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ジョギング日記 11月第3週分          

2014.11.12(水)

ゲスト相次ぐ授業

 「障害福祉論ゼミ」は、神奈川大学に瑞宝太鼓のメンバー6人を迎えて、感動的なものであった。

 5日のコンサートでボランティアをやった8人が、コンサートの感想を短く語る。夢大使の岩本友広さんが、施設で育った生い立ちから始まり、瑞宝太鼓に巡り会い、良き伴侶と息子を得るまでの報告をする。同じく夢大使の高倉照一さんは、「ふるさと」の笛演奏のあとに、「何をやっても人に遅れる自分が、瑞宝太鼓によって自信をつけた」と語る。話の最後に「前進打破」の笛を吹いて終える。

 続いて、予定外であるが、同行の川崎拓也、松永友幸、川原慧介、中村慶彦の4人が短い自己紹介をする。その後は、学生からの質問に、メンバーが答える場面に移る。「瑞宝太鼓を一言で表現してみたら」という問いに、高倉さんが「太鼓は日本の心の歌」と答える。

 学生の感想をいくつか残そう。「生演奏を初めて聴いて感動した」、「たくさんの苦悩を乗り越えて太鼓で生きているのはまぶしいことだ」、「『私には太鼓しかない』の言葉に感動した」。逆に、学生に対して瑞宝太鼓のメンバーから質問をさせる。学生にとっても、瑞宝メンバーにとっても、初めての経験だろう。それを眺める私は、それだけで感動する。

 メンバーを送るまもなく、地下教室に移動して、4時限の地方自治論Uの授業。ゲストに元北海道警察の釧路方面本部長の原田宏二氏。慶応大学SFCの授業にもゲストでおいでになり、今回は4回目。これも学生の感想を残そう。「警察の裏側を包み隠さず聞かせて下さった。今までより警察が信頼できる。上に立つ人が原田さんのような人ばかりならいい」、「黒い部分を知った上で仕事に就くのは難しかっただろう。その勇気は必要であった」、「今回の話を聞き、私は改めて警察官になりたいと思った」。学生がしっかりと聴いてくれているのがうれしい。原田さんは、札幌から自費で来てくれる。こちらからの御礼は何もない。「私が元気でいるうちは、毎年来ます」という原田さんには、ただただ頭を下げるのみである。


2014.11.11(火)

衆議院解散だって?! 

昼から、ホテルニューオータニ・ガーデンタワー「鳳凰の間」での「廣見和夫お別れの会」に出席。廣見さんは富山県魚津市出身、元労働省総務審議官。私とはワシントンの日本大使館で昭和53年4月から3年間、一緒に過ごしたご縁である。病気療養中のところ、8月11日にご逝去された。享年71歳。近親者のみの密葬を済ませて、本日の「お別れの会」である。

 お別れの会には、労働省関係、富山県出身者など「鳳凰の間」が一杯になるほどの参列者である。私が知った顔は、村木厚子厚生労働事務次官と郵政省から同じ時期にワシントン勤務だった小林宏昭さんだけ。敏子夫人にご挨拶をして会場を後にした。何年後かの自分の番では、こんなに大勢の人たちに参集してもらえるだろうかなどと、いらぬ心配をする私。

 今月19日に衆議院解散、12月2日公示-14日投開票との見方が、政府与党内に広がっているという。安部首相が消費税率再引き上げを先送りする判断をしたら、直ちに解散に踏み切るというのが、その見方の根拠らしい。今解散すれば、野党はまとまらず、与党が容易に勝利できる。そんなことで解散時期を決めるのは、憲政の在り方からしたら完全に邪道である。消費税率再引き上げの是非を国民に問うために解散するとか言われているが、そんなとってつけたような理屈は通らない。内閣改造したばかりなのに、また大臣の首がすげ変わる。そんなことで、まともな政治ができるのか、大事な政策を進められるのか。早期解散は、うわさだけと思いたい。


2014.11.10(月)

日本橋とよだで会食

 今日も暖かい朝。空の感じがとてもいい。秋らしい雲が浮かんでいる。そんな中でラジオ体操を楽しむ。

 日中は雲一つない青空。空気が澄んでいるので、青空の色が濃い。これなら、富士山がくっきりと見えるだろう。そんな日中に、横浜駅東口のクリニックでインフルエンザの予防接種を受ける。いつも空いているから、毎年、ここで受けている。ATLの予後では、インフルエンザに罹患した場合の合併症はひどいものになる。だから、絶対に罹りたくない。また、免疫力も弱いので、予防接種は必須である。予防接種を終えて、青空を見上げる。生きているだけで幸せを感じる、そんな日である。

 素晴らしい日は、夜になっても暖かい。その暖かい中、光子とともに、日本橋三越本店近くの「とよだ」で会食。文久年間から151年続くお店である。日テレイベンツの専務としてお世話になった石川牧子さんの退職祝いの趣である。同僚の米田直美さんも同席。そもそも、米田さんがご紹介のお店である。掘りごたつの席がゆったりできていい。4人の話ははずんで、3時間過ぎてもまだお開きにならない。素敵な場所での素敵な時間である。


2014.11.9(日)

羽生選手の意地

 久しぶりに散歩とラジオ体操に出かける。14℃、風なしなので、身体には丁度いい。曇りがちでビューティフル・サンデイというわけにはいかない。そのせいか、日曜日にしては参加者が少ない。

 昨夜のこと。中国上海で行われたフィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦男子フリーの直前練習で、日本の羽生結弦と中国の閻涵(イエン・ハン)が衝突するアクシデントがあった。実況テレビで私が見たのは、フリー演技の後半から。演技を終わっても、羽生選手はまともに歩けない。コーチと一緒に点数発表を見ていた羽生選手が、「ここまで1位」と表示されたのを見て、泣き崩れたのが印象に残る。試合を棄権しなかったことには、賛否両論あるが、この結果には誰もが感激したはず。

 その中国で、安部首相は日中首脳会談に臨む。事前に合意文章を取り交わすなど、異例のことだが、なんとか実のある会談を実現して欲しい。  


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