浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 5月第1週分          

2011.5.7(土)

正しい判断、まちがった判断   

 朝から天気がよくない。昨日、はしかの生ワクチンを接種した。今日ぐらいは安静に。ということで、散歩もせずに、一日家の中にいた。昼間の楽天のゲームは、ただいま最下位の西武相手に完敗。どうしようもなく打てない。鉄平と岩村に当たりは出てきたが、ルイーズは相変わらずどうにもならない。大事な場面で三振、凡打。討ち取られ方が、悪過ぎる。もうお引取りいただいたらどうだろうか。星野監督は、我慢強いのか、こんな選手を使い続けている。その狙いがわからない。まちがった判断だと私は思う。

 菅首相が、浜岡原発のすべての原子炉の運転停止を中部電力に要請した。要請に法的拘束力はないが、中部電力としても受け容れるしかないだろう。この時期の運転停止要請には、「唐突である」などの批判はあるが、浜岡原発が最も危険な原発というのは、国民の間でも、広く理解されている。菅首相の判断の狙いはわかる。妥当な判断だと私は思う。ここで終わりではない。原発全体について、これからどうするか。国民的議論をどう展開するか。それが課題である。

 大学の授業再開に向けての準備をしていた。「政策協働論」の履修希望者が、今日現在で、239名であることを確認した。教室は定員196名である。あらかじめ、200人の履修制限をかけている。選抜をすることになるか、それとも、少し水増しで希望者全員受け入れとするか。教室のスペースが足りなくなる。初日の授業に、実際に何人の学生がやってくるかわからないが、立ち見が出るようだと、教室変更も必要になってくる。2年間の休職後の復帰だから、私の授業の履修希望者はそれほどの数にならないだろうと思っていたのだが、うれしい悲鳴というか。ちょっと困った。判断をまちがったかも。こんなことを考えていると、授業復帰が現実のものになってくる感じで、気持ちが高ぶってくる。


2011.5.6(金)

医科研ではしかワクチン   

 はしかのワクチンの接種に、白金台の東大医科研附属病院へ。はしかが、東京・横浜で大流行ということを知って、どうしようかと思い悩んでいた。田野崎医師に相談したら、「やったほうがいいでしょう」ということだったので、近所の医院でお願いしようと思い、電話で尋ねたら、結構めんどうだった。大人用のワクチンがないので、取り寄せるのに1週間かかる。これはどこも同じ。「なぜ大人なのにはしかの予防接種をするのか」と訊かれ、「骨髄移植で免疫がなくなっているからです」と答えると、「主治医の診断書がないと、予防接種はできません」と言われたところもある。それなら、私の病気のこともよく知っている医科研で受けようということで、今日のワクチン接種になった。

 1年半ぶりの医科研である。入院の際に主治医だった大野伸広医師に注射をしてもらった。入院の際に最初に説明を受け、以後、ずっと関わっていただいた内丸薫医師にも、お会いすることができた。さらに、入院していた病棟を訪ねて、お世話になった看護師さんの吉松さん、蓑手さんにも、ごあいさつした。入院は、それほど楽しい思いをしたのではないのだが、久しぶりの医科研は、なつかしい場所ではあった。なつかしい顔にも出会えてよかった。予防接種も無事にできて、これもよかった。


2011.5.5(木)

こどもの日   

 夜中に目覚めたら、2:56だった。NHKラジオの「ラジオ深夜便」の「にっぽんの歌こころの歌」が始まる時間にぴったりなので、ラジオをつけた。一曲目は「荒城の月」、歌うのは舟木一夫。それから、「どじょっこ ふなっこ」(森繁久弥)、「月の砂漠」(森繁久弥)、「砂山」(美空ひばり)、「春の小川」(美空ひばり)、「こんにちは赤ちゃん」(梓みちよ)、「赤ちゃんは王様だ」(フランク永井)、「ずいずいずっころばし」(石川さゆり)、「花嫁人形」(石川さゆり)、「こいのぼり」(太田裕美)、「夕焼け小焼け」(太田裕美)まで続いた。途中で眠ってしまわずに、全部聴いた。この選曲はなんだろう。そうだ、今日はこどもの日で、それにちなんだ曲だ。太田裕美は(??)だけど、みんな歌のうまい人ばかり。太田裕美の「夕焼け小焼け」も悪くなかった。美空ひばりの「春の小川」は驚きだった。日本には、皆が知っていて、長く歌い継がれる童謡や叙情歌が、こんなにたくさんある。今日は、多彩な歌手により、それらが歌われた。満足して、再び、眠りに就いた。ちょっと残念だったのは、曲を紹介する男性アンカーが、とちったり、詰まったり。ちゃんと予習してから出て来いよと言いたくなる。

