浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 4月第2週分          

2014.4.12(土)

安倍政権が元気づく

 2日続いて朝の散歩。朝の散歩を再開したばかりのところで、こういうのは珍しい。朝の散歩のいいところは、新鮮な空気、人や車が少ないことであるが、何と言っても皆と一緒のラジオ体操があることである。春になって、岸根公園に集まる人数が2倍以上増えた。平均年齢70歳(概算)は変わらない。ラジオ体操を真面目にやると、結構な運動量になる。一日の生活のリズムを作るのは、ラジオ体操から。そして継続は力なり。

 みんなの党の新代表に浅尾慶一郎氏が就任した。前任の渡辺喜美氏の辞め方がよくない。これから渡辺夫人の銀行口座を調べるなどという混乱を引きずっている。結いの党の設立で、党勢が半減した。その結いの党、日本維新の会との合併の動きがある。憲法問題、原発対応など重要な政策について合致しない二党が合流などできるものか。合併したら、橋下徹氏は共同代表の座を降りるというが、そもそも合併は無理である。野党がこんな状態だから、一人勝ちの安倍政権は、ますます元気づいて、やりたい放題に近い。集団的自衛権の容認、原発再可動の積極推進、武器輸出の解禁などなど。日本の民主主義にとっても、危険な徴候である。

 長野県内の公立小学校の入学式で、ダウン症の男児が集合写真から外されて撮影されたということを、今朝の朝日新聞記事で知った。この男児が加わったものも撮影されたとのことであるが、何たる無神経なやり方だろう。提案した校長先生は「2種類の撮影が差別だとは意識しなかった」とコメントしているが、男児本人はもとより、母親の気持ちを想像できなかったことに、愕然とする。出生前診断で、ダウン症の子を排除する動きが出ている。こういった事象は、何を意味するのか。神奈川大学の「障害福祉論」のゼミ出の研究テーマの一つにして、学生と一緒に考えていきたい。


2014.4.10(木)

小保方さんの弁明

 がんセンターでの受診。先々週、風邪のため、臨時受診したので、今日は2週間ぶり。仙台から、毎週受診に来る小池さんご夫妻と一緒になる。順調に回復している様子。容態が落ち着いたら、仙台の病院での受診となるのだろうが、やはり、ミニ移植の「権威」田野崎隆二先生にしばらくは診てもらうのが安心だろう。その安心できる田野崎先生からは、「順調に推移しているので、活動はあまり制限しなくていいですよ」とお墨付きをいただいた。血液検査の成績も、特に悪いところがないし、このところずっと安定しているおかげである。油断せず、この調子で過ごしたい。

 STAP細胞についての小保方晴子さんの弁明記者会見から一日経った。いろいろな人が、いろいろなコメントしている。私も、何かコメントしたい。小保方さんが、「STAP細胞はあります」と答えた時には、「それでも地球は回っている」のガリレオ・ガリレイの言葉と重なった。あまりに稚拙な論文の出来と、世紀の大発見とのギャップが大きい。その論文を撤回したら、結論まで否定することになり、撤回はできないという話には、「なるほど」とうなずいてしまう。大事なことは、小保方さんの非を責めることではなく、世紀の大発見を人類のための財産にすることだろう。この大騒ぎの中で、その大発見を捨て去ってしまうのは、あまりに惜しい。どうも、小保方さんびいきになっている自分に気がつく。


2014.4.9(水)

今学期最初の授業

 私にとっての、新年度、新学期が始まった。3時限の「障害福祉論」ゼミは25名の履修者で狭い教室は満員状態。第一回のゼミということで、全員に自己紹介をしてもらった。それぞれに、どうしてこのゼミを履修したかも紹介してもらった。それを受けて、私からも自己紹介。自分自身の障害福祉との関わりを、厚生省入省時の初年者研修での重症心身障害者との出会いから語り起こした。一回目としては内容のある授業ができたと思う。次回からは、さらに彼らに感動と驚きを与えたい。

 続いての4時限は、「地方自治論」の第一回授業。190人の出席で、横に長い教室は満員に近い。授業の進め方、評価のポイントなどを話した後、今学期15回の授業のポイントをパワポイントを使って説明した。履修者のほとんどが、私が宮城県知事を3期12年務めたことを知らないことを、授業後回収の出席カードの記述で理解した。「それなら、知事しか知らない裏話など、是非聴きたい」という反応も多かった。授業の最後にやったミニテスト。○×で答える問題で、10問の正解は、すべて「正しくない×」という問題を作った。「東京都は地方公共団体ではない」、「自治体の選挙で、最近ネットによる投票が認められた」、「知事の任期は3年である」に○をつけているものが多い。特に、ネット投票は8割近くが○。投票をしたことがないのだろうな。第一回授業にして、いろいろこちらが学ぶところが多かった。


