浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  5月第3週分          

2012.5.19(土)

出版を祝う会   

 昼から、東京日比谷のプレスセンターホールで、「浅野史郎さんの出版を祝う会」が開催された。「運命を生きる―闘病が開けた人生の扉」(岩波ブックレット)は80頁と薄っぺらな本であるが、「祝う会」のほうは、中身満載、分厚い集まりになった。

 第一部は「ミニシンポ」。呼びかけ人の皆様から、「5分以内」(司会の小林るつ子さんの仕切り)で、長めのあいさつ、超短めの講演をいただいた。呼びかけ人代表の田島良昭さんから始まって、小山内美智子さん(本の帯に文章を寄せてくれた)、黒柳徹子さん(5月31日放映の「徹子の部屋」のPRも)、田野崎隆二さん(私の主治医の立場から、ATLについての解説も)、寺島実郎さん(同じ団塊の世代の人間として、世の中のために責任を立たすべことを強調)、原真人(当時宮城県庁担当の朝日新聞記者として、最初の知事選、新米知事の様子を生々しく)、南克己さん(ATL患者仲間、自分の闘病の経過を詳しく語る)、村木厚子さん(私の闘病と無実での拘留の時期が重なり、運命も同様、その心境を語る)の話が続く。話を聞いていて、グッとくる場面が何度かあった。出席者からも、「感動した、感銘を覚えた」との感想が伝わってきた。「これだけで、今日の会費の元は取れたのではないでしょうか」と、第一部の最後の2分間の挨拶で私から言わせてもらった。

 第二部の懇親会では、長崎瑞宝太鼓の6分間の演奏がプレゼントされた。メンバーは、ニューヨーク、ワシントンでの公演を大好評にうちに終えたばかり。「浅野さんの回復をお祝いするために、ぜひとも駆けつけたい」というメッセージに感激する。そして、彼らの一段と大人になった演奏に感激。スピーチの場面では、内丸薫さん(東大医科研入院時の主治医)、菅付加代子さん(HTLVをなくす会代表、鹿児島)、山本賢(岩波書店、今回の本の編集担当)、吉原健二さん(厚生省年金局、厚生年金基金連合会時代の上司)から、それぞれ心のこもったご挨拶をいただいた。

 出席者は243人という大盛況だったが、会場が大混雑には至らない。お一人お一人、名前はあげないが、なつかしい顔がたくさん見えて、私は大感激。最近出会ったばかりの方が、新しい「仲間」としておいでいただいた。「出会い、語らい、明日への助走」という会の副題にふさわしい集まりになった。このタイミングで、こういう会ができてよかったと思う瞬間である。その他、すべてがうまく回った素晴らしい会だった。出席者の皆様にも喜んでお帰りいただいたものと信じている。それもこれも、会の準備から、当日の受付要員の確保、司会を引き受けてくださった小林るつ子さん、佐藤進さんのおかげである。本当にありがたい。


2012.5.18(金)

現実が先に動く   

 雷が鳴り続けた夜が明けて、外は雨模様。散歩はお休み。残念と、ホッとするのと半々か。昼ごろには、また雷まじりの雨降り。天気定まらず。「カミナリ三日」というから、明日もカミナリ様の出番だろうか。それは勘弁して欲しい。明日は、東京日比谷のプレスセンターホールで「浅野史郎さんの出版を祝う会」がある。カミナリもなく、暑くもない天気を願っている。

 午後からは、横浜労災病院で耳鼻科の受診。鈴木貴裕先生が昭和医大に転勤になり、替わって渡邉彩先生が担当になった。鈴木先生からの引継ぎがきっちりされていて、すべてご承知のようである。それもあって、鼓膜についた耳垢除去の処置も、まったく痛みを感じずに済んだ。このところは、聴こえには、ほとんど不自由がなくなっている。次回は7月だが、もうすぐ治療は不要になりそうである。

