浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記   7月第4週分        

2014.7.26(土)

NHKスペシャルの予告

 とんでもない熱波が日本国中を覆っている。テレビのニュースのトップに、「今日は暑いです」というのが来るほどに暑い。幸い、このところの暑さの中、外に出るのは早朝の散歩の時だけなので、太陽ぎんぎらぎん、熱中症でばったりというのは経験していない。散歩とラジオ体操でいい汗を掻いておくと後が楽、科学的根拠はないがそう信じている。この猛暑、ピークは明日まで。少しほっとする。

 科学的根拠はないと書いて思い出した。小保方晴子さんの「STAP細胞はあります」に科学的根拠はあるのかないのか。明日のNHKスペシャルのタイトルは「調査報告STAP細胞 不正の深層」である。番組予告の段階で「史上空前と言われる論文の捏造」という文字が踊る。NHKとしては、珍しくセンセーショナルな扱いである。「STAP細胞はあります」を信じたい思いが私には少し残っている。それが完膚なきまでに粉砕されてしまうのかどうか。


2014.7.25(金)

暑さ本格的に

 散歩している早朝から、暑くなりそうな気配を感じる。昼頃、外に出てみたら、太陽がギラギラと迫ってくる。本物の夏の陽射し、本物の高温である。「熱中症に気をつけて」とテレビは叫んでいる。お言葉にしたがって、一日中家にこもっていた私。

 河北新報東京支社長の佐藤純さんから書状が届いた。報道で承知していたが、一力一夫社主が88歳でお亡くなりになったことを伝えている。一力氏と私が貴乃花関と曙関をはさんで並んで立っている写真が同封されていた。1995年7月、大相撲仙台場所の際に撮影されたもの。一力氏をはじめ、4人とも若いのは当たり前だが、ちょっと感動した。東京支社に祭壇が設けられているとのこと。9月には東京で「お別れの会」が開催予定。とてもお世話になった一力氏である。どちらも駆けつけるつもりである。

 昨日、読書について書いてみた。その勢いで、今日は「下町ロケット」池井戸潤著(小学館文庫)を読んだ。池井戸の作品としては、あの「半沢直樹」の原作である「オレたちバブル入行組」、「オレたち花のバブル組」はテレビドラマになる前に読んでいた。ミステリーの「果つる底なき」は先月読んだ。それはそれで面白かったが、「下町ロケット」はそれ以上にぐいぐい読ませる佳作である。中小企業のプライドが大企業相手に一歩も引かないところが痛快であり、ぐっとくるものもある。最後のほうでは、感激の涙が止まらなかった。池井戸潤は素敵な作家であることを知った。詰まらない作品に出会うまでは、池井戸作品を読み続ける予感がする。


2014.7.24(木)

受診と読書について

 高温多湿の中、築地のがんセンターへ。今日の診察でも、クレアチニン1.22以外は正常値。順調である。服薬を減らしたいのだが、もう少し様子を見ましょうというのが、田野崎隆二先生の判断である。患者としては、この程度の服薬は別に苦にならない。Slow and steady でいく。

 少し暇になったので、ケン・フォレットの「凍てつく世界」(SB文庫)を読む。「大聖堂」以来、ケン・フォレットの作品は何冊か読んでいる。今回の「凍てつく世界」はヒトラーの台頭以後、第二次世界大戦収束から米ソの冷戦までを扱った小説で、ドイツ、イギリス、アメリカ、ソ連を舞台に史実、フィクション取り混ぜて、迫真のドラマを繰り広げる。日本も真珠湾攻撃、ミッドウエイ海戦、原爆投下でストーリーに登場するが、日本人は出て来ない。「愛と殺戮の20世紀史」といえるが、スターリンのソ連、ヒトラーのドイツの大量殺戮には、吐き気を催すほどである。この作品は文庫本4冊という大作である。主要登場人物だけで35人もおり、名前が覚えられず、それぞれの関係がこんがらかってしまい、読みづらさは相当なものだが、なんとか4冊読み通した。ケン・フォレットが紡ぐ百年三部作の2作目であり、第1作は「巨人たちの落日」で、第一次世界大戦とロシア革命を描いたものである。これを読むかどうかは、まだ決めていない。

