浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 7月第1週分          

2012.7.7(土)

国分町駆け込み寺が開所   

 今日は、七夕なんだそうだ。曇り空で、星も見えない。仙台で育った人間としては、七夕祭りは8月6日―8日の3日間と決まっている。横浜は、「夕方から大雨のおそれ」という天気予報だったが、大雨は来たらず。朝方は雨模様だったので、散歩を中止することで、天気予報には敬意を表しておいた。

 仙台の国分町では、「駆け込み寺」が今日開所である。玄秀盛さんが10年前に始めた新宿歌舞伎町駆け込み寺の「支所」第一号として、国分町が選ばれた。初代住職(所長)は宮城県利府町出身の齋藤公志さん。歌舞伎町駆け込み寺で玄さんの薫陶を受け、彼のメガネに適っての国分町派遣である。「留置所の経験あり」だから、強面の相談に乗るのには適任だろう。私は応援団長なのに、今日は駆けつけられない。その代わりに、「今日、ここから始まる駆け込み寺、前途に光あれ!」と書いたメッセージをファクシミリで送った。社会の底辺のギリギリのところで悩み、苦しみ、助けを求めている人たちにとっての「駆け込み寺」として、頼りにされる存在になるだろう。

 昼間は「政策協働論」の今学期最後のレジュメを作成。「今学期を振り返って」ということなので、6ページものになった。ついでに、17日の最終授業で実施する試験の問題も作成してしまった。問題は相当にむずかしい。これを80分間で回答するのは大変だろうなと、問題作成者が学生に同情してしまう。


2012.7.6(金)

藤沢での「ぷれジョブ」スタート   

 朝の散歩は、途中で雨が降ってきそうな気配だったので、11分のところから反転、11分+11分=22分で終了。家に戻ったら、すぐに雨が降ってきた。すばらしいタイミングでの方針変更であった。

 夕方から、湘南台方面に出かける。「ぷれジョブ」の第一回目に立ち会うために、ワキプリントピアに向かう。16時半に、内海隼吾君が到着。早速、シュレッダーでの作業を開始し、続いて封筒にシール貼りの作業に移る。後半は、社員の人たちにコーヒーをお出しするサービスもした。

 ダウン症の隼吾君は、藤沢養護学校高等部の3年生。今日から毎週金曜日の放課後、ここで1時間、作業をする。6ヶ月経ったら、別の事務所に通う。隼吾君には、ジョブサポーターが同行する。初代のジョブサポーターは、慶応大学総合政策学部4年生の林圭佑君。「障害福祉研究会」のメンバーである。

 こうして、藤沢市での「ぷれジョブ」の記念すべき第一回が成功裡に終了した。こんなに早く開始できるとは思っていなかったが、それができたのは、ワキプリントピアの脇屋栄子社長のご理解と絶大なるご協力があったからである。ありがたいことである。今日の隼吾君のデビューの場面には、藤沢商工会議所の金井正志郎専務、社会就労センターの鈴木暢所長、内海智子さん(隼吾君のお母さん)も立ち会った。これから、少しずつ、活動を広げていくことになるだろう。まずは、幸先のいいスタートである。


2012.7.5(木)

朝からみんなでラジオ体操   

 散歩の途中での集団ラジオ体操への参加は、今日で3回目となる。岸根公園の広場、6時半にNHKラジオの放送が流れる。まずはラジオ体操の歌から。「♪新しい朝が来る、希望の朝だ♪」。この歌も何十年前から変わっていない。ラジオ体操も散歩も、朝だからいい。気分晴れ晴れ、希望がみなぎる。ラジオ体操3回目でも、運動中に足がふらつき、跳躍系の運動で高く跳べず、息が上がるのは変わりない。それでも、第二体操まできっちりやれば、気持ちがいい。体操の前に、ひょうたん広場を一周しているので、今日の散歩は21分+21分のおおむね42分と長めになった。