 野田政権が今年夏の電力需給対策をまとめた。原発再稼動ゼロを前提にして、7月2日から9月28日まで全国的な節電を要請する。最も需給が逼迫する関西電力管内には15%の節電を求める。企業も家庭も、最大限協力しなければならない。原発再稼動ゼロが常態化することも想定して、しっかりと対応すべきである。それによって、この夏を乗り切れたら、「原発なしでもやれるじゃないか」になる。そうなるのを恐れている勢力もあるらしいが、今や、エネルギー政策の検討よりも、現実のほうが先行している。つまりは、既定事実ができてしまうということ。世の中は理屈よりも、現実によって動いていく。その典型例が、これである。


2012.5.17(木)

赤い顔が治まらない   

 このところ、皮膚の状態がよくない。顔がかゆい。顔が赤い。胸と首に発疹が広がっている。これもかゆい。掻くとますます発疹が悪化するのはわかっているのだが、時々我慢できない。無意識に掻いてしまうこともある。掻いている「現場」がみつかると、妻から「掻いちゃダメ!」と檄が飛ぶ。「掻くすれば掻くなるものと知りながら やむにやまれぬ大和魂」の状態である。「大和魂とは関係ないだろ」と、元歌の吉田松陰にも叱られそう。発疹の原因が特定できないので、対処がむずかしい。一体いつ治まるのだろう。

 赤い顔を紫外線防止の帽子で隠して、今朝も岸根公園に散歩に出かける。二女が、昨夜、一泊二食付の「ミニミニ里帰り」。朝食を一緒にするために、いつもより早くスタートしての20分25秒+19分20秒の散歩だった。

 天皇皇后両陛下は、エリザベス女王即位60周年祝賀行事ご出席のため、イギリスを訪問された。天皇陛下は、2月に心臓手術を受けられたばかりで、その後のリハビリ期間を終えてからも公務を再開なさっていらっしゃる。先週は、仙台市での国際会議にご出席の前日に仮設住宅を訪問されて、被災者をお励ましになった。「ぜひ被災者のお見舞いに行きたい」という天皇陛下自身の強いご希望での日程である。その後すぐのイギリスご訪問は、身体的にきついのではないかと心配したが、テレビの映像で見ると、お元気そうなので、少し安心した。それでも、あまり無理はしないで欲しいとは思う。


2012.5.16(水)

「ぷれジョブ」始動   

 雨降りの昨日とは打って変わって、朝からいい天気。爽やかな五月の風が流れる。いつもより、少なめ、ゆっくりめの散歩を17分45秒+16分31秒。これからSFCでの授業があり、その後の予定もあるので、体力温存の意味もある。

 「未来構想ワークショップ」は、11のグループに分かれての課題解決だが、グループごとに進み具合に差はある。どれも、むずかしい課題であり、取材先をどこにするか、かなり悩むだろうと予測していたが、今のところは何とか取材先とのアポイント取り付けにたどり着きそうである。おちこぼれもなく、グループごとにまとまって、熱心に討議している様子は頼もしい。果たして、どういう結果をもたらしてくれるか、そこまで見届けないと評価にはまだ早い。

 午後から、「障害福祉研究会」の林圭佑、高橋理恵の両名を引き連れて、キャンパスから車で10分ほどの(株)ワキプリントピアを訪問。内海智子さん、スペシャルオリンピックス日本・神奈川の川口道子さんと合流。藤沢市で「ぷれジョブ」を立ち上げることになり、協力事業所第一号がワキプリントピアである。社長の脇屋英子さんとは、先月、藤沢市商工会議所でお会いして、「ぷれジョブ」のことを説明させていただいたばかり。それが、ここまで進んだ。記念すべき第一回目の「ぷれジョブ」は6月8日(金)16時。内海さんの長男の隼吾さん(藤沢養護学校高等部3年生)が第一号の利用者、林圭佑君が隼吾さん担当の第一号のジョブサポーターとなる。脇屋さんには、事業所内を丁寧にご案内いただいた。システム化された印刷の仕事を見事にこなしている。ここで隼吾さんは、週1時間、6ヶ月にわたって仕事をすることになる。ここから始まって、実績を重ねて、第二号、第三号と拡げていければいい。


2012.5.15(火)

