浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 6月第1&2週分           
2013.6.8(土)

爽やかな6月の日に  

 午後から、「都市問題」公開講座で、日比谷の日本プレスセンター10階ホールへ。「見果てぬ夢か?道州制」というテーマでディスカッション。私の他のパネリストは、工藤裕子中央大学法学部教授、谷隆徳日本経済新聞論説委員、田村秀新潟大学法学部教授。司会は新藤宗幸東京都市研究所常務理事。新藤さんとは、昨日の研究会でもご一緒だった。パネリスト4人に加えて、司会者も道州制には反対ないしは慎重論である。甲論乙駁の議論にはならない。会場は、270名の参加者で満員。この問題への関心の高さを反映する熱気である。

 公開講座に遅れてはならないと、自宅を早めに出たら、霞が関駅にずいぶん早く到着してしまった。時間調整のため、日比谷公園を歩く。からりとした梅雨時らしくない晴天の下、園内のアジサイが大輪を咲かせている。鶴の噴水のある池を眺めるベンチに坐って、文庫本を読む。都心なのに、園内は静寂。吹く風は爽やか。なんとぜいたくな時間なのだろう。

 そこで読んでいた本は、「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」スティーグ・ラーソン著(ハヤカワ・ミステリ文庫)。「銃・病原菌・鉄」を下巻の途中で投げ出したあとに乗り換えた「時のみぞ知る」の第一部上下巻を、あっという間に読み終えてしまった。なんと、第二部はまだ発売されていない。そこで、次に乗り換えたのが「ミレニアム」である。これは1部から3部まで続いて、それぞれの巻に上下があるので、全6冊完結である。書評で激賞されていたが、ほんとに面白いかどうか不明だったので、1冊目だけ購入しておいた。昨日の段階で、残り5冊をアマゾンで追加購入したが、まだ届いていない。日比谷公園の池のほとりで読むような種類の本ではないと思いながら、途中ではやめられない面白さである。


2013.6.7(金)

梅雨明けはまだ先  

 朝のうち、雨模様だったので、散歩を自粛したが、結局は晴天の一日。梅雨入り後の降雨量は記録的に少ない。このまま梅雨明けとはいかないだろうが、異常気象の一種ではある。

 午後から、分権型政策制度研究センターの第1号委員として、研究会に出席。第2回の「広域的行政課題への対応と地方政府体系のあり方に関する研究会」である。中身は道州制が導入された場合の問題点についての議論。第2号委員である富山県、滋賀県、岡山県、広島県、長岡市の職員が出席して、議論を展開した。2時間の議論の成果としては、道州制導入は問題が多過ぎるということが、結論のようなものか。

 今日の日経平均株価は、12,877円と小幅下げ。梅雨明けは、まだ先になる。それまでは、あせらず、あわてず、じっと我慢の子。株の取引はやらない人間(私のこと)だから、第三者的な見方ができる。


2013.6.6(木)

株式市場の続落  

 朝、6時過ぎ、「おはよう一直線」に電話出演。生島ヒロシさんとのやりとりで、年金の支給開始年齢引き上げ問題について語る。年金問題の解説は、とてもむずかしい。「ミヤネ屋」出演のときも、賦課方式と積み立て方式の説明に苦吟したのを思い出す。今朝も同様で、わかりやすい解説になったとは、いえない。消化不良のまま、10分が過ぎてしまう。

 築地のがんセンターで受診の日。諸検査、診察の結果は、異常なし。毎度のことだが、リンパ球の数が少ない。免疫力がその分低いということだから、感染症には注意を要する。「慎重運転で」という指示は、まだ続いている。次回受診は3週間後。

 今日の東京株式市場は大幅続落した。日経平均株価の終値は、前日比110円85銭安の1万2904円02銭。2ヶ月ぶりの13,000円割れとか。今までが、あまりにも急激な上昇だったのだから、やっと落ち着くべきところに落ち着いたということなのだろう。株価は、将来への期待感という実態のないものに依存して上昇してきた。本来は、個々の企業の業績回復を見込んで、株価は形成される。投資家から見れば、これが実感できないから、株買いにはならない。政府の成長戦略が中身に乏しいことから、株の失望売りになったと見るむきがあるが、その見方は正しい。株の暴落はないだろうが、これまでのような株価上昇は、当面は見込めない。


