22013.7.6(土)
昼から、日本自治学会・第13回シンポジウムにパネリストとして参加。テーマは「民主主義を問い直す?地方分権改革の20年 その総括と未来」である。細川護煕元首相の「地方分権改革について私が考えていたこと」という基調報告があり、その後、パネルディスカッションである。地方分権についてレベルの高い議論が展開された。片山虎之介元総務大臣は、「三位一体改革」の仕掛人である。それに対して闘いを挑んだのが片山善博元鳥取県知事、元総務大臣。当時の知事会で私の同志である。西尾勝氏は、地方分権推進委員会の主要メンバーとして、終始、地方分権の取り組みをリードした方である。「地方分権改革:灯を受け継ぐための五箇条」として、これまでの総括と今後の展望について的確な報告をされた。私は、今週と来週の授業で、「地方分権について」の授業をしている最中であり、その状況を引用しながら、私なりの総括と展望を語らせてもらった。片山善博さんの議論を聴きながら、20年前の白熱の闘いを思い出していた。「あれから20年も経つんだ」との感慨がある。「昔、昔、知事会では・・・・」という日本昔話である。
そのシンポジウムを終えて、渋谷に向かい、「やきとり南蛮亭」でのSSS会に臨む。25年前、浅野史郎(私のこと)は、厚生省障害福祉課長。佐藤進さんと曽根直樹さんは、東松山市で重い障害児の在宅支援事業に携わっていた。お互いに、障害福祉の仕事の新しい水平線を求めて情熱を燃やしていた頃である。会食では、現在の話から始まって、25年前のめくるめくような障害福祉の話が展開する。東松山市のスナックや焼き鳥屋で盛り上がった話のほうが印象深い。「あの頃は、遅ればせの青春の炎を燃やしていたよな」という「日本昔話」が始まると、なつかしさで涙が出るほどである。昔を偲ぶ話に感激しているのは、老化の現れとは知りつつも、やめられない。今宵だけでは終わらなかった「日本昔話」。いずれ、続編をやらずばなるまい。
2013.7.5(金)
午前中、新中野のプラザ新中野ビルにてコープみらいのコープくらしの助け合いの会「プチトマトの会」で講演。演目は「豊かな地域福祉への提言」というもの。2008年にも、この場所で講演をしたことがある。ざっと100人ぐらいの人たちが参加。生協の人たちは、もともと乗りがいい。今日も、かなり受けてしまった。司会の手島俊子さんからは、「病気をなさったのに、さらにパワーを増したようで・・・」と言われた。
講演後、拙著をサイン入りで販売。持ち込んだ50冊は完売。その時に奇跡が起きた。Kさんにサインをしていたら、「私の夫がATLで東大医科研に入院中なんです」と言われて驚いた。「今夕、ATLネット総会があるのです。Kさんもいらしてください」と誘ったら、「はい、行きます」と即答されたので、二度びっくり。びっくりはさらに続く。それから30人目ぐらいにサインしたSさん。「私HTLV-1の感染者なんです」と言う。Kさんにも「ATLネット総会にどうぞ」と返したら、「はい」と返事があった。こんなのありでしょうか。奇跡です。そもそも、ATL患者、HTLV-1感染者は数少ない。その二人が、私の講演の聴衆100人の中にいるなんて。これはすごい偶然です。
そのATLネット総会は、新大手町ビルの日本フィランソロピー協会の会議室にて開催。南克己さん、小澤礼子さん、田中君代さん(配偶者の一明さん同行)と私(妻光子同行)のATL
suravivors四人組のほかに、急遽参加のKさんとSさん。それに顧問の東京大学医科学研究所の内丸薫医師が参加。
毎日新聞の野田記者とカメラマンも取材で同席した。患者同士の意見交換に内丸先生がコメントする。細かくは書かないが、とても意義深い議論が展開された。急遽参加のKさんSさんにとっては、新しい情報満載のいい機会になったはずである。Sさんからは、早速に感謝のメールが届いていた。1時間半の総会を終えて、同じビル内の居酒屋で二次会。これも盛り上がって、大変意義深い会合だった。
2013.7.4(木)
朝から、日本全体が荒れ模様の天気の中、「ミヤネ屋」出演で大阪へ。今日の話題は、安藤美姫さんの出産についてがメイン。父親は誰なのか、短い準備期間でソチオリンピックに間に合うのか、出産後の体力の低下はスケートに影響があるのか。こんなことをめぐって、ゲストの元オリンピック選手の渡部絵美さん、産婦人科医の糸氏明子さんを交えて、コメントを言い合う。この話題は、目下のマスコミの最大関心事項である。
本来なら、参議院選挙の公示日でもあり、選挙の話題が登場すべきなのだが、番組ではほとんどとりあげられていない。理由は、全政党に公平に時間配分すると、時間が足らなくなってしまうかららしい。昔は、電波を管理するのは郵政省、選挙担当は自治省だったが、2001年の省庁再編でこの2省が総務省として合体した。総務省のお達しもあって、むずかしいのだろうと納得。