沖縄復帰後40年   

 慶應大学SFCでの授業の日。「政策協働論」には、河野太郎衆議院議員がゲストとしておいでいただいた。私とは、プライベートでちょっとした接点があっただけの関係。秘書の方を通じて、講義依頼をしたら、「いいです。行きます」と応じてくれて、今日の授業になった。自由奔放な講義でとても面白く、わかりやすい。私からは「河野さんは、自民党内でも異端児だし、国会議員としても普通じゃないので、河野さんだけ見て『国会議員とはこんなもの』と判断しないように」と学生には注意しておいた。そのとおりに、いい意味ではみ出した国会議員像を学生に見せてくれた。私自身、実に興味深く聞かせていただいた。何の御礼もできない。せめては、絶賛の嵐のような学生の「出席カード」の感想の写しをお送りすることで、恩に報いたい。ありがとうございました。

 午後からの「障害福祉研究会」にもゲスト到来。藤江もと子さんが、20年以上前の私との出会いの話から、ダウン症の息子を持つ母親の心意気を聴かせてくれた。息子さんの真二郎さんは、デニーズで20年も働いている。本人にとってはもちろん、母親としても誇るべきことであり、うれしいことである。この研究会に、支援される側の方がゲストとしていらっしゃることは、あまりない。その意味で、障害者側の率直な本音が聴けたのがありがたい。藤江さんにも、「出席カード」にてんこ盛りになった学生の感想の写しをお送りしよう。

 沖縄復帰40周年。厚生省に入ったばかりの時に、沖縄県に「本土」の法律を適用するための法律改正案を作らされたのを思い出す。そうか、あれから40年が経つのか。40年を経ても、沖縄県と本土との格差は埋まらない。米軍基地の74%が沖縄にあるという状況も変らない。沖縄にとっては、「本土」との格差をますます意識するし、むしろ「差別」の思いはさらに募っているようだ。同じ日本人として、これは悲しすぎる。沖縄の問題を自分ごととして受け止めることが、今こそ求められている。  


2012.5.14(月)

国会はまじめに国政に取り組め   

 朝9時過ぎに横浜の自宅を出て、大阪の読売テレビで「ミヤネ屋」出演。帰宅は19時半。一日仕事である。新幹線に乗っている時間が長い。新幹線で大阪へ行く楽しみは、新富士駅通過のあたりで見える富士山の勇姿である。雪を冠した富士山の美しくも雄大なお姿を拝することができた。これで、大阪まで出かけて甲斐があるというもの。

 「ミヤネ屋」では、安藤和津、春川正明両氏とご一緒。宮根誠司さんのテンポのよい司会が心地よい。今日のテーマは、福山市のホテルの火事、岐阜県瑞浪市の幼稚園教諭殺人事件といった生々しい事件、俳優塩谷瞬の二股交際「事件」など。「政治が動かないから、こういった話題を扱うしかない。なんとかならんのか」と宮根さんと言い合った。そのとおりで、国会はもっとまじめにやってもらわないと困る。  


2012.5.13(日)

夏は来ぬ   

「♪卯の花の、匂う垣根に 時鳥(ほととぎす)、早も来鳴きて忍音(しのびね)もらす、 夏は来ぬ♪」(「夏は来ぬ」佐々木信綱作詞) 近所に卯の花の匂う垣根はないし、ほととぎすの忍び音も聴かないが、SUMMER HAS COME 現在完了形で夏が来たことを実感する。今朝は、季節が戻ったような涼しさだが、そんな中を20分05秒+19分21秒散歩する。一年中で一番散歩に適した季節である。体調十分で、この時期の散歩を楽しめることは、それだけで幸せである。

 先週末から、税と社会保障の一体改革関係の法案審議が始まったようだが、簡単には進まないだろう。与野党で、政策に大きな違いはないのに、政局がらみの思惑がからんで、列車は動かない。与野党より、与党内での不一致のほうが大きいのはどうしたことか。早く解散させたい自民党、解散を来年に延ばしたい与党の一部(いわゆる「小沢一派」)、政策はそっちのけで、その思惑と手練手管だけが飛び交う。どう考えても、まともな政治状況ではない。これを突き破るには、野田首相の断固たる姿勢しかないだろう。目の前で解決すべき、突破すべきは「小沢問題」であることは、民主党内外を問わず共通認識である。ここを断固として突破しなければ、いかなる展望も開けない。「政治生命を賭ける」というのは、そういうことではないか。踏ん張りどころ、がんばれ野田佳彦さん。  


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