浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 5月第5週分          

2014.5.30(金)

拉致被害者の全面調査

 暑い日が続く。だからというわけではないのだが、朝、やる気がなくて、散歩をさぼってしまった。特に理由がない。「さぼる」という表現がぴったり。

 今までずっとさぼり続けてきたのが、拉致問題に対する北朝鮮の対応である。それが、「日本と北朝鮮が拉致被害者らの全面調査で合意」というニュースが飛び込んで来て、急展開である。2008年にも北朝鮮は全面調査をやるという約束をしながら、「首相が替わったから」という理由にもならない理由で、約束を反故にしたという実績がある。今度も、いつ裏切られるかわからない。しかし、拉致被害者家族のことを思えば、やるしかない。是非とも、成果を挙げて欲しい。北朝鮮には言いたいことがたくさんあるが、まずは成果を出すこと。日本国民みんなの願いである。北朝鮮には、もうさぼって欲しくない。


2014.5.29(木)

分権政策研究会

 午前中、「はくらく耳鼻咽喉科」へ。このところ3日間、一日2回「寝耳に水」をしたうえで、今回の治療に臨む。1ヶ月前の治療で、左耳の鼓膜に貼り付いた耳垢をすっかり除去してもらっている。1ヶ月でどれだけたまったか。「ああ、結構ついてますね」と生出医師。早速除去にかかってもらう。「痛くしないでください」と、以前に横浜労災病院の耳鼻科で痛い思いをした私が、先生にお願いする。「はい、今日のところは、これでやめておきます」との生出医師の言葉にほっとする。今回は6割だけの除去なので、また「寝耳に水」を4日してから再診ということになった。痛くないから、問題ない。

 午後は、日比谷公園内の市政会館にて「分権型政策制度研究センター」の研究会に出席。今年度新規の研究テーマは、「人口減少時代における自治体のあり方」である。岩手県、滋賀県、京都府、鳥取県、広島県、佐賀県、長岡市の職員と私を含む専門委員3人が、新藤宗幸先生の司会のもと、議論を展開する。今日は、第1回ということで、まとまった議論には至らず、幅広い話題の交換ということで終わった。地方自治の現場の意見も聞けるので、私にとっては、貴重な機会である。

 楽天の星野仙一監督が、26日から腰痛のため一時休養となったが、診断名は胸椎黄色靭帯骨化症という難病とのこと。手術が必要だから、休養は長期にわたるだろう。楽天ファンとしては、この時期の監督不在はとても心配である。チームが勝つことが監督への何よりのお見舞いになる。その意味でも、楽天には、奮起してもらいたいのだが。


2014.5.28(水)

素敵なカップルの誕生

 神奈川大学授業の日。3時限の『障害福祉論』のゲストは、邦一、智子、隼吾の内海一家。邦一さんと隼吾君の一口小咄で、隼吾君が約束にない受け方をするのを、学生が「ああやって、わざとはずすところがすごい」と評していた。智子さんが、「極道の妻」のことを「たまたま愛した人が極道だった」と解説しながら、「私の場合も、可愛い子を持ったら、それがたまたまダウン症だった」と述懐するのが、とてもわかりやすい。だからこそ、「まだ人間になり切っていない胎児を、ダウン症だからといって中絶するのは納得できない」というコメントが、ストンと胸に落ちる。発言を指名した女子学生3人プラス男子学生一人が、すべて、「妊娠中ダウン症とわかっても、絶対に生む」と力強く答えたのには、こちらも感動した。

 続く4時限の「地方自治論」は市町村合併についての授業。ゆっくり、じっくり講義したつもりだったが、定時の15分前に授業が終わってしまった。いつもは、「先生、時間オーバーしないでください。次の授業に間に合わないのです」という苦情がくるのに、なんたるコントラスト。こういうのもあっていい。

 高円宮家の次女典子さま(25)と出雲大社祢宜の千家国麿さんの婚約内定の記者会見は素晴らしかった。若い二人の記者との受け答えが素敵だったのもあるが、なによりも、天照大神と大国主大神が登場する古事記、日本書紀の時代にまでさかのぼってのご縁で結ばれるというのが、なんともロマンをかき立てる。これほどピッタリくるカップルはない。すごいことである。血なまぐさい事件やうんざりするような国際関係のニュースばかりが目立つ中で、こんな素敵なニュースはない。久しぶりに幸せな気分になれる出来事である。


2014.5.27(火)

