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ジョギング日記  4月第3週分          

2014.4.19(土)

出会い、語らいの2日間

 昨日のことである。仙台で白鳥憲治君の葬儀に参列。仙台駅から式場のセレモール仙台までは、仙台二高同級生の松岡邦明君の車に乗せてもらう。会葬しているのは、仙台二高の同級生、木町通小学校の同級生が多い。その他は、白鳥君が会長をしていた民謡の宮城桃声会のメンバー。弔辞は私を含め5人。いずれも、早過ぎる逝去を悼むもの。最後の方は、弔辞の最後に、「江差追分」を尺八2人と女性のお囃子をつけての熱唱を5分以上にわたって捧げた。後でお囃子の女性に聞いたら、江差追分の追悼バージョンとのこと。

 葬儀の後は、母親のところへ。丹野道子さんに送ってもらう。母は耳が遠い以外はいたって元気。久しぶりの顔合わせに、母はいたく喜んでいた。「また来るね」。

 18時から「一八会」。白鳥君の葬儀が、偶数月の18日が定例の「一八会」と重なったのは偶然である。その偶然により、東京方面からの参加も多く、30人以上の盛会となった。ここでも、白鳥君に哀悼の献杯をしながら、昔話に花が咲いた。

 「一八会」までの空いた時間は、いろは横丁の「鳥よし」で過ごした。久しぶり、それも突然の来店(開店時間前)に、親方(横田良一さん)と、クリちゃん(栗田成子さん)は大喜び。親方は、85のスコアで優勝したゴルフコンペ帰り。ラッキーなホールが多く、「なんだか、いいことありそうな気がしてた」と笑っていた。2人とも、パー72前後のお年である。元気なことに驚きながら、「あと10年は店続けてね」とお願いする。

 そして、今日のこと。昼から、日比谷のプレスセンターホールで「新たなえにしを結ぶ会'14」へ。病気で休んでいた年もあったが、去年に続いての参加である。大熊由紀子さんが、文字どおり縁の下の力持ちぶりを発揮して14回も続いている。今日のゲストも豪華絢爛。シンポジウム2本。一つ目は「差別解消法成立」だが、どうもテーマから離れた議論のようで、少しイライラして聴いていた。2本目の「タブーへの挑戦」はとても興味深く、素晴らしいもの。新婚ほやほやのレズビアンカップルの話は、とても真摯な思いにあふれていた。安積遊歩さんは、同じく骨形成不全症の娘宇宙(うみ)さんとともに登場。母子ともに、その一言一言が胸に迫る。

 その後18時からは、東大時代のミニクラス会の「五人会」。鍋倉真一君、望月邦計君がドタキャンで、内田晴康君、平川修君と私の「三人会」に。これはこれで、intimateな雰囲気でよかった。紙数が尽きた。今日はここまで。


2014.4.17(木)

授業のレジュメ作成作業

 朝の散歩から戻って一息、二息ついて、歩いて1分の生田耳鼻咽喉科へ。月曜日に2回目の受診をした時に処方してもらった点耳薬だが、使い方を間違って、1週間分を3日で使い切ってしまった。診察は受けず、点耳薬だけ処方してもらった。さあ、今晩からしばらく、寝耳に水が続く。

 耳鼻科から戻って、ほぼ半日かかって、次回の「地方自治論」のレジュメとパワポイントを作成。レジュメ本文3頁に加えて、前回の出席カード(リアクション・ペーパー)184枚を読んで、「前回の誤字」を指摘し、「前回の誤解」に正解を用意し、「質問と回答」欄も完成しなければならない。さらに、「出席カードの記述が秀逸なもの」と「宿題の出来が優秀なもの」を選び出して、レジュメに掲載する。次回も「ミニテスト」をやるべく、問題10個用意する。1回でやめようと思っていたミニテストだが、その結果分析があまりに興味深いので、面白がってやることにした。この結果分析だけで、一つの論文が書けそう。

 韓国客船の沈没事故は、各テレビ局で詳細に報道されている。行方不明者が280名以上。船内から親に携帯電話で悲痛な連絡をしている高校生もいる。救出は時間との勝負であるが、なかなか進まない。無事救出を待つ親御さんたちの気持ちはいかばかりだろう。現地を訪れた鄭首相は、家族から罵声が浴びせられ、水をかけられた。続いて現地入りした朴槿恵大統領にも、家族たちは激しい言葉をかけていた。こんなことをしても、救出が進むものでもないのだが、家族としてはそれだけイライラしているということだろうか。

 理研の笹井芳樹氏の記者会見について簡単に。総じて、納得のいく発言であった。ただ、「有力な仮説」というのはどうだろう。仮説という段階で、小保方論文にgoサインを送ったことになる。それ以外は、説得力のある記者会見であった。


2014.4.16(水)

今学期2回目の授業

 水曜日は、神奈川大学での授業の日。まずは3時限の「障害福祉論」ゼミ、別名「浅野ゼミ」。前回の第1回に出席した24人に、前回欠席だった一人が加わって、25人の出席。一人も脱落しなかったことに、驚くやら、ほっとするやら。授業態度もとても熱心である。今日もパワポを使って、私としては一所懸命講義した。それをしっかりと受け止め、適切なコメントで応える学生に元気づけられる。ひょっとして、いいゼミに化けるかもしれないな。次回からしばらくは、ゲスト出演である。

