2012.5.5(土) こどもの日に
五月に入って、雨にたたられっぱなし。ゴールデン・ウイークがレイニー・ウイークになっていたが、今日は朝から五月らしい素晴らしい天気である。薫風に泳ぐ鯉のぼりが、やっと面目躍如である。岸根公園も光が一杯。朝のラジオ体操に100人、ひょうたん原っぱを走る人、歩く人100人。色美しいつつじに囲まれて、岸根公園に集う人、皆が輝いている。その中の一人の私は、4日目になる早朝散歩を20分+19分57秒で締めた。
こどもの日である。「こども」と呼ばれる頃の私はどうだったか。今月9日刊行の拙著「運命を生きる」には、「5歳ごろの史郎少年」の写真が掲載されている。すまし顔で、結構大人びている。父の故郷である宮城県北方村から、母の故郷である仙台に引っ越してきたばかりの頃の写真である。田舎から都会への転入でのカルチャーショックを引きずり、幼稚園になじめずに、毎朝、母親にすがって泣いていた。小学校では、無口が六口に変り、活発な少年に変身。父母の愛情をたっぷり受け、姉二人にはかわいがられ、いじられ、鍛えられた少年時代。その少年が、そっくりそのまま老年になったのが今の自分である。
このところ、玄秀盛さんの活動に心を奪われている。その玄さんのこども時代は、私とはまるっきり違い、悲惨なものだった。父親4人、母親4人の間をたらい回しにされ、小学校を8回転校、中学校を5回変った。ごはんも満足に食べさせてもらえず、空腹に耐えかねて万引きもしょっちゅう。親の愛情、家族の団欒などとは無縁だった。20代になると「金がすべて」と会社をいくつも興し、「守銭奴」の生活を送る。その後、HTLV-1感染を知ったことを契機に、「生きてきた証を残さずに死ねるか」の思いに至る。46歳で「新宿歌舞伎町駆け込み寺」を開設し、以後、2万件に及ぶ相談に応じてきた。今も、「金儲けを卒業しての人儲け」と言いながら、身体を張っての人助けの仕事に夢中である。大変なこども時代を送っても、立派な人間になる人はなる。こどもの日にあたって、そんなことを思う。
今日の深夜、北海道電力の泊原発3号機が停止する。国内50基の原発のすべてが停止することになる。事実上の原発ゼロ状態。「いずれ再稼動ゼロになる」という見立てを1年前からしていたが、そのとおりになった。福島原発事故の原因究明がされていない中で、再稼動へのハードルは高い。福島のこども達が故郷を離れ、転校を余儀なくされている。放射線の影響を調べるため、この後何十年にもわたって健康診断を受けることになる。未来を生きるこどもたちに、より安全な生活を手渡すこと、原発再稼動の問題を前にして、大人たちがやるべきことは、はっきりしている。こどもの日にあたり、そんなことも思う。
2012.5.4(金) 連休らしく
みどりの日の祝日。4月29日から「移動」してきたことは、その日の日記に書いた。散歩で出向く岸根公園には、このところの雨降りのせいもあり、新緑の勢いがある。そんな中で、百人ほどの老老男女が、今朝もラジオ体操をやっている。ひょうたん原っぱを一周している途中、うぐいすの声を聴いた。これも早朝だからこその耳福だろう。午後からは、またまた雨降り。早朝散歩でよかった。19分32秒+18分25秒。
午前中のワークで、来週の授業のレジュメを完成した。これで、連休の残りは、ワークなしの自由時間。楽しみの読書でもするか。「遥かなる未踏峰・上下」ジェフリー・アーチャー著(新潮文庫)を読み出す。この著者の作品は、大きなはずれがない。「そこに山があるから」(Because it's there)の言葉で有名な、エヴェレストに3度挑戦した登山家ジョージ・マロリーを描いた冒険小説。書評では○と△が混じっていたが、私としては○である。これを読み終えると、ストックがなくなるのに気づいて、アマゾンで数冊購入。天気のほうは、雨続きで連休としてはあいにくだが、私にとって、こんなのんびり時間が連休らしいといえそう。
2012.5.3(木) 憲法記念日に考えること
朝から雨、雨、雨。ゴールデンウイークは、晴天が多いという記憶があったが、そうでもないのか。昼過ぎに雨が上がったようなので、散歩に出かけたが、霧雨のような細かい雨が降っていた。散歩は中断。2分半だけ歩いて、郵便ポストに4通の手紙を出しただけで戻ってきた。
