浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 2月第2週分          

2012.2.11(土)

朋あり、仙台より来る  

 建国記念の日の祝日。昼前に散歩8分54秒+9分10秒。半端が出ているのは、散歩コースの途中にある郵便ポストに手紙6通を出したところから戻ってきたから。メールという楽な手段があるのに、手紙を書くのは、メールでは心がこもらないとの思い込みがあるから。

 昼過ぎに、「鳥よし」(022-223-5356)の横田良一さんと栗田成子さんが仙台からやってきた。仙台時代に、毎週水曜日19時半から20時まで、地元のFMラジオ3で「シローと夢トーク」のDJをやっていた。月に2回は、生放送。生放送中、「これから行くから、席取っててね」と「鳥よし」に呼びかける。カウンター10席で一杯になる小さな店だが、ここの焼き鳥はとてもうまい。「ここで飲む酒が、一番旨い」はホンネである。

 横田さん(親方)は自宅に来るなり、「もう、シローさんの顔が見たくて、逢いたくて」と興奮気味。栗田さん(クリちゃん)は、「親方は、『逢いたい、逢いたい』って、毎日、パタパタしていたんだから」と茶化す。入院直後に二人でお見舞いに来てくれたが、それ以来だから、ほぼ3年ぶりである。私も、なつかしくて、感激である。「必ず、行くから、それまで店続けてよ」とお願いした。二人とも、アラ古希だけど、元気一杯。私が「鳥よし」再訪できるまでは、少し時間がかかるが、それまで、がんばってくれることだろう。


2012.2.10(金)

ラジオ大好き、読書大好き  

 昨夜の就寝は12時過ぎだったが、朝はいつもどおり、早く目覚め、そこからラジオを聴く。最近は、3時過ぎから5時まで、ニッポン放送の「くり万太郎のオールナイトニッポンR」を聴くことが多い。入院中の病室では、TBSラジオの電波状態が悪くて、仕方なしにニッポン放送を聴いていたら、この番組に出会ったのである。この番組がいいのは、すべてフルコーラスで曲をかけること。もう一つは、演歌とアメリカのポップスがかわるがわるかかること。いずれも、私の青春時代に流行った曲を選んでいるのもよい。2月7日の放送では、16曲目に「2月12日の手紙ひとり」(兼田みえ子)、17曲目に「イッツ・ナウ・オア・ネバー」(エルヴィス・プレスリー)、18曲目の「女」(志賀勝)でエンド。ド演歌に挟まって、エルヴィスの歌がかかるなんて、そんなのアリ?! ほんとに驚いてしまった。ご機嫌でもあった。こんなサプライズもあるので、やめられないのだが、たいてい、途中で寝てしまう。

 最近、就寝時間が遅いのは、この時間の読書が復活したから。一昨日読み終えた「言い寄る」田辺聖子著(講談社文庫)が思いがけず、面白かった。乃里子、31歳。フリーのデザイナー、画家。自由な一人暮らしが「好きな男にゃ肘鉄くらい、嫌いな男にゃ惚れられる」に近い恋愛を軽いタッチで描いている。田辺恋愛小説の最高傑作らしい。大阪弁のセリフが効果的。昨日は、「玉ねぎフライパン作戦」椎名誠著(角川文庫)を読んだが、椎名誠のエッセイはみんなそうだが、面白さ全開。いつ読んでも、愉快な気分になる。これで、万里子から誕生日プレゼントでもらった三冊終了。三冊とも○である。

 「星月夜」(伊集院静)を読んだ感想として、あまり高い評価をしなかったが、それは、ストーリーに無理がある、嘘くさいからなのだが、それはこの作品に限らず、日本のミステリに共通している気がする。私がミステリの傑作に出会っていないのかもしれない。ミステリが嘘くさいのに対して、田辺聖子の小説は「ほんとくさい」。そこが大きな違い。


2012.2.9(木)

少しでも進歩、改善があればいい  

 外来受診で、築地のがんセンターへ。高速道路が多摩川を渡るところで、富士山がくっきりと見えた。噴火もせずに、雪化粧した姿が頼もしい。

 頼もしいのは、田野崎先生もそうだ。今日の検査結果は、ほとんど正常範囲内。クレアチニンが1.2(正常上限1.1)とやや高めではあるものの、気にするほどの値ではない。肺のレントゲン写真も、異常なし。「順調ですね」と田野崎先生。今日から、プレドニンが1日8mgから7mgに減り、ザイロリック(尿酸値を下げる薬)は休止とされた。次の外来受診は、来週ではなく、再来週、つまり、二週間に一回の外来受診となる。小さな歩みではあるが、進歩、改善であることが励みになる。

 進歩、改善が見られないのは、田中直記防衛大臣。頼もしくない。テレビで予算委員会の中継を見ていたが、野党の質問に、的確に答弁できない。在沖縄米海兵隊のグアム移転を、米軍普天間飛行場移設と切り離し、先行移転させることを柱として、在日米軍再編の行程表を見直すことに日米政府間で基本合意に達したが、その交渉は、外務大臣がもっぱら仕切り、防衛大臣は蚊帳の外だった。今日の予算委員会の質疑では、災害対応における自衛隊の役割とそれを統括する防衛大臣の覚悟について野党議員から厳しく追及されていた。「やっぱり田中大臣には代わってもらわないとどうにもならないということ、今の質疑のやりとりでわかったでしょ。どうですか、野田総理」と言われるようでは、田中大臣がこの国会を乗り切れるかどうか、心配になってくる。


