浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 9月第3週分          

2012.9.15(土)

興味深い総裁選と詰まらない代表選  

 朝から暑い。散歩35分+ラジオ体操。ここまでは、判で押したように毎日同じ。今日も10日連続でこの判を押した。

 朝の「ウエークアップ」では、日本テレビのスタジオに集まった自民党総裁選に出馬の5人の候補者が、大阪から出かけた辛坊治郎さんの質問に答える。回答は、判で押したように皆さん同じとは言わないが、激しく対立するような意見交換にはならない。それでも、代表選の投票権はないのだが、視聴者(私もその一人)は、「誰がいいかな」と候補者の品定めをしながら見ている。こういう関心を集めるだけに、自民党総裁選に5人も出て盛り上がっているのは、自民党にとって、人気獲得の絶好の機会になっている。

 一方、民主党の代表選では、野田佳彦首相vs3人(鹿野道彦前農林水産相(70)、赤松広隆元農水相(64)、原口一博元総務相(53))の構図である。この3人の中の一人が総理大臣になるという絵柄が浮かんでこない。まかり間違って、野田さん以外の候補者が代表に選ばれれば、野田さんは首相を辞任し、国会の両院で、首班指名選挙が行われることになる。衆議院で民主党内から何人か造反議員が出れば、他党の代表が新総理大臣に指名されることになりかねない。そう考えると、自民党と違って、現職の野田さんが出馬するというのに、対立候補が出てきて代表選をやることにどんな意味があるのか。はなはだ疑問である。「民主的手続きで代表が選ばれた」という形が欲しいのか、それとも「自民党総裁選だけに話題を奪われては困る」というのだろうか。いずれにしても、政権与党の代表を決める選挙で、対立候補が党の決めた政策を厳しく批判するというおかしな図式を国民の前で展開することが、民主党にとって決してプラスになるとは思えない。今頃こんなこと言っても、代表選の列車は走り出しているのだから、意味がないのだけれども。

 NHKBS1で、午前中は、ダルビッシュ(テキサス・レンジャーズ)vs岩隈久志(シアトル・マリナーズ)の直接対決の試合中継。これは見なくてはならない。岩隈もよく投げたが、ダルビッシュはそれ以上の出来だった。15勝目。すごいピッチャーだ。東北高校時代に夏の高校野球決勝で茨城常総学院と戦って負けた試合を、甲子園のアルプススタンドから応援していたのを思い出す。「あのダルビッシュが、ここまで来たか」の思いである。

 午後からは、同じNHKBS1で楽天対オリックスの試合中継。これも見てしまった。3対2で楽天の辛勝。緊張感あふれる好試合だった。一発ホームランで決まるのではなく、四球がからんだり、ファインプレーがピンチを救ったりのドラマがある。統一球でホームランが減ったのを嘆く声もあるが、ホームランが量産される試合よりは、こういう試合のほうが絶対いい。ホームランが出にくい広い球場のほうが、三塁打の出るスリリングな試合が期待できる。それはそうとして、岩隈がいない楽天が、ここまでよく戦っている。今シーズンの楽天は、そこがいい。


2012.9.14(金)

肺炎球菌ワクチン接種  

 3連敗の後、9連勝。楽天の成績は、こんなによくない。散歩休んだ日を敗戦、行った日を勝利とすると、最近の「戦績」はこうなる。今日も散歩に出たが、これで9日連続。日程に余裕がある、雨が降らない、体調十分という条件がそろっているからこその「連勝」である。2008年の「ジョギング手帳」によると、ジョギングの「戦績」は6連勝が最高で、8月には20連敗もしている。散歩という軽い運動でも、続けることには、それなりの効果と意義がある。今日も例の「形容詞の語尾に『い』がつく『な』がつく」を頭の中で試しながら歩くうちに、3個見つかった。「細かい」と「柔らかい」には「な」もつく。「弱い」はダメだが、「ひ弱い」となるとオーケー。こんなことを考え付くこと、これも散歩の「意義」の一つと数えている。

 午後から、近所の中村医院へ。この半月だけで、耳鼻科、歯科、内科、がんセンターと、医療機関通いが多い。今日は、肺炎球菌の予防接種だから、治療ではない。私のような免疫力が低下している高齢者にとっては、肺炎球菌の感染が怖い。予防接種を受けるタイミングをはかっていたのだが、いろいろな条件が整って、やっと今日決行できた。健康保険は使えないので、自費で8,400円の負担。これで、肺炎球菌の感染から免れられるなら、これまた、高い買い物ではない。

