浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 2月第4週分          
2013.2.23(土)

日米首脳会談  

 風のない穏やかな天気に誘われて、久しぶりに散歩に出る。長いこと「自粛」していた。「そろそろ再開しなければ」という義務感3分に、「身体が散歩を求めている」というやる気7分。歩いているうちに身体が暖まり、さらに歩き続けると汗ばんでくる。昼の時間帯は、すっかり春の陽気である。

 安倍晋三首相とオバマ大統領との会談は、共同記者会見がないのは異例だったが、会談そのものは、それなりの成果をあげたようである。日米間に大問題があれば、「会見なし」では済まないので、むしろ、そういった厄介な問題は生じていないことの現れかもしれない。共同記者会見の内容次第では、中国をいたずらに刺激することになるので、とりやめたという見方もあるらしい。

 安倍首相とすれば、「どんなもんだい」と胸を張って帰国できるだろう。TPP参加については、アメリカ側から「聖域なき関税撤廃が前提ではない」という言質を取った。これで、自民党内の反対を抑えて、政府としてTPP参加を決断するメドがついたという思いだろう。TPPの交渉はこれからが本番なのだから、この時点で「聖域なき関税撤廃は前提としない」というのは、当然のことである。前回衆議院議員選挙での自民党の公約のほうがおかしいことに、もっと早く気がつくべきであった。

 TPP問題に限らず、安全保障問題、経済協力など多くの分野で、日米間の関係の緊密さが確認されたようである。自画自賛に聞こえないことはないが、今回の首脳会談により、日米間の絆はこれまで以上に確固たるものになったことは、大きな成果といっていい。安倍首相、同行の皆様、お疲れさまでした。

 丸一日、ネットがつながらなかった。ルーターが不具合を起こし、買い替えたものを据え付けたら、無事解決した。せっかく高性能のパソコンに買い替えたのに、システムのほうに不具合が生じるとお手上げである。たった一日ネットが使えない、メールの受発信ができないだけで、何も仕事ができない状態になってしまう。便利さは、不便さと隣り合わせ、そんなことを実感した。


2013.2.22(金)

楽しい送別会  

 厚生労働省で第37回「厚生科学審議会疾病対策部会造血幹細胞移植委員会」に出席。16:00ー18:00。造血幹細胞移植の現状についての事務局からの説明を聴いたあと、造血幹細胞移植の需要と提供の目標について審議した。主に、ドナー登録者をどうやって増やすか、登録者が途中で脱落しないこと(Donor Retentiontというらしい)をどうやって担保するかの議論が中心であった。私としては、今回が3回目の出席であるが、今回も最も発言回数の多い委員であった。「発言してなんぼ」、「出席したからには、発言しなければ意味がない」というほどのことではないが、ついつい意見を言いたくなってしまう。

 委員会終了後、三田の中国料理の店「菩提樹」に駆けつける。「公共政策」を担当する、曽根泰教教授と私の2人が3月末で慶応大学SFCを退職する。上山信一教授、小澤太郎教授、片岡正昭教授、竹中平蔵教授が送別の会を開いてくれた。

 曽根教授は、1988年のSFC創設にあたって中心的役割を果たした。その前の三田の法学部での期間を合わせれば、この道40年の「慶応大学一筋」の方である。4月からは、引き続き、SFC専任教授として大学に残るので、通算年数はさらに延びることになる。

 SFC創設に至る歴史から、今後のSFCでの大学教育のあり方について、それぞれの想いを開陳。話題は、アベノミクスからTPP参加問題、医療政策、規制緩和などなど、尽きることなく続いた。退官にあたり、こんな愉快な会で、楽しい時間を過ごさせてもらった。皆さんのお心遣いに、心から感謝したい。

 (お詫び)我が家のネット接続システムに不具合が発生して、ネットが使えず、日記の掲載ができませんでした。


2013.2.21(木)

安倍首相の訪米  

 4月から始まる神奈川大学での「地方自治論」のシラバスを完成したのが昨日のこと。今日は、特別招聘教授に就任するにあたっての諸手続きの事務処理である。提出書類が多数あり、その記入が結構厄介。身分証明書用の写真を撮ったり、添付書類を集めたりにも時間がかかる。明日にはすべての必要書類を提出できる。65歳を過ぎても、新しい職場があることのありがたさを噛み締めながら、淡々と事務処理をこなす私。

 安倍晋三首相は、午後、アメリカに向けて出発した。ワシントンで、オバマ大統領との首脳会談に臨む。尖閣列島をめぐる日中対立、北朝鮮の核実験など、日米同盟の強化が大きな課題である。TPP参加の問題も、アメリカ側から見れば、日本の本気度を試す機会である。どこまで突っ込んだ話し合いができるか。安倍首相は、TPP参加に対する自民党内の反対の声がある中で、アメリカの信頼をつなぎとめるために、どれだけ踏み込んだ姿勢を示すことができるか。難しい場面である。課題はTPPだけではない。アメリカからは、中国との対立を深刻化しないようにという「教育的指導」がなされるだろう。それをどう受け止めるか、安倍首相の力量が試される。


