浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  2月第1&2週分          

2014.2.8(土)

誕生会は中止

 昨日は、ニュース、天気予報で、「明日は記録的大雪」と繰り返されていた。今朝から、その予報どおりの大雪が降っている。

 今日は私の66歳の誕生日。慶応大学SFCでの教え子の峯岸宗弘君たちが誕生パーティを企画していた。それが、昨日の天気予報を聞いて急遽中止ということになった。出席予定者75人には、昨日中にその旨伝えなければならない。私も助っ人となって、なんとか全員にお伝えすることができた。

 そして今朝からの大雪である。夕方になって、降雪に加えて風も強くなってくる。交通機関への影響も出ている。テレビでは、「不要な外出は控えるように」と言っている。中止にしてよかった。予報が外れて、大したことのない雪だったら、「中止しなければよかった」となるところであった。予報どおりの大雪、強風になったのを確認して、逆にホッとしている私。

 誕生日の記録的大雪。13年ぶりの大雪とのこと。そして誕生パーティの中止。大雪の誕生プレゼントはいただけないが、生涯忘れられない劇的な誕生日になった。誕生会は中止でなくて延期とのこと。1ヶ月遅れの誕生会が3月8日(土)に予定されている。誕生会の延期というのも珍しい。面白い。そんなことも喜んでいる私。


2014.2.7(金)

ソチオリンピック開会式前の開幕

 昼、神奈川東ロータリークラブの例会にて卓話。メンバーと昼食を一緒にしてから、卓話を始める。「地域が支える福祉」という演題で、ぷれジョブのことを話した。それだけで、20分かかる。予定は30分である。まとまらない話をしただけで、時間となった。30分の講演というのは、とてもむずかしい。話す内容を欲張ったために、尻切れトンボになってしまったのが残念である。それにしても、熱心な会である。会員50人で今日の参加は45人、出席率90%である。こういう卓話を毎週やっているというから驚き、感心してしまう。

 ソチオリンピックが、なし崩し的に始まった。開会式前に、いくつからの競技の予選が始まってしまった。今朝の実況中継で、フィギュアスケートの団体戦の予選で、羽生結弦選手がショートプログラムでダントツ1位となる演技を見た。個人戦ではないので、1位金メダルにはならないが、金メダル級の演技であった。モーグルで上村愛子選手が予選突破の好滑走を見せた。こういうのを見ているうちに、「ニッポンがんばれ!」と気持ちが盛り上がってくる。オリンピックは、愛国心に訴えかけてくるものがあるのを、改めて認識する。

 こうして、65歳最後の日が更けていく。


2014.2.6(木)

本物の医師・偽物の作曲家

 がんセンターでの受診の日。検査結果は、すべて異常なし。数日前に、くみこさん(知らない人)から「母親が2年前ATLで亡くなりました。ミニ移植は55歳までと断られました」というメールをいただいていたので、このことを田野崎隆二先生にお伝えした。そこから始まる話で、ミニ移植は、必ずしも一般の医療機関ではその効用と安全性は認識されていないことを知った。

 田野崎先生は、自身の長い経験から、ミニ移植の効用と限界をよく知っている。また、移植に至るまでの化学療法の重要なことも認識している。くみこさんのお母様が東大医科研か田野崎先生のところに辿り着いていたら、ミニ移植を受けて助かったのにと、残念に思う。改めて思うことは、ATLの治療を東大医科研での化学療法→田野崎先生のミニ骨髄移植で受けたことは、私にとってはすごい幸運だったということである。このルートでATLの治療を受けた4人の仲間が、全員順調に回復しているので、これが当たり前と思っていたが、そうではない。4人全員が幸運だったということになる。その幸運のお返しとして、ミニ骨髄移植は55歳以上でも有効に、安全に受けられること、そして田野崎先生は名医であることを広く伝えていく義務があると感じた。

 田野崎先生は本物である。本物でないのが、「現代のベートーベン」と称された全聾の作曲家佐村河内守さん。多くの人を魅了した曲は自分が作曲したものであると、「ゴーストライター」の新垣隆さんが記者会見で謝罪した。佐村河内さんは、耳が聴こえるとも語った。この事実を表に出そうと思ったきっかけは、ソチオリンピックのフィギュアスケート代表の橋大輔選手のショートプログラムの曲として使われることを知ったからだという。18年間もゴーストライターをしていたらしいが、もっと早く表明していたらよかったのにとか、せめて合作とすれば問題にならなかったのにとか、外野の人間としては言いたくなる。海外からの反響も大きい。残念である。とても残念である。


2014.2.5(水)

NHK経営委員の「大活躍」

 昨日のことから。朝は、TBSラジオ「おはよう一直線」に電話出演して、生島ヒロシさんと橋下徹大阪市長の辞任について語る。2月1日の日記に書いたとおりのことを話す。ただし、時間が足らずに、「大阪都市構想は住民無視」ということまでは言えなかった。

 夜は、芝のメルパルクホールでの「細川護煕候補個人演説会」を光子と一緒に聴きに行く。応援演説は、瀬戸内寂聴さん、細川佳代子さん、そして小泉純一郎さん。皆さん、お話は上手だが、迫力ということではこの逆順かな。本人の演説も含めて、2時間余。面白いというのはおかしいが、面白かった、堪能した。