2014.4.8(火)

耳鼻科へ

 2月14日に横浜労災病院耳鼻科で耳垢除去治療を終えて、聴力が回復した。その際の除去治療の痛さは、思い出しても恐ろしいほどである。労災病院での最後の治療の際に、「こういう治療は、地域のクリニックでも可能なものでしょうか」と訊いたところ、「YES」の答を得ていた。このところ、左耳の聴こえが右耳と比べて悪くなっていることを感じたので、「早期対応こそ王道」と信じる者としては、早速に近所の「はくらく耳鼻咽喉科」に駆け込んだ。早速の治療では、先端にライトのついたカメラを耳穴に入れて、まず、右耳の耳垢を除去した。患者の私も、リアルタイムでその映像を見ている。労災病院耳鼻科では、ここまでのサービス(?)はされなかった。左耳の耳垢は鼓膜全体を覆っている。今回は除去せず、点耳薬注入で耳垢を柔らかくして、鼓膜からはがしやすい状態にしてから、除去にとりかかる。そうして下さいと、以前の治療で懲りている私から懇望したのである。ということで、来週の月曜日に再来する。

 今日「はくらく耳鼻咽喉科」の診察券をもらったことで、私の所持する診察券は6枚になった。がんセンターと横浜労災病院の診察券以外は、近所のクリニックのものである。宮沢歯科、中村内科、竹内皮膚科、そしてはくらく耳鼻咽喉科。6枚も持っているんだぞと威張るつもりはさらさらないが、我が家から歩いて1、2分のところに、これだけクリニックが集まっている便利さには助けられているということを言いたい。


2014.4.7(月)

桜散るか、散らないか

 この時期、「三日見ぬ間の桜かな」ということを日記に書くことが多い。昼の散歩の途次、岸根公園で満開の桜を見たのが4月1日。それから6日経った今日、久しぶりの昼の散歩で岸根公園の桜を目にした。まだまだ満開の風情である。3日以上経っても、変わらず咲き誇る桜に「がんばってるね」と声を掛けた。皇居乾門まで出かけなくとも、見事な桜を楽しむことができる。

 みんなの党の渡辺喜美代表は、「8億円受領問題」で代表の座を退くことを表明した。桜が散るのかと思ったら、議員は辞めないという。潔く散るのではなく、もう少しがんばるということか。「散る桜 残る桜も散る桜」ということもある。いずれ散るなら潔くのほうが、庶民受けするのだが、そうもいかないのが政治家の業ということか。

 春爛漫で浮かれてばかりはいられない。「新言語学序説」第124回の原稿を書き終える。テーマは「道徳教育について」。政府が道徳の教科化を進めるのが気にかかり、道徳教育無用論ではないが、「道徳教育はむずかしい」という言い方で釘を刺したつもり。そもそも、道徳教育で人間が道徳的になるなら、世話はない。変なことをする政治家だって、道徳教育は受けているはず。  


2014.4.6(日)

ドリプロスクール作品展

 天気定まらない日曜日。時折雨が降る寒い日である。昼から、小田急線長後駅前のAGビル2階でのドリプロスクール作品展に赴く。ドリプロ(ドリームプロジェクト)は藤沢市の内海邦一・智子夫妻が始めたもので、障害児に絵画、ダンス、書道、写真、料理、歌などを専門の指導者により指導するスクールである。昨年の7月に始動したスクールの成果が現れてきた。書、絵、写真の作品計70点ほどの展示が3月31日(月)から4月13日(日)まで開催されている。今日のオープニングイベントで、ドリプロ特別顧問の私がご挨拶ということである。作品が展示されている本人と保護者、それに指導者の方々30人ほどが集まってのセレモニー。素晴らしい作品に囲まれての会となった。「小さく生んで、大きく育つように願っています」というのが、私の挨拶のポイントだった。ぜひ、そうあって欲しい。

 南極海での調査捕鯨が、ハーグの国際司法裁判所の決定で中止を命じられた。「科学目的から逸脱」というのが理由らしい。2003年6月、ベルリンで開催されたIWC( 国際捕鯨委員会)総会に、宮城県知事として参加したことを思い出す。反捕鯨国が過半数を占める会議では、彼らの理不尽で非科学的な提案が罷り通る。あれから10年。反捕鯨国の圧力はさらに強まり、今回の調査捕鯨禁止命令となった。日本として、他の捕鯨国と連携を強め、何とかがんばれなかったのか。国際舞台での日本の外交力の弱さにより、こういう分野でも国益を守れない。嘆かわしいことである。  


以前のジョギング日記はこちらから


TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org