 「凍てつく世界」の前の読書は、女流作家の作品を読んでいた。最新は「白蓮れんれん」林真理子著(中公文庫)。放映中のNHKの朝ドラ「花子とアン」に出てくる蓮さまが描かれている。林真理子さんが700通以上の白蓮と宮崎龍介の恋文を入手したことで、作品は圧倒的なリアリティを示している。これはいい、なかなかいい作品である。


2014.7.23(水)

SAと今学期最後の作業

 梅雨明け後の散歩とラジオ体操でたっぷり汗をかいた。高温多湿は日本の夏の特徴である。なんとか、そんな夏を乗り切らなければならない。  暑い中、神奈川大学までの坂を上ると、汗が止まらない。

 SAの海野一馬君、前林祐輔君と一緒に研究室で、今学期最後の作業をする。私の授業では、期末試験の配点が筆記試験80点、授業参加20点である。授業参加点というのは、毎回授業後に提出される出席カードの記述が秀逸であるもの(毎回10名〜20名)に1点、宿題提出に1点、その宿題の出来が秀逸なもの(毎回10名〜20名)にさらに1点が与えられるというものである。最終授業が先週終了したので、今日は3人でこの授業参加点を個人別に累計する作業にとりかかった。チームワークよろしく、作業は1時間半で完了。SAの二人にとっては、これが今学期最後の作業。授業でのサポートも完璧にやってもらったし、頼りになるSAである。ご苦労さん、そしてありがとう。来学期もよろしく、と声を掛けながら、昼食を一緒にして解散。

 不愉快なニュース。中国の「上海福喜食品」という食肉会社が、使用期限切れの肉を販売していることがみつかり、違法5製品100tが押収されたという報道である。日本にも販売しており、マクドナルド、ファミリーマートなどが製品の販売を停止した。こんなでたらめ食品は、何度目だろう。冷凍ギョーザ事件などは記憶に新しい。今回のことも氷山の一角ではないか。食品を扱う事業者の衛生観念のなさ、遵法精神希薄、現代中国社会の縮図とさえいえる。なんとかしてくれ、中国さん。


2014.7.22(火)

セウォル号運航会社オーナーの遺体確認

 散歩とラジオ体操でも、運動である。高温多湿の際の運動には熱中症(名称に異議あり)のおそれがつきまとう。なにより大事なことは、水分の補給である。散歩の出発前に水道の水を飲む。中学生の頃は「鉄管ビール」と呼んでいたが、今の子はそんなこと言わない。そもそも水道の水など飲まず、ペットボトル入りの飲料を好む。関東地方は今日が梅雨明けであり、いよいよ本格的暑さがやってくる。暑さに負けずに、100人を超す岸根公園に集う仲間とともに、今日もラジオ体操に励む。

 朝のニュースでは、沈没事故を起こした韓国の客船「セウォル号」の運航会社の実質的オーナーであるユ・ビョンオン容疑者の遺体が発見されたことを伝えている。発見されたのは、全羅南道順天の梅林である。本人がその場で絶命したとは思えない。誰かがどこかから遺体を運んできたのだろう。発見されたのは1ヶ月以上前なのに、どうして発表がこんなに遅れたのだろうか。何らかの意図で、故意に遅らせたのではないか。まだまだミステリーの部分が多過ぎる。外国の事件なのに、日本のメディアが大騒ぎするのも何か変だし、その報道を熱心に見る私も相当に変かもしれない。  


2014.7.21(月)

