浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 10月第1週分          

2012.10.6(土)

なつかしのクラス会   

 仙台へ。第21回日本LD学会で記念講演を頼まれていた。講演までに時間があったので、、知事時代にお隣さんだった及川さん宅を訪問。広い家、広い庭に一人(+マルちゃん)暮らしだが、当時と変わらずにお元気だった。マルチーズのマルちゃんは、15歳になって、さすがに老けてしまった。やんちゃな頃、我が家の池に飛び込んだ元気さはない。あの頃がなつかしい。

 日本LD学会は、なつかしの母校、仙台二高のすぐ近くの仙台国際センターでの開催である。15時半から17時半までの予定での講演。演題は「共に生きる」。障害福祉の問題が中心である。「予定」と書いたのは、開始時間になっても、定員1,000人のホールに100人ぐらいしか「お客様」が入っていなくて、急遽、係りの人が呼び込みに出ていったから。同じ時間に、シンポジウムが6本、セミナーが2本進行していて、客をそちらに取られてしまった。10分遅れで始まり、10分遅れで終了。講演が始まったら、客の少なさは気にならず、快調に進行。「2時間は長いなあ」という事前の心配は杞憂であった。むしろ、2時間では収まらなくなり、「まだまだ話すことはあるのですが」と言って、講演を終えた。それなりの満足感。

 講演を終えて、国際ホテルに駆けつける。仙台市立木町通小学校6年2組のクラス会に出席。クラス仲間は、私の闘病中に、千羽鶴をみんなで折って届けてくれた。御礼と回復の報告をしたかったが、2年前のクラス会は体調に自信がなく欠席。だから、今回出席できたことはとてもうれしい。まず、皆さんに「ありがとうございました」と御礼を言わせてもらった。担任の鈴木利子先生もご出席。85歳の鈴木先生は、毎回、クラス会の出席を楽しみにしていらっしゃる。19人の出席者、一人ひとりから近況報告。それぞれ、人生を楽しんでいる様子がわかって、これもうれしい。みんなが、「浅野君、元気になってよかったね」と声をかけてくれるのも、うれしい。夏冬のオリンピック開催の年にクラス会だから、次は2年後。今から、楽しみである。

 街は、みちのくよさこい祭りでにぎわっている。揃いの格好をして、踊りまくっている。その様子が、この街に似合っている。仙台はいい街であると、改めて思う。


2012.10.5(金)

秋空の下の散歩と歯科治療    

 久しぶりの散歩。このところ、天気、日程上の支障で、5連敗中だった。筋力が少々落ちた気がする。それでも、目一杯ラジオ体操で身体を動かせば、気分爽快である。秋の風情漂う中、運動には最適の時期である。

 宮澤歯科で治療。診察台から青空に雲が浮かんでいるのが見える。そんな中での治療は、ルンルン気分である。上下左右の奥歯の一部が神経露出状態になっている。左上の奥歯の治療は完了。今日は、左下の治療である。「神経抜いてしまえば簡単なんだが、血管も一緒に抜くことになり、歯根に栄養が補給されなくなる。いずれ、その歯が弱って抜けてしまうので、違う方法の治療をしているので、時間がかかる」と宮澤先生の説明。なるほど、よくわかる。この調子だと、今年一杯ぐらいかかるかもしれないが、この際、きっちり治して老後に備えようと、既に老後を迎えている私が思う。

 来週の「地方自治論」のレジュメを完成。次回のテーマは、「地方自治体の財政」である。学生にとっては、とっつきにくいし、わかりにくい。レジュメ内容を工夫しているうちに、12ページの大部になってしまった。こんなに盛りだくさんになった。90分の授業時間中に全部カバーできるか、心配である。

 今日は、光子の誕生日。本人は、自分の年齢がとっさには出てこない。60歳過ぎたら、年齢はどうでもよくなったのだろうか。そうはいかない。こちらから「63歳になったんだよ」と教えてやった。誕生日プレゼントもないし、特にお祝いのごちそうもない。「おめでとう」の言葉だけで、勘弁してもらった。それにしても、元気で63歳を迎えられることは、とてもめでたいことである。


2012.10.4(木)