2012.2.8(水)

When I’m Sixty-Four  

 今日は私の64回目の誕生日。大病を乗り越えて、生き延びて、64歳の誕生日を迎えることができたのが、心からうれし い。病気する前の誕生日とは、感じ方が違っている。いろいろな方から、Happy Birthday のメッセージをいただいた。文字通り、HAPPYの気分なのだから、素直に「おめでとう」のメッセージが心に入り込む。

 毎週水曜日は、仙台FMラジオ3の「シローと夢トーク」の放送日。まことに勝手ながら、今日の番組は、「誕生日特集」にさせてもらった。64 歳の誕生日にしかかけられない"When I’m Sixty-Four“(The Beatles)が1曲目。2曲目は竹内まりやの「人生の扉」。歌詞がとてもいい。年齢を重ねていく ことには味わいがある。愛に満ちた人生にしていきたいという想いが伝わってくる。パートナーの山下達郎が解説する。「まりやの歌には、人 が生きていくことへの強い肯定というテーマが内包されている」 誕生日にかけるには、ふさわしい曲と言えないだろうか。

 「エルヴィス・プレスリーの曲しかかけない」、「エルヴィス・プレス リーの曲の話しかしない」というコンセプトで300回以上やってきた番組であるが、今日はそのルールを破ってしまった。番組では、「誕生 日につき、お許しを」と申し上げたが、許してくれるだろうか。3曲目は、映画GIブルースから「奴のあだ名はビッグブーツ」(子守 唄)、4曲目は「明日への願い」。一応、2曲分はエルヴィスを聴いてもらったのだから、許してください。


2012.2.7(火)

異常高温の中、風雨強し  

 天気予報どおり、朝から雨。時々、雨脚が強くなる。南風が強く吹いている。気温は、横浜で16℃。同じ時間に、東京では5℃という不思議な天気 である。途中、雨が上がる時間帯はあったが、予定どおり、今日の散歩は中止。ここまで3日連続だったから、休むタイミングではある。

 タイミングが悪いのは、ここにきて、日本駐留のアメリカ海兵隊の一部を米軍岩国基地に移す案を日本側に打診したという報道があったこと。アメリ カとしては、普天間飛行場の県外移設を求める沖縄県民の関心を引こうという思惑があるのだろう。米軍厚木基地からの航空母艦艦載機の岩国移転も受 け入れる岩国市とすれば、海兵隊の移転はとても承諾できない。野田首相も、予算委員会の質疑で、「そういった協議はしていない」と答えていた。ア メリカが投じた変化球である。日本側として、見逃し、空振りで答えるわけにはいかない。難問である。さて、田中直記防衛大臣がどう動くか。動ける か。


2012.2.6(月)

雨の合間に   

 昼前に散歩7分+7分。天気予報では、明日は終日雨。今日散歩をしておかな いと、連日のお休みになってしまう。雨降りの合間をうまくみつけて決 行。 「決行」というほどのものではない。結構でした。

 ニュースでは、昨日の別大マラソンで、カンボジア代表としてロンドンオリン ピック出場を目指している猫ヒロシさんが、自己最高を5分も縮めての ゴールの Vサイン、U23のサッカーオリンピック予選で、日本代表がシリア相手のまさか の敗北を喫したことを報じていた。平和といえば、平和な ニュース。国会の動 きでは、最低保障年金導入前提の試算結果を民主党として公表する方向という。 試算結果は、既にマスコミにも流れている。何をい まさら。こっちは平和ぼけ か。でも、明日以降の国会は雨降り、それも豪雨になるかもしれない。せいぜ い、雨の合間で一息ついておいたらいい。


2012.2.5(日)

聡子と散歩    

 「星月夜」を読了。((講談社)は(文芸春秋)の間違いでした)今朝の日経 新聞の書評では、秀作とほめていた。先週の朝日新聞の書評での好評価 がきっ かけで読んだのだが、ミステリとしての完成度はまだまだ。「伊集院静が初めて 挑むミステリ」ということだから仕方がない。秀作というより、 習作だろう。 次作に期待する。

 今日の散歩は、聡子と一緒に7分+7分。「忙しい仕事だろうが、一週一回は 散歩するといい」と言いつつ、散歩に誘った。これをきっかけに、義務 として でなく、楽しみとしての散歩になれば、習慣化するのは近い。

 「NHKアーカイブス 生涯青春“カーネーション”モデル小篠綾子の人生」を、 聡子も含めて家族と一緒に見た。娘三人を世界的デザイナーに育 て、自身も70 歳を過ぎてから、独自ブランドを立ち上げた小篠綾子さん。92歳で亡くなるま で、現役を通した。アーカイブ所蔵の本人出演の秘蔵映 像が流れ、三人娘も登 場して、実に面白い昔話に花が咲く。生涯を通じて他人の世話を焼くのが大好き だった綾子さんの告別式では、2000人を超え る弔問客が笑顔で遺影に語り かけている。すごい人の素敵な人生である。岸和田のだんじり祭りが大好きで、 それがこういう人生、人格の元になったの だろう。「カーネーション」を見る のが、ますます楽しみになった。


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