2013.12.7(土)
昨夜、特定秘密保護法が成立した。維新の会とみんなの党は、「法律には賛成だが、審議のあり方に問題あり」という姿勢で、最終局面では議場から退場したり、一部議員が反対票を投じたり、まとまらない。自民・公明の与党にとっては、全く怖くない勢力である。こうして、法律は成立してしまった。
法律の趣旨と必要性は理解できる。しかし、その運用がいい加減なものになることは、十分に予測できる。情報公開法のこれまでの運用を見ればわかる。そもそも、政府は情報公開に熱心ではない。制度がありながら、なんとか情報公開を免れようとして、役人が知恵を働かせる。制度の運用が誠実でないとも言える。そういった政府が、特定秘密保護法を厳格に運用するとは思えない。同じような第三者機関を三つも作るらしいが、すべて官僚が関わる組織が政府の秘密指定をチェックできるはずがない。これからの運用の中味を、国民が厳しい目でチェックし続けなければならない。
といったことを「新言語学序説」1月号の原稿に書いた。「秘密について」というタイトルである。最後は、「今回の原稿は、いつもと違って、理屈っぽい。それは何故かは秘密です」で締めくくった。
2013.12.6(金)
2週間ぶりに散歩+ラジオ体操を決行。「決行」というのも大げさだが、風邪から回復したばかりなので、やや不安はある。朝の時間に外に出るのも久しぶり。6時10分の横浜は既に明るい。目一杯着込んでのお出ましということもあり、寒さは感じない。身体もよく動くし、筋肉も弱っていない。散歩も体操もしっかりできる。
体操を終えての帰り道。東の空に日が昇る。近くの雲が朝焼けで神秘的な美しさを見せる。それを見ながら家路を急ぐ老人(私のこと)を若い父親と小学生ぐらいの娘がジョギングで追い抜いて行く。娘と一緒のジョギング体験、これがどんなに幸せなことか、若い父親が私の年齢になった頃、しみじみと思い起こすのではないだろうか。朝焼けの下、親子が一緒に走る。いいものを見せてもらった。これだから、朝の散歩はやめられない。
午後から、「第22回神奈川大学高大連絡協議会」にて講演。キャンパスが自宅から歩いて10分というのは、こういう時にとても都合がいい。「地域が支える福祉?障害者問題を中心に」というテーマで約1時間。50人ほどの出席者は、神奈川県内の公私立高校の先生方がほとんどのようであるが、熱心に聴いてくださり、反応がとてもよいのに乗せられて、早口でどんどん飛ばした。先生方のご興味がある講演内容ではないのではないかと心配していたが、なんとかなったようである。特別招聘教授としての責任を果たすことができて、ほっとした。
2013.12.5(木)
朝のTBSラジオ「おはよう一直線」で6時過ぎから、生島ヒロシさんと電話を通じてやりとり。今朝のテーマは、特定秘密保護法案審議と猪瀬直樹東京都知事の借金問題。いずれも、今日が一つの山場である。短い時間にコメントがうまくまとまらない。猪瀬問題では、「今頃政治資金パーティをやっている場合ではない。私は知事12年間、政治資金パーティは一度もやったことはない」とコメントする時間がなかった。
法案は、参議院特別委員会で強行採決された。本会議で成立の予定。都知事の問題よりも、特定秘密保護法案のごり押しのほうが、よほど重要である。我が国の民主主義が守られるかどうか、大きな節目になる法案である。明日の新聞、テレビ報道が政府批判の大合唱になることはまちがいない。
一方の猪瀬知事は、都議会で議員からの追及の矢面に立つ。9日と10日の総務委員会で最大12時間の質疑が行われる予定である。猪瀬氏のほかに、徳洲会側に現金を返却した鈴木重雄特別秘書も出席を求められる。ここでの質疑がほんとの山場だろう。
そんな中、やるべきことはやる私としては、来週の「地方自治論」第12回のレジュメ8頁ものを一日で完成した。結構大変な作業である。自分を褒めてやる。
2013.12.4(水)
神奈川大学で「地方自治論」第11回の授業。今日のテーマは「福祉行政」。浅野史郎が厚生省、北海道庁、宮城県庁で障害福祉の仕事とどう関わってきたかという経験談を展開した。冒頭に、「今日の授業は、いつもと違うよ。私の履歴書のような話をする」といって始めたものである。
授業終了後、学生3名を引き連れて、神奈川県議会の傍聴へ。旧知の佐藤知一神奈川県議会議員が代表質問をする。それに合わせて、懸案の議会傍聴を敢行した。佐藤議員は、慶応大学弁論部OBで後輩のSFCの学生を招いていたのに合流。傍聴を終えて、近くの居酒屋で慶応組、神奈川大学組合同で反省会。佐藤議員も合流した。学生は議会傍聴初体験のものばかり。交々感想を言い合った。
SFCの学生の中に千葉佳織さんがいた。今年度のミスSFCである。それはともかく、1年前のオープンキャンパスで、北海道から母親と一緒に私の模擬授業を受講したとのこと。そういえば、そのあと、私にメールをくれた子がいたのを思い出したが、それが千葉さんだった。「先生の授業を受けたかったのに、神奈川大学に行ってしまって残念です」というのを神奈川大学の学生の前でくどいていた。もう一つ、彼女は高校時代に札幌の「楡の会」の施設にボランティアでヴァイオリン演奏に通っていたと聞いて、またまたびっくり。7月に「楡の会20周年記念式典」で記念講演をしてきたばかり。こんな奇縁もあり、楽しいひとときであった。
2013.12.2(月)
風邪引きやら日程やらで滞っていた仕事を少しずつ片付ける。12月6日の神奈川大学高大連絡協議会での講演のパワポイントをまず仕上げる。12月4日の「地方自治論」第11回の授業用のレジュメは以前にできていたが、今日はそのパワポ版を作成。
12月6日締切の「ガバナンス」12月号の原稿は「地方と国の税制バトル」のテーマで完成した。メインテーマを書き終えて、字数が余ったので、「猪瀬都知事の借金問題」をつけ加えた。猪瀬氏は、徳田毅議員から借金をした時点で「アウト」である。利害関係のある人から巨額の借金(しかも無利子、無担保、期限なし)となれば、都庁職員なら懲戒免職である。そんな便宜供与の証拠になる借用書を記者会見でうれしそうに提示するのは、自爆行為である。それは滑稽ともいえる図柄である。
ついでに学期末試験の問題作成をほぼ完成。試験は来年の1月22日である。問題作成締切は12月12日。まだ授業は5回分残っているのに試験問題を作成するのは、つらい。なんとか作成した。なかなか骨のある試験問題である。学生がそう感じて受験してくれることを望む。
2013.12.1(日)
「オハイエくまもと5周年記念」の集い