連休後半は、「仕事」がらみは何もないはずだったのだが、結構「雑用」がある。午後から、来週の授業準備を終わらせるつもりだったが、これもやり残し。
聡子がミニ里帰り。弁護士としての仕事の話をつまみに、赤ワインハーフボトルを二人で開ける。上質のワインだから、「量より質」を楽しむ。鳥よしで飲む日本酒もいいが、娘と飲むワインも悪くない。
憲法記念日である。朝日新聞の一面「座標軸」に「憲法記念日に問う」として、衆議院での一票の格差問題についての国会批判の論調を目にした。最高裁から「違憲状態」と指摘されたのに、国会はその是正の措置をとっていないことについて、「投票ボイコットさせる気か」と迫る。「ガバナンス」に「アサノネクスト」を連載しているが、3日前に6月号原稿を書いたところである。「民主主義の危機」というタイトルで、現在の政治状況の中で、民主主義が危機に瀕している状況を書いた。その一つが、この定数是正問題への国会の怠慢状況である。今日の「座標軸」の論調を読んで、わが意を得たりという感がしたが、ガバナンスの発行は来月だから、読者には私が朝日新聞を真似したように思われてしまうのだろう。それにしても、原発再稼動問題での地元軽視や、国民が選んだ覚えがない二人目の首相のことなど、民主主義の危機というべき事象が、気になって仕方がない。憲法記念日には、国民全体で「民主主義の危機」について真剣に考えるべきではないか。
2012.5.2(水) 仙台での食べもの
昨夜は「鳥よし」で、おいしいお酒と焼き鳥で幸せ一杯。入院中に、「退院したら食べたいものリスト」を作ったが、その一つが「鳥よし」だった。リストのもう一つが「山鮨」。それが昼に実行できた。こちらも予告なしで突然入っていったら、親方はびっくり、そして興奮状態。近所の寿司屋として、知事時代には、家族で家から歩いて食べにきたところ。聡子は「山鮨」が日本一旨いと信じていた。我々も同じ。そこに3年ぶりだから、こちらも興奮気味である。親方は大船渡出身で、ご親戚も被災している。そんな話やら昔話などしながら、妻と一緒においしいお寿司をたらふくいただいた。満足、満足。
仙台への行き帰りの新幹線の車窓から見る風景が、心をなごませてくれる。北国の春は美しい。車で移動しながら見る仙台の街は、建物が整然としているし、道幅が広く、電柱がなくすっきりとしている。街中に緑が多いのにも、改めて気がつく。百万都市の便利さと自然の美しさが同居している。今回の「里帰り」で、都市としての仙台の素晴らしさを再認識した。
昼過ぎの新幹線で帰る。仙台駅のおみやげコーナーで、自分たち用の「おみやげ」として、三色最中、白謙のささかまぼこ、喜久福のずんだクリーム大福を買い求めた。新商品のずんだシェイク(220円)まで試してみた。結構いける。今回の里帰りは、食べるほうで収穫大である。
2012.5.1(火) 仙台へ
思い立って、仙台へ。今年92歳になる母親の顔を見るためであるが、元気な私の様子を母に見てもらうということでもある。長姉、次姉と夫、妻も一緒の6人が、今回も、仙台駅近くの「梅小路」でにぎやかな昼食。元気な母は、ボリューム一杯の食事を残さず食べる健啖ぶりである。耳が遠いのと、老人特有の症状はあるものの、これだけ元気なことはなによりである。
夜は、いろは横丁の「鳥よし」へ。3年ぶり。突然「こんちは」と顔を出したので横田さんは、びっくりするやら、喜ぶやら。「笑い声世界一のクリちゃん」、栗田茂子さんも大変喜んで、興奮気味。以前から「ここで飲む酒が一番旨い」と言いながら飲んでいたのだが、今宵も同じセリフを何度も繰り返す。あまり旨いので、「今日は特別だ、なんとか許してくれ」と妻に願いつつ、二合目のお酒を注文した。その酒の酔いとなつかしさに陶然としてしまうひとときであった。我々が入店して30分ほどで満席になった。その後、次々と10人以上の客が顔を出したが「すみません、満員です。またいらしてください」とお断り。「もったいない」と思いつつも、商売繁盛でなによりである。
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