フィランソロピー協会理事会

 雨のため。散歩はお休み。たまに休むのはいいことである。おかげで、朝はいつもよりゆっくり寝ていた。

 公益社団法人日本フィランソロピー協会の理事会が、霞が関ビル35階の東海大学校友会館にて開催。地下鉄霞が関駅を出て、官庁街を歩いて霞が関ビルへ。午後の暑さの中、道行く人は上着を脱ぎ捨てて軽装である。こちらは、律儀に上着着用のまま。

 理事会は、会長である私が議長役で、前年度の事業報告などの議案を審議する。高橋陽子理事長が、事業実施状況を手際よく説明する。毎年度、幅広く活動していることを、改めて実感する。財政は依然として厳しい中でなんとか活動を広げているのは、高橋理事長はじめとする職員の皆さんのがんばりのおかげである。もう一つの議題は、石榑康利常務理事が退任して、永井裕美子さんが新常務理事に就任すること。永井さんはいくつかの企業で人事関係の部署を経験し、高橋理事長とも長い付き合いである。若い力での活躍を期待したい。

 フィランソロピー協会では、名前だけの会長職で気が引けるのだが、企業のCSR部門という、目立たないが大事な役割が、確実に広がっていることを実感できるのはありがたい。日本の企業文化が変わり、社会を変えていく。その中で、フィランソロピー協会が果たす役割も決して小さくはない。  


2014.5.26(月)

中国の横暴

 今日で6日連続の散歩とラジオ体操である。5月になって、岸根公園のひょうたん原っぱの周回コースを歩く人の数が増えている気がする。その中を神奈川大学の陸上部(?)の学生5、6人のグループが疾走している。ちょっと前までは、散歩の人たちと反対回りで走っていた。こちらが一周する間に、猛スピードの集団と3回以上すれ違う。そのたびに、身の危険を感じるほどであり、時々は、思いっきりにらんだり、「アブねーなー」と声を出したりしたものである。そのせいでもないだろうが、このごろは、みんなと同じく反時計回りで走るようになった。これで一件落着。

 一件落着とならないのが、中国との関係である。今回は、中国軍機が自衛隊機に異常接近というニュースが飛び込んできた。小野寺五典防衛大臣は、「常規を逸した近接行動。偶発事故につながる危険な行為だ」と厳しく非難した。30メートルにまで接近というのは、テレビ報道の解説によれば自動車走行でいうと数十センチということらしい。中国軍機は、ミサイル9発も積んでいる。危険極まりない挑発だ。見ていて、心の平穏を保つのがむずかしいような暴挙である。

 その中国が、ベトナムとの間でもやりたい放題をしている。ベトナムの無力をみすかして、領土問題を武力で押さえつけている。同じようなことが、ロシアのクリミア「併合」である。その中国とロシアが、なにやら接近を図っている。弱い者いじめをするクラス内の乱暴者同士は、気が合うのだろう。クラスメイトの非難の声を無視しつつ、悪さを続ける。悪たれも、二人でやれば怖くない。そんな図式が見えてくる。なんとおぞましいことか。


2014.5.25(日)

 朝6時の横浜、気温20℃、湿度86%。いつもと同じ服装で散歩に出たのに、汗ばんでしまうのは、湿度の高さ故である。五月の薫風がカラッとしない。こういう朝もある。それでも、散歩の楽しさ、ラジオ体操の爽快さは変わらない。無料で楽しめる貴重な娯楽である。

 外出をしてみたら、歩く人たち、電車の乗客の服装が夏向きになっている。半袖、薄着、若者たちが輝いている。横浜の最高気温は24℃。気温以上に「夏は来ぬ」が視覚から実感できる。

 和田竜の「村上海賊の娘」上下巻(新潮社)を読了。今年の本屋大賞を受賞した作品である。受賞作であることに興味を持って読み始めたが、評判どおり痛快巨編であった。映画化されるだろうが、そのキャストはどうなるか想定しながら読んでいた。主人公の景(きょう)は、大柄で気が荒く、男勝りの戦好き。「悍婦にして醜女。嫁の貰い手のない20歳」とあるが、見る男によっては、「類い稀なる美貌」という記述もある。大柄ということでは、天海祐希、杏、榮倉奈々が思い浮かぶ。実際の映画化ではどうなるか。これも興味深い。

 「村上海賊の娘」の前に、同じ作者のデビュー作「のぼうの城」上下(小学館文庫)を読んだ。これはなかなか面白かったので、そのままの勢いで「海賊の娘」にとりかかったのである。どちらの作品も、本物の古文書を読み込んで書いており、その引用が頻繁に出てくる。「史実に沿った小説」と思わせる手法が効果的である。単行本は、電車の中で読むのには、つらいものがある。文庫本には布カバーをつけられるし、文字通り「手軽」なのがいい。二つの作品を文庫本と単行本で続けて読んだ感想の一つである。    


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