浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 7月第3週分          

2011.7.16(土)

体質が変わる?   

 朝の検温で36.6℃。なんとなく身体にだるさがあり、今朝の散歩は中止とした。無理しないことが長続きの秘訣。両腕と胸の発疹は、場所を変えつつ、なくならない。かゆいところを掻いてしまうと、発疹が大きく赤くなり、2,3日消えない。がまんして掻かないでいると、いつの間にか発疹は消えていくのだが、かゆみとの勝負には、常に負け続けている。

 12日(火)に慶応大学SFCの授業で出かけて以来、家族以外、誰にも会わない。散歩の際は、マスクで口の周りを覆う。髭剃りをしないで済む生活である。口の周りにもできもの様のものができているので、髭剃りで刺激したくない。ということで、ずっと髭剃りをしていない。よく観察すると、髭の生え方が、今までと違っているのに気づく。骨髄移植で、ドナーさんの血液幹細胞が私の血液をそっくり変えてしまった。この髭の生え方は、ひょっとして、ドナーさんのものではないかと疑っている。そんなことが、医学的にあり得るのかどうか、わからないが、血液型がB型からドナーさんの型に変わったほどなのだから、体質も変わっていいのではないか。そう言えば、在任9日で辞任した松本龍前復興担当大臣は「B型で短絡的なところがあって・・・」と言い訳していた。B型から変わった私は、短絡的でなくなったのだろうか。


2011.7.15(金)

散歩の敵、紫外線と散乱ごみ   

 朝から陽射しが強い。散歩は、日蔭を選んで歩くので、いつもと違うコースを辿る。日が当たるのは、全部足しても20m以内。このコースだと、今の身体に害になる紫外線を避けることができて、「安全な」散歩が担保される。散歩の途次に通過するごみの集積場所は、ほぼ例外なく、カラスの乱暴狼藉のせいでごみが散乱している。マスクをして歩いているが、健康上、こういった場所も回避しなければならない。カラスに腹が立つし、ごみをカラスから守れない出し方をする住民にも文句を言いたい。

 菅首相が、一昨日の記者会見で披露した「脱原発方針」について、「あれは自分の私的な思いを述べたもの」と今朝の閣僚懇談会で、菅首相自身が釈明したという。首相が大々的に記者会見まで開いて説明した、大事な政策方針が、「私的な思い」だとはどういうことだろう。枝野幸男官房長官、中野寛成国家公安委員長、野田佳彦財務大臣が、記者会見などで、「あれは政府方針ではない」と述べているのに迎合したのだろうか。この期に及んで、重要政策を発表し、すぐに、「あれは私的な思い」と弁明する。そのどこに、非常時のリーダーの資質を見るだろうか。辞める前の置き土産などという発想だとしたら、許されることではない。


2011.7.14(木)

支持率12.5%の政権   

 今朝は6時過ぎからの散歩。陽射しは強くないが、湿気が高い。風もなく、あまり爽やかな歩きとはいえない。そんな中、10分+10分の散歩を終えた。

 散歩を終えて、すぐに飛び込んできたニュースは、なでしこジャパンがスウェーデンを3対1で破って、決勝進出を決めたというもの。「日本時間で14日の試合」というのは知っていたのだが、テレビ中継は見逃してしまった。今日は、どこのチャンネルに回しても、この試合の再現ばかりで、シュートのシーンは何回見たことだろう。それにしても、快挙である。久しぶりの明るいニュースである。

 明るいニュースと言えないのは、菅首相の支持率の低下である。7月7日―10日に実施した時事通信の世論調査の結果は、支持率が12.5%、不支持率71.2%である。この支持率を見るまでもなく、政権の末期症状は明らかなのだから、ふつうは自ら辞任を決断するものである。問題は、菅首相がふつうでないことにある。