2013.6.5(水)

規制改革会議の最終答申  

 毎日が梅雨の中休みの様相である。本日も晴天なり。気象庁も、「5月の梅雨入り宣言はフライングでした。撤回します。ゴメンナサイ」と認めてしまえばいいのに。そんなことを考えながら、気持ちの良い青空の下、散歩とラジオ体操を満喫。体操参加者の服装は、半袖シャツが主流になっている。これも梅雨どきの服装ではない。

 気持ちの良い青空の下、のんびり歩いて神奈川大学へ。陽射しが暑い。「地方自治論」(第9回)のテーマは市町村合併。先週の「議員登場」ほどには血湧き肉踊るトピックではない。学生の眠気を覚ますような講義を心がけたが、限界がある。市町村合併の講義が早く終わったので、橋下大阪市長の慰安婦発言について、学生の意見を訊きながら、解説する形の授業に切り替えた。学生も、それなりの意見を表明してくれるので、双方向性の授業らしきものになった。

 安倍内閣の規制改革会議が規制改革案を安倍首相に答申した。成長戦略を後押しするためには、民間投資が進められなければならない。民間投資を促すには、規制緩和が不可欠であり、今回の答申では「阻害要因の除去」が中心課題になっている。中身を見ると、それなりの規制緩和にはなっているが、しょせん、それなりのもの。東南アジアなど外国人の短期ビザ発給要件の緩和など、骨太ならぬ骨細の方策も並んでいる。この程度で、民間投資が促されるものかと疑問はある。実は、この程度の方策でも、すぐには実施するのではなく、検討期間が設けられている。スピード感にも欠けるなと、少し冷ややかに見ている私。  


2013.6.4(火)

手に汗握る熱戦  

 散歩とラジオ体操を終えて、朝食。一休みしてから、「新言語学序説」の原稿に着手。「正論について」ということで書き出したが、なかなか進まない。ほぼ書き上げたところで、厚生労働省へ。

 造血幹細胞移植委員会の第41回は、17時のスタート。委員の日程調整がむずかしく、こんな時間の開会となる。骨髄提供あっせん事業について、造血幹細胞提供支援機関についての議論。例によって、何度も発言を求める私。毎回のことだが、結構活発な議論がなされる委員会である。予定の19時少し前に議事終了。

 議事終了するのが、丁度いい時間だから、虎ノ門あたりの居酒屋で委員会の続きを企画していたのだが、今日がサッカーワールドカップ予選のオーストラリア戦であることを失念していた時期の企画であった。この試合を見なければ日本国民でないとまで思い詰め、企画を反故にして、まっすぐ帰宅。日本代表が、本田選手のPKで引き分けに持ち込む場面をしっかり見ることができた。昨夜のプロ野球、楽天対中日戦で、延長11回裏、嶋のサヨナラヒットの場面を思い出す。思わず、家族そろって「ヤッター!」と叫んだが、今夜も「ヤッター」と叫ぶなど、昨夜の再現である。2日続けて、手に汗を握る試合だった。


2013.6.3(月)

復興予算のでたらめ流用  

 東日本大震災の復興予算で2千億円がついた雇用対策事業のうち、約1千億円が被災地以外で使われていることがわかった。(「朝日新聞」本日朝刊一面トップ) 被災地以外の都道府県で雇われたのは6万5千人だが、そのうち97%は被災者ではない。記事によれば、「ウミガメの保護観察」や「ご当地アイドルのイベント」など、震災とは無関係の仕事ばかりとのこと。

 なんなんだ一体、これは! 責任者出てこいと叫びたい。まさに無責任、被災地の大変さに思いが至らない想像力の欠如、予算の消化を優先する役人根性を絵に描いたようなもの。怒るのは、被災者だけではない。我々だって、復興財源確保のためといって、所得税に2.1%乗じた額を復興特別所得税として取られている。それが、これから25年も続く。納税者として、怒りが湧いてくる。

