに触れた」という見方が周辺から指摘されているということだが、そういった形の人事がいいかどうか、微妙なところである。
省内で大臣に対する反発も出るであろうが、結果としては、大臣の存在感を大きくする効果はある。人事を握らなければ、大臣のリーダーシップは限られたものになってしまう。大事なことは、そのリーダーシップが適切に発揮されることである。民主党政権にとっては、この面においても、早い時期に習熟して欲しい。
2010.7.23(金)
今朝の散歩も暑さ対応で、いつもの半分の往復10分にとどめた。夕方の散歩は中止。それにしても、ひどい暑さが長く続くものである。散歩の時以外は、終日冷房の効いた自宅にこもっている身ではあるが、外を歩いている人を見ると、同情を禁じえない。
新聞の人事の記事を見ていたら、福嶋浩彦さんが消費者庁長官になるということが目に付いた。福嶋さんは、私が宮城県知事をしているのと同じ頃に、千葉県の我孫子市長を務めていた。市民目線の丁寧な行政を行っており、地方自治のあり方についても一家言のある方であった。いろいろなシンポジウムにパネラーとして参加してもらう機会が多かった。その意味では、同志というか仲間という感覚で接していた方である。
その福嶋さんが消費者庁のトップとなる。民主党政権も、なかなか味なことをやるものだと感心するとともに、福嶋さんの活躍を心から願うところである。福嶋さんに限らず、私の知事当時の仲間が、今は自治体トップの座を離れて、別なところで活躍をしている。まだ社会復帰できていない私としては、切歯扼腕というところもないではないが、陰ながら応援したいと思っている。
2010.7.22(木)
暑さもある。今日が外来診察日ということもある。そういう特別な事情により、今朝の散歩は休止。夕方の散歩も、酷暑のため休止した。昨日の夕方は、いつもの半分の10分間の散歩にとどめた。このように、臨機応変でやっていくのが、長続きの秘訣である。
毎週月曜日が外来診察の日ということでやってきたが、今週の月曜日は海の記念日だったので、今日が診察ということになった。全体として順調に推移しているというのが、田野崎医師のコメントである。CTで肺炎の回復状況を見たが、ほぼ全快ということ。まずは安心。ステロイド剤であるプレドニンを一日2錠、一日おきに服用するということで、さらに量を減らすことになった。抗菌剤のバクターをやめて、その代わりに一月に一回、吸引をすることにした。その吸引15分を今日実行した。この調子で進んでいってくれれば、展望は開ける。散歩はがんばり過ぎないように、皮膚の発疹は、掻かないようにとの注意もいただいた。
今日もめちゃくちゃ暑い日。外来ででかけた以外は、冷房の効いた自宅にいるので、身体で実感することはないが、それでも酷暑ということはわかる。日本は熱帯に分類される気候になったのかもしれない。
2010.7.21(水)
暑い、暑い。猛暑がやってきた。昨日は、全国各地で熱中症の被害が続出した。朝の散歩も容易ではない。7時前なのに、もう暑さが襲来している。今朝は風もなく、太陽の力も強く、日陰でないところでは熱射を浴びる。散歩の時間を早めて5時ごろにすればいいのだろうが、そうもいかない。
こういう暑い日には、夕方になるとビールを飲みたくなるのが、病気になる前の私だった。しかし、病気になってからは、ビールを飲みたいという気が起きない。アルコール全般について、同様に、飲む気がしない。実際に、去年の5月26日に飲んだのが最後で、それから1年2ヶ月もノー・アルコールが続いている。完治したら、少しは飲んでみようと思っているが、昔のように飲むことは、これからはあるまいと思う。
羽田空港の第四滑走路が10月にオープンするということで、新規に羽田から世界13都市への直行便が開設される予定である。成田空港がありながら、羽田空港でも国際線に本格的に参入することになる。国内線の50路線が羽田空港に集中しているので、成田空港を尻目に、羽田空港のハブ空港化が進む。
これはこれでひとつの前進であるが、これまでの日本の航空行政は確たる戦略もなく、赤字の空港を一県一空港とでも言える勢いで作り続けてきた。今年開港の茨城空港の惨状はその象徴であり、静岡空港も開港前からの懸念どおり、路線は限定的である。
国際的にも、上海、香港、仁川、シンガポール空港などがハブ空港化しているのに、成田も羽田もその後塵を拝している状況は、航空行政の失敗と評価せざるを得ない。今回の羽田空港の国際線の拡張は、この失敗からの立ち直りの始まりである。ぜひとも、巻き返しをしてもらいたい。港湾についても、同様の問題があるが、今日は書かない。
2010.7.20(火)
朝6時半に散歩に出発。すでにこの時点で真夏の太陽は熱波を地上に送っている。まだ太陽の位置が低いので、住宅街の中では日陰が多くて救われるが、これがむき出しの日なただと暑さに参ってしまうところである。距離を伸ばすことはせずに、20分の散歩にとどめる。
昨日のフジテレビのスーパーニュースで、私の闘病の状況を見たという人たちから電話やメールが相次いだ。今のところ7人だが、事前にお知らせしていなかったのに、結構な数の人が見ているものだと、改めて感心した。元気に自宅療養を続けているところを映像で見て、皆さん安心したようである。
