浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 4月第3週分          

2012.4.21(土)

土曜日のラジオ、テレビ    

 早朝の5時。「生島ヒロシのおはよう一直線」の放送がない。それで土曜日ということに気がつく。代わりに、5時05分から「麻木久仁子のニッポン政策研究所」を聴く。ゲスト相手に、いつもまじめなテーマを麻木さんがまじめに追う。今朝のテーマは「原発事故の避難者をどう支援するか」で、ゲストは首都大学東京の山下祐介准教授。ゲストの解説はわかりやすくていいが、麻木さんの適切な質問、切り口、まとめ方にも感心する。5時半からは「土曜朝イチエンタ。堀尾正明プラス」を聴く。堀尾さんの明るいキャラクター、ほどよいユーモアが感じられて、なかなかいい。7時15分からは、土曜日も放送のある「朝ドラ」をNHKBSで見る。再放送の「ゲゲゲの女房」、7時30分からは「梅ちゃん先生」。二つのドラマは、時代設定が似ているし、主人公の父親の存在が大きいのも同じ。時々、頭が混線してしまうが、どちらもかなり面白い。

 土曜日、日本テレビ8時からの「ウエークアップ」は欠かさず見る。辛坊治郎さんの見事な仕切りがいい。今朝は、寺島実郎さんがコメンテーターとして出ていた。尖閣諸島の東京都による買い上げ計画については、猪瀬直樹東京都副知事が熱弁を振るう。原発再稼動問題では寺島さんが、「安全性の確認が一番大事」とコメントしていた。そのとおりであり、他の出演者の「政府は電力事情が逼迫するという数字を出せ」の発言に違和感あり。この夏、電力需給が逼迫するということが客観的にも「証明」できたとする。そうなっても、「大飯原発の安全性にまだ不安はあるが、原発の電力が必要なので、再稼動する」とはならんでしょ。だから、「電力事情の数字を出せ」と要求することは、再稼動を認めるかどうかの判断のうえでは、ほとんど意味がない。再稼動の是非は、あくまでも安全性が確認されるかどうかにかかっている。判断基準は、それだけである。「被害地元」の責任者も、そのことに気がついてくれるといいのだが。

 11時過ぎ発で散歩へ。土曜日の岸根公園は走る人、歩く人、自転車、犬の散歩でおおにぎわい。そんな中を45分ぐらいの散歩。「ぐらい」というのは、帰り道に酒屋に寄って、ビールとお酒を調達したから。お酒のことは、また別の日に書く。

 授業準備も昨日で終了したし、書くべき原稿もない。買い込んだ本や、送られてきた本がたまっているので、今日はゆっくり読めるなと思っていた。そこに原稿依頼のメールが入る。ヤクルト本社発行の「ヘルシスト」という隔月発行の健康情報誌に「健康に関して思うこと」のエッセイを書いて欲しいとのこと。締め切りは5月23日となっていたが、「書けるときに書く」ことにしているので、書き上げて送ってしまった。内容はともかく、頼んですぐに原稿が届く反応の速さに、依頼者は驚くだろうな。夜になって、「原稿届きました」のメールあり。「驚いた」とは書いていない。


2012.4.20(金)

尖閣諸島の東京都による買い上げ    

 この季節にしては気温が低いが、散歩するには、丁度いい。岸根公園のひょうたん原っぱでは、六角橋中学校の体育の授業だろうか。一周コースを集団で駆け抜けていく。私は彼らの走りの邪魔にならないように、はじっこを歩く。速いなあ、元気だなあと、中学生の駆け抜ける様子を眺めながら。22分18秒+23分26秒の散歩だった。

 昼の時間は、慶應大学SFCの来週の授業のレジュメを完成。授業2コマ分と研究会の分。結構時間は食うが、これも楽しい作業である。昼寝の予定は、なんやかやで決行できず。

 石原慎太郎東京都知事がワシントンで発表した、尖閣諸島の東京都による買い上げ計画が話題を呼んでいる。動かない国への問題提起として有効だ、都民の税金を使って東京都が購入する必然性はあるのか、本来国が関わるべきものではないか、などいろいろな意見が飛び交っている。私としては、発表の際の石原知事の「政府に吠え面かかせる」の発言が気になっている。あまり上品な物言いではない。22日の日本テレビ「バンキシャ」に出演予定だが、この件についてコメント求められたらどう答えよう。


2012.4.19(木)