 朝一番で、近所の美容院で髪をカットしてもらう。放射線治療の置き土産で、髪がいったん抜けたが、その後、ゆっくりと生え始めている。少ない、短い、薄い状況は、まだ変わらないが、それでもちゃんとカットしないと、あまりにだらしなく見える。5月10日の初授業には、あまりみっともない様子でもいけないので、今日の美容院行きとなった。「めでたさも 中ぐらいなり おらが髪」とまではいったかな。

 楽天が久しぶりに勝った。ソフトバンクを相手に4対0。4連敗を免れた。プロ初登板の新人塩見が、6回4安打無失点で初勝利。これからも、先発で使える逸材だ。抑えの青山も無難な投球だし、締めのサンチェスの速球は見事。投手陣が充実しているので、これからも、なんとか戦っていけるだろう。


2011.5.4(水)

尊い犠牲が   

 午前中に、散歩10分+10分。ゆっくり、ゆっくりを心がけて歩いた。帰り道で、ゆっくりジョギングをする人とすれ違った。一人ならず二人も。これがスロージョグだろう。生島ヒロシさんもやっているらしい。それを聞いて、「生島さんはスロージョグ、俺はシロージョグ」と言い返したこともある。今の私は、スロージョグもまだできるレベルではない。筋肉の回復だけでなく、心肺機能も十分には戻っていない。ジョギングまでたどり着くには、もう少し時間がかかる。

 昨夜、テレビ朝日の「みんなの家庭の医学GW特別企画」を見た。途中からだが、これが興味深い。声がかすれるのを気にして、医者に診てもらった男性が「風邪でしょう」と診断された。その男性が別な医療機関で「名医」の診断(セカンドオピニオン)を求めたら、なんと、胸部大動脈瘤と診断された。急遽手術で動脈瘤を取り除き、命を取り止めた。耳鳴りが気になっていた男性が、上司に顔のゆがみ(あごのずれ)を指摘され、病院にかかってMRIを撮ったら、なんとなんと、脳にソフトボール大の腫瘍がみつかった。「手術は不可能」と言われたが、他病院の名医を紹介されて、その名医たちによる14時間に及ぶ大手術の末に、腫瘍が取り出された。男性は、今は自宅でリハビリ中という。頭蓋骨を開いて、耳のところをはずし、腫瘍を取り巻く骨を削り、はずし、脳をどかして腫瘍を取り出す様子を画面で再現していたが、なんともすごい手術である。名医にめぐり合うことが、命の分かれ目だなということと、ちょっとした身体の異変も見逃さず、早めに診察を受ける大切さを実感した。民放でも、いい番組をやるもんだ。そのことにも感心した。

 宮城県南三陸町を大津波が襲った時、庁舎から「津波が襲ってきます。すぐに高台に避難してください」という災害放送を続け、津波に流された遠藤未希さんの遺体がみつかった。遠藤さんは、南三陸町の危機管理課の職員として、津波が襲う最後の瞬間まで災害放送をやめなかった。放送を聞いた住民は、高台に避難して、多くの人命が救われた。24歳の若さ、昨年結婚したばかりで、幸せの絶頂だった遠藤さんが、自分の命と引き換えに住民の命を救ったのである。大震災の中で、こんな立派な女性がいたことは、いつまでも忘れてはならないこととして、語り継がれることだろう。


2011.5.3(火)

ベガルタ仙台の快進撃   

 ぐずぐずしているうちに、散歩に出る機会を逸してしまった。どうも、やる気がないのではないか。それで無意識に、機会を避けているのかもしれない。肉体的に負担になっているとすれば、もう少しゆったりの散歩に切り替えないといけない。そんな反省をこめつつ、何もしない一日が暮れる。