 今日の仕事は、「新言語学序説」の原稿書き。連載103回目となると、ネタ切れである。多少たりとも、言語に関するテーマでなければならない。苦し紛れに「暗唱について」というのに決めて書き出したが、苦吟である。いつも以上に時間がかかってしまったが、何とか完成。

 これを書き上げたところで、もう一つ原稿依頼があったのに気がついた。雑誌「りらく」の「創刊15年記念号」への寄稿である。地元仙台が誇るセンスのいい雑誌であり、創刊時から高く評価していた。創刊号では「思い出写真館」に登場させていただいたご縁もある。米国イリノイ大学留学中の私(25歳!)の写真が紹介されている。そんなことも思い出しながら、創刊15年を称える文章を書いた。


2012.7.4(水)

暑くなったなあ   

 本格的な暑さまではいかないが、気温が高い。こんな日のおでかけは、どんな格好をすればいいのだろう。SFCの授業には、昨日と同じく、長袖シャツの上にジャケット着用というスタイルで臨んだ。電車に乗っている人、駅ですれ違う人をウオッチしたが、こんな暑苦しい格好の人は、ほとんどいない。

 それはともあれ、今日もSFCでの授業である。「未来構想ワークショップ」の授業は、グループ発表を来週に控えた大詰め。グループワークをしている現場を巡回して、研究成果レポートの原案を見せてもらった。「新聞の社説のように、研究課題について、グループとしての見解を書くのだぞ」と、これまでの授業で何回も念を押していたのに、「Aさんとのインタビューでは、こんなことを言っていました」調の文章が綴られている。原案を書いた学生は、生まれてから一度も社説なるものを目にしたことがないというのだから、「社説のように書け」というのが通じるはずがない。「ともかく、社説を読んでみなさい。そしたら、こんな体裁のレポートではダメだということがわかるから」と言って、原案の書き直しを命じたグループがいくつも出てきた。来週の発表までに間に合うだろうか。そもそも、こちらの説明が通じただろうか。心配しつつも、来週の発表が楽しみである。こんな感じで、excitingな授業を展開しているのだ。

 「虹の翼」吉村昭著(文春文庫)を読む。ライト兄弟の十数年も前に航空機を考案した奇才・二宮忠八の物語。吉村昭は好みの作家である。著者の実直な人柄そのままの、実直な文体が好ましい。「感動する」というよりは、「いい小説を読んだ」ということが、じわじわと心の中に入り込んでくる。この「虹の翼」の読後感もそのとおり。「蒼き狼の血脈」小前亮著(文春文庫)の次に手に取った本である。これは、モンゴル帝国の壮大な歴史を描いた面白い作品である。相変わらずの無方針読書であるが、吉村昭の作品をもう少し追ってみたい。といいながら、今日から「炎環」永井路子著(文春文庫)を読み始めた。「無方針」ではない。この6月刊行(復刊)の「文春文庫」という「方針」だったことを思い出した。


2012.7.3(火)

忘れられない授業   

 SFCでの授業が3コマある日なので、朝の散歩で疲れを残すわけにはいかない。10分+10分=20分だけの散歩で済ませた。

 「政策協働論」の授業は、今学期第12回目。今日の出席者は60名。だんだん減りつつあるが、今日出席している学生は、皆、熱心である。居眠り1名。来週の授業は「今学期を振り返って」という復習の時間。14回目の授業では、定期試験を実施する。いよいよ大詰めである。今日の授業のテーマは「市民としてできること」。若者も含め、市民が政治に関心を持ち、必要なら行動することで、政治を変えることができる、民主主義を深化させることができる。そんなアジ演説のような講義になった。