今朝もラジオ深夜便    

 まずは、早朝のNHK深夜便4時台「明日への言葉」から。「人生180度転じてボランティア活動へ」の2回目。玄秀盛さんの人生、何から転じたかと言えば、守銭奴の生活からである。きっかけがHTLV-1ウイルス感染を知ったこと。2000年に献血で感染を知ったというのは、私の場合と同じ。玄さんの場合、「ATLを発症して1年以内に死ぬ」と思い詰めてしまったらしい。私の場合と真反対で、私の場合は、感染を知らされても、「絶対にATLは発症はない」と思っていたのに、発症してしまった。玄さんは「どうせ死ぬんだから、生きてきた証を残したい」というところから、2002年東京新宿歌舞伎町に「一般社団法人 日本駆け込み寺」を設立。最初の数年間は、たった一人で、DV、ストーカー、虐待、家庭内暴力、ひきこもり、多重債務など一日24時間、365日相談に応じた。東日本大震災を契機に、仙台国分町に駆け込み寺を設立すべく準備中。HTLV-1ウイルス、仙台国分町と、私との接点がある。今後も注目していこう。

 午前中の散歩は23分15秒+23分26秒。岸根公園の染井吉野はあらかた散った。これまで散歩の目を楽しませてくれてありがとう。また来年会うことにしよう。それまでお達者で。

 午後からは、十愛療育会の日浦美智江会長と岸本孝男理事長が自宅再訪。今日は、後援会長の私から岸本理事長に寄付金贈呈のセレモニーの写真撮影のためにおいでいただいた。この写真が、十愛療育会後援会の会報に載る。昔と変わらない日浦さんの精力的活動ぶりに、こちらも勇気をもらう。公私ともにお世話になっている日浦さんの存在は、私にとって、とても大きい。


2012.4.18(水)

同じパターンの話の展開    

 今朝も4時過ぎに目を覚ます。ラジオ深夜便の4時台「明日への言葉」のゲストは、ニッポン駆け込み寺代表の玄秀盛さん。「人生180度転じてボランティアに」の一回目。大阪西成区育ちの在日韓国2世の玄さんが関西弁で語る半生が滅法面白い。不動産や金貸しで稼ぎまくり、散財しまくった半生の中には、突然の仏門入り、得度もある。残りの「半生」は、東京新宿での「駆け込み寺」を本拠の人助け。渡辺謙が玄さんを演じたテレビ番組を前に見ていて、えらく感激したのを思い出した。その本人が語る話なので、まことに興味深い。第二回は、明朝放送だが、起きられるかな。アマゾンで、玄さんの著作2冊買い求めた。おとといの同じ番組、アーサー・ビナードさんの話に感銘を受けたのと同じパターン。

 いい天気。慶應大学SFCのキャンパスは、春の日が降り注ぎ、きらきら光っている。行き交う学生たちもキラキラ光っている。そのキラキラ光る学生相手に、2時限の「未来構想ワークショップ」の第二回目の授業。8項目、11グループに分かれて、早速グループワーク開始。問題解決型の課題に、学生たちは嬉々として取り組んでいる。白熱のディスカッションを始めているグループもある。なにしろ、「競争率2倍」の選抜を経ての履修であるので、張り切って授業に取り組んでもらわないと困る。そんなことを心配するまでもなく、熱心な取り組みぶりである。次回以降も楽しみな授業である。

 午後からは、橋本大二郎さんが、WINGLE者の長谷川敦弥さんと社員2人とご一緒に来宅。ウイングル社は、障害者の就労支援をしている。「障害者施策の介護保険との統合問題について教えて欲しい」ということでいらしたのだが、話はどんどん発展して、障害者問題一般、慶應大学での授業の話など。早速、社長室長の鳥光誠さんが、SFCの障害福祉研究会を聴講するという話になり、「そのままゲストね」になった。昨日の藤野英明さんと同じパターン。「同じパターン」話が続くのは珍しい。


2012.4.17(火)

授業は面白い    

 慶應大学SFCでは、午前中の「政策協働論」、午後の「障害福祉研究会」と授業が続く。「政策協働論」では、原発再稼動、税と社会保障の一体改革など、目下の政策課題6項目を学生に割り振って、各項目についての学生からの発言に私がコメントをして進めていくという方式の授業。「あなたの意見を訊いているのではない。政策課題として、どういう視点で見ていくのかがポイント」という私の切り口は、学生にはわかりにくかったろう。時間制限で、急ぎすぎての舌足らずもあったかもしれないが、学生にはそれなりに考えてもらう契機にはなっただろう。そんな反応を知るのも、面白い。

