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ジョギング日記 4月第3週分          
2013.4.20(土)

穏やかな生活と爆弾テロ 

 朝から寒い一日。こういうのを アメリカの気象情報ではunseasonably cool(季節はずれの寒さ)と表現していたなと、40年前の留学時代を思い出している。郵便を取りに外に出たら、どこかの奥様が我が家の生け垣を見て「素敵なお花ですね。もっこうバラっていうのでしょ」と声をかけてきた。「そうです。もっこうバラです。きれいでしょ」と応じる。先日、予習していたから、花の名前を自信たっぷりで応えることができた。こういうやりとりは、実に珍しい。

  花を愛でたり、散歩を楽しんだり、穏やかで幸せな生活とは正反対の状況が、アメリカのボストンで見られた。ボストン・マラソンでの爆弾テロ事件は、心を寒々とさせる。逃走中の犯人との銃撃戦がボストン西部のウオータータウン町で展開された。ボストン市内は終日住民の外出禁止がとられ、ビジネスも学校も、公共交通機関もストップ。犯人がつかまるまでの間は、ボストン全市が厳戒態勢に入った。その後、FBI、警察、州兵、SWATチームを動員しての大捜査陣の努力により、なんとか犯人逮捕に至った。住民に平和は戻ったのはよかったが、犯行の背景が解明されない限り、事件は収束しない。

 15日(月)のボストン・マラソン爆弾テロの翌日の16日(火)には、共和党上院議員に猛毒リシン入り郵便物が送付された。これはテロであることが判明。翌日、容疑者逮捕。同じ17日(水)には、テキサス州ウェスト町の肥料工場で爆発火災、死者多数。同日、議会上院では、「銃規制法案」が廃案となる。1週間の間に、アメリカは大混乱である。

 そういう中で、オバマ大統領の毅然たる言動が印象的であった。


2013.4.19(金)

在京一八会 

 気温は高いが、風が強い。そんな中での散歩とラジオ体操。体操を終えた女性(高齢)が、仲間に「寒いね」と言っていた。私の体感としては、少し寒いが、身体を動かせば汗ばむほど。散歩を終えて帰宅し、湯船に身体を横たえる。「極楽、極楽」と声が出る。極楽が、無料で毎日楽しめるのだから、散歩とラジオ体操はやめられない。

 午前中は、いつものことだが、メールやお手紙(これもmail)への返信、その他雑用をこなすうちに時間が過ぎる。その後、「地方自治論」(第3回)のパワポイントづくりに取りかかる。午後までかかって完成。レジュメは昨日のうちに作成して、大学の教務に送っておいた。そのレジュメは、20項目の「質問と回答」も含め、6ページものである。授業開始直後でもあり、たいそうまじめに仕事をこなしている私。

 夜は、秋葉原の「在京一八会」に出席。仙台二高第18回生の集まり。いつもと同じようなメンバー10人が居酒屋「九(いちじく)」に集まって、談論風発。みんなとても元気で前向きなのがいい。自分も負けていられないという気にさせられる。


2013.4.18(木)

花の季節  

 気温の高い朝。薄着をして散歩に出発し、ラジオ体操をこなす。ラジオ体操参加者は、気温に比例して増えている。散歩するにしろ、ラジオ体操するにしろ、気持ちがいい季節到来である。

 我が家の猫の額よりは広いが、狭苦しい庭は、花盛りである。生け垣の常磐万作のピンク、モッコウバラの黄が盛りを迎えている。「これは何の花?」と光子に訊く。「これは、けし。あれはフレンチラベンダー、葉っぱがいいにおいのこれはチェリーセイジ」というところまではついていける。ギボシ、アシュガ、スノーボール、ジャーマンアイリス、しろたえぎく・・・となると、どれがどれだか、頭は大混乱。「試験勉強のように、名前だけ覚えようとするからだめなのよ。花の色かたち、葉っぱの形状がどうなっているのかで覚えないとね」と光子にダメ出しされる。名前はともかく、美しい花のいのちを愛でればいいとは思いながら、やはり、そうはいかない。しばし、修行しよう。  


2013.4.17(水)

