浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 9月第1週分          

2013..9.7(土)

高崎市で講演

 土曜日の朝は、5時からニッポン放送で「コ光和夫 とくモリ!歌謡サタデー」を聴くことにしている。徳光さんのバリトンの語りと、アシスタントの石川みゆきさんの知的で落ち着いた対応が特筆ものである。5時30分ごろからの「我が青春の歌謡曲」が特に素晴らしい。今朝は、藤圭子さん特集。「17歳の笑わぬ美少女」というフレーズが印象に残る。「『命預けます』はアフタービートの演歌という珍しいものです」ということは初めて知った。「京都から博多まで」のイントロでの徳光さんのナレーション(語り)がとてもいい。その語りを受けての藤圭子の歌がいい。連日、連夜聴いている同じ曲が、違った魅力で迫ってくるから不思議だ。さすが阿久悠の作詞、ふつうの演歌とはひと味違う。岸根公園までの散歩の道すがら、「きょーとかーら、はかーたまーで、あーなたをおーって」と小さな声で歌いながら歩く変な老人(私のこと)。

 夕方から高崎市へ。「慶應義塾三四会群馬支部」で講演。慶應義塾大学医学部のOB会である。ATLの闘病の話を50分。そのあと、「骨髄移植映画」の製作を進めている黒岩由香さんから、寄付金のお願いがあった。懇親会に1時間だけ出て、失礼した。自宅に着いたのは22時過ぎになっていた。


2013..9.6(金)

研究会で議論

 今までが暑過ぎたので、朝の24℃というのは、とても涼しく感じる。涼しさの中での散歩、ラジオ体操は快適である。いつもラジオ体操をする場所に、大小のキノコが7本固まって生えている。その周りに小さいキノコが数本。雨後のタケノコがあるのだから、雨後のキノコがあってもいいだろう。ラジオ体操を2日休んでいる間に、雨がたっぷり降って、突然の如く出現した。これも秋の徴候だろう。

 午前中、宮沢歯科へ。しばらく前から、左下の奥歯が、時々痛む。今日の診察では、歯を支える骨が融けて、歯がぐらぐらしているとのこと。隣の歯はしっかりしているので、これに支えてもらう形で2本の歯にかぶせものをする。今日は、その型をとっておしまい。治療は来週。

 午後からは、「分権型政策制度研究センター」の第4回広域的行政課題への対応と地方政府体系のあり方に関する研究会に出席。京都府、岡山県、鳥取県、佐賀県、長岡市の担当官が発表し、その発表に対して、東大名誉教授の神野直彦先生、ジャーナリストの松本克夫氏、司会の新藤宗幸先生、それに私も加わって、論評する形で議論が進む。今回も、道州制は成り立たない、おかしいという、いつもの結論に達する。次回は、道州制推進論者をゲストに呼んできましょうと、私から提案してお開き。

 夜は楽天対日本ハム戦を家族総出でテレビ観戦。田中将大投手に、日ハムは大谷翔平投手をぶつけてきた。絶対に負けられない。2点先行されたが、藤田のタイムリーで同点とし、松井のホームランで勝ち越し。田中は最終回、100球を超えても、150キロ超の速球を連発。最後のバッターを三振に取った瞬間には、家族一同で「ヤッター!」。3対2で辛勝。しびれる試合をものにした。ロッテが西武に負けたので、優勝マジックは20に減った。これから毎試合、目が離せない。


2013..9.5(木)

大雨の中の大阪行き

 未明から雷鳴が響き、激しい雨降り。明るくなる頃には、雨は上がる。朝食時のテレビ画面に、「新幹線は大雨のため、新横浜・小田原間で運転見合わせ」のテロップが出る。今日は、読売テレビの「ミヤネ屋」出演で大阪に行くので、困ったことになったが、間もなく運転再開となり、ことなきを得た。

 運転は再開しても、途中で何があるかわからない。いつもは、9:59発の「のぞみ」を利用するのだが、それでは心配だ。早めに家を出て、新横浜駅で早い列車に切符を変更した。なんとか、10分遅れで着いた9:09発の「のぞみ」に乗り込む。途中何事もなく、10分遅れのまま新大阪着。結局、いつもより40分早くテレビ局入りとなった。