 日本が政党の代表選、総裁選の話題でもちきりの中、中国の海洋監視船2編隊6隻が尖閣諸島周辺の日本の領海内に侵入してきた。尖閣国有化への対抗措置としての示威活動であろう。石原東京都知事の尖閣諸島購入方針が発表されたとき、丹羽宇一郎中国大使は「日中関係に重大な危機を招きかねない」と警告したが、このことが日本国内で批判を浴びて、事実上更迭された。丹羽大使の警告は、東京都の購入計画を知ったときに、直感的に「これは危ないぞ」と感じたのだろう。「やっぱり民間大使では、ダメなんだ」というのが、この時の日本政府の対応だった。大使が外務省プロパーだったら、どういう対応をしたのだろう。その後、丹羽大使の公用車が中国人に襲われた。後任の西宮伸一中国大使は、自宅近くで倒れて、意識不明で病院に運ばれた。この大事な時期に、中国大使がご難続きである。代表選の最中ではあるが、野田政権としては、目の前の外交問題にしっかり対応していかなければならない。


2012.9.13(木)

楽しいからこそ続くもの  

 散歩の途次でのラジオ体操、休まず続けている。立ち位置を変えてから景色が変わったので気がついたのだが、体操を一緒にしている仲間の中に、左手が途中までしか上がらない人がいる。今日の体操では、右手がない人が目に入った。お二人とも、他の仲間同様、精一杯身体を動かして体操をしている。私だって、病後の筋肉の衰えの中、足元が定まらずふらふらしながらも、最大限身体を動かして体操をしている。だからどうだというのではないが、これも集団ラジオ体操の楽しさに通じるということ。だから、続けている。言いたいのはそれだけ。

 昼間は、「週刊朝日」ムック増刊号「がんで困ったときに開く本2013」(2012年10月16日発売予定)の取材起こしの原稿のチェックをして、ライターに送付した。限られた字数内におさめるのに苦労したあとが見られるが、うまくまとめてある。いくつか訂正箇所を指摘しておいた。続いて、「玩具福祉学会紀要」の原稿を執筆した。「障害福祉と私」というテーマで2,000字。こういうのは、比較的書きやすい。締切は12月末だが、あまり先の締切だと、つい忘れてしまう。早く書けるものなら、時間がある時に書いておくのがいい。生活の知恵の一つである。これも、締切より3ヶ月も早く原稿が届いて、編集者を驚かすだろう。ついでに、「新言語学序説」11月号の原稿まで書き上げてしまった。こちらは、10月号の原稿を出したばかりなので、編集者への送付は控えた。毎月10日が原稿締切だが、今後は、それより相当早く原稿を送ることにする。そうすれば、いつも締切ぎりぎりに出来上がるイラストが、余裕をもって作成できるはず。「内容はともかく、早いのが取り柄」の面目躍如。そんなことも考えながらの原稿執筆は、義務というよりも、楽しいものに変わる。

 自民党総裁選に出馬するメンバー5人が出揃った。それぞれ、各テレビ局の報道番組に出演して、質問に答えているが、なにか楽しそうに見える。5人の戦いだから、厳しい戦いになるのだが、テレビに出演して、世の中の注目を集めることは、本人にとって楽しくないはずがない。うまくいけば、総理大臣になれるのだから、心の高ぶりもあるだろう。選挙がつらいなんて思うはずがない。楽しいものとして取り組まなければ、いい戦いはできない。高揚感の中で、この時期、気をつけなければならないのは失言である。誤解を生む表現もいけない。一番失言をしそうな候補は、あの人だが、大丈夫かな。


2012.9.12(水)

良き友は命の恩人   

 夜中に雨が降った。カミナリの雷鳴を子守唄に寝ていた。カミナリは、嫌いではない。ましてや、このところ雨降りがないので、カミナリの伴奏つきで恵みの雨をもたらしてくれるので、ありがたい。散歩に行くべく外へ出たら、雨はとっくに上がっていた。岸根公園での木々の下でのラジオ体操の最中に、葉っぱに乗っていた雨粒が、枝の先から落ちてくる。こういうのも悪くない。いつもどおりに体操を終えて、陽のあたらない坂道を下りていく。坂道にどんぐりが落ちている。「小さい秋みーつけた」。

 昼間は、雑誌や小説を読みちらして過ごした。途中には、ベッドの上で腹筋運動。思い立って始めた腹筋運動が、「三日坊主」は過ぎて、1週間続いている。一日数回、気が向いたらやっているのがいい。今のところのやり方はこうである。普通の「起き上がり」を10回した後、苦しくなったところからは、両手の反動を使って20回までやる。反動を使わずに20回やれるようになったら、次のステップに進むつもり。これまでの経験だと、腹筋運動のやり始め、二日目、三日目あたりに、腹筋が痛くなる。四日目ぐらいになると痛みはなくなり、それからしばらく続けると、外から触れて腹筋の存在が確認できるようになる。今回の「思い立っての腹筋運動再開」では、そういった現象が見られない。負荷が足らないからかもしれない。腹筋運動に限らないが、身体エクササイズは無理のないレベルでやるのが、長続きの秘訣。効果が目に見えるようになると、張り合いが出てきて、続けられるのだが、まだそこまでいかない。

