浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  10月第3週分           

2013.10.18(金)

心騒ぐCSの戦い

 ラジオ体操をする仲間の中で、「寒いなあ」の声がよく聞こえるようになった。そんな中の散歩やラジオ体操は、暑い頃に比べれば、身体が格段に楽である。汗の出方が違う。汗をかくと、スタミナがなくなる。そんなことを心配しなくていいような季節になったことを慶賀しながらの毎日、毎朝である。

 なんやかんやと雑用が入り、それを処理するだけで時間が経ってしまう。そんな中に、先日やった理学部での講義のリアクションペーパーが郵送で届いた。223人分である。これを読んで、評価をして、質問に答える。質問に答えるのは後回しにして、来週の授業のレジュメ作成にとりかかったが、むずかしいテーマでもあり、なかなか完成しない。今日も途中までやって、おしまい。

 おしまいにしてどうしたかというと、クライマックスシリーズ、ロッテとの第2戦のテレビ観戦である。決着がつくまでは、心が落ち着かない。


2013.10.17(木)

村木次官を訪問

 台風26号は全国的に猛威をふるったが、特に伊豆大島の被害が大きい。記録的豪雨で、想定外の土石流が発生した。鋭い爪痕を残した。岸根公園は台風が軽くなでたぐらいの被害である。被害というほどのこともない。風で落ちた葉っぱがあちこちにたまっているぐらいのもの。今朝は、台風の影響ではないが、風が強くて寒さを感じるほど。こんな天気でも、半袖でがんばっている人が多くいるのには驚く。

 午後から、村木厚子厚生労働事務次官を訪問。男女共同参画についての見識が高い村木さんに、いろいろ教えてもらいたくて訪問した。来月、苫小牧でこのことについての講演を頼まれている。忙しい事務次官の時間を1時間近くお借りしてしまった。資料もいただき、懇切丁寧に教えてくださった村木さんのご好意に、感謝感激である。

 夜は、クライマックスシリーズ、楽天対ロッテ戦を一家をあげてテレビ観戦。田中将大投手の力投でロッテ打線を無得点に抑えているが、楽天も銀次のホームランによる1点しか取れない。8回にマギーの適時打でやっと2点目が取れて、最後は田中が完封で試合を終えた。まずはホッとした。ゆっくり眠れそう。


2013.10.16(水)

台風一過の秋の空

 夜中じゅう大雨が降り、強風が引き荒れていたらしい。「らしい」というのは、我が寝室がサッシの窓にブラインドで、外の様子が見えない、外の音が聴こえないから。夜中から明け方に放送中のテレビ画面を見て、「すごい雨風だな」と驚いている。

 10時26分15秒に、神奈川大学のネット上に「緊急休講情報」(改訂版)が現れた。「午後の授業は、平常どおり実施します」。確かに、この時には雨は上がり、風もやんでいる。交通機関も正常運転に戻っている。これで休講にしたら、えらいことである。

 そしてその授業には、135名が出席。前回までは、165名の出席だった。135名というのは、想定以上ではあった。授業は、「困難を乗り越えて、よくぞ出席した」と賞賛するところから始めた。その授業、選挙についてである。理屈を説くのはやめて、もっぱら「浅野の選挙」の実態について語った。リアクションペーパーに「台風明けに授業でたら、先生の自慢ばかりで退屈でした」(原文のまま)というのがあった。次回のレジュメの「リアクションペーパーの記述が秀逸だったもの」に列記しようと思ったが、無記名なので、それができない。

 授業を終えて、SAと一緒にいつものまとめの作業を研究室でやってからの帰り道。台風一過、秋空に夕焼け。気温も下がって、上着を着用して丁度いい。異常な暑さに怨嗟の声をあげたのも忘れて、秋の日暮れの寂しさが身にしみる。


2013..10.15(火)

理学部での講義

 午前中、朝日新聞広島総局の南宏美記者の取材。広島県知事選挙を前にして、「知事ってなに?」という企画で元知事、前知事を取材している。私への質問は、「医療関係で何をやったか」ということ。昔を思い出しながら回答した。その他に、知事の仕事一般について、「知事とは何か」ということを一所懸命力説明したが、その部分は記事にしにくいだろう。わざわざ広島からやってくる熱意に押されての取材対応だった。

