浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 5月第4週分          

2013.5.25(土)

日の出が早い

 今朝の横浜の日の出は4:30。散歩に出るのは、それから6時である。世の中が明るくなっている時間帯に、1時間半もベッドの中で寝ていることになるのは、もったいない。私はサマータイム(daylight saving)導入賛成派である。猪瀬直樹東京都知事は、日本の標準時を2時間早めることを提案しているが、それには慎重論で臨む。2時間は長過ぎる、冬まで早めるのは実際的でないという理由である。そんなことを考えながら、日の出から2時間のラジオ体操に励んでいた。

 「共通番号法」が成立した。行政機関が納税や社会保障の給付などで、国民の個人情報を把握し活用できる。国民側でも、申請手続きが簡単になる。いいことづくめのようだが、そうは簡単にはいかない。個人情報が行政機関に握られ、個人情報流出のおそれもある。情報ネットワークを安全、確実に運営するためのシステムづくりには、膨大な費用がかかる。それでも、万全なシステムはできないだろう。システムを運用する側は、よほどの覚悟をもって臨まなければならない。これからが大変だ。

 今日は気分がいい。東北楽天イーグルスが今日も勝ったから。スカパーで中継をみっちり観ていた。広島相手に、2対1というしびれる試合をものにした。則本昂大投手が8回を1点に抑える好投で4勝目。得点は、4番アンディ・ジョーンズと5番ケイシー・マギーの本塁打。新人投手と頼れる助っ人が、またもやってくれた。


2013.5.24(金)

京都にて

 京都で宿泊したホテルで、堀場雅夫製作所最高顧問と会食。昨夜の「クオリアAGORA2013」主催の長谷川和子さんもご一緒。堀場さんとは、病気前に何度かお会いしているが、病後は初めて。お会いして、外見も中身も若々しいのに驚く。「おいくつになられたのですか」、「88歳だよ。60歳の頃は、いつ死んでもいいと思っておったけど、今はまだまだ死んでいられないと思うようになった」というのに、さらに驚く。哲学全集全16巻を読み終えないで死んだらもったいない。若いものの教育をせにゃならん。やることが一杯ある。120歳までは生きるという。感銘を受ける話はまだまだあった。まさに傑物というしかない。ユーモアのあるやさしい方で、私は大好きである。光子は、「肌がつるつるで張りがある、髪の毛が美しい白髪のつやつや、エステに行ってらっしゃるのだろうか」と感銘を受けていた。

 朝食は終えたが、折角の京都である。横浜に急いで帰ることはない。京都駅に近い、東本願寺別邸の渉成園のお庭に寄る。門を入ってすぐ、高石垣が目に入る。長い切り石、礎石、石臼、山石、瓦といったさまざまな素材からなる石垣である。外国人の観光客がカメラを向けていた。桜はとうに終わり、ツツジも残っていない。池の周りの小さめの建物が、それぞれ風情がある。この庭最大の印月池を覆うようにスイレンがびっしり咲いている。これが、本日のハイライト。真夏のような暑さの中、庭を歩き回って、さすがに疲れた。今回の京都は、これでおしまい。  


2013.5.23(木)

しゃべくりの一日

 朝6時05分から十分間、TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう一直線」に電話出演。東日本大震災で住宅をなくした被災者の住宅ローン返済の負担を軽減する「被災ローン減免制度」で、一定の金額の返済をあらかじめ約束させる「念書」が取られている。これが心理的圧迫になって、1万件の融資利用の予定が、実績は346件にとどまっている。突然振られた件なので、適切なコメントができなかった。もう1件は、小学校での英語教育について。これについては、いろいろ言いたいことがあったのだが、時間切れで尻切れとんぼ。十分間では短過ぎる。

 昼からは、読売テレビ「ミヤネ屋」に出演。他のコメンテーターは、梅沢富美男さんと春川正明さん。今日は、年金問題、特に女性の年金問題がメイン。特別ゲストに同志社大学教授の橘木俊詔さんと社会保険労務士の相川裕里子さん。年金問題は、一応、私の専門分野ではあるが、説明はとてもむずかしい。「積み立て方式と賦課方式」などということの説明はとても無理。なんだか、消化不良気味で終わってしまった。光子が番組に私の付き添いで来るのは、今日で最後。スタッフの方々に、「お世話になりました」の挨拶をしていた。

 番組が終わって、大阪から京都に移動。京都技術研究所10階で「クオリアAGORA2013」が17時から。旧知の長谷川和子さんからの依頼での出席である。今日のテーマは「科学・技術と健康との新たな関係-ライフイノベーションを考える」というもの。

 私からは、「骨髄移植でもらった命-移植前と移植後」という30分間のスピーチ。私の前には、京都大学大学院医学研究会教授の川上浩司さんが「医療の評価や研究の趨勢と医療の費用対効果と社会保障政策の関係、医療産業の未来」について40分間のスピーチがあった。二人のスピーチが終わったところで、討論に入る。山口栄一同志社大学総合政策化学研究科教授の司会で篠原総一同志社大学大学院経済学研究科教授、 高田公理佛教大学社会学部教授、山際寿一京都大学大学院理学研究科教授が、二人のスピーチを題材に、問題点を深める。

