浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 12月第4週分         

2013.12.31(火)

一年の終わりに

 2013年が静かに暮れて行く。娘二人が、正月休みを過ごすために、相次いでやってくる。紅白歌合戦を見ながら、今年も終わる。暦の上だけのことであるが、一年の終わりには独特の雰囲気がある。まずは、今年一年、健康で無事に過ごせたことを賞でながら、新しい年を迎えることにしよう。


2013.12.30(月)

年末の過ごし方

 年末年始、今年は長い休みが続く。毎日が日曜日の老人(私のこと)には、別にどうということない。この期間も休めずに働く人たちが大勢いる。この期間も東京都知事選挙の候補者探しに奔走している人たちがいる。そのうちの一人、某新聞社の社会部記者が取材にやってきた。知事経験者であり東京都知事選挙立候補経験者でもある私に、そのことで聞きたいとのこと。

 極めて真面目で真っ当なコメントをしたつもり。東京都民ではないから、誰が候補者になろうが、誰が知事になろうが、実生活には関係ない。とは言いながら、やはり首都の知事である。立派な人になってもらいたい。そのためには、候補者本人も政党も都民も、選挙をまともなものにして欲しい。「選挙とはこうやってやるもんだ」を連発する、「もんだの人々」(私の造語)に流されないように。

 今日の「仕事」はこれだけ。残りの時間は、NHK総合テレビの「あまちゃん」総集編をずーっと見ていた。改めて見て、やはりこれは素晴らしいドラマであることを認識した。北三陸の自然がいい。悪人、意地悪は誰一人出てこない。なんといっても、能年玲奈のキャラクターがいい。思わず、笑顔がこぼれてしまう。年末に、いいものを見せてもらいました。Thank you, NHK.


2013.12.27(金)

靖国参拝の激震

 昨日の日記で「今年の10大ニュース」の10項目を書いたばかりなのに、これに1項目加わりそうである。安倍晋三首相の靖国神社参拝が内外に大きな反響を及ぼしている。今朝の朝日新聞は、1面トップから始まり、2面、3面のほぼ全面、4面、9面(経済)、11面(国際)、17面の社説、38、39面(社会)で大きく報じている。

 昨日の日記では、「なんで今頃?」と書いたが、安倍首相就任一年目ということだからではない。日本版NSCの創設、特定秘密保護法の成立から始まって、武器輸出三原則の見直し、集団的自衛権の行使容認、そして憲法改正へと向かう途次にある。それが「今でしょ」になる。行き着く先は、戦争ができる国への回帰である。安倍首相は「積極的平和主義」という言葉を使うが、これは「戦争ができる体制」の替え歌ではないのか。積極的平和主義の反対語は「消極的平和主義」というのか。そもそも平和主義に積極的も消極的もない。

 韓国や中国の反発は、今回の靖国参拝にこういう臭いを感じるからだろう。「内政干渉だ」、「他国からとやかく言われたくない」では済まない。それにしても、なぜ、今、こんな挙に出るのだろう。政治が政治家個人の思いでやられてはかなわない。国益などということを持ち出すまでもなく、冷徹な現実認識に基づいた行動でなければならない。  年末の日記に、こんなことを書くなんて・・・・。


2013.12.26(木)

今年の十大ニュース

 朝6時TBSラジオ「おはよう一直線」に電話出演。事前には、「今年の10大ニュース」ということだったが、生島さんからは「仲井真沖縄県知事の辺野古埋め立て承認」と「東京都知事選の候補者選び」についてのコメントを求められた。突然の話題変更にも少しもあわてず、淡々とコメントする私。これで今年の番組出演はおしまい。生島さん、良い年をお迎えください。

 折角用意していた10大ニュース。一応、書いておく。順不同である。「楽天初の日本一」、「参議院選挙で自民党圧勝(ねじれ解消)」、「アベノミクス初動順調」、「特定秘密保護法案の強行採決」、「東日本大震災の復興進まず(原発稼働ゼロ)」、「猪瀬東京都知事辞任」、「オリンピック東京招致」。ここまで国内ニュースで7項目。海外ニュースとしては、「韓国の日本叩き」、「中国、秋習近平国家主席就任」、「北朝鮮、張成沢粛清」の3項目。 『楽天日本一』は、スポーツニュースというより、社会現象である。それ以外のニュースは、すべて来年以降に持ち越す影響があり、一時的出来事ではない。その意味で、重大ニュースに選んだ。

 今年最後のがんセンターでの受診。採血担当看護師は10人ぐらいいるのだが、前回に続き酒井さんが採血にあたった。前回と同じく「今朝も生島さんの番組に出ていましたね」と酒井さん。これも不思議な偶然である。