 午後からは、神奈川大学理学部での特別講義。「物質科学の世界」という科目の中での講義である。「現代社会と科学」の関わりについて講義してもらいたいというのが、当初の依頼内容であった。「とてもそんな講義はできません」と申し上げて、「企業の危機管理と情報公開」といった内容にさせてもらった。このテーマでの講義、講演は、私としては初めてである。

 理学部のあるキャンパスは、平塚駅からタクシーで30分というところにある。そこでの講義は、いつも以上に力が入った。授業が始まっても私語している学生がいたので、大きな声で何度か注意したことが効いたのだろう。それ以後の授業態度は極めて良好。熱心さが伝わってくる。こちらも力が入ってくる。履修者は理学部の1年生が大半とのこと。危機管理とか、情報公開のことは、理解しにくかったろう。授業後に回収されたリアクションペーパーにどんな反応が記述されているか、見るのが楽しみ。  キャンパスへの行き帰りは、大雨の中。ちょっと歩いただけで、傘をさしていても全身が濡れる。明日の授業、午前中は休講が決まった。午後の授業がどうなるかは、明日10時に発表がある。「地方自治論」の授業は休講にしたくない。台風は早く過ぎてくれ。


2013..10.14(月)

体育の日に

 今日が本当の体育の日である。10月10日は、「嘘の」ではなく、「昔の」体育の日。なんで勝手に祝日を変えるのか。ハッピーマンデーなんて、連休を作りたがる旅行業者の陰謀だ。おかげで、学校で月曜日の授業は、年に何度も休講になってしまう。

 そんなことは措いておいて、まずは、爽やかな風の中、青空の広がる秋日和を愛でたい。見事な体育の日の天気である。岸根公園に集う老人たちの姿に、いつもと変わるところはない。涼しくなったのに、まだ半袖姿のままの人が多い。テレビでは、各地で老人が激しい運動に興じている様子を映しているが、老人の運動としては、散歩とラジオ体操ぐらいが丁度いい。健康のためには継続が一番。散歩とラジオ体操なら、100歳までも続けられそうである。

 「三四郎」夏目漱石著(新潮文庫)を読了。電車の中でしか読まないので、なかなか進まなかった。「『ヘリオトロープ』と女が静かに云った。三四郎は思わず顔を後へ引いた。ヘリオトロープの壜。四丁目の夕暮。迷羊。迷羊(ストレイシープ)。空には高い日が明らかに懸る」・・・「われは我が咎を知る。我が罪は常に我が前にあり」 三四郎に気がありながら、他の男と結婚することになった美禰子が、三四郎に残した言葉である。東大一年の「夏目漱石の研究」のゼミで、越智治雄教授の解説つきで読んだ。小説の面白さを知った最初の本である。50年ぶりの再読で、この小説の素晴らしさを再確認した。


2013..10.13(日)

みずほ銀行の不祥事

 やっと本物の秋らしい日がやってきた。朝、散歩に出る頃は肌寒いほど。歩いていても、ラジオ体操をしても、ほとんど汗をかかない。身体的にもだいぶ楽である。

 昼、浜松町の四季劇場に「ダンス&ソングス」を光子と見に行く。劇団四季60周年を記念する作品だけあって、とても素晴らしい、感動的なものに仕上がっていた。どれだけ激しい練習をしたのか、どれだけ集中していたのかが伝わってくる。ソングのほうはともかく、ダンスはとてもとても素晴らしい。これまでに上演した作品から選んだ場面のソングとダンスの再現なので、ほとんど台詞の場面はない。次から次と、趣向の変わった内容で、頭の切り替えがむずかしい。踊るほうも、次から次へのダンス場面で、ダンスの演技もさることながら、演者のスタミナにも感嘆してしまう。見終わったばかりで、もう一回見たいと思わせる素晴らしい作品だった。

 みずほ銀行の惨状。暴力団員への融資をしていたことが発覚した。経営陣がそのことを把握していながら放置していた。記者会見では、「頭取までは案件は上がっていなかった」と発表したが、あとでこれが虚偽であることが明らかになり、再度謝罪の記者会見をする始末である。これが「一流」銀行の実態である。16日(火)に神奈川大学理学部(湘南ひらつかキャンパス)に特別講義に赴く。演題は「企業の社会的責任と危機管理」である。例として上げるのにぴったりの件が、ぴったりのタイミングでやってきてしまった。


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