 番組では、竜巻被害など災害の話題が中心。ゲスト出演の社会保険労務士の井戸美枝さんに教えていただきながら、火災保険で家屋被害などがどの程度補償されるかのクイズに挑んだ。私たちコメンテーター陣は、ほとんど不正解。むずかしいものだ。

 5年ほど前のこと。「ミヤネ屋」からの帰り道、台風の影響で、新幹線が名古屋止まりになった。真夜中に名古屋着となったが、当然ながら、市内のホテルは満室。同行したマネージャー役の青木さんが、市内のラブホテルの社長が知り合いだということで、急遽、宿泊をお願いしたらに、オーケーとのこと。結局、男二人でラブホテルに泊まることになった。そんなことを思い出してしまった。今回は、何事もなく、無事帰還でした。


2013..9.4(水)

今日も異常気象

 雨が降ったり、晴れたりの一日。「降ったり」は、豪快に強く降る。「晴れたり」は青空が覗く文字通りの晴天。これを繰り返すのだから、実に変な天気である。西日本は豪雨で被害も出ている。日本全体が異常気象に襲われている。散歩に出る直前は雨降り。中止を決めて、外を見たら晴れ間が出ている。30分後には、激しい降雨。散歩に出なくてよかった。昼過ぎには、震度3の地震。これも異常気象に数えていいのだろうか。

 そんな中で、今日は男女共同参画社会についてお勉強。11月に苫小牧市で講演を頼まれている。まだまだ先のことではあるが、珍しくというか、殊勝にもというか、今から事前準備である。このテーマでの講演は初めてなので、真面目に取り組んでいる。なんてこと、自分で言うのかね。

 今日の日記のタイトルを「今日も異常気象」としたが、「今日も」というように常態化したものを「異常」というのも、異常かもしれない。などと、自省しているのは、もっと異常かも。理屈っぽい人(私のこと)。


2013..9.3(火)

何を今さら

 散歩とラジオ体操で身体と脳を活性化させ、暑さに負けない精神力を醸成し、午前中、原稿執筆に挑む。「挑む」というほど大げさなものではないが、「新言語学序説」(「年金時代」連載中)の10月号原稿を完成する。「言語生活の変遷について」というテーマが決まったら、意外とスラスラと書けた。

 東北の片田舎北方村での幼年時代、仙台の学校時代、東京での学生時代、霞が関でのお役所暮らし。場所が変わるたびに、言語生活も変わる。その変遷を書いたら、途中で紙数が尽きた。「この続きは次号で」というところでおしまい。次は、米国留学、北海道庁への出向、宮城県知事として里帰り、今どき大学生の会話と続く。来月号のテーマは決まった。これで楽できる。

 シラク攻撃について、米国オバマ大統領の逡巡はよい結果をもたらさない。何を今さら悩むのか。昨日の日記ではそう書いた。わが日本でも、安倍晋三首相は、消費税増税について逡巡しているかのように見える。59人の有識者の意見を聴いて決めるなどということを言うから、迷っているように思われてしまう。実際は、「予定通り実施」の腹は決まっているのだから、有識者会議は単なる政治パフォーマンスだとの批判も飛び交う。

 増税反対論は、主に、経済的観点からのものであるが、何を今さらの観がある。増税スケジュールは法律で明示されているのだから、賛成反対の議論を今さらすることに意味はない。有害ですらある。反対論が通れば、次の国会で法律改正をしなければならない。国会では議論が紛糾するだろう。その他の大事な案件は置き去りにされる。今の日本にそんな余裕はない。

 株式市場も、企業も、そして国民の大半も、消費税増税は読み込み済みで行動している。すでに列車は駅を出発しているのである。海外投資家は、予定通り消費税増税がさされない事態を見たら、国債売り、株式売りに走るだろう。消費税増税延期、中止など後戻りできるはずがない。だったら、決断は早いほどいい。一つの懸念は、2020年オリンピック開催地の決定のタイミングが目の前であること。東京開催を前提に施設改修などが動いている。東京開催が読み込み済みであるからこそ、そうでなかった場合の反動が怖い。消費税増税の判断にも、少なからざる影響が出るだろう。「だから早く決断しておけばよかったのに」とならないことを祈っている。    


2013..9.2(月)

今日も暑いなあ

 9月2日になっても、真夏の暑さが去らない。これだけ暑さが続くと、これが当たり前と思えてくる。散歩で岸根公園に足を踏み入れると、婚活がまだ成就しない蝉が、最後のお願いのじりじり鳴き(私の造語)をしている。その声に、ますます暑さを感じさせられる。早く配偶者をみつけて、おとなしくなってください、鳴き蝉さん。