 応援演説ということでいえば、2月3日、新宿駅西口での街頭演説にNHK経営委員の百田尚樹氏が田母神俊雄候補の応援演説に駆けつけた。応援の理由を記者に訊ねられて、「田母神さんの国家観に惹かれた」と答えたらしい。百田さんの著書は感激して読んだ私だが、この応援演説「事件」は批判的に見ざるを得ない。NHK経営委員という立場の人が特定候補の応援に立つことは違法ではないが、応援演説の発言内容はNHK経営委員としては、大いに問題である。「南京虐殺はなかった」、「東京裁判は原爆投下、東京大空襲をごまかすためのもの」、「子どもたちに自虐史観を教える必要はない」、「自分は憲法改正派」といったもの。NHKの籾井勝人会長の就任記者会見での政治的中立性が疑われる発言で、NHKの籾井勝人が国会で陳謝した同じ日である。NHK経営委員会の浜田健一郎委員長にとっては、頭痛の種が増えたのではないか。

 頭痛の種といえば、長谷川三千子NHK経営委員の発言が問題になっている。右翼団体元会長野村秋介氏が朝日新聞社前で拳銃自殺してから20年の追悼文集に、自殺礼賛の追悼文を発表した。これに続いて、今年1月6日の産経新聞コラム欄で「女性の一番大切な仕事は子供を生み育てることなのだから、外に出てバリバリ働くよりもそちらを優先しよう。政府も行政も今こそ、その誤りを反省して方向を転ずべし」と主張している。男女共同参画に真っ向から反対する内容である。

 百田氏も長谷川氏も、安倍政権によってNHK経営委員に送り込まれた。その二人の「大活躍」には、政権としてもヒヤヒヤものではないだろうか。


2014.2.3(月)

節分豆まき

 今日な節分。つまり、明日は立春ということ。今日は春らしい暖かい日だったが、明日から寒くなるらしい。立春の頃は、実は一年中で一番寒い。「♪春は名のみの風の寒さ♪」に泣かされるだろう。泣かされる前に、散歩とラジオ体操、今日中にしっかりと済ませておいた。

 午後、産学連携機構九州 九州PPPセンター長の谷口博文教授が来宅。厚生省年金局時代に谷口さんは大蔵省から出向してきた。それからいろいろあって、今はこの仕事に転身。福岡で地域政策デザイン養成講座(九州大学セミナー)事務局長役を4年も務めている。年金局時代から数えて30年ぶりの再開なのだが、そんな気がしない。谷口さんの昔と変わらぬ若作りのせいもある。今日は今年開講の講座の講師を依頼に来られた。面白そうなセミナーだし、他ならぬ谷口さんからの依頼である。喜んでやらせていただくことにした。

 夜は、新橋の居酒屋で分権研究会の新年会。雑談では済まず、ついつい大議論になってしまう。それはそれで楽しいことである。

 福は内、鬼は外。インフルエンザ、ノロウイルスには家に入って来ないで欲しい。その思いを込めて、我が家でも豆まきのまねごと。これでウイルスが退散してくれるといいのだが。


2014.2.2(日)

採点終了

今日で3日連続になる散歩を決行。身体が軽いのを感じる。3日続けたせいだろうか。寒さが来ないうちは、散歩とラジオ体操を続けたい。

 昨日に引き続き、期末試験の採点業務に没頭。没頭の合間に、別大マラソンの中継をスタートからゴールまで、つまり2時間10分以上、テレビ観戦。今井正人選手ががんばって、自身初のサブテン(2時間09分30秒)で2位は立派。感動に浸る暇もなく、採点に戻ったこともあり、なんとか終了。結構疲れる業務である。達成感はない。  


2014.2.1(土)

橋下大阪市長が辞任?!

 ベッドの中で、ニッポン放送の「徳光和夫トクモリ歌謡サタデー」を半分ねぼけて聴いていたら、6時ごろ「ただいまの東京、気温6℃」というアナウンスに驚いて、飛び起きた。昨日の時点での天気予報では、「最低気温2℃」とあったので、ゆっくり朝寝を極め込んでいた。「6℃だったら、散歩に行けるぜ」と方針転換をして、散歩に出かけた。とても気持ちのいい散歩ができた。「朝寝してないでよかった」と思ったものである。

 とんでもない解答ぶりの答案が混じるのにいらいらしながら、今日も学期末試験の採点に没頭。「没頭」といっても、休み休みで、休んでいるほうが多かったかもしれない。法学部法律学科の分149名分の採点を終えた。自治行政学科の92名分は明日採点をすれば、それで終了。なんとか予定どおり進みそうである。

 橋下徹大阪市長が辞職を決断した。大阪維新の会が目指していた大阪都構想の2015年4月の実現が難しくなったため、「市民に信を問う」というのがその理由らしい。「そんなバカな」というのが、率直な感想である。私は、そもそも大阪都構想の実現に疑問を持っていた。為政者の論理であって、住民にはどんなメリットがあるのかが示されていない。自治体とは住民で成り立っている、大阪市、堺市という自治体への住民のアイデンティティ(帰属意識)を無視しているのではないか、という疑問である。そのことは、大阪都構想が発表された時から変わっていない。

 「そんなバカな」と思うのは、大阪市議会での反対論を突破できずに、直接市民の信を問うということと、それを新たな市長選挙でやるということである。市長選挙は、市長をやるのに最もふさわしい人を選ぶために行われるのであって、特定の政策の是非を問う住民投票とは違う。東京都知事選挙が、原発ゼロの是非を問う住民投票と違うのと同じことである。しかも、新たな市長選挙には莫大なお金と時間と労力がかかる。市政の停滞も免れない。そんなコストをかけて、自分の政策への市民の信を問うなどという「わがまま」を許していいのだろうか。政策を通したいのであれば、市議会の賛成を得るために時間をかけて、粘り強く説得に努めるのがスジである。それで説得できなければ、大阪都構想をあきらめるしかない。橋下市長には、ぜひ考え直してもらいたい。


以前のジョギング日記はこちらから


TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org