 午前中に原稿を一つ書いて、午後は楽天の負け試合をテレビ観戦していただけだから、「何もしない」に近い一日。ベガルタ仙台が3連勝で首位に立った。こんなに強いチームだったかな。「被災地のために」の思いがここまで押し上げたのだろうか。


2011.5.2(月)

不安材料がここにも    

 連休の谷間の月曜日。この日を休みにしている企業もあるし、勝手に休みにして、7連休ないし10連休にしている人もいる。当方は、毎日が日曜日の生活だから、そんなことは関係なく休日である。日中は暑さを感じるほどの陽気で、散歩もウインドブレーカーなし。そうそう、1週間ぶりに10分+10分の散歩をした。久しぶりのせいもあり、こんな程度でも少し疲れた。暑さで汗が出た。

 オスマ・ビンラディンが米国の手によって殺された。深夜のホワイトハウスの前で、そのニュースに歓声をあげるアメリカ国民。これは戦争の遂行なのだろうか、司法手続き抜きの死刑執行なのだろうか、単なる殺人なのだろうか。憎しみが憎しみを呼んで、さらなるテロ攻撃がされない保証はない。わが日本も、とばっちりを受けることはないのだろうか。原発事故による不安に加えての新たなる不安。

 不安といえば、0111の食中毒により、幼い子どもが二人なくなったこと。腸管出血性大腸菌という名前は、0157事件の時に散々聞いたが、今回の食中毒の原因となった0111も同様の病原菌である。生の牛肉であるユッケを焼肉店で食べた子が犠牲になった。ユッケは、私の好物でもあるのだが、免疫力が低下する病気を患ったあとでは、今後もう食べる機会はないだろう。不安は遠ざけるに限る。

 昨日のNHK教育テレビの「ETV特集」への反響が、メールや電話で多数寄せられた。村木厚子さんの言葉に感動したというのが多い。ついでに私の言葉にも。いい企画であり、編集もとても上手だったから、見ている人の感動を呼んだのだろう。出演させてもらった立場からは、結果にとても満足している。

 今日は、同じNHK教育テレビの「福祉ネットワーク」に生出演。生出演といっても、我が家の応接間からの中継での出演である。岩手県陸前高田市のグループホームで生活していた知的障害者が、グループホームを津波で流された後、どう生活を再建していったらいいか、その状況を考える番組である。私のコメントは、中継による音声の時間差もあり、なんとなくやりにくかった。でも、NHK教育テレビは、時宜を得たいい番組を作るものだと、今回も感心させられた。


2011.5.1(日)

自画自賛    

 今日から5月。風薫る5月であるが、その風が強すぎて、散歩は中止。この程度の風はしょっちゅうなんだから、これで中止なら、散歩は習慣として根付かないとは思いつつ。

 散歩の代わりに昼寝したというのも、どうも変だけど、本来散歩する時間帯はベッドの上でCDを聴いていた。そのCDというのは、菅原知代子さんが作成してくださったもので、昨日、2BEATのなっちゃん経由で届いた17枚の中の1枚である。菅原さんは、ご主人が広い意味での私の「病友」ということで知り合った方だが、お二人ともまだお会いしたことはない。メールのやりとりをしているうちに、彼女がエルヴィスファンだということを知り、「シローと夢トーク」のテープをお貸しした。番組をとても気に入っていただき、「もっとたくさんのテープを2BEATのなっちゃんが持っているよ」と教えてあげたら、2BEATにご主人と一緒に通い、テープを多量に手に入れ、それをCD化してくださった。1枚のCDに「シローと夢トーク」の番組3回分が収録されている。それを聴いたが、前にも書いたけど、これがとても面白い。自分の番組をテープにしたものをCD化してもらっての「逆輸入」、そのCDで自分の番組を聴いて、「面白い」というのだから、我田引水というのか、自画自賛というのか。能天気というのが、正しい表現かもしれない。能天気で過ごす日曜の午後だった。

 自画自賛といえば、今夜10時からのNHK教育テレビの「ETV特集」は面白かった。私と村木厚子さんの対談を中心とした番組なのだから、これは自画自賛というより、番組制作にあたった大野兼司さんをほめていると受け取るのが正しい。材料をうまく料理して、わかりやすい、興味深い番組に仕立ててくれた。大野さん、Good Jobだよ。


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