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ジョギング日記 4月第5週分          

2014.4.30(水)

今日のゲストも刺激的

 朝から雨が降ったり、やんだり、本降りになったり、小雨になったり。そんな中、今日も神奈川大学での授業。3時限の「障害福祉論」ゼミには、西田良枝さんがゲストで浦安市から来てくださった。重症児として生まれた江里さんに普通児と同じ教育を受けさせようと学校と闘い、一緒の学級で授業を受ける。運動会も、修学旅行も親の付き添いなしでやらせる。母親の意識の高さ、思いを通す強さ、原理原則を貫く行動力、学生もそして私も深く感動しながら、人間とは何か、社会とは何かを学ぶ。我ながら、このゼミはとても素晴らしいと実感する。素晴らしいのは、何よりも、ゲストの魅力である。これからの授業が、とても楽しみである。

 引き続き、4時限の「地方自治論」の授業を終えたところで、前学期のSAの鈴木勇二君が待っていた。「職場に休暇を出して来ました」とのこと。簡単に帰すわけにはいかない。授業後の作業をとするのを待ってもらって、SAの海野一馬君、前林祐輔君も一緒に居酒屋で一杯。先輩SAの話も聞けたし、就職したばかりの職場のことも紹介してもらった。こういうのも、大学で仕事をすることの楽しみである。


2014.4.29(火)

昭和の日に

 「天皇誕生日」→「みどりの日」→「昭和の日」と名前が変わった祝日である。このところ、ラジオでもテレビでも「昭和特集」として、昭和の歌を流す番組が多い。たまたま聴いた番組で、いい曲がたくさんある。「昭和のレジェンド」をあなたが選べと言われたら、長嶋茂雄、美空ひばり、石原裕次郎、吉永小百合を挙げる。次点でビートたけしか。平成も26年だが、平成のレジェンドは思いつかない。私が人を知らないだけかも。「昭和の日」にそんなことを考える。

 iPS細胞研究所長の山中伸弥教授の過去の論文中に、画像や図表の不正があるとの指摘があったのを受けて、山中教授が記者会見で弁明した。小保方論文の不正指摘以来、インターネットでのこの種の指摘が流行しているようだが、さすが山中教授である。「不正は全くない」と言い切った。ただ、論文で使った生データが自分の資料から発見できなかったことについては、反省しつつ謝罪した。会見中の山中教授の表情には、悔しさからか、非常に硬いものがあった。涙を浮かべる場面も。

 重箱の隅をつつくような、指摘である。あらさがしもはなはだしい。と怒りの矛先をネット上の穿鑿屋さんに向けたいところだが、一方で、このことは日本の研究者への警告になっていることも否定できない。これですべての研究者が襟を正すことになれば、日本の研究水準は向上することが期待される。その意味では、姿の見えない穿鑿屋さんに、感謝しなければならないのだろう。「昭和の日」に、そんなことまで考える。


2014.4.28(月)

柴田先生、お帰りなさい

 神奈川大学で、私と同じく「地方自治論」を講じる柴田直子先生が、ロンドンでの1年間の研究派遣を終えて大学に戻って来た。今日、やっと日程が合って、お話を聞くことができた。「日本のほうが地方自治は進んでいるのに、どうしてイギリスで研究するのか」と大学では言われたといったことなど、興味深い話である。ロンドンには、小学4年生と4歳のお子さんも連れて行った。さらには夫君も会社のロンドン支社(?)への赴任ができて、結局、家族一緒のロンドン生活だったとのこと。帰国したら、娘さんの保育所が満杯で入れないというおまけつき。女性が大学の先生として働くことの大変さにも気がつかされた。

 徳田毅氏の議員辞職に伴う衆議院鹿児島2区補選で、自民党の金子万寿夫氏が当選した。この結果を受けて、「政権の政策が評価された」と自民党本部では歓声が上がったらしい。一方、投票率は過去最低の45.99%である。橋下徹大阪市長も同じ傾向があるが、選挙結果を自分たちに都合のいいように解釈するのは、いかがなものか。

 今日のテレビ番組では、26日、仙台での羽生結弦選手の凱旋パレードの映像が何度も流れた。92,000人が集まり、女性を中心としたファンの熱狂ぶりが伝わってくる。ファンの声援に応える羽生選手は、オリンピックでの決まりポーズを14回も繰り返すサービスである。Tシャツが飛ぶように売れたおかげで、パーレード費用は800万円の黒字とのこと。我が家では、妻と義母が熱狂的な結弦ファン。画面に映るたびに、「かーわいい」を連発する。私は、92,000人の観衆の熱狂の中にも秩序を守る応援ぶりに、日本人の民度の高さを改めて感じていた。日本は平和だなとも。


2014.4.27(日)

今年のメーデー

 上天気の日曜日の朝。散歩とラジオ体操のメッカ横浜岸根公園は、このところでは最高の人出である。集まるみんなの顔が輝いている。今日のラジオ体操は、東京都足立区からの中継。足立区の仲間と一緒の気持ちで、ラジオ体操に励む。いい日曜日である。

 昨日はメーデー。知事時代には、毎年、仙台の西公園での集会での挨拶に出向いた。「額に汗して働く労働者が報われる社会を」ということが多かった。今年のメーデー中央大会に出席した安倍首相を迎える労働者側の反応は微妙なところ。

 本来、労働者の権利としての賃上げ、労働条件の改善を戦い取るのが労働組合、その連合としての「連合」の役割である。企業、そして企業側に立つ政府とは本気でやり合わなければならない。それが、賃上げを重視するあまり、今年のベア獲得に矛先が鈍ってはいないだろうか。

 賃上げの一方で、「残業代ゼロ」政策も画策されている。大企業はいいとしても、中小企業の労働者には賃上げの恩恵は及ばない。2000万人の非正社員を置き去りにする労働組合に未来はない。安倍首相の甘い言葉に、政権党すり寄りなど、もってのほかである。心配し過ぎかもしれないが、そんなことを今年のメーデーで考えてしまった。      


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