 昨日、菅首相は、原発政策について記者会見を行った。退任まぢかの首相が、エネルギー政策についての大きな方針転換を発表することが、ふつうではない。しかも、政権内で熟議された内容でもない。その内容も、具体性がない。相変わらずの、思いつき、タイミングの悪さ、熟議なしという三拍子そろった「政策発表」である。その記者会見で、私が気になった発言は、「私はこの問題で、解散するとか、しないとか、そんなことは一切考えていない」というものである。「解散することは考えていない」とは言っていない。「するとか、しないとか、考えていない」というのは、「解散については、白紙です」という意味なのだから、本来、記者からおっかけ質問があってしかるべき発言である。政界の常識では、人事と解散時期については、嘘を言ってもいいということらしいから、まあ、こんな発言の真意はどうかといった穿鑿は、どうせ無意味ではあるのだが。


2011.7.13(水)

ここにも同病の方が   

 この暑さ続きでは、日中の散歩は無理である。今朝、6時半ごろから、初めての早朝散歩をした。日蔭のところを歩くと、風も爽やかに吹き抜けて、涼しい中での散歩となる。久しぶりの散歩で、まずは7分+7分で再開というところ。

 「夢らいん」を通じてのメールを横浜のSさんからいただいた。この日記をチェックしていらっしゃる方で、私の耳のことを心配してくださった。Sさんも、私と同じような耳の症状だったらしいが、鼓膜に貼り付いているのは耳垢ではなくて、外耳真珠腫という診断を最近受けたとのこと。「外耳真珠腫」をネットで調べたら、鼓膜が凹むと、そこに耳垢がたまって、それが真珠腫というものになる。片耳に症状が出るらしいが、私の場合、両耳症状なので、違うかもしれない。「真珠」というのは、炎症を起こしていない耳垢が白い色をしていて、それが真珠に見立てられているから。名前はみやびやかだが、聴力低下という悪さをする真珠である。

 驚いたことに、Sさんは、8年前にATLを発症して、妹さんから末梢血幹細胞移植を受けて回復したということだから、私の「病友」である。耳の症状も似ている。不思議な縁である。日記を公開していると、こういう「出会い」が何度もある。

 次回の「政策協働論」のレジュメを作成。次回が、実質的に今学期最後の授業である。その次の回は、試験に充てている。履修学生が、みんな、とても熱心で楽しい授業だったので、終わるのが寂しい。そんな思いで、最後のレジュメを作成していた。


2011.7.12(火)

   

 陽射しが強い。真夏の暑さの一日。そんな中、午前中の「政策協働論」の授業出席者は、97名であった。前回は130名、その前は144名だったので、激減である。暑さのせいなのか、学期末の気の緩みなのか。そんなメンバーで、この授業では最初にして最後のグループ討議をやった。7グループに分かれて、原発・エネルギー政策4グループ、大震災対策3グループが、政府の立場、福島県知事の立場、被災者の立場などになって、どう考えるかという討議である。討議時間は、45分しかないし、むずかしい問題だから、大混乱になるだろうという予想に反して、とてもいい議論をしてくれた。いい意味で期待を裏切ってくれた。

 午後からの福祉ゼミでは、9人の学生に、今学期のレポートに何を書くかの事前発表をやってもらった。発表する学生の隣に私が立って、学生が発言できないでいるのに対して、質問やら助言やらやっているうちに、なんとか考えがまとまっていくようである。今学期のこれまでの10回の授業を受けただけで、適切な問題意識を持てというのは、厳しい要求だと知りつつ、学生のやる気に期待したい。

 「シローと夢トーク」の出来上がりCDが、SENDAIラジオ3の佐藤研さんから送られてきた。放送は、7月18日(月)13:30−14:00であるが、放送に先立って、聴くことができた。DJ部分を録音したものを佐藤研さんに送って、それに曲をかぶせて研さんが編集してくれたものである。研さんからは「今回は、声がかすれている」と聞いていたが、実際に聴いてみると、そのとおりで、私のDJの声はかすれていて元気がなさそうである。「被災地励まし特集」として作った番組なのに、これでは元気づけにならないのではないかと心配してしまう。


2011.7.11(月)

