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ジョギング日記 7月第5週分          

2014.7.30(水)

神奈川大学学期末試験

 今朝のラジオ体操夏休み巡回放送は、新潟県阿賀野市から。1400人の仲間たちが集まっている。子どもたちの掛け声が聴こえてくる。そうか、世の中は夏休みなんだ。岸根公園でのラジオ体操にも、小学生の姿がちらほら。せめて夏休みの間は、おじさんたちと一緒に体操やろうぜ。ところで今どきの小学生は、学校でラジオ体操をやっているんだろうか。今度訊いてみよう。

 小学生より何段階か上の青少年を相手に、今日は神奈川大学での学期末試験である。慶応大学SFCでも学期末試験は実施したが、それと比べると神奈川大学の試験は体制がものものしい。学生は、身分証明書を卓上に置いて受験する。試験監督は、私の他に4人つく。男子の大学院生一人を除いた3人は、派遣会社からの派遣社員である。そういった厳重な監督の下での試験が無事終わった。あとは、私一人でやる採点業務が残っている。締切は8月8日。この日までに、採点と評価票を大学に出さなければならない。学生がどんな答案を仕上げているか、それを見るのが楽しみである。

 大学からの帰り道、「地方自治論の試験を受けてきました」という男女学生と一緒になった。「どうだった、できたか」、「はい、まあまあです」の後には、授業のこと、実家のこと、就職のことなど、さまざま話しながら自宅まで歩いた。「俺の自宅ここだよ」と教えってやった。こんなことは、滅多にない。なんとなくうれしい時間だった。


2014.7.29(火)

獰猛なカラスたち

 一週間前までは、蝉の声がうるさいほどだった岸根公園。このところ、それが菜聴こえない。蝉の声に替わって、カラスの鳴き声がうるさい。不吉な推測だが、このカラスたちが蝉を食い尽くしたのではないだろうか。「♪ カラスなぜ鳴くのカラスはやーまに♪」といったカラスならかわいいものだが、都会のカラスは獰猛である。ゴミ集積場は荒らすし、集団で飛び回るし。なんとかならないものか。そんなことを考えながら、散歩とラジオ体操に励んでいる私。今朝のラジオ体操は、北海道紋別町からの中継であった。

 8月6日の締切まで時間があるから、のんびり構えていた。「ガバナンス」9月号の原稿のことである。手帳で日程を確認したら、6日までの間で空いている日があまりない。あわてて、原稿書きに取り組んだ次第。「東日本大震災と国の責任」のテーマで、国が公共事業に大盤振る舞いしている煽りを受けて、被災地での復興事業、特に住宅工事が進まない。人手不足と資材高騰がその原因である。アベノミクスに乗って、国が公共事業をどんどん進める財源だって、消費税引き上げの分を回しているのではないか。その陰で、仮設住宅にいまだに9万人の人が新住宅に移転できないでいる。どうしてくれるんだ!という怒りは少し抑えた書きぶりだが、気持ちは伝わるだろう。というわけで、原稿は無事完成。


2014.7.28(月)

おぞましい事件

 昨日より少しだけ気温の低い朝。少しだけ湿度も低い。吹きすぎる風は涼風とはいかないまでも、昨日までの熱風とは違う。そんな中の散歩とラジオ体操は、一日の出発として清々しい時間である。今日のラジオ体操は、夏休み巡回放送で沖縄県宜野湾市からの中継である。ラジオを通じて、宜野湾市の3,400人の体操参加者の熱気が伝わってくる。

 そんな清々しさを今朝のニュースは、吹き飛ばしてしまう。関西電力が、歴代首相7人に毎年に2,000万円を運んだという記事が、朝日新聞の一面トップである。そんなことはあったのだろうなとは、なんとなく知っていた。しかし、この証言が実名でされていることは、大きな意味がある。内藤千百里元関西電力副社長は91歳。福島原発事故での政府の対応が許せなかったのが、今回の証言の引き金になった。証言したのは、使命感の現れだろう。91歳で頭もはっきりしているし、昔の記憶も確かなのに驚く。この証言がどれだけの波紋を生じるか。期待するわけではないが、真相が明らかになり、原子力行政の悪い面が正されることは望むところである。

 清々しさとは縁遠いおぞましい事件の報道もある。長崎県佐世保市の県立高校1年生、松尾愛和さんが同級生に殺害された事件である。その殺害方法が、なんとも残忍であり、これを女子高校生が一人で実行したのには驚きを禁じ得ない。動機も不明である。真相はいずれ明らかになるだろうが、容疑者である同級生の心の闇までが見えてくるのかどうか。その辺が、むずかしいところである。

 こういった事件のおぞましさを吹き飛ばすことになるかどうか。残間里江子さんが宰するクラブウイルビーのウエッブマガジンに、私のインタビュー記事が掲載されている。気が向いたら見てください。 インタビュー記事はここから。


2014.7.27(日)

NHKスペシャル2題

 「今日、本が届くから受け取っておいてな」、「どこから届くの?」、「アマゾンから」、「えっ、そんな遠いところから!」。TBSテレビ日曜の「サワコの朝」で紹介された、ゲストの中村メイコさんと夫の神津善行さんとの会話である。阿川佐和子さんも、見ている私も大笑い。

 近いほうのアマゾンから本が届いた。先日「下町ロケット」を読んで、すっかり池井戸潤に参ってしまったので、急遽アマゾンから取り寄せた。とりあえず6冊。つまらない作品に出会ったところで読むのをやめ、追加取り寄せもやらないつもり。今日送られて来たのは、「鉄の骨」、「空飛ぶタイヤ」(上下)、「ルーズヴェルト・ゲーム」、「銀行総務特命」と「不祥事」。この順番で読む。この順で面白いのではないかと、勝手な推測による。アマゾンから届く間に、「ダブル・ファンタジー上下」村山由佳著(文春文庫)を読み始めたので、それが終わってから読み始める。感想は、全部読み終わったところで。

 一昨日のNHKスペシャルで「復興・正念場の夏」を放送していた。東日本大震災の被災地では、9万人がいまだに仮設住宅で暮らしている。復興住宅の建設は、人手不足のために遅々として進まない。人件費が高騰し、工事費が高止まりする。役所が示す予定価格が低過ぎて入札不調が続く。原因はアベノミクスと東京オリンピックに向けての公共事業の激増である。そのために、仮設住宅暮らしの9万人が、移り住む家ができなくて困っている。「被災地の復興が第一です」という安倍首相の決意表明が空しく響く。

 そして、今夜のNHKスペシャル。昨日の日記で予想したとおり、小保方晴子さんには厳しい内容である。NHKの取材強要で小保方さんを負傷させたことは、番組内容には全く影響を与えていないようである。小保方さんがSTAP細胞をみつけたとする論文に不正があることを示唆する内容である。その不正が故意によるものか、不注意によるものかは、必ずしも明らかにはしていない。それにしても、論文は正しくないことはまちがいなさそうである。小保方氏ら、論文作成に責任ある人たちには、とても厳しい内容である。


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