 その討議が終わると、参加者が5つのグループに分かれて、飲食つきで自由討議。一つのグループが5人ぐらいだから、25名ほどの参加である。書記役が、みんなの発言内容をテーブル一杯の紙に書いていく。自由討議が終わると、グループごとに、その紙を全員に見せながら、討議の報告をする。なんだ、なんだ、これは。大学のゼミではないか。何人かと名刺交換をしたが、いろんな職種の方がいる。地元京都だけでなく、全国各地からやってきている。なんだ、なんだこれはと、再び驚かされる。「クオリア」とは、日本語では「感覚質」と訳されるが、内観によって得られうる現象的側面のこと。こんな会ができるのは、京都だからだろうか。長谷川和子さんの熱意の賜物なのだろうか。会が終わったのは、21時半を回っていた。面白い夜だった。

 ホテルに戻ったら、三浦雄一郎さんが80歳でエベレスト登頂というニュースを知った。すごい、すごい、素晴らしい。国民栄誉賞ものである。


2013.5.22(水)

自治体間の善政競争

 暑い一日。これで平年並みなのだろう。気温は高くても、空気が乾燥しているので、過ごしやすい。そんな中、神奈川大学で「地方自治論」(第7回)の授業。今回は、地方議会について。来週、現職議員4人をゲストでお招きしている。その予習のようなもの。学生にとっては、なじみの薄い地方議会。今日の授業と次回の「本物登場」で、地方議会への理解が進むことを期待しているのだが。

 横浜市が保育所待機者ゼロを達成した。改革の中身は、まだ問題無しとはしないのだが、3年前までは、自治体ワーストだったのだから、快挙といえる。他の自治体も横浜市を目標にがんばらざるを得ない。国でも、横浜市の取り組みを参考にしたいと言っている。自治体間の善政競争。地方自治体のありようを、こんな形で示してくれた。横浜市、good job!

 ニュースの映像で、大阪市議会の木下吉信議員(自民党)が、例の慰安婦発言、風俗発言について、鋭く、激しく橋下徹市長を追及しているのを見た。「何様のつもりなのか」、「品性を欠く発言」といった言い方で橋下市長に迫る。今日の授業では、「地方議会は総与党化していて、首長を追及する場面はあまりない」と説明しつつ、「昨日の大阪市議会での橋下市長追及は、例外の部類」ということで、この場面を引用した。

 橋下発言問題が、まだまだ尾を引いている。私としては、5月13日(月)の日記で「強者の論理であり、人間の尊厳への配慮なき発言である」と書いておいた。今日の時点では「理路整然たる非常識」、「正論居士は、正論孤児」という言葉が浮かんでくる。「毎日新聞はバカ新聞」という発言を、再開した囲み取材の場で連発したのは、大人げない、情けない。


2013.5.21(火)

慶應義塾全国議員連盟

 夕方から、慶応大学三田校舎にて、「慶應義塾全国議員連盟」の第10回総会に出席。この会には、病気前から関わっていて、昨年も講演をさせてもらった。今回も、全国の良質の地方議会議員に向けて、「これが理想の地方議会」ということを1時間語らせてもらった。慶応大学での地方自治論の授業でも同じようなことを語った。「これは学問的な言説というよりは、アジ演説だからね」と言いながらの授業である。今日も、慶応大学出身の地方議会議員に向けてのアジ演説のような講演になってしまった。他の議員はともかく、良質の議員だからこそ、私のメッセージを伝えたかった。

 来週の「地方自治論」の授業には、この議員連盟のメンバーお二人にゲストととしておいでいただく。その意味では、私も議員連盟にご協力いただいているということになる。来年もお呼びいただけたら、よろこんで馳せ参じたい。


2013.5.20(月)

半年ぶりの歯科 

 朝10時、雨の中、宮沢歯科へ。昨年の10月以来だから、ほぼ半年ぶりである。その間、歯科的には、何も不都合なし。痛い所も、腫れたところもない。宮沢院長に口内を見て(「診て」かな)もらったら、「とてもよく手入れされています。お年の割には、全般にしっかりした歯並びです」とほめられた。一日4回歯磨きを丁寧にしている結果である。下の前歯の空いているところにプラスチックを詰めてもらい、全般のクリーニングをしてもらって終わり。次に来診するのは、半年後である。

 午後は、全国骨髄バンク推進連絡協議会の野村正満副会長と大谷貴子副会長が来宅。なにやら相談ごともあったが、それはそれとして、骨髄移植事業の実態や問題点をご説明いただいた。私としては、知らないことが多いので、有益な機会であった。


2013.5.19(日)

「ぷれジョブ」定例会 

 第3日曜日の10:30、小田急線長後駅前のAG1事務所3階会議室で、「ぷれジョブ藤沢」の5月定例会。現在活動中の2件のジョブワーカー、ジョブサポーター、事業所から報告がある。

 Ca-fe KOBAでの6ヶ月研修を終えた武藤俊樹君は、今月から古久家藤沢店での研修である。餃子の皮包みがベテラン店員より丁寧だという小林剛輔社長のコメントに、みんなで拍手。俊樹君も得意そうである。辻堂の(株)FCCで仕事をする香川真穂さんはお手伝いが楽しいと報告してくれた。深澤正司社長からは、真穂さんが来てくれて、職場の雰囲気がとても良くなったとの報告。これにも、みんなで拍手、拍手。ジョブサポーターの奥野紀子さんは、「真穂さんは手がかからないので、何もしないで見守っているだけです」との報告。それがジョブサポーターの理想だと、私から補足。

 定例会には、「ぷれジョブ」を近く始める予定の関係者、藤沢市以外で「ぷれジョブ」に関心を持っている方々も出席。毎回、20人以上の参加をみている。「ぷれジョブ」がだんだん広がっていく予感がする。もう少し、がんばってみたい。


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