2週間ぶりの受診    

 築地のがんセンターでの受診の日。採血の待合室で、南克己さんに会う。南さんは6週間に一回の受診に「出世」している。私は2週間に1回の受診である。久しぶりに受診に訪れた南さんが「誰か知り合いいないかなあ」と探していたところに、ばったりということになった。来年の東京マラソンの「移植枠」10キロに出るつもりだったが、2.6倍の競争率に阻まれ、出場できないことを悔しがっていた。先日は、奥さんと男体山に登ったとのこと。田野崎先生が何というか、気にしながらも、これだけの「活躍」である。うらやましくもあるが、私は私のペースでやるしかない。

 今日の検査結果は、基本的に異常なし。ただ、血中酸素濃度の測定で95という値だったのが、気になるところ。足のむくみと合わせて考えると、心肺機能に問題があるのかもしれないとのこと。「そんなに気にするほどでない。様子を見ましょう」ということで、動脈からの血液検査は、今日はやらないことになった。自宅で計測すると、血中酸素濃度は、いつも98と「正常」であるのに、田野崎先生の測定器で計ると、低い値になる。「器械のせいで、結果が違う」とはいうが、どちらの器械が不正確なのかは、よくわからない。

 日本維新の会の中で、国会議員団と地方組織の間で、方針の違いがあるようで、マスコミからは「さあ、不協和音だ、内部対立だ」と面白がる声が聞こえる。「独裁」と言われた橋下さんも黙っていない。「いやなら、維新の会にいる必要ないんだよ」と脅かす。それで完全に「内紛」が治まることにはならないだろう。橋下さんが、「自分は大阪に居続ける」と言っている限りは、折に触れ、内から外からの「異論」に悩まされるだろう。


2012.10.3(水)

「日本流」議院内閣制    

 昨日の暑さから一転、涼しい一日に。慶應大学SFCの授業は「政策法務論」。グループワークで問題解決に挑む少数精鋭の学生とやっていく態勢ができた。研究対象の法律ごとのグループ割り振りが、一応、完了。いよいよ学生たちが動き出す。なんとか、やり遂げて欲しい。期待をもって見守る。今日の授業では、議院内閣制の中での解散権の問題、衆参のねじれ、今のままでは、日本維新の会が次の衆議院選挙で多数を取っても、橋下徹氏は総理大臣になれないことなど、学生からの意見も聞きながら進めていった。少人数の授業だからこそできること。

 早めに帰宅して、来週の授業の準備。「地方自治論」のレジュメ作成は、学生の「答案シート」、宿題をじっくり読んだうえでやるので、時間がかかる。今日のうちには、終了しなかった。今学期が最後なので、今まで以上に、いい授業にしたいという思いがある。学生にとって意義のある、面白い授業にするのは、むずかしいが、やる価値はある。

 改造内閣が始動したが、「強力」内閣として、機能するかどうか。この人事で、民主党内の不協和音がどこまで抑えられるかに、成否はかかっている。どこの組織でも、人事異動があれば、意気軒昂となるものより、意気消沈するもののほうが多くなる。代表選で野田首相と争った3陣営からは、入閣なし。これが党内争いの火種になるだろう。議会制民主義のもと、与党議員にすれば、大臣になることが目標である。民主党政権の最後になるかもしれない今回の内閣改造で、大臣の座を得られなかった古参議員の嘆きの声が聴こえてくる。嘆きは、すぐに怒りに変わるだろう。「こんな党にいたくない」という議員が出てもおかしくない。政策実現のことなど、二の次、三の次。さあさあ、これからどう展開していくか。

 「日本流」議院内閣制のもと、首相の解散権はいつにても行使できるとされているが故の、解散をめぐる政治駆け引きが展開される。よほどのことがない限り、4年間の衆議院議員の任期一杯まで務め上げるのが、本来の姿だと信じる私からすれば、こういった駆け引きがとても低次元のものに見えてくる。今日の授業で、議院内閣制を説明しているうちに、改めて頭に浮かんだことである。


2012.10.2(火)

授業が4コマ    

 慶應大学SFCでの授業の日は、2時限の「地方自治論」から。出席者105名。提出された「出席カード」を半分だけ読んだが、なかなか熱心に授業に向かっていることがわかる。頼もしいし、授業のしがいがある。「3回目までは、つまらないよ」と言っておいての授業であるが、正直に「つまらない」との感想を書いてあるもの1名、「知らないことを教えてもらって、面白い」というのが10名以上だから、「つまらなくない」授業になったら、「面白い」という学生がどれだけ増えるのか、それも楽しみ。

