2011.2.19(土)
NHK教育テレビ 暖かくなるのを待って、昼過ぎから散歩を9分+9分。日が出ていないので、ポカポカとはいかないが、そんな中、それなりに楽しいウォークであった。
新聞のテレビ欄にあったNHK教育テレビのETV特集の「" 死刑囚裁判"の現場 検事と死刑囚の44年」というタイトルに誘われて、1時間半の番組を見た。昨年の5月に放送されたものの再放送である。途中からは、妻と司法修習中の娘も加わった。「捜査検事に届いた9通の手紙」とサブタイトルにあるように、死刑判決で裁判が確定した後に、捜査にあたった検事宛に拘置所から死刑囚の年賀状が届く。それに検事が返事を出し、二人の間に手紙が交わされることになる。自分が取り調べをし、起訴した検事が、その死刑囚の心情を知るにしたがって、「こんな人を死刑にすることの意味はなんなのだろう」と真剣に考え込むことになる。44年前のことである。死刑は執行される。検事は、その後、検事として、一度は死刑執行の現場を見る必要性を実感し、死刑執行の立ち合いを希望しする。その経験の後には、「死刑とは何か」ということをさらに問い詰めるようになる。その検事とは、元最高検察庁検事の土本武司氏である。検察の立場と一人の人間の立場、その中で、深く悩む姿が、番組ではきっちりと描かれている。
いろいろなことを考えさせられる。その意味では、非常にいい番組である。たまたま、司法修習中の次女が見ることができたのは、幸運だった。死刑というのは、軽々しく論じられるものではない。実際に死刑執行の場面に立ち会ったとしたら、死刑についての考え方も変わるのではないか。この番組を見た後には、裁判員が死刑判決に関わることは、絶対にやめるべきだと思ってしまう。検事でさえ、これほど思い詰めるのだから、素人の裁判員には耐えられない葛藤を生じさせるし、死刑判決を下した後、ずっと思いを引きずっていくだろう。それにしても、NHK教育テレビには、いい番組がたくさんある。くだらない、見るにたえない(と言いながら、ついつい時間つぶしに見てしまうこともあるが)番組が多い中で、NHK教育テレビの存在は大きい。
今日の読書は、「しゃべれども しゃべれども」佐藤多佳子著(新潮文庫) 同じ作者の「黄色い目の魚」も読んで面白かった。昨日の「永遠の0(ゼロ)」は、結構重い作品だったし、今日のテレビ番組も重いテーマを扱っていた。「しゃべれども しゃべれども」は、しゃべりに難点がある三人に落語を教える若い落語家の話。「言葉にできないもどかしさと不器用な恋が描かれている」(裏表紙の解説から)。まじめな小説であるが、比較的軽めであり、読後感もすっきりである。
2011.2.18(金)
「耳の穴かっぽじって」とはならず
朝方、久しぶりに雨が降っている。風も強そうだ。5時から起きて、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」を聴き、電話での番組出演に備えていた。私の出番は6時過ぎと聞いていたが、実際には、6時15分だった。生島さんとのやりとりで、政局の話をしたが、民主党内のごたごたは、あえて避けて、今こそ国会が法律づくり(Law Maker)の役割を果たすべきであることを、「子ども手当法案」を例に力説した。時間が限られているので、尻切れトンボになってしまったのが残念。スタジオには、宮城第6区選出の自民党衆議院議員の小野寺正典さんがいて、彼とも電話越しにやりとりした。もう15年も前、私が知事で、小野寺さんは議員になる前の時期に、気仙沼市(小野寺さん、生島さんの出身地)の大島での「つばきマラソン」(ハーフマラソン)で初めて「対決」した。小野寺さんが議員になってからも、毎年4月に開催される大会で何度も走ったが、戦績は五分五分だったような気がする。
昼に8分+8分の散歩をしたあと、横浜労災病院の耳鼻科の外来受診へ。がんセンターでの放射線治療の影響で、鼓膜に垢が貼りついている。去年の9月、12月受診の際には、機械で垢を取り除いたが、その時の痛さを思い出す。今日の診察では、また垢がたまっているが、鼓膜を痛めるので、今回は取り出しはしないと鈴木医師から言われた。鼓膜に貼りついた垢のせいで、聞こえは少し悪くなっているが、それを改善するために鼓膜を痛めては元も子もない。「何年かかかるかもしれません」と鈴木医師は付け加える。「エーっ、何年も?」と内心思ったが、私の病気の影響、病気の治療の影響は、これに限らず、何年も続くものだろうと、改めて納得した。しばし、聞こえが悪いのは、がまんしないといけない。