 午後からの「障害福祉研究会」のゲストは、かしわ哲さん。NHKテレビの「おかあさんといっしょ」の第5代目の歌のお兄さんである。現在は、NPO法人「ハイテンション」代表である。障害者自立支援法の生活介護事業の施設を運営している。そこの事業の中身がまことにユニークで先駆的。知的障害者を中心とした障害者のロックバンド(「サルサガムテープ」)が公演活動で収入を得ている。毎日の活動も、音楽中心。今日は、施設利用者の加藤優吾さんとスタッフの酒井真弓さんも一緒。4時限のかしわさんの講義に続いて、5時限は学生も加わってのワークセッション。ここでは、ロックバンドが使っているポリバケツにガムテープを張って「太鼓」を作り、それを思い切り叩いてのバンド練習をした。すごい音が出る。始まってすぐに、上の階の教室で授業中の学生が、「うるさいんですけど」と苦情を言ってきたところで、太鼓の練習は中止。そんなハプニングもあったが、プロの歌手のパフォーマンスを至近距離で聴いた学生は、「こんなの初めて」と感激。さらに、脳性まひで車椅子の優吾君の力強い歌声に大感動。学生にとっては、忘れられない授業になったことだろう。


2012.7.2(月)

民主党分裂   

 梅雨空の朝。傘を持って散歩に出る。今にも降りそうだったので、12分で戻ってくる。12分+12分=24分と短めの散歩で終了。帰宅して、シャワーを使うが、その際には「MKM かさ肌かゆ肌ミルキージェル 」で顔を洗うことにしている。仙台二高の同級生で、私の「第二主治医」でもある加藤俊一君からいただいたものである。「顔のかゆみが治らない」と訴えたら、娘さんが使って効果があったというこの製品を紹介してもらった。使ってみて、「顕著な効果」とまではいかないが、かゆみが少し治まったので、2本目を「マツモトキヨシ」の通販で求めて使っている。このかゆみが、いずれなくなることを期待しながら、しばらく使い続けよう。今の状況で、なくなって欲しいもの、顔の赤みとかゆみとムーンフェース。戻ってきて欲しいもの、髪の毛と筋肉。チチとして進まず、ハハとして戻らず。いずれも持久戦だな。

 小沢一郎氏の一派が民主党に離党届を提出。衆議院38名、参議院12名。これだけ大量の離党で、民主党は分裂。このメンバーで新党を立ち上げるのだろうか。選挙を意識しての「造反」のようだが、次の選挙で勝つ展望はあるかどうか。議員としての政治信念による離党ならわかるが、小沢氏に従いていくということだけで離党する人たちについては、「?」である。まあ、余計なお世話でしょうが、展望なき離党、期待されない新党立ち上げという気がするものですから。


2012.7.1(日)

筋肉が戻らない   

 今朝も、岸根公園での集団ラジオ体操に参加した。それで実感したこと。身体を前後に動かす運動で足元がふらつく。跳躍運動で高く飛べない。ラジオ体操ごときがちゃんとできないのは、どうしたことだろう。原因ははっきりしている。足の筋肉、特に太ももが弱くなっているから。闘病中の運動不足という要因もあるが、ステロイドの影響により筋肉が失われたということもある。ふくらはぎの筋肉は少し戻っているが、太股は全然だめ。病気前、月間100キロ以上走っていた頃は、足の筋肉はパンパンに張っていた。「黄金のふくらはぎ」が自慢だった。今では、太股は当時の7割ぐらいの太さである。触れれば、ふにゃふにゃで、筋肉の存在が確認できない。散歩をしたぐらいでは筋肉は戻らない。ジョギング1分間でヘロヘロになるのも、筋肉ができていないから。日常生活でも、階段を上るのに一苦労する。ステロイド服薬から卒業できない間は、仕方がないとあきらめるしかない。筋力が足りない中での散歩を17分×2=34分。

 日曜日といえども、遊んでばかりはいられない。「ガバナンス」8月号の原稿を書く。「マニフェストの進化を」というテーマ。なかなかエンジンがかからず、昼食をはさんで、やっと書き上げた。ほっとして、楽天の試合をテレビ観戦。いずれ勝てない時期がくる。負けるまでは、しっかり応援しようと見ていたら、ソフトバンク相手に今日も勝ってしまった。しかも、延長10回裏に松井稼頭央の二塁打でサヨナラ勝ち。今日も気分がいい。


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