2013.2.20(水)

シラバス作成  

 神奈川大学の教務担当に「地方自治論」のシラバスを送ったが、何点か直すべきところの指摘があって、作り直した。さらに、この科目は前期、後期連続するので、後期の授業のシラバスも作成するように教示があった。その作成が結構大変だったが、なんとか完了できた。かなり根を詰めての作業をしているうちに、4月から神奈川大学で講義を始めるのだという実感が湧いてきた。期待8分に不安2分。

 寒い一日。今週いっぱいは、寒い日が続くとの予報である。散歩を自粛して、ずいぶん日が経った。身体がなまってくるし、体重も増え気味である。無理して風邪には罹りたくないというのが5分、さぼり気分が5分。


2013.2.19(火)

新天地、神奈川大学  

 みぞれに近い雪が降る一日。4月からお世話になる神奈川大学に用事があってでかけるのにタクシー利用。「徒歩10分」が売りだったのだが、雪模様での徒歩は避けることにした。

 新旧学長、理事長との懇談で、だんだん気持ちが煮詰まってきた。神奈川大学では、慶応大学SFCとは違った形での出会いと発見があるだろう。期待7分に不安3分。「地方自治論」の授業は水曜日の3時限13時から14時半、履修予定者300名。15回分のシラバスを今月中に出すように厳命されたので、明日提出する。だんだん煮詰まってくるというのは、こういう作業を通じてである。期待7分に不安3分。なるようになるさ。


2013.2.18(月)

骨髄移植推進財団を訪問  

 パソコンを新型に換えただけで、生活の文化度が急に高くなったような気になる。あくまでも、そういった気になるだけで、実際に文化度が高まったわけではない。それでもとても愉快な気分である。新しい靴を履いてうれしいというのに似ていないこともない。人間は、こんな些細なことで幸せになれる。その積み重ねが人生だと思いたい。

 神田錦町にある「骨髄移植推進財団」で懇談。この場所に辿り着くまでの苦労も書いておきたい。風邪の流行時期であり、横浜駅の混雑を避けたいということで、タクシーで行くことにした。呼んだタクシーの自宅到着に20分かかり、イライラ。運転手は東京の地理、特に高速道路が苦手で、目的地がどんどん遠くなる。結局、四谷駅で降りて、そこから竹橋まで電車乗り継ぎで駆けつけたが20分の遅刻。こういう状況でも、高額のタクシー料金を払わされるのは、理不尽である。

 20分遅刻の失態を詫びながら、財団の齋藤英彦理事長と木村事務局長との懇談が始まった。「血液情報広場 つばさ」の橋本明子理事長、理事の鎌田麗子さん(「造血幹細胞移植委員会」委員)も同席。骨髄バンクの運営という現業をやっているのがこの財団である。財団法人で、こういった現業をやっているものは少ない。しかもその内容が、ドナーさんの骨髄液を患者に届けるという大変な事業である。私の命も、骨髄バンクによって届けられた骨髄液を移植されて助かった。そういった重要な事業を遂行している財団であるが、運営は厳しいものがある。主として、財源不足の問題である。そういった問題点を詳しく説明していただいた。私なりにその問題点を整理して、「造血幹細胞移植委員会」委員の立場で、これからの委員会の場で建設的な意見を述べたいと考えている。その意味では、とても有益な懇談であった。


2013.2.17(日)

新しいパソコン  

 今日はパソコンの買い替えで一日が過ぎた。まずは、どの機種を購入するかを決めなければならない。SFC卒業生の峯岸宗弘さんに説明を聞いて、ソフトはMACがいいらしいということで、アップル社の製品にした。二人で横浜駅のヨドバシカメラに赴き、店員さんに「これください」と即決。

 パソコンはそれからが大変。立ち上げは意外と簡単にできたが、ソフトをいろいろ入れ込むのに時間がかかる。今までのパソコンからデータを移すのも大変。すべての作業が終わったのは20時半。これから浦和まで帰る峯岸さんには、本当にお世話になった。遅くなって申し訳ない。

 おかげさまで、大変気分よく、この日記を書かせてもらっている。なにしろ、スピードが違う。各駅停車と新幹線ほどの違いがある。これで、イライラしないでパソコンを使うことができる。峯岸さん、本当にありがとう。多分、まだまだわからないところが出てくるので、そのときはよろしくお願いします。  ということで、今日の日記はこれだけ。


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