浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記  6月第4&5週分           

2014.6.30(月)

10日ぶりの散歩

 6月最後の日。今年の上半期が終了。ということは、今年も半分過ぎたということである。「時の流れの速さに改めて驚く」という月並みなことは言わない。半年は半年、サッカーでいうハーフタイム。それだけのことである。

 10日ぶりで散歩に出る。天候、体調、仕事、それにワールドカップの試合というのもあった。久しぶりの散歩は、やはり気持ちがいい。ラジオ体操の始まりの言葉に「規則正しい生活のためにも、ラジオ体操を毎日いたしましょう」というのがある。毎日はむずかしいが、心がけたい。

 今日は連載の原稿を書くつもりだったが、雑用をこなし、7月4日の地方議会の女性議員の会での講演準備(パワポ作成)をしているうちに、「出来ず」になってしまった。締切が少し先なので、切羽詰まり感が薄い。

 「集団的自衛権、公明党は執行部一任」だって。執行部は、最後は、連立維持に心が動く。地方議員のほうは、大半が反対である。「連立維持」などは関心がないので、自分たちの方針を貫く。公明党は平和の党というのは、中央では二度と言えない。あとは、自衛隊法の改正について、最高裁の違憲立法審査権が働くかどうか。憲法の番人である最高裁として、筋を通して欲しい。


2014.6.29(日).

福岡市でのセミナー

 昨日のこと。「九州大学産学連携セミナー」の「地域政策デザイナー養成講座」で1時間半の講義。厚生省年金局に大蔵省から出向していた谷口博文氏の紹介である。この養成講座は、一般社会人と九州大学大学院生30名程度の受講生が5月から11月までの半年間、毎週土曜日に受講する。今年の受講生は5期生である。受講生は、講義に加えてグループに分かれて独自に調査研究を行い、最終的に政策研究発表と報告書の作成を行うというもの。私の講義は、24名の受講生の他に、60名程度の聴講生が出席していた。受講生は30万円、講義の聴講のみの聴講生は5万円の参加費がかかる。

 私の講義は、「地域が支える福祉」というテーマで、私が22歳から現在まで実際に関わってきた障害福祉の道程を振り返りながら、受講生に率直に語りかけるもので、こういった講義は、実は初めてである。熱心な聴講態度に励まされながら、語り切った。

 夜は、講義聴講後のグループ討論を終えた受講生と過去の受講生数人プラス事務局の皆さんで、居酒屋での懇親会。一人一人、私の前に呼び出して、「30万円は誰が出したのか」(←ほとんどが親元の会社など)、「どうだ楽しいか」(←全員が、特にいろいろな分野の人たちとの本気での討論が意義あり、新しいネットワークができると返答)などと質問を浴びせた。本業をこなしながら、こんな活動をしている若者がいる。素晴らしいことである。

 今日のこと。福岡から横浜に帰り来て、家でのんびり。楽天が日本ハム相手に勝ったのを確認して、いい気分で一日を終える。  


2014.6.27(金)

ロングインタビューとショートステイ

 午前中、南青山のキャンディッド事務所で、残間里江子里江子さんのインタビューを受ける。残間里江子さんが主宰するclub wilbeeのweb magazine に掲載される記事用である。残間里江子さんとは30年近い付き合いだし、彼女の聞き上手もあり、話が止まらない。自分の人生を振り返るような感じのインタビューになった。1時間半、ほぼしゃべりっぱなし。これをまとめる人は、苦労するだろうなと心配になるほどの饒舌であった。

 夜は、霞が関北陵会が人形町の「三陸天海のろばた」で開催。店に入ってみてびっくり。百人以上は入る店内が満員である。料理が出て来てさらにびっくり。三陸の海の幸が質も量も豪華そのもの。しかも、4000円で2時間飲み放題と聞いて三度目のびっくり。会は、これまでで最高の15人が参加。会の発案者であり、中心メンバーの小野寺容資さんが、来月、アメリカのUSC(南カリフォルニア大学)に派遣留学に旅立つ。その送別会も兼ねての会となった。私は、明朝の便で福岡に飛ぶので、後ろ髪を引かれながら、途中退席。ショートステイである。ここは再訪するに値する店である。


2014.6.26(木)