「永遠の0(ゼロ)」百田尚樹著(講談社文庫)を読む。帯には「僕は号泣するのを懸命に歯を喰いしばってこらえた。が、ダメだった」という児玉清氏の文章が載っている。私は号泣まではいかなかったが、途中何回か、最後のほうではとめどなく、涙が出るのを抑えることができなかった。タイトルの「0(ゼロ)」は、当時、世界最強の戦闘機である「零戦―ゼロ式戦闘機」のことである。太平洋戦争中の抜群の戦闘機乗りである宮部久蔵(架空の人物)の戦友を訪ねて、彼らに宮部がいかに人間味あふれるすばらしい人物であったかを語らせる。戦争の悲惨さ、おろかさ、その中にあって、毅然とした人生を全うする宮部の姿に、心洗われる思いがする。実に久しぶりに、いい小説を読んだという満足感にひたっている。児玉清さんの賛辞は、もっともである。
2011.2.17(木)
「♪みんな夢の中♪」
慶応大学SFCの教員合同会議に向かってキャンパスを歩いているうちに、雨が降ってきた。雨に濡れた髪を整えようと鏡に向かったら、なんと、髪がふさふさと生えてきている。合同会議に出たら、昨夜、歓迎会をしてくれた何人かの教授たちに「浅野さん、一晩で髪が戻ったんだね」と驚かれた・・・という夢を見た。夢から覚めて、「ひょっとして」と頭をなでたら、寝る前と同じく薄毛状態だった。深層心理に「髪よ生えてきてくれ」というのがあるから、こんな夢を見るのだろう。
夢を見るだけ、睡眠が足りているということもある。昨夜は、9時過ぎにはベッドに入っていた。腹筋50回終えて、CD(至福の歌謡曲 夢の時代 ビクター編)を聴きながら、いつしか眠りに入る。しばらくして、毎晩のことだが、トイレに起きる。夜中に3回は起きるので、そこで睡眠は中断し、その後のうつらうつら状態の時に夢を見るらしい。家族以外の誰に会うでなし、どこに行くでなしの生活では、「こんなことがありました。あんなこともありました」風の日記は書けない。だから、夢のことでも、日記に書いてしまうことになる。
今日の散歩は、8分+8分。日の光はないが、気温が高いので、寒くはない。歩き終えて疲れもない。こんな調子で続けていければいいなと思う。毎週木曜日は、がんセンターで外来受診の日だったが、今回初めて、二週間おきになった。一週一回検査結果を得て、診察を受けることで、安心するというパターンが続いていた。特に、今不安があるわけではない。来週の受診でどうなっているか、むしろ楽しみである。
鳩山前首相の「方便発言」が沖縄県民だけでなく、各界、各層の憤激を買っている。そもそも、簡単にできもしないことを「やります」と決意表明をしたから、追い込まれてしまった。恋人に「必ず君と結婚するから、Trust Me」と調子よく言っておいて、「ママがこの結婚に反対で、やはり結婚できない」と「ママの反対」を方便に使い、恋人を裏切ってしまう。このたとえ話に登場するのは、しょうもない男だが、実際には、「Trust Me」が一国の首相から一国の大統領に対して発せられた言葉であるのだから、とてつもなく重い意味を持つ。この「Trust Me」が食言になった時点で、わが身を恥じて、鳩山氏は謹慎していなければならない。政治がらみのことを、ぺらぺらしゃべっている資格はない。表舞台に立たず、ひっそりとしているべきである。そういう背景があって、今回の「方便発言」があることを、我々としても深く考えなければならない。鳩山氏は、今も、夢の中を漂っているのだろうか。
2011.2.16(水)
鳩山前首相の発言
いい天気、温かい気温に誘われて、散歩に出た。7分×7分。この距離と時間には、だいたい慣れた。歩いた後、筋肉が痛くなるということはない。先日降った雪が、道端のあちこちに残っている。しばらくぶりで見る風景である。雪は残っていても、陽射しは春のもの。夕方、日が落ちる時間がだいぶ遅くなった。一日、一日、春の足音がが近づいてくる。
18(金)の朝、久しぶりにTBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」に電話出演する。出番は6時過ぎになるだろう。ラジオだからということもあるが、あまり気を遣わずにしゃべることができる。一民間人でもあるし・・・。気を遣ってしゃべって欲しいのは、前総理大臣という肩書きの人である。鳩山由紀夫前首相は、沖縄タイムスのインタビューで、普天間基地の沖縄県外移転が難しい理由として、「在沖縄米海兵隊の抑止力」を挙げたのは、「方便かと言われれば、そのとおり」と答えたらしい。今日の衆議院予算委員会で、北澤防衛大臣が「(鳩山発言は)人生の中でも1,2を争う衝撃的なことだった」と述べていた。鳩山首相は去ったが、残された菅政権にどれだけのダメージを与えたか。こういう方にも党員資格停止という処分が必要なのではないだろうか。