履修者が増えた、仲間ができた  

 神奈川大学で「地方自治論」の授業2回目。出席者は249名。前回は225名だったから、少し増えた。これはいい徴候である。今日のテーマは「知事とは何か」(その1)。授業後提出された「コメントシート」では、「知事の仕事がこんなに忙しいとは知らなかった」という感想が多かった。ある日のスケジュールをパワポイントで紹介したのだが、そのインパクトが大きかったようだ。それまでは、知事は暇な仕事と思われていたのだろうか。

 授業終了後に、厚生省の後輩の江口隆裕さんが教室にやってきた。今月から、神奈川大学教授に就任し、社会保障論の授業を担当するとのこと。江口さんは、厚生省在職中に北海道大学で教え、その後、筑波大学でも教授を務めた。今回は、大学の公募に応じて採用された。アカデミズムの経験、実績が豊富である。ありがたい仲間ができた。  


2013.4.16(火)

歌舞伎を見る  

 光子、義母とともに、柿葺落(こけらおとし)四月大歌舞伎見物に、新装なった歌舞伎座に出向く。午後の部の開場前は、大勢の客でにぎわっている。おみやげ売り場も満員。客の8、9割は女性である。演目は、「白波五人男」で知られる「弁天娘女男白波(べんてんむすめめおのしらなみ)と「忍夜恋曲者(しのびよるこいはくせもの)」の二題。弁天小僧菊之助に扮する尾上菊五郎は、70歳を越えた身で、お嬢様を演じる。大きな所作も軽々とこなすのには感心する。二つ目の演目では、傾城如月こと滝夜叉姫を演ずる坂東玉三郎の妖艶、優雅な踊りが、なんとも艶かしい。これを見るだけでも、来た甲斐があった。

 山崎正和と丸谷才一の対談集「日本史を読む」を途中まで読んでいるところだった。二人の学識の深さに圧倒される思いであるが、その中に「イエズス会劇が歌舞伎成立のきっかけである」といった話が紹介されている。「能や狂言が古典主義的なのに対して、歌舞伎はバロック。歌舞伎はにぎやかで派手で、華美でエロチックで、まるでレビューみたい」(丸谷才一)といった説明を読んだ翌日の歌舞伎観劇とである。まさに、そのとおり。華美でエロチックのところが、特に印象に残った。歌舞伎は素晴らしい。  


2013.4.15(月)

移植委員会  

 ほぼ毎月1回のペースで開催される「造血幹細胞移植委員会」だが、今月は、今日と26日(金)と2回開催される。今日の委員会は、18時から20時まで。とても珍しい開催時間である。私以外の委員は、みなお忙しい方ばかりなので、日程調整がとてもむずかしい。それで、こんな時間になってしまうのだろう。

 せっかく出席しているので、今日も、いろいろ発言をさせてもらった。我ながら、未熟な質問、変わった意見だろうとは思いつつ、患者は知識も情報も限られているのだから、専門家のようなわけにはいかない。半分開き直りつつ、素人的な発言を繰り返す。本人としては、なんとか骨髄移植の適切な推進に役に立って欲しいという一心であることを、他の委員にも、お役所事務局にもご理解願いたい。

 北朝鮮によるミサイル発射は、本日も不発。このまま中止となる確率は、5分5分ぐらいになってきた。そもそも、そんな予想をさせられること自体、実に腹立たしいことである。幼稚国家は、何をやるかわからないのが怖い。


2013.4.14(日)

ぷれジョブ  

 午前中、「ぷれジョブ藤沢」の4月定例会で、小田急線長後駅前のAGI事務所3階会議室に赴く。昨日の茅ヶ崎市での講演会に参加していた方も、何人かオブザーバー参加している。横浜市、川崎市からも「見学」に来られた方もいる。狭い会議室は20人の出席者で満員。隣の部屋では、子どもバレー教室が同時開催していて、ちょっとうるさい。そんな中でも、熱心な発表と意見が活発に出された。

 ぷれジョブを始めたい、ぷれジョブに参加したいという人が増えている。来月の定例会では、第4号開始の報告がありそう。今のところ、ジョブサポーター探しに苦労しているが、今年中に、あと数件は開始にもっていけそうである。事務局をしていただいている内海智子さんにご苦労をかけるが、なんとかものにしたい。  


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