ミュージックコラボ2014

 来週の「地方自治論」のレジュメづくり作業を中断して、午後から、光子と一緒に白金台の東大医科研附属病院へ。1年ぶりの訪問である。ATL患者として、医科研の内丸薫先生が進めている研究の被験者の役目を果たすことが訪問の趣旨。ATLの原因となるウイルス(HTLV-T)が治療(骨髄移植)を受けた患者の中でどのように増減するかを調べる。治験の標本が集まれば、研究の成果が期待される。今日は、血液検査の標本を提供する。その採血をやってくれたのが、5年前、医科研に入院していた時の看護師岩崎宏美さんである。実は、岩崎さんから言われるまでは、気がつかなかった。5年ぶりの再会である。そんなこんなで、1年1回の治験者業務を終える。

 夜は、ハイテンションのかしわ哲さん、酒井真弓さん、南高愛隣会の田島光浩理事長が横浜に集まって、「横浜みらいミュージックコラボ2014」(今夜決まった催事名)の打ち合わせ。長崎の瑞宝太鼓とかしわさん率いるサルサガムロックバンドのコラボレーションである。どちらも、障害者の音楽パフォーマンスとしては日本有数。この二つが日本初のコラボレーション(共演)をするというのだから、何かがここから生まれる予感で心が弾む。開催はみなとみらいの「はまぎんホール・ヴィアマーレ」で11月5日と既に決まっている。次は、チラシとチケットづくり。これもかしわさんの事業所で原版を作るところまで決まった。着々と実現に向けて進んでいる。久々に夢が膨らむプロジェクトである。


2014.6.25(水)

県庁職員の話に感銘を受ける学生たち

 天気予報では、大雨だったが、幸いにも小雨で済んだ一日。そんな中を神奈川大学へ。3時限の「障害福祉論」のゼミは、グループワーク。来週の発表を控え、各チームとも最後の追い込み。こちらは、時々、学生の質問に答えるぐらいである。4時限の「地方自治論」は宮城県東京事務所の小野寺正樹さんがゲスト。彼の話がとても良かった。そういうのは出席学生のほぼ全員。小野寺氏は土木職であるが、防災、河川、土地買収なども仕事で手がけたことに、学生は驚く。「公務員は机に坐って仕事をしているのかと思ったら、作業着姿で現場に出るんだって」ということにも驚く。「地方公務員のイメージががらりと変わった」との感想を、これまた、出席学生のほぼ全員が語る。来週の授業では、小野寺氏が特別なのではないよ、県庁職員の大半は、同じように使命感を持って、真摯に仕事に向き合っているんだよと、言ってやるつもり。

 3時限も4時限も、授業開始時に「ワールドカップは終わった。これからは勉強に邁進しよう」と発破をかけた。


2014.6.24(火)

大雨警報の中の取材

 朝からの雨が昼には大雨となり、雷まで鳴る荒天である。横浜には大雨洪水警報、雷注意報が出されている。

 そんな中、午後から朝日新聞の石川雅彦記者が来宅。なんと傘無しである。取材は、「患者を生きる」という、10年も続いているシリーズに登場するためのもの。一人分が6回連載となる。掲載は10月過ぎということだが、こんなに前倒しで取材するのは、時間を十分かけたいということらしい。これまでに何度も受けた闘病の取材であるが、ついつい話が止まらなくなる。1時間半かかったが、他日、もう1回取材の機会がある。石川記者の帰り道は土砂降り状態。ビニール傘を貸してあげた。

 朝、昼とニュースワイドショーを見る。どちらも、都議会のセクハラ野次のことを扱っている。鈴木章浩議員の記者会見については、コメンテーターの方々は、「遅過ぎる」、「言い訳ばかりで不愉快」、「これで一件落着とはいかない」など、なべて厳しいコメントである。私も同感である。私の見るところ、少数会派の女性議員がいる地方議会、特に市町村議会では、もっとひどいセクハラ野次は日常茶飯事である。それがこれまで問題にならなかったのは、都議会の塩村文夏議員のようにツイッターで訴える議員がいなかっただけの話ではないか。来週、女性の地方議会議員35名の集まりで講演をする。いい機会である。この件についてこちらから逆取材することにしよう。


2014.6.23(月)