選挙戦初日の街頭演説は、雨の中というところが多かった。候補者も、応援するほうも大変だろうなと、今や他人事のように同情する私。候補者の皆様には、これから17日間、精一杯がんばってもらいたい。7月21日は、梅雨明けの標準日である。投票日には、梅雨が明けているはず。その日を気持ちよく迎えられるといいのだが、選挙には勝敗がつきものである。負けるほうが多数だが、そんなことは考えずに、全力を尽くして欲しい。
2013.7.3(水)
神奈川大学で「地方自治論」(第13回)の授業。今日の出席者は183名。低落傾向にあったが、少し持ち直した。出席すればいいというものではない。授業中に、教壇から降りて、睡眠中の学生3名を起こしてあげた。これも「小さな親切」のつもり。せっかく授業に出ているのに、大事な講義を聞き逃してはもったいない。試験に出るような内容だったら大損である。成績評価は、学期末試験の結果だけで、出席点は関係ないことを思い起こして欲しい。
講義は地方分権について。地方自治論のハイライトである。これが理解できなければ、地方自治論を履修した意味がない。学生も真剣な履修態度だし、こちらも熱心に講義した。よほどうまく説明しないと、学生はとんでもない誤解をしてしまう。これは、昨年までの慶応大学SFCの授業で思い知った。地方分権についての朝日新聞の社説を配って、SAが指名する学生に一節ずつ音読させた。授業後提出の出席カードをめくっていたら、「わかりやすい社説でよく理解できた」というものだけでなく、「生まれて初めて社説を読んだ」というのが複数あったのには驚いた。
帰宅して、すぐに次回のレジュメづくりに勤しみ、さっき完了して教務担当に原稿を送付したところ。結構大変な作業を短時間で終わらせた自分をほめてやりたい。
2013.7.2(火)
梅雨なのに、雨が降らないので、散歩もラジオ体操も休まず続けている。たまには休みも取りたいのだが、その機会がない。今朝は日の光が射しているので、紫外線防止の頭部全覆い帽子の出番である。例年の梅雨明け標準日は、7月21日。参議院選挙の投票日である。その前に梅雨明け宣言がされそうな雲行きである。
午前中、読売新聞大阪本社の石川威一郎記者から電話取材を受ける。石川さんは、私の知事時代には、河北新報の県庁詰め記者を務めていたことがある。数年前、実家のある関西に戻る機会に読売新聞に移った。取材は、参議院選挙について。
午後は、毎日新聞の野田記者の取材。今朝の朝刊から始まった10回連載特集で、ATL survivors仲間の南克己さんの闘病経過が取り上げられる。それに関連した取材である。こういう記事で、ATLについて読者に知ってもらえるのはありがたいことである。
国会が閉会し、霞が関は人事の季節である。厚生労働省は今日付けで事務次官以下、大幅な人事異動が発令された。村木厚子さんの事務次官就任で、今回の人事は混乱気味という報道を目にした。役人にとっては、人事が大きな関心事。人事異動では、半分以上の役人が不本意と思うらしい。「自分はもっといいポストに就くべきなのに・・・」と不満を持ったままで仕事をしてもつまらない。「足下に泉あり」。今の自分に与えられた仕事に全力を尽くす。その仕事を愛する、楽しく仕事をする。そうすれば、足下から泉が湧いてくる。人事異動に不満を持つ役人に捧げる言葉である。
夕刻から渋谷の「公界」というお店で「霞が関北陵会」(第4回)に出席。人事異動で大騒ぎの厚生労働省組は不参加だが、9人が参加。それぞれ、霞が関で活躍の様子である。次回は、首都圏の大学で学ぶ北陵会メンバーを呼んで、「霞が関で働いてみないか」と勧誘する場面を持つことに決まった。
2013.7.1(月)
月曜日は「あまちゃん」が見られる。日曜日、たった一日放送がないだけだが、寂しい。関西方面では、「なにがおもろいんか、わからんわ」という評判らしい。東北出身者(私のこと)としては、「なぜわからんのか、わからんわ」。宮藤官九郎の脚本もいいのだが、アキ役の能年玲奈がかわいくて仕方がない。テレビに向かって、「かーわいーい!めんこい!」と声が出てしまう。17歳まで東京で育った娘が、1年間岩手に住んだからといって岩手弁になるなんて現実ばなれしているが、それも気にならない。「夏バッパ、こいづ食うべ」のほうが「夏おばあちゃん、これ食べましょう」よりずっとかわいい。
午前中、朝日新聞仙台支局の田中美保さんの取材は参議院選挙について。午後からの、「主婦たちへ贈るこころマガジン月刊清流」の取材は、闘病について。今週は、金曜日に闘病仲間のATLネット総会を開催する。水曜日は「地方自治論」の授業、土曜日は日本自治学会のシンポジウムに出演。金曜日には、コープみらい 暮らしの助け合いの会で障害福祉の講演もある。今週も、「三本柱」(闘病、地方自治、障害福祉)についての活動が複数回づつ、バランスよく展開される。
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