 「障害福祉研究会」の4時限のゲストは、読売新聞の安田武晴さん。9年間の障害福祉問題の取材、報道で印象に残ったことを、新聞記事を使いながらわかりやすく解説いただいた。5時限のゲストは、横須賀市議会議員の藤野英明さん。「一度聴講したい」というのを「聴講もいいけど、この際、ゲストになってください」と逆依頼の結果としておいでいただいた。自分の人生の中での障害者問題との関わりから始まって、市会議員として大きなこと、小さなこと、さまざまなことが達成できたという話が面白かった。「政策協働論」のゲストとして、学生に聞かせたい話だった。今回の「ゲスト出演」は、藤野さんとしては「緊張しっぱなし」の一大経験だったようだ。その辺のことが、4月17日の日記(彼のブログhttp://www.hide-fujino.com/diary.htm#120417)に紹介されている。大学で授業をやっていると、いろいろなことがあって、実に面白い。


2012.4.16(月)

日本語の良さを知る外国人    

 朝、4時過ぎに目を覚まし、NHKのラジオ深夜便を聴いた。なんだか面白そうな話している。話の主は、アーサー・ビナードさん。アメリカのミシガン州生まれで、日本滞在20年余。子どものころからの生物好き。特に昆虫が何万種類もあるのに魅せられている。日本語の漢字が、同じく何万語もあることを知って、日本語に興味を覚える。

 彼が語る「ジャックと豆の木」の話も面白かった。英語の原題は、"Jack and the Beanstalk"(ジャックと豆の茎)という。木と茎とでは全然違うので、物語の内容もアメリカで何度も絵本で読んだものと、日本版「ジャックと豆の木」が全然印象が違う。それを面白がって、詩にしてみた。でっかい大豆(えんどう豆ではない)から、でっかい豆腐を作って世界中を覆いつくす。でっかい納豆を作ってかきまわし、ネバネバで地球を覆いつくす、といったような内容だったが、半分寝ぼけていたので、記憶があいまい。この詩をさらに英訳したものでは、納豆のところを「ナットワーク」とした。(彼の日本語名は「美納豆」というほどの納豆好き。これは、ネット情報)日本語を自在にあやつる技は、外国育ちだからこそ。以前に同じ番組に出演していたリービ英雄さんとあい通じるところがある。早速、アマゾンからアーサー・ビナードさんの詩集と本を購入した。

 散歩ででかけた岸根公園の桜は、「三日見ぬ間」に葉桜になっていた。「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは」(徒然草137段)なのだから、これはこれで風情がある。2日休んでの散歩だが、確実に筋肉に力がついているのを感じる。ぐんと人出が減った岸根公園をそんなことを考えながら、22分12秒+22分40秒歩いていた。


2012.4.15(日)

久しぶりの買い物    

 午後から、横浜駅西口の高島屋へ。外での活動の機会が増えたので、服装の心配もしなければならない。そのための買い物に出かけたのだが、デパートの人混みに怖気つく。デパートで買い物をするなんて、何年ぶりだろう。9割が女性客だが、不景気なんて縁がなさそう。消費が盛んなのは結構なことと感心する。

 なんやかやで、今日は散歩の機会を逃してしまった。天気がいいだけに、もったいない、損したという気分。一日散歩を休むと、筋肉の回復が一日分後戻りする。そこまで思い詰めなくてもいいのだが。

 大飯原発3、4号機の再稼動を巡り、昨日、枝野幸男経済産業大臣が福井県庁で西川一誠福井県知事と会談した。西川知事が、このタイミングで、これだけの説明で「わかりました」というはずがない。回答は保留というのは、政府も読み込み済みだろう。さらに、西川知事は、滋賀県、京都府の理解が必要という認識を示したが、滋賀県、京都府は簡単には「理解」は示さないはずなので、結果的には再稼動の時期は大幅に遅れる。そのことも読み込んでの発言だとすると、西川知事は大した「策士」なのかもしれない。いずれにしても、「地元」の同意というのは、そう簡単には出ないことを政府も認識するべきである。再稼動に前がかりになればなるほど、国民からの反発は大きくなる。この点に限れば、橋下徹大阪市長は正しいことを言っている。その姿勢を評価したい。


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