 岸根公園の中央広場に着いてから、ひょうたん原っぱを一周する。一周する時間がないときには、ストレッチングで時間調整をして、ラジオ体操に臨む。一体いつから集団ラジオ体操の仲間入りをしたのか、去年の日記をチェックしてみた。5月12日が第一回である。1年4ヶ月ほど続いている。出席率は記録していないが、8割以上ではあるだろう。今日も、ざっと100人の仲間と一緒に、元気に楽しく身体を動かす。この暑さを乗り切ったのだから、しばらくは継続できるだろう。

 日中は、6日締切の「アサノネクスト」(「ガバナンス」所収)10月号の原稿を完成。「首長の多選」について。今月、そんなテーマのシンポジウムで講演する予定なので、その予習のようなものである。こうやって、テーマが決まれば楽なのだが、10日締切の「新言語学序説」(「年金時代」所収)10月号のテーマがまだ決まらない。

 米国のオバマ大統領が、シリア攻撃にあたって、議会の意見を聴くことにした。議会での審議は一定の時間がかかる。議会が承認してからの攻撃では、シリア政府側に迎撃の準備期間を与えることになる。議会が承認しなければ、大統領の権威失墜である。だから、攻撃すると決めたら、すぐに実行に移せばよかった。自信がなければ、攻撃しないと決断すればいい。いずれにしても、「やるべきか、やらざるべきか」と逡巡したのは、失敗だった。オバマ大統領の苦悩も知らずに、勝手なことを言っていると思われるかもしれない。


2013..9.1(日)

「コーラスライン」の観劇で感激

 9月に入ったのに、まだまだ暑い。朝から真っ赤な太陽全開である。散歩もラジオ体操も、少し手抜き足抜きをして、体力消耗を防ぐ。  午後になると、さらに暑さが増す。その暑い暑い中、浜松町まで出向いて、自由劇場にて劇団四季の「コーラスライン」初日興行を観劇。聡子が同行。この演目は、ニューヨーク(ブロードウエイ)での2回に加えて、ワシントン(ケネディセンター)、東京(劇団四季)で見ており、今日は5回目である。

 群舞(コーラス)のメンバーを選抜するオーディション風景を、そのまま舞台に乗せる手法が効果的である。群舞の迫力に圧倒される。劇団四季の皆さんのダンスの技術水準がとても高い。本場ブロードウエイに負けていない。休憩なしの2時間半踊り続けるスタミナにも感心した。そういった諸々が見ているもの(私のこと)の心を打つ。最後の20分ぐらいのところから、涙が出てくる。隣に聡子がいなければ、もっと大泣きしたかもしれない。劇中でオーディションを受けるダンサーの不安と、実際目の前で踊り尽くす(私の造語)役者たちの心の内を重ね合わせたら、涙なしにはいられない。過去4回では涙なんか出なかったのに、何故今回は落涙してしまったのか。年を取ったからとは思いたくない。

 ここで、日記の筆者(私のこと)から、先日のウイルス検査結果について一言申し上げます。  8月24日(土)の日記に、「HTLV-1ウイルス量が0.00%という結果が出た」とありますが、これを読んだ読者から、「これで病気は完治したのですね、よかった、よかった」という反応がありました。骨髄移植を受けてすぐの段階で、既にしてウイルス量はゼロになっていたと思われます。ドナーさんのリンパ球が、私の血液内のがん細胞をウイルスごと破壊してくれたからです。このことから、ATLが再発する可能性は限りなくゼロに近いというのは確かです。

 ATLに限らず、骨髄移植を受けた患者に共通のことですが、骨髄移植後の相当期間は、GVHD発症の危険性があります。検査をした内丸薫医師からは、これからも重篤なGVHD発症の可能性はあるのだから、十分注意するようにと言われています。主治医の田野崎隆二先生からは、骨髄移植後5年無事で過ごせて初めて、普通の人と同じような生活をしてもいい、つまり完治となると説明されています。

 ということで、「ウイルス量ゼロ」はいい結果ではありますが、これですべて安心というわけではないということです。引き続き、慎重運転、安全運転に努めますので、よろしくお見守りのほど、お願いいたします。


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