 夜は、横浜元町の「霧笛楼」で、加藤俊一夫妻と会食。仙台二高の同級生の加藤君は、東海大学医学部教授で、専門は造血幹細胞移植である。私が入院治療を受けた際の主治医にとっては、この道の大先輩である。私にとっては、彼は「第二主治医」のようなもので、入院中には、適切な助言をしてくれたり、病気についての解説をしてもらった。彼の支援があったので、闘病中も精神的に安定することができたし、実質的に命を救ってもらった。高校時代には、「喧嘩友達」というか、しょっちゅう「論争」していたのを思い出す。放課後、私の部屋の窓越しに「論争」し、その後、お互いに手紙で「論争」の続きをする。あれから45年、彼は信頼できる「第二主治医」。持つべきものは、名医の友人である。そんな友人との会食は、実に楽しいものであった。


2012.9.11(火)

残暑が続く中で    

 残者は続く。まだまだ続く。お散歩おじさんとしては、少しは涼しい朝の風に救われる。岸根公園でのラジオ体操を無心で終えての帰途、坂道を下りながら考えた。一昨日の日記で、「小さい秋がみつからない」と書いたが、あの時、「小さな秋」ではなかったかと一瞬迷ったのである。「小さい」も「小さな」も、どちらも「あり」だから迷うのだが、これは「大きい」と「大きな」でも同じ。しかし、「深い」はあっても「深な」はない。「黒い」はあっても「黒な」はない。「暖かい」と「暖かな」は両立するが、「暑い」はあっても「暑な」はない。「深い」については、「欲深い」は「欲深な」と両立する。しかし、「情け深い」はあっても、「情け深な」はない。「黒な」はないが、「真っ黒な」は「真っ黒い」と両立する。「真っ白い」も同様だが、「真っ赤な」はあっても「真っ赤い」はない。白黒と赤は違う仲間なんだ。こんなこと、今まで気がつかなかったが、結構興味深い。残暑の中の散歩をしながら、こんなことを考えている。

 9時半に宮沢歯科へ。ほんの200mの距離だが、残暑の中、帽子を被り、日傘を差して歩く。男が日傘差して何が悪いんだよ(誰もそんなこと言ってないけど)。紫外線を避ける身としての自衛策である。歯医者さんでは、挿し歯を挿入。仮歯ではないが、一週間の「試運転」の後、微調整する。挿し歯は素材にこだわったからだろうか、自費払いとなり、78、750円也。これで、一生、大丈夫だとすれば、高い買い物ではない。

 世の中は、民主党代表選、自民党総裁選、日本維新の会の設立の話でおおにぎわい。残暑の中での熱い戦いとなるのだろうか。政治への関心が高まるのはいいことだが、AKB48の選挙並みの関心では困る。この機会に、各政党のホンネの部分が垣間見える。そこのところを、しっかり見ておくことが大事。誰が勝つとか負けるとかだけの問題ではない。  残暑の中での、熱い戦いは、ワールドカップ・アジア予選の全日本対イラク戦。1対0で日本の勝利。快勝とまではいかないが、勝ちは勝ち。よくがんばった。


2012.9.10(月)

政局は驚きの一日    

 少しも涼しくならない朝、陽の光も強い。紫外線から身を守る立場なので、頭と顔をすっぽり包むUVカットの帽子をかぶり、陽のあたらない坂道を選んで歩く。太陽をさえぎる木々の下でのラジオ体操を終え、散歩を生真面目に続ける。32分。

 読売テレビの「ミヤネ屋」出演のため大阪へ。行きの新幹線から富士山の勇姿を見ることができた。久しぶり。富士川を渡る橋から眺める富士山の大きさに改めて感動。この富士山が、近く、噴火する可能性ありとか。そんなこと、信じたくない。

 番組は、前半は政治がらみの話題。最初に飛び込んできたのは、「谷垣氏出馬せず」の衝撃ニュース。考えてみれば、20人の推薦人を集めるにも苦労していたのだから、総裁選に出ても、2位以内に入るのもむずかしかっただろう。状況の厳しさは、谷垣氏もわかっていたはずだから、「出馬せず」との判断は十分あり得た。

