浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 4月第1&2週分            

2015.4.11(土)

満足の福岡行き

 福岡市中央市民センターホールでのトークイベントで講演。「4月2日は世界自閉症啓発デー」であり、4月2日から4月8日は、発達障がい啓発週間である。その記念イベントということ。旧知の小柳浩一さん(福岡市自閉症協会会長)のお誘いで始まった講演である。本来は、かしわ哲さんと二人でやるトークイベントだったのだが、かしわさんの都合がつかなくなり、急遽私一人となったもの。1時から3時までの長丁場の講演だったが、内容はともかく、3時00分00秒ぴったりと終わったところで拍手が起きたのには満足。さらに70冊持ち込んだ拙著「運命を生きる」が完売となったのにも満足。昨夜は、小柳さんたちが催してくれた居酒屋での「打ち合わせ」もモツ鍋、マグロの中落ちが美味で満足。満足一杯の福岡行きであった。


2015.4.9(木)

アメリカの呪縛からの解放

 1ヶ月に1回となった国立がんセンター中央病院での定期受診に行く。天気予報がいうところの「真冬並の寒さ」に脅されて、真冬のオーバーコート着用で出かける。今日は、いつもの血液検査に加えて心電図検査、呼吸機能検査、肺のレントゲン検査をする。診察は田野崎隆二先生に加えて放射線科の伊丹先生の診察も受ける。いずれも異常なしである。

 日米両政府が「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)で自衛隊による機雷除去を盛り込む方針を固めたらしい。今日の新聞で報道されている。ちょっと以上に首を傾げてしまう。だって、自衛隊による機雷除去は集団的自衛権を使わないとできないのでしょ。自衛隊の活動範囲を広げることは安全保障法制で可能になるのであって、それが国会で審議されるより前にアメリカと議論を始め、安全保障法制が国会で議論中にガイドラインを決めることになる。国会側、特に野党からすれば、これはフライングスタートである。さらにいえば、ガイドラインの内容は、アメリカの日本に対する期待を反映している。どうしてそこまでアメリカの意に沿おうとするのか。

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を日本が渋っているのも、同じく非参加のアメリカの意向を忖度するからではないかと勘ぐりたくなる。辺野古移設を急ぐのは、アメリカからの圧力であることは言うまでもない。それしても、案件によっては、日本の固有の立場を鮮明にして、日本がアメリカを説得する、誘導するということがあっていいのではないだろうか。  


2015.4.8(水)

神奈川大学今学期初授業

 2月下旬並みの寒い一日。そこに小雨と風が追い討ち。そんな日に神奈川大学の新学期最初の授業を迎える。3時限の「地方自治論T」には、300人近くの学生が詰めかけ、大混乱で定時の1時に授業が始められない。席が見つけられない学生続出。3人がけのところ2人占有している学生に「席を空けてやれ」と命じて、何とか席を確保する。レジュメは「多めに」ということで220部用意したのだが、大幅に足りずレジュメなしの学生多数。しかも、マイクが2本中1本使えず、授業中に学生を当てることができない。パワポが使えるまでに15分もかかってしまう。SAが交代して、今日が初登場だから仕方がない。

 当初の混乱はありながらも、授業の方は、なんとか予定の分をこなす。昨年「障害福祉論」のゼミを履修していた学生の顔もちらほら。授業終了前に「ミニテスト」を実施。1回目を順調に終えることができた。

 4時限の「障害福祉論」ゼミの履修者は、前学期からの持ち上がり。23名から16名に減ったが、ゼミとしてはこれぐらいで適正ぎりぎり。今までが多すぎた。盲ろうの東大教授福島智さんのDVDを見てもらい、さらに筆談での言葉を得たことで、「石でなく人間になった」脳性まひで24時間全介助の大越桂さんの詩集を読ませ、その後全員からコメントをもらう。こちらも第一回から全力投球である。


2015.4.6(月)

沖縄県と国の対立

 雨上がりの朝。2日間は雨のため自粛していた朝の散歩を再開。この2日間で岸根公園の桜は散り始めているが、まだまだ満開状態に近い。「散る桜 残る桜も 散る桜」という良寛和尚の辞世の句を、毎年今頃の花の時期に思い出す。齢を重ねるごとに、この句の意味が理解できるようになる。それでも、私より年長の人たちと一緒に10分間のラジオ体操を終えると、「まだまだ散らないよな」と言いたくなる。

 先週から近所の宮沢歯科に通っている。定期的チェックのつもりだったが、左奥の下の歯の歯茎が膿んでいるのがみつかった。先生は「折角全部の歯が残っているのだから、抜かないで治します」と言う。今日の治療を終わって窓口で支払いをすると、「300円です」とのこと。日本の医療保険制度はなんと素晴らしいのだろうと、300円を払いながら改めて感心する私。

 翁長雄志沖縄県知事と菅義偉官房長官との会談が、昨日、やっと実現した。辺野古移設への理解を求める菅長官に対し、翁長知事は「基地建設は絶対に不可能」と応ずる。虫歯だって簡単に「抜きます」、「はい」というわけにはいかない。まだまだ話し合いを継続するしかない。自治体と国との対立である。法律で簡単に片付くことではない。どうしても政治問題にならざるを得ない。このことを「ガバナンス」で連載中の「続アサノネクスト」の5月号原稿として、一昨日書いたばかりである。


2015.4.4(土)

加藤俊一君の「自分史」

 天気予報の「昼から小雨」を気にしながら散歩に出たが、2分行ったところで降ってきた。そこで踵を返して自宅に戻ってくる。ちなみに「踵」は「きびす」と読み、かかとのこと。つまり「引き返す」という意味になる。

 加藤俊一君から重い荷物が届いた。「わが人生の山河」のタイトルの、内容も重い自分史である。自分史と言いながら、加藤家の家系を辿っての克明な記述もある。高校時代の記述では、放課後に我が家に寄っての「論争」にも触れている。このことは「加藤俊一教授記念祝賀会」での挨拶で、当時の日記を持ちだして私も触れたところである。

 加藤君の人生のハイライトは、38年を過ごした東海大学医学部での骨髄移植プロジェクトの成功である。この経過はまことにドラマチックであり、感動的でもある。加藤君は我が国における骨髄移植の先駆けである。骨髄移植についての専門的な観点からの彼のアドバイスが、ATL闘病中の私の不安解消にどれほど役に立ったか、いくら感謝しても感謝しきれない。高校時代の出会いから始まる不思議な運命である。

 2年の歳月を費やしての労作である。決して手抜きをしない加藤君らしい緻密で正確な自分史。Good job! 


2015.4.1(水)

新年度の始まりなのだ

 4月1日は新会計年度、新学期が始まる日。この日の人事異動というのも多い。新たな出発の日といっていいだろう。なんだか浮き浮きしてくるのは、岸根公園の満開の桜のせいだけではない。  神奈川大学も新学期を迎えている。今学期最初の授業とゼミは4月8日である。第一回目の授業のレジュメを、教務のご担当に送った。履修者がどれだけの数になるかわからないが、必要分だけ印刷しておいてくれるはず。長い春休みだったが、徐々に授業再開モードに転換しなければならない。

 新年度の始まりには、値上げがつきもの。バター、牛乳、ケチャップ、軽自動車税、国民年金保険料、介護保険料以外にも値上げはまだまだある。「給料は上がらないのに、値上げだけは予定どおり」というのが巷の声である。  


以前のジョギング日記はこちらから


TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org