中部電力裏金問題続編

 海の日。元は海の記念日といった。1876年、明治天皇が東北・北海道の巡幸の際、横浜港に帰着した日を記念したもの。なんだか根拠薄弱である。実際は、父親に休みを取らせて、夏休み中の子どもたちと海水浴に行けるようにするためらしい。「海洋大国祝日になったのは、1996年と最近のこと。「海洋国日本の繁栄を願う」趣旨もある。それをアピールするなら、集団的自衛権行使容認に一歩を踏み出した「今でしょ」という気がする。

 毎日が祝日の私にとっては、どうでもいいこと。朝は、昨夜の雷雨で葉っぱが大量に落ちた岸根公園を一周し、ラジオ体操を元気一杯にやるだけ。海水浴に行かなくたって、毎日、適度の運動している66歳(私のこと)は、十分に健康で元気だーいと小さな声で豪語したい。

 昨日書いた中部電力の裏金問題の続編が朝日新聞に出ている。中部電力の元役員X氏が4県の知事選候補側に裏金を渡していたという記事である。「知事にそっぽを向かれたら、電力事業が立ちゆかない」(X氏)ということでの裏金ばらまきである。愛知県の神田真秋前知事だけが取材に授受を認めた。彼には裏金をもらったことに罪の意識はない。「選挙とはこんなもんだ」、「知事の仕事はこういうもんだ」と、誰でもやっているふつうのことという感覚だからだろう。こういう人たちを「もんだの人々」と私は呼んでいる。裏金を渡すほうだって、「電力事業には必要なもんだ」の感覚だった。このような「もんだの人々」は、他の電力会社にも、他県の知事の中にもたくさん存在する。であるから、中部電力の裏金問題はどこまでも波及することは、容易に推測できる。

 夜は、こういうどろどろの話とは無縁の「はじめてのおつかい!!夏の大冒険スペシャル」3時間を見る。1年に数回のこの番組は私のお気に入り。毎回、涙と笑いで顔がくしゃくしゃになる。今回も、たっぷり楽しませてもらった。


2014.7.20(日)

チャリティ・リレーマラソン

 朝8時半、「チャリティ・リレーマラソン東京2014」のスタート地点である日比谷国際ビル前に集合し、スターターを務める。このリレーマラソンは、「東北復興支援、被災地のために行動する中学生を応援しよう!!」という趣旨で行われる。「ふるさとに笑顔の輪を広げたい!」という東北の中学生の思いに東京の中学生が応えるということで、リレーには、東北の5中学校、東京の6中学校の生徒が参加する。各リレー地点で寄付金を受け取りながら、ゴールの築地場外市場をめざす。  日本フィランソロピー協会が主催するイベントで、今年は3回目である。会長の私がスターターを務めるのは、今年が初めて。スタートしてからバス5台が追いかけ、リレー地点で選手交代。私は第2地点の九段下MSD株式会社まで一緒した。ここでは、会議室に選手一同と関係者が集まり、トニー・アルバレズ社長から寄付金目録を受領、寄付金額はなんと157万円。社員とその家族からの寄付である。雨にも遭わず、無事目的を達成した。

 がらりと話題は変わる。今朝の朝日新聞の記事「中部電、政界へ裏金2.5億円」に驚く。日曜日の紙面トップに持って来たのは、意図的なものだろう。中部電力の元役員の取材を昨年末から半年間に、15回、30時間続けたもので、当事者しか知り得ない裏の活動の詳細が明らかになっている。証言は、取引先の建設会社などに工面させた資金を政界対策に充ててきたというものである。受け取ったのは、知事や国会議員など政治家側。中部電力がが関わっている原発は、静岡県御前崎市の浜岡原発だけであるから、ここで「知事」といえば、静岡県知事しかない。これは1985年?2004年という時期に行われたという証言である。元役員は、「電力会社が裏金を使わずに済む時代が来るとは思えない」と証言している。中部電力だけの問題ではないし、現在も続いているということを示唆している。これは大変なことだ。今後、この問題がどう展開するか。再稼働問題にも、つながっていくのではないか。


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