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ジョギング日記 3月第2週分            

2015.3.14(土)

もうすぐ春ですね

 今日は「ホワイトデイ」らしい。「らしい」と書くのは、「私はそんなこと知らんからね」ということを強調する趣旨である。1ヶ月前の「バレンタインデイ」にチョコレートをもらったら、「ホワイトデイ」にお返しをするという不文律or慣習がある。私も数人からチョコレートいただいたが今年は「自粛」させてもらった。

 このところ昼の散歩さえできない日が続いたが、今日はなんとか散歩することができた。私にとっては、散歩は義務ではなく、権利ベースの行為である。今日はこの権利を実践できたのがうれしい。そんな理屈ではなく、春の足音を感じながらの散歩はとても楽しい。筋肉に刺激を与えることにも満足。そろそろ朝の散歩を再開する時期である。気温が高い朝をねらっている。

 朝日新聞の「オピニオン」欄で、秀逸な憲法論を展開する木村草太首都大学東京法学系准教授に注目していた。その木村草太氏と出色の社会学者大澤真幸氏との徹底討論「憲法の条件-戦後70年から考える」(NHK出版新書)を読了して、知的な興奮を覚えた。アメリカ合衆国憲法は建国の歴史と深く結びつき、フランス憲法の背景には人権宣言があるのに、日本国憲法の原点にあるはずの「敗戦」をみんなが否認しているから、本当の意味で機能していないという指摘には、なるほどと納得する。木村氏は「集団的自衛権の行使は明らかに憲法違反」ということを、憲法73条(内閣の職務)を引用して語っている。ここも実にわかりやすい。内容もさることながら、木村、大澤両氏がなんと頭がいいのだろうと感心してしまった。


2015.3.12(木)

久しぶりその2

 がんセンターの受診。3週間に1回が4週間に1回になって2回目(ややこしい)。1週間延びただけなのに、久しぶり感(変な日本語)がある。その久しぶりの受診では、検査結果もほぼ異常なし。「この調子で、無理しないように」といつもの田野崎先生の言葉。久しぶりに、ATL survivors5人衆の一人南克己さんに血液検査の待合室で会う。南さんは東京マラソンの移植枠で10`完走を果たしたばかり。持参した写真を見せてもらう。「今度は一緒に走りましょう」と言ってくれたが、いつ実現できることやら。

 受診を終えて、14時からの[地方分権改革と地域民主主義の発展に関する研究会]に向かう。会場の市政会館に1時間半も早く着いたので、1回の市政図書館で地方自治関係の雑誌を読んで過ごす。このテーマの研究会は今年度最終。記念して、会議中にコーヒーとケーキが供される。報告書最終案を無事承認しても時間が残る。来年度の研究テーマを大体決めて、予定より早く終了。自治体から出席しているメンバーには人事異動で交代があるかもしれないが、「私には人事異動ありませんから」と新藤宗幸センター長にお伝えしておいた。


2015.3.11(水)

大震災から4年目

 4年前の3月11日、退院してほぼ1年が経過し、4月からの慶応大学SFCへの復帰を前にして、準備を始めていた頃だった。トイレから出て、手を洗おうと洗面所の前に立った時に、身体が大きく揺れた。病後のめまいが生じたのかと一瞬思ったが、すぐに「大きな地震だ」と気がついた。そして、テレビの画面で津波が各地を襲う様子をリアルタイムで目撃して、大きな衝撃を受けたのを思い出す。続いて原発事故。「今までにないとてつもない災害に発展するのではないか。自分もその被害者になるかもしれない」という恐怖感を覚えた。

 それから4年。テレビでは各局とも、「東日本大震災から4年」という特集を組んでいる。津波被害はその規模の大きさから、復興がなかなか進まない。特に、住宅再建が問題である。それ以上に、福島原発周辺の町に帰還できない人たちのことが心配である。除染も遅々として進まない。いつになったら帰れるのかのめどが立たない。そして、福島原発はいまだに復旧のきざしさえなく、汚染水を垂れ流している。こんな状況を知りながら、原発再稼働を目論んでいる人たちがいる。メルケル首相の「友情あるご示唆」はどう受け止めるのか。小泉純一郎氏が現在の首相だったら、どうしただろうか。そんなことを考えながら、大震災4年目を迎えている。


2015.3.10(火)

久しぶり

 久しぶりに日記を書く。  久しぶりに、TBSラジオ「おはよう一直線」に電話出演。事前には、東日本大震災への寄付金が減少していることについて聞かれるということだったが、加えて復興予算が使い切れていないことについてもコメントを求められた。さらに東京空襲から70年目についてもコメントすることになる。続いて、淡路島の5人刺殺事件の犯人についてというとてもコメントしにくい話題に飛ぶ。最後に、川崎市の中学生を殺した犯人についてもコメントをすることになる。久しぶりの出演は、やや混乱気味であった。

 久しぶりに昼の散歩をするつもりだったが、天気予報に反して雨降りとなり断念する。しばらく散歩していないと、身体がなまるだけでなく、精神的にもしゃきっとしない。

 前に書くべきだった話題。ドイツのメルケル首相が来日して、安倍首相と会談したが、会談に先立っての講演の内容が興味深かった。さらに、その後の記者会見での発言がさらに興味深かった。

 戦後七十年を迎えた日本が歴史問題をめぐり、中国や韓国との対立をどうやって克服すべきかとの質問に対し、ナチスによるユダヤ人大量虐殺の歴史を背負うドイツが第二次大戦後「過去ときちんと向き合った」ことで、国際社会に受け入れられたとの考えを示した。また、東京電力福島第一原発事故については日本という高い技術水準の国でも予期しない事故が起こりうると分かったからこそ、自国での「脱原発」を決めたと述べた。これを聞いて、私はメルケル首相の政治家としての優れていることを再確認したが、安部首相はこの発言をどう受け止めたのか、気になるところである。


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