 今日は2年ぶりにPET検査である。薬品を注射して1時間安静の後、30分寝たままの撮影。ぐっすり眠ってしまった。その後に、田野崎先生の診察。検査結果はすべて順調。PET検査の結果も「私が見る限り、どこも異常ないようです」と田野崎先生から仮報告。「これで安心して年が越せますね」の言葉がとてもうれしい。

 楽天の田中将大投手の大リーグ移籍を、楽天球団が容認した。楽天の戦力ダウンは痛いが、田中投手の挑戦を祝福してやりたい。安倍晋三首相の靖国神社参拝のニュースががんセンターからの帰途、新橋駅で号外で伝えられていた。早速に、中国は「強く非難、厳重抗議」、韓国政府は「怒りを禁じ得ない」、米国は「失望している」というコメント。「なんで今頃?」というのが、ニュースを聞いての率直なところである。


2013.12.25(水)

予算編成今昔

 平成26年度予算の政府案がまとまった。私が厚生省の役人だった頃は、予算編成はこんなに簡単ではなかった。大蔵省から予算内示がある度に、課長復活折衝、局長復活折衝、大臣復活折衝と上がっていく。その度に各課は復活書類を作成する。内示状況、復活状況は、党(といえば、当時は自民党のこと)の政務調査会の厚生部会のメンバーに説明する。深夜、早朝の動きもあるので、担当者は役所に泊まり込みである。予算編成時期になると、役所に大量の布団が運びこまれる。関係団体からの差し入れがあり、作業の合間にごちそうをいただく。地方からは、知事、県会議員などが押し寄せてくる。まるでお祭り騒ぎである。実は、ほとんどの項目は、事前にシナリオが決まっている。「これは局長折衝で出す。あれは最後の大臣折衝で認める」という予定表である。いわば八百長なのだが、そんなことを知らない「圧力団体」は、ここが自分たちの働きどころとばかりに、大蔵省に出向いて陳情を繰り返す。なんたる労力、出張旅費も膨大になる。

 最近の予算編成は大騒ぎせずに、粛々と進んでいく。昔とは様変わりである。来年度予算編成劇も粛々と進み、できた予算案は、与党に戻った自民党が満足するものになった。公共事業の大盤振る舞い、族議員の利害丸出しといった悪弊まで復活したように見えるのは、どうしたことだろうか。自作自演のクリスマスプレゼントはいただけない。


2013.12.24(火)

聖夜

 このところ2週間ほど、書斎でのバックグラウンド・ミュージックとしてエルヴィスのクリスマスソングを流していた。それも今晩まで。自宅で静かに過ごす聖夜に、光子は良き目の赤ワインを供してくれた。アルコール飲めるのは、我が家では私だけ。一人で少しだけ飲んで、いい気持ちになる。いい気持ちのまま寝て、明朝目覚めたら、枕元にサンタさんからのプレゼントがあるだろうか。おやすみなさい。メリークリスマス!


2013.12.23(月)

天皇誕生日

 天皇陛下は傘寿、80歳を迎えられた。このところ、ご公務のほかに、外国訪問や被災地訪問などが相次いでいる。心臓手術をお受けになったばかりであるので、「そんなにいろいろお出かけになって、大丈夫だろうか」と、ついつい心配になる。

 特に、東日本大震災の被災地訪問は、今年だけでも数回に及ぶ。天皇陛下は、被災者をお慰めになることは、天皇としての当然の役割であり、公務として最も重要なお仕事と考えていらっしゃるのだろう。昭和天皇が、戦後の混乱の中、全国各地をお訪ねになり、国民を励ましていらっしゃるのを、私も報道で見て知っている。今の天皇陛下も、そのことをよくご存知である。いつも皇后陛下とご一緒に被災者とお会いになる。そのことで、被災者は励まされ、救われる。ありがたいことであると思うと同時に、天皇陛下がいつまでもお元気でいらっしゃることを願わずにはいられない。  


2013.12.22(日)

冬至の朝の散歩

 今月6日(金)以来の散歩に出る。朝6時10分発。世の中はまだ暗い。見上げる西の空には満月を4日過ぎた月が煌煌と照り、明けの明星が明るく輝く。冬の早朝ならではの天空の眺めである。今日は冬至。一年中で一番日が短い(らしい)。

 寒さ対策でぶかぶかに着込んでいる。手袋と耳当てもしっかり装着。そのせいで、寒さは感じない。歩いていると、気持ちがいいぐらいの寒さである。帰宅して、冷えた身体を湯船に浮かべれば、極楽、極楽。人間は簡単に幸せになれることを実感する。

 日中は、全日本高校駅伝をテレビ観戦。女子は豊川(愛知)が圧勝で4回目の優勝。男子は、4校がトラック勝負になる稀に見るデッドヒートを制した山梨大附属が初優勝。この最後の競り合いは手に汗を握るすごいレースだった。こういうレースがあるから、駅伝観戦はやめられない。    


以前のジョギング日記はこちらから


TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org