思いつき政策の末路    

 8日(金)に横浜労災病院の耳鼻咽喉科の鈴木貴裕医師の診察・治療を受けた後、右耳の痛みがひどくなり、聴こえもほぼゼロになった。今朝、一番で労災病院の耳鼻科外来にこの状況を電話で伝えたら、すぐに外来受診に来て欲しいと言われた。病院へはタクシー利用だが、乗り降りの際にちょっと外に出るだけで、真夏の太陽が肌を刺す。そういえば、関東地方も梅雨明けだった。鈴木医師に再び診てもらった結果、右耳が少し傷ついて、出血もしているとのこと。少し時間が経てば、回復するだろうということで、応急の消毒液を処方してもらった。時間が解決してくれることを信じて、しばしの不自由を忍ぶことにしよう。

 被災から4ヶ月が過ぎた。原発のストレステストの扱いについての政府統一見解なるものが示された。再稼動準備の整った原発の限界までの余裕度を確認する1次評価と、全原発を対象に総合的に調べる2次評価とに分けて、評価を実施するということらしい。統一見解についてどうこう言うつもりはない。しかし、今頃統一見解かよ、とは言いたい。ふつうは、「ストレステストを実施する」という政府の方針を出すにあたって、事前に、関係閣僚と意思疎通を図るものである。この件に限らず、政府部内で十分に議論去れないで提案される政策が多過ぎる。これを巷では、思いつきと称する。政策が、いかに良さげに見えても、それが熟議を経て示されたものか、そうでないのかによって、国民に受け入れられるか、政策として実施できるかの分かれ道になる。思いつきの政策の末路を見よ。高速道路無料化政策、高校授業料無償化政策、子ども手当て政策、農家個別所得保障政策は過去形。消費税引き上げは未来形。いずれも、民主党内の熟議を経て提案されたものとは思えない。だから、「末路」という言い方になるが、提案どおりの結果に至らないと予測させてもらう。


2011.7.10(日)

菅さん、もう限界ですよ(再)    

 今日も暑い暑い一日。一歩も外に出ないで過ごした。このところの暑さで、散歩は休んでいる。どこにも出かけずに、読書したり、楽天の負け試合をテレビ観戦したり、菅原知代子さんから送られた「シローと夢トーク」のCDを聴いたりで、日曜日らしく時間を過ごした。私から送った録音テープが、2BEATのなっちゃんから菅原さんに渡り、菅原さんの手でCD化されたものを、私が逆輸入した。自分の番組だが、いつ聴いてもいい番組だと自画自賛している。おととい受けた治療の後遺症で、右耳の聴力がほとんどゼロになっている。だから、ステレオの曲がモノラルにしか聴こえない。片目で見ると、立体感がなくなると同じ原理である。明日、この状況を横浜労災病院の鈴木医師に報告しなければならない。聴力がこのまま戻らないで、この後の人生を過ごす運命なのだろうか。いずれ、自然に聴力は元に戻るとは、期待しているのだが。

 6時TBS「時事放談」、7時半フジテレビ「新報道2001」、8時TBS「サンデーモーニング」、12時テレビ朝日「スクランブル」、全部見たが、全部が原発対応での菅内閣の迷走を槍玉にあげていた。論調は、そろって、「菅さん、もう限界ですよ」である。新聞に目を転ずると、日経新聞の一面「迷走原発再稼動」(下)では、「エネルギー政策翻弄、首相自ら政争の具に」という記事がある。その記事の中で、特に私の目を引いたのが、企業の自家発電の状況を報告に来た松永和夫経産次官と細野哲弘資源エネルギー庁長官に対して、菅首相が「調べ直せ!」と追い返したという部分である。企業の自家発電設備をフル稼働すれば、脱原発による電力不足は補えるという「仮説」を裏切るような数字だったからという。「まだそんなことをやっているのか」というのが、私の感慨である。「自家発電の利用」という誰かの入れ知恵による思いつきを政策と思い込むこと、そして、次官と長官という官僚トップを怒鳴りあげること。これは悪い癖というより、罪深いことである。だから官僚が使いこなせない。もう悟ってもいいはずだが、まだこんな状態。これでは、どうしようもない。菅さん、もう限界ですよ。


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