 4時限の「地方自治論」、教務の不手際で、レジュメが印刷されていない。授業開始30分後に届いたが、今日のテーマの「自治体の仕事」は、市の組織、県の組織を細かく紹介するレジュメなしでは授業を進められない。仕方がないので、その間、前回の補充説明などで凌いだ。まあ、こんなこともある。「丁寧に復習していただいて、とてもわかりやすかった」という学生のコメントは、怪我の功名か。前回に続いてミニテストを実施。○×問題も同じ。具体的な問題はここでは紹介しないが、常識問題でかなりの不正解があるのに、今回も驚く。「へー」という感じで受け止めているが、これはこれで興味深い。この調子では、次回もミニテストやってしまいそう。

 2時限続けてのしゃべくり講義は、さすがに疲れる。声も枯れてしまう。それを口実に、夜はビールを飲んで疲れを癒す。


2014.4.15(火)

風に散る花を惜しむ

 日経新聞の「春秋」欄に、西行の歌が引用されている。「風に散る花の行方は知らねども、惜しむ心は身にとまりけり」。いい歌だね。今の時期の多くの日本人の心境を言い当てている。西行には「願はくは花のもとにて春死なむその如月の望月の頃」という素晴らしい歌もあるが、これは満開の桜を詠んだもの。今朝も、わずかに散り残る桜を惜しみながら、散歩に励む老人(私のこと)がいる。

 人事院の第12代総裁に、一宮なほみ氏が就任した。本人としては、安倍政権の女性登用の一環と見られるのは、本意ではないだろう。裁判官出身であるが、裁判官としても赫赫たる実績を残している。裁判官は、どなたも極めて優秀で仕事熱心な方々ばかりである。その中でも、特に優秀な一宮総裁の活躍を期待している。

 その優秀な裁判官だが、彼らが罪なき人間に死刑判決を下していることをどう考えればいいのか。48年前の静岡県での一家四人殺害事件で、死刑判決を受けた袴田巌さんが東京都内で開かれた支援集会に出席した。静岡地裁で再審開始決定を受けて釈放された袴田さんだが、この決定がなければ、まだ刑務所内に留まり、死刑執行を待つ身である。国家権力により、無辜の人間が殺される。これほどひどい殺人事件はない。今回の釈放により、殺人が殺人未遂になっただけのことである。一体、誰が、どうやって責任を取るのか。釈放されて、「よかった、よかった」では済まされない。


2014.4.14(月)

友の訃報

 朝の散歩から戻り、一息ついているところに、仙台からの電話で訃報が伝えられた。仙台二高の同級生白鳥憲治君が心筋梗塞で亡くなったという。突然のできごとである。白鳥君とは、木町通小学校、仙台二中でも同級生だった。体格が良く、気はやさしくて力持ちの典型のような男である。民謡の大家でもあり、弟子も持っていた。クラス会では、あのドラ声を聞けなくなるのか。悲しい。

 熊本県の養鶏場で鳥インフルエンザが発生し、11万羽以上が殺処分された。半径3`圏内は鶏・卵の移動制限、10`圏内は、搬出制限区域とされた。蒲島郁夫熊本県知事は、陸上自衛隊の災害派遣を要請した。迅速な措置である。これで、被害の拡散が防げればいいのだが。農家の被害についても、財政的支援がなされるだろう。何度かの経験から、対応が適切に行われているのは心強い。


2014.4.13(日)

今日も「ぷれジョブ藤沢」定例会

 朝の散歩を終えて、すっきりした気分で「ぷれジョブ藤沢」の4月定例会へ。6ヶ月にわたり、藤沢市労働会館で週1時間のお仕事を続けた清水怜太君に、私から「修了証」を渡した。よくやった、おめでとう。ジョブサポーター役を務めた内田健太君も、駆けつけてくれた。内田君は「浅野ゼミ」OBで、4月から晴れて社会人である。これが最後のぷれジョブ出席になるのだろう。労働会館の福井綾子さんも、同席してくれた。怜太君は高校を卒業し、4月からは作業所で仕事をしている。お母さんからは、「ぷれジョブのように、地域の人たちとふれあいのある機会が、これからも持ちたいです」と相談を受けた。

 藤井菜菜さんは、藤沢駅近くの「やすらぎセンター藤沢」でお仕事継続中。利用者の高齢者や職員から「ナナちゃん」と呼ばれて人気者である。ということをセンターの山田高彦さんが報告してくれた。その山田さんは、古久屋藤沢店でお仕事4ヶ月目の清水怜太君のジョブサポーターでもある。お店に「テーブルの足の掃除は、怜太君は大変なようです」と言ってくれたので、ラーメンの材料扱いや餃子のパック詰めの仕事のほうに集中できている。

 今回は、オブザーバーの参加が多数。埼玉県から、社会福祉法人「昴」の職員4人もやってきた。先日、東松山市での講演で、私がぷれジョブについて紹介したところ、「自分たちもやりたい」と思い立ったらしい。その意気やよし。「そう簡単ではないけど、やってみたらいい」と私からは、抑え気味の励まし。定例会終了後、新しくプレイヤーを受け入れる事業所の方、プレイヤーとお母さん、ジョブサポーターで打ち合わせ。すぐにでも開始できるようである。こうやって、少しずつぷれジョブの輪が広がっていく。


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