 夕方、横浜ベイシェラトン・ホテルで神奈川県私立大学連絡協議会に出席。県下の40私立大学の理事長、学長を前にして、「大学における障害者教育」について講演をさせていただいた。現在、国会で審議中の「障害者差別解消法案」では、各部、各分野で障害者の差別禁止が求められている。大学運営においても、同様である。そのことの意味と今後の対応のあり方について、私の立場から論じてみた。硬い話題をどうわかりやすく話すのか、苦労しつつ、なんとか90分間の講演を終えた。講演後の懇親会にちょっとだけ出て帰宅。


2013.6.2(日)

ドリーム・エナジー・プロジェクト  

 日曜日のラジオ体操は、外からの中継が多い。今朝は、愛媛県砥部町陶街道ゆとり公園からの中継で、700人の方々と一緒に体操を楽しむ。こちら岸根公園も日曜日独特の雰囲気の中での体操である。全国のラジオ体操仲間と一緒に身体を動かしている感覚は、なんともいいもんだ。

 散歩と体操で、頭がはっきりしてきたところで、朝食後は原稿書きに突入。「ガバナンス」7月号の「新・アサノネクスト」第33回は「民意とは何か」がテーマ。ほぼ完成したところで、根岸にあるJX日鉱日石エネルギー株式会社根岸製油所内体育館にでかける。

 この体育館が、「ドリームエナジー・プロジェクト」(ドリプロスクール)の体験レッスン会場である。慶応大学SFCの研究会にゲストで来てもらい、「ぷれジョブ藤沢」では事務局長をお願いしている内海智子・邦一夫妻(主宰者)に誘われてやってきた。ドリプロスクールは、障害のある子たちの可能性を伸ばす場である。正式発足の前に、体験レッスンを企画したところ、本人50人に保護者を加えた120名が参集したのには、驚かされた。ダンス、表現、コミュニケーション、美術、茶道、英会話、料理、歌のレッスンの専門講師がやってきて、お試しデモンストレーションが繰り広げられた。

 子どもたちが熱心で、しかも楽しそうなのが印象に残る。ノリがいい。講師たちの質も高いし、熱心さは特筆ものである。ドリプロスクールの幸先よきスタートである。特別顧問(私のこと)としても、大いに期待しながら見守っていきたい。  


2013.6.1(土)

罪の意識  

 今日から6月。一昨日から晴天が続く。「梅雨の晴れ間」が毎日というのはおかしくないか。気象庁には「梅雨入り宣言は、フライングでした」と、お詫びして訂正してもらいたい。そもそも、5月の梅雨入りなんてルール違反である。

 その晴れ間に、散歩をさぼってしまった。二度寝、三度寝で、30分寝過ごしてしまい、散歩をあきらめたという次第。いつもの時間通りに散歩に出発しないと、朝の日程が崩れてしまい、一日のペースの混乱につながる。外は、(梅雨には珍しい)キンキンの晴れなので、「もったいない」、「さぼってしまった」という罪の意識がある。

 ノンフィクションとして評価が高い「銃・病原菌・鉄」ジャレド・ダイヤモンド著(草思社文庫)を読み始めたが、途中で眠くなる。なんとか上巻は読了したが、下巻の途中で断念。これを読み終えないと、次の本に進めないという思いがあり、がんばったが限界である。途中中断には罪の意識ありだが、仕方がない。気を取り直して、「時のみぞ知る」ジェフリー・アーチャー著(新潮文庫)を手に取る。アーチャーの作品にはずれはないし、ストーリーテラーとしては定評がある。つまりは、面白いということ。第一部(上下巻)、第二部(上下巻)と続くが、これは、途中でやめろと言われても、やめられない予感がする。

 午後からは、楽天のDeNA相手の負け試合を3時間もテレビ観戦し、合間には間食に手を出す。散歩も休んでいるので、体重は増加の一途。仕事らしいことは何もしない土曜日。罪の意識を覚えつつ一日を終える小心者(私のこと)。  


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