  石原伸晃幹事長は、「平成の明智光秀だ」、「社長が続投したいというのに、専務が反旗掲げるのはいかがなものか」など、出馬については、いろいろ批判があった中で、身を引かないでいてよかった。「谷垣氏不出馬」になってから、「やっぱり僕は出馬します」というわけにはいかなかった。といったことの半分ぐらいをコメントして、次の話題へ。

 橋下維新の会の「討論会」が話題になった。隣の席の春川正明さんは、コマーシャル中の雑談だが、「5時間も取材していたのに、仕切りが悪いので、中身がない」と怒っていた。私は最初から、「採用内定した受験生への形だけの面接」と受け取っていたので、「こんなもんだろう」ということで、驚きも怒りもない。日本テレビスタジオからの中継で出演していた中田宏前横浜市長とは、「来るべき衆議院選挙には、特別国会での首班指名選挙で「日本維新の会」の議員が投票する議員(総理大臣候補)を国民の前で明らかにして、臨まなければならない」ということなどのやりとりをさせてもらった。「橋下さん以外に、「日本維新の会」が担ぐ首相候補はいないんじゃないの?」というのが言外の意味である。そんなこんなで、いつもより、口数の多いコメンテーター(私のこと)ぶりだった。

 帰宅したら、松下忠洋郵政改革・金融担当大臣が死亡したというニュースが待っていた。自殺ではないかとみられている。この大事な時期に現職閣僚がこういった形で亡くなるとは、大変なことである。政治(政局)がらみで、驚かされることが多い一日だった。


2012.9.9(日)

気分のいい日曜日    

 散歩しながら見上げる空には秋の雲が浮かんでいるが、この蒸し暑さは夏のものである。岸根公園では、アブラゼミが真夏と同じようにやかましく鳴いている。「大きい夏」はまだ残っているが、「♪小さい秋♪」はまだみつからない。秋来ぬと目にはさやかに見えないし、風の音に驚かされることもない。残暑は果てしなく続き、秋の訪れは遠い。そんな暑さの中で、今日もラジオ体操に勤しむ私。見渡すと、小学生が3人も参加している。そうか、今日は日曜日なんだ。体操が終わるのが6時40分。そこから帰路にかかるので、「六角橋北町」のバス停を通過するのが6時46分と決まっている。毎日、決まった人がバス停でバスを待っているのに、今日は誰もいない。そうか、今日は日曜日なんだ。日曜日の街の様子は、いつもと違う。

 今日は9月9日、9並び、救急の日。旧知の麩山進さんからお手紙が届いた。麩山さんとは、仙台時代にお付き合いがあり、当時は、お互いに阪神タイガースの熱烈ファン同士ということで、親近感を覚えていた。宝塚市から届いたお手紙には写真が同封されていた。9月2日(日)、甲子園球場での阪神対広島戦のテレビ中継のある瞬間を撮ったものである。画面表示には、11回裏阪神の攻撃1ボール、1ストライク、1アウト、得点は1対1と出ている。1並びである。「ついでに」というもう一枚の写真は、2009年8月29日の阪神対巨人戦。2回裏、得点2対2、2ボール、2ストライク、2アウトで打者平野(2塁手)ランナー2塁。「2が8個」である。よくぞ、その瞬間を逃さず、写真に収めるものだと感心してしまう。

 さらについでにということで、平成11年11月11日に金沢出張の際に買い求めた金沢駅発行の入場券のコピーが同封されていた。10時51分に和倉駅までの切符を購入した後、20分待って、買い求めた入場券の印字が「11−11−11」で「11:11」。「1が10個」で大成功。相当の数字マニアである。同じ日の同時刻、私は知事室でお客様と面談中だったが、デジタル時計の表示が11時11分11秒になったところで、「ビンゴ!」と大声を出したのを覚えている。こちらは「11秒」もあるから「1が12個」。日頃から、デジタル表示に同じ数字が並んだ瞬間に「ビンゴ!」というのを実行していたので、この日は、早くから心の準備をしていたから「成功」した。こんなくだらない「成功体験」をわかってくれるのは、麩山さんしかいないだろうな。

 昼から「自治日報」の原稿「地方自治の本旨と道州制」を書いて、編集部の高橋さんに送った。締切が10月11日の原稿が1ヶ月も早く届いたら、高橋さん喜ぶし、驚くだろうな。いつもどおり「早いの(だけ)が取り柄」の原稿だが、「明日は書くぞ」という昨日の公約(正しくは、私約)は守った。書き上げて、昨日に続き、楽天対西武戦のテレビ中継を観戦。9対2で快勝。田中将大投手は完投で8勝目、楽天は4連勝である。宿題はできたし、楽天は勝つしで、気分のいい日曜日になった。


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