セクハラ野次 名乗りあげ

 神奈川大学の学期末試験の試験問題提出締切は、7月1日である。そのつもりになって作成にかかったら、詰めてやったせいもあり、今日中に完成を見た。結構凝った問題になった。これまでの試験では、学生の出来が今ひとつなので、今回は難易度を少し下げたつもり。学生がどう受け止めるかは、実際に試験をしてみないとわからない。

 作問の合間に覗いたネットで、「ヤジ問題自民の鈴木都議が謝罪」というのが目に入った。セクハラ野次の発言者(の一人)は、S議員というのがネットでは早くから言われており、他の情報を総合すると自民党の鈴木章浩都議という説が有力であった。その鈴木都議の謝罪記者会見を偶然にもリアルタイムでほぼ全編見ることになった。記者団の執拗な質問が続いたが、鈴木議員はごくごく穏やかに、冷静に対応していた。「謝罪する機会を逃してしまった」とか、「塩村議員に向けたヤジではない」という言い訳めいた発言はあったが、終始率直に謝る姿勢が見られ、記者の追及は少し甘くなる。「議員辞職はしません」という線は譲らなかったが、これで済むかどうか。さらに、他のヤジ発言者はどうなるのか、まだ問題は収束しない。

 最近のニュースで、気になっていることが二つあった。「カジノ解禁」と「問題行動を繰り返す生徒の学校からの引き離し」である。その2件とも、今朝の朝日新聞の社説で取り上げられており、結論は私見と同じである。「カジノ解禁」については、社説は「危うい賭けには反対だ」と明快である。私はこれに加えて、他国のマネをして日本の文化を汚すなと言いたい。金のために、そこまで日本の品性を貶めたくない。

 「問題行動生徒引き離し」は大阪の橋下市長の提案である。問題児を学校から追い出せば、学校の平穏は保たれ、まじめに勉強する生徒は守られる。「追い出された生徒の気持ちも考えよう」というきれいごとでは済まないことはわかるが、追い出して、一カ所にまとめるからには、そこから元の学校に戻れる方策も真剣に考えなければならない。朝日の社説には、「"これで解決"ではなく」とあるが、むずかしい問題であるからこそ、簡単に「解決」とはいかないことを示唆している。


2014.6.22(日)

不快指数高し

 雨の日曜日。傘がいるかいらないか、その程度の雨が一日中降り続く。気温は高くないが、湿度が高くて不快指数が上がる。

 不快指数が上がるのは、政治家の言葉の軽さ。石原伸晃環境大臣の福島県被災地での「最後は金目でしょ」失言のことは、以前にも書いた。石原大臣が失言を認めて発言を撤回したが、それでは治まらず、国会終盤で野党の問責決議案提出(参議院)、不信任決議案提出(衆議院)となった。こういう案件だけは、野党7党がまとまるのに苦笑する。決議案は、与党多数の中で、成立するはずがない。全般に野党の存在感が示せなかった国会であるが、最後は湿った線香花火のようなもので終わった。そちらのほうで不快指数が上がる。

 都議会での塩村文夏議員の質問中のセクハラ野次は、満員電車内での放屁のようなものである。どさくさにまぎれて、「俺でない」を決め込む。品性を欠く野次を飛ばすのが悪性度3とすると、自ら名乗りでないのは悪性度10である。この議員の近くに座席がある議員(複数)は、野次を飛ばした議員が誰か知っている。「名乗り出ろよ」と言わない同僚議員も、事後的共犯である。これが6年後にオリンピックを開催する都市の議会の実態とは情けない。

 東北楽天イーグルスの交流戦最後の試合、対阪神戦に5対1で快勝。昨日は、楽天の則本が完封勝利。これで阪神に2連勝、交流戦で3勝1敗である。交流戦が始まる前は、半世紀にわたって熱烈な阪神タイガースファンであった私。2005年、楽天イーグルスが誕生した年に交流戦が始まった。宮城県知事だった私は、楽天対阪神戦を宮城球場で観戦した。そして、100%楽天を応援している自分を発見した。心変わりを責めるなかれ。楽天誕生に地元知事として関わったものとして、楽天を応援するのは自然な流れである。それにしても、今シーズンの楽天は、昨季日本一になったとは思えない不振である。まだあきらめないが、選手の奮起を願うのみ。  


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