 4時限、5時限は「障害福祉研究会」。ゲストは、全国グループホーム学会事務局長の室津滋樹さん。彼とは障害福祉課長時代に知り合ったと思っていたが、「年金局時代に、陳情に行きました。障害年金の引き上げを要望したら、『理屈は後からついてくる、やってしまおう』と浅野さんは答えてました」というから、30年近い付き合いとなる。横須賀市議会議員の藤野英明さんが今日も「ゲスト履修」していた。「グループホームの巨頭二人とご一緒できるなんて、興奮してしまいます」と言うのに、学生は目をパチクリ。脳梗塞の後遺症で、言葉を出すのが不自由なために、室津さんは、ゆっくり、ゆっくり話す。なんとなく、話に引きこまれてしまう。早口が治らない私とすれば、「なるほど、こういう話し方も有効なんだ」と、おかしなところで感心してしまう。話し方だけでなく、中身も大変考えさせる内容である。グループホームの歴史、考え方、実態について、とても興味ある話が聞けた。

 18時10分からは、大学院の授業。博士課程の学生から、「討論型世論調査」の分析についての興味深い発表があり、それについて、曽根泰教先生、小澤太郎先生と私で、質疑なのだが、いつしか、教授同士の議論に発展していく。それがとても面白い。教えられるところ大である。なにしろ、曽根先生は、先日の「エネルギー・環境に関する討論型世論調査」の実行委員長を務めた、日本の権威である。内幕などもご承知なので、その議論が面白くないはずがない。

 授業が終わったのが、8時近くになったので、帰宅はタクシーで。親愛交通の運転手さんは、大体が話好きだったり、聴き上手だったり。自宅までの1時間近い乗車の間に話がはずむ。今日の運転手のTさんが、我が家近くの神奈川大学に通っていたという話から、彼の「数奇な運命」に発展した。中身はここでは明かさないが、「ふーん、そんなことってあるんだ」と驚き、感心しつつ聴いている間に、家に着いてしまったということだけにしておく。


2012.10.1(月)

二日がかりの「ミヤネ屋」出演    

 NHKテレビの朝ドラの新番組を大阪のホテルのテレビで見る。BSプレミアム(CH3)で、7時15分からが「おひさま」(再放送)、7時30分から「純と愛」。先月までは、それぞれ、「ゲゲゲの女房」、「梅ちゃん先生」の時間帯だった。

 「梅ちゃん先生」は、明るいホームドラマ調のところがよかった。主役梅子役の堀北真希の演技はうまいか下手なのかわからないが、ともかく、いやみのないかわいいさが印象に残る。夫信郎役の松坂桃李は、実物もひたむきで初心な好青年らしいが、画面上にもそれが出ている。なんといっても、父親役の高橋克実の存在感がすごい。「だめだ!」が通らないと「勝手にしろ!」と怒鳴る。あんなセリフを私も言ってみたい。書いたらきりがなくなるので、ここまで。朝ドラを一日の始まりに見ることによって、規則正しい生活が確保できる。そのためだけに見ているのではないが、新番組「純と愛」も面白くなりそうである。期待して見続けよう。

 昼前に読売テレビに入り、まず、「『声』あなたとよみうりテレビ」の収録。「印象に残っているテレビ映像」、「TVからどんな影響を受けたか」、「自分がテレビに出演するときに気をつけていることは?」といった質問に答える。第一の質問への答は、1963年11月23日朝5時半に初の日米テレビ宇宙中継で飛び込んできた「ケネディ大統領暗殺」の映像である。その他いろいろ語った「声」が3分間に縮められ、10月か11月の第二土曜日の5:15−5:30の読売テレビ(ローカル)放送で使われるらしい。「そんな時間に見ている人いるんでしょうか」と訊いたら、「視聴率は4%あります」とのこと。

 その後の「ミヤネ屋」は、野田内閣の改造人事、同志社女子大学の職員によるストーカーがらみの殺人事件、東京駅「復原」など。芸能関係をのぞいては、そこそこコメントの機会があった。今回の「ミヤネ屋」は、2日がかりだったが、それはそれで面白かった。


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