来年度予算をどうするか。民主党が概算要求基準を定めたようだが、前途多難である。ふくらみ続ける歳出需要の中で、どうやって予算の縮減を図るのか、その方策が見えない。各省間の調整が必要となる事項が多いのに、その調整が機能する目処が立たない。ねじれ国会で、政治の混迷は深まるばかりであり、首相が思い切ったリーダーシップを発揮する余地が少ない。
こういった課題の中で、財政の健全化はどうしてもやり遂げなければならない。まだまだ試運転中のような民主党政権が、きちんとやり遂げられるかどうか。わが国の将来に関わることなので、単に期待するだけでは済まない。死に物狂いでやってもらわなければならない状況である。そんなときに、小沢一郎氏がどう動くかなどといったことに、気を取られている余裕はないはずである。
2010.7.19(月)
海の記念日で祝日。数ある祝日の中では、知名度が低いものではないか。もともとは7月20日であったが、ハッピーマンデイとかいった方式で、月曜日があてられている。したがって、年によって日が違ってくる。なぜ7月20日が海の記念日なのか。以前に聞いたことがあったが、忘れてしまった。
本格的な夏がやってきて、海水浴も大盛況である。その影響もあって、海での事故で命を落とす人が多数出ている。海の記念日は、こんな事故を想定してはいない。むしろ、海での事故を防ぐための記念日として、位置づけるほうがいいのではないかと思ってしまう。
弁護士になっても、働き口がない。そういった事例が、司法試験制度の改正を契機に増加している。法律の知識だけでなく、広く教養を積んで、バランスのとれた法曹人を養成しようということで、法科大学院が設置された。法科大学院を出れば7割以上は司法試験に合格するという触れ込みで改革案はスタートした。現実には、3割を割る状況になり、法科大学院の格差は広がり、司法試験への予備校化もささやかれている。「こんなはずではなかった」というのは、改正にあたった人たちの感慨だろうが、振り回された学生のほうは、それだけでは済まされない。私の人生、どうしてくれるのと起こっている人も少なくないだろう。
制度を作る、制度を改正するにあたっては、先を見通して、きっちりとしたシュミレーションもしながら、後顧に憂いない制度設計をすべきである。理想論だけでは、いけない。司法試験改革にあたって、十分な検討がなされたのか。現実を見ていると、とてもそうは言えないことは明らかではないだろうか。
以前に、私のATLの闘病のことについて、フジテレビのスーパーニュースで取材を受けた。その放映がいつになるかわからなかったのだが、今日の昼に「放映は今日です」と知らされた。
スーパーニュースの中で、18時前の時間帯で10分ほどのVTRとしてまとめられていた。なかなか上手に伝えられている。私のことを心配している人たちには、この画面をみていただければ、ある程度安心していただけるのではないかと思っているが、なにせ放映日が知らされたのが今日なので、このことをお知らせする暇がなかった。
2010.7.18(日)
本格的な夏の到来で、日差しが強い。気温が高い。そんな中でも、朝夕の散歩はきっちりと続けている。無理はしないが、安易な妥協はしない。続けることに意義がある。今のところ、早歩きにもなっていない普通の散歩ペースであるが、いずれはジョギングペースに引き上げることが目標ではある。散歩とジョギングでは、使う筋肉がかなり違う。今の散歩では、限られた部位の筋肉が鍛えられているだけで、ジョギングをする際に必要な筋肉は衰えたままだと考えられる。あせらず、あわてずに、目標に向かって地道に進んでいきたい。
臓器移植法の改正がなされた。事前に書面による同意がない人も、家族の同意によりドナーになり得るとか、15歳未満の子どももドナーになれるといったことで、今までよりも臓器移植がやりやすくなる方向には一歩踏み出している。脳死からの臓器提供には、わが国では厳しい条件がつけられていたために、臓器提供の例が少なかったことを改善したいということが改正の趣旨である。
臓器移植が国内で受けられないために、外国に行かざるを得なかった患者にとっては、朗報である。海外での臓器移植の自粛を求めるWHOの指針もある。今回の改正で臓器移植は格段に進むかといえば、そうは簡単にいかない心配もある。医療機関側の体制整備が十分でないという問題をどう解決するか。
一方、臓器を提供する側の課題も完全には解決されていない。脳死の定義の問題や、臓器提供に至るまでに、十分な治療がなされたのかの確認の問題も、十分に解決されなければならない。
それにしても、臓器移植により、これまでの医療では助けることのできなかった命が救える道が開けた。私の病気の場合は、骨髄移植であるが、これによって治療の道が開けた。医療の進歩に加えて、骨髄を提供してくださるドナーのおかげである。多くの人の協力によって成り立っている。そのありがたさを認識しながら、多くの患者が骨髄移植の恩恵を受けられるようにするために、私としても微力を尽くしたい。
以前のジョギング日記はこちらから
|