2011.2.15(火)
八百長疑惑・小沢問題
昨夜から今朝にかけて降った雪が、ここ横浜でも積もっている。札幌に住んでいた25年前には、夜の間に何十センチも雪が積もり、早起きをして雪かきをするのが、私の役目だった。本来なら、今日の雪かきは、私がするところだが、療養中の身としては、そうもいかない。隣のUさんのご主人が、我が家の前の道の雪かきをやってくれた。このご近所は、80歳代、90歳代の高齢者が多いところで、今日のように雪が降ると、雪かき役がいないのが困る。Uさん、今日は、済みませんでした。散歩をしない理由はいくらでもある。今日の雪では、下が滑るから。
大相撲八百長問題。身内の調査をしても、新たな八百長疑惑は出てこない。八百長をやること自体は、犯罪ではない。無罪である。相撲協会としての「処分」も決めかねている。本人たちが八百長の存在を否定しても、関係者の間では、「うわさとしては、聞いたことがある。関与している人のことも知っている」という話が絶えない。「今に始まったことでない、昔からあるものだ」とも言われている。八百長は、犯罪ではないとしても、スポーツとして見ている観客の期待を裏切るものだし、「国技」の名を汚すものである。大相撲関係者としては、真実を明らかにして、過去と断ち切り、再出発すべきものである。
小沢一郎元民主党代表の「処分」が、やっと決まりそうである。党員資格停止は、「ガチンコ」で決めたというには軽過ぎる処分であるが、これでも民主党内に反発はある。政治資金規正法違反で強制起訴されたが、検察による起訴は見送られた経緯から見て、裁判では無罪になる可能性が高い。小沢氏本人は、「一点の曇りもない」と言っているが、お金の問題については、「うわさとしては、聞いたことがある、昔からあるようだ」という話は、政界の常識としてささやかれている。政治資金規正法違反については、刑事罰としては無罪であったとしても、裏金疑惑については、真実が明らかになっていない。政治家とカネの問題については、国民の関心も高まっているし、司法の場だけで解決されるものではない。国会の政治倫理審査会への出席も拒んでいる小沢氏の姿勢は、国民の期待を裏切るものである。むしろ、国会の場で小沢氏みずから真実を明らかにし、必要があれば、過去と断ち切り、再出発すべきものである。
2011.2.14(月)
お年玉つき年賀はがき
散歩するつもりだったが、寒さのため、今日は中止。「寒さ」の定義について、そして、今日の寒さの程度について、妻と若干の議論が交わされた後の結論である。基本的には、無理はしない主義なので、中止は正しい判断である。これでいい。散歩代替の室内リハビリは、その気になれずに、少しさぼってしまった。
お年玉つき年賀はがきのチェックを思い立って、今日やってみた。4等賞のお年玉切手シートが10本当たっていただけで、1等、2等、3等にはかすりもしない。はがきの番号をチェックしながら、こんなのどうせ当たるはずがないと思ってしまうが、必ず、当選者はいるのである。私がHTLV-1ウイルスに感染していると知った時、「感染者の中で、ATLが発症するのは5%、そのうち、急性化するのは2%」と聞かされた。急性化する確率は、0.1%ということだから、宝くじに当たるようなものだと高をくくっていたのを思い出す。結果は、その0.1%に当たってしまった。繰り返すが、宝くじも、お年玉つき年賀はがきも、必ず、当選者はいるのである。
2011.2.13(日)
日曜日の過ごし方
朝の体重測定で、57.4kgを記録した。着実に増えつつある。このレヴェルが多過ぎるのか、まだ増えていいのか、その辺がわからない。自分としては、このぐらいが動きやすいし、適正なような気がしている。日の光が暖かそうだったので、しばらくぶりで散歩に出た。7分×7分。厚いジャンバーを着込んで、毛糸の帽子にマスクと手袋で万全の寒さ対策。コンビニ強盗に間違えられるスタイルである。歩いている私の脇を、ジョガーが追い抜いていく。ランニングシャツに短パン姿である。「元気だなあ」と感心してしまう。
「文藝春秋」に載っていた「数独」なるものをやってみたら、これが病みつきになってしまった。ネットで、練習問題を公開しているので、いくらでも問題には事欠かない。でも、もうやめよう。他のことがまるっきりできなくなる。
以前のジョギング日記はこちらから
|