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ジョギング日記  5月第1&2週分            

2015.5.9(土)

共生社会を創る愛の基金の運営委員会

 このところ、朝から気温が高いこともあって、岸根公園のラジオ体操に集うメンバーの半数が半袖姿になっている。私もエルヴィスのTシャツ姿で精一杯ラジオ体操に励んでいる。毎日の積み重ねで健康で丈夫な老後が保証される。

 午後から、「共生社会を創る愛の基金」運営委員会。冤罪で国家賠償を勝ち取った村木厚子さんが得た3,333万円を基金にして、罪に問われた障害者の支援のための調査研究事業を行う。その使い道を決めるのが運営委員会である。今日出席の委員には、厚生労働省事務次官、元検事総長、前日本弁護士会会長、副会長、前県知事二人、それに刑務所服役経験者、拘置所収監経験者など錚々たる方々がいて、議論の内容も刑事法理論に関わるようなもので、極めてレベルが高い。委員長の私からは「大学の法学部の刑法ゼミか大学院の授業のようで、議論が尽きません」といって委員会を閉じる。

 議論の中でも紹介されたが、この活動から知的障害や精神障害を持つ被疑者の取り調べの可視化が普及するとか、地域生活定着センターの5年間の実績として、出所後に再逮捕される障害者が減少するといった成果が出ている。厚生労働省と法務省・検察庁が協力・調整関係を進めてきたことの成果でもある。7月5日(日)には「罪に問われた障がい者の支援--新たな制度展開と多様な草の根の取組み」というテーマでシンポジウムが一ツ橋の日本教育会館で開催される。今年で4回目。毎回、500人規模の有料参加者を集めて盛会である。


2015.5.7(木)

加藤元宮城県副知事の訃報

 築地のがんセンターで定期の受診。連休明け初日だからか、大変な混雑である。血液採取では、1時間近くの待ち時間。その後、心臓の超音波検査を受ける。先回の心電図検査の結果に若干の異常があったのを受けての検査である。結果は、異常なしに近い。さらなる検査をするかどうか検討してみると田野崎先生。血液検査の結果は、今回も異常なし。死ぬか生きるかの大変な病気を発症して6年。毎回の受診では「異常なし」が続いている。ありがたいことである。

 昨夜、加藤正人元宮城県副知事が亡くなったとの報に接する。大きな病気で、何度か危機があったが、その度に奇跡的に乗り越えてきた加藤さん。今回に限って奇跡は起きなかった。加藤さんは、1993年に私が知事になった時の広報課長である。数々のヒット企画を打ち出した。のちに、知事の身近の秘書課長。その後、環境生活部長、出納長を経て副知事を務める。人当たりのよい明るい性格で、庁内のみんなに愛された。知事秘書経験者14人が私を囲む集まりである「いろは会」の名誉会長として、毎回出席していた。大事な人を亡くして、とても残念である。


2015.5.5(祝)

こどもの日に

 こどもの日にはこどものことを書くのがいいだろう。悪いことから書くと、15歳以下のこどもの人口が1617万人で34年連続の減少、こどもの割合が12.7%で41年連続の減少、いずれも過去最低である。高齢者の年金を支える若者の数の減少につながるといったケチな話ではなく、社会に元気と活力がなくなるのが心配である。その分、我々高齢者ががんばることにしよう。こどもの虐待が増えている。1999年(児童虐待防止法施行前)の5.7倍の66,701件にのぼる。実の親による虐待、そして死亡例が増加していることは怖ろしいことである。

 いいほうの話題、外国のことではあるが、英国王室のキャサリン妃に第2子が無事誕生。女の子でシャーロットと名付けられた。このニュースに、イギリスの人々が熱狂しているのが印象的である。こどもの日に限らず、街や電車の中、そして岸根公園で見かける学齢期前のこどもたちの愛らしいこと。そのこともいいほうの話題に加えたい。


2015.5.3(日)

「憲法記念日」にあたり

 「暑いわね」、「ほんとにそう。夏みたい」。岸根公園のラジオ体操で耳にした会話である。実にそのとおり暑い。体操を終えると背中に汗をかいているのを感じる。快い汗ではある。

 今日は憲法記念日。新聞紙面は憲法問題の記事が満載かと思ったら、そうでもない。日経新聞の一面には関係記事なし。26面、27面を使って「与野党、改憲論議活発に」の企画を展開している。社説は「憲法のどこが不備かもっと説明せよ」という見出しで、憲法論議に国民の理解が深まらない事情をわかりやすく論じている。一方、朝日新聞の社説「安倍政権と憲法--上からの改憲を跳ね返す」は標題からもわかるように、安倍政権の改憲への動きを警戒するという形をとった護憲論を展開している。

 憲法論議に関しては、識者の意見を扱った記事が興味深い。日経新聞で木村草太首都大学東京准教授は「現在の改憲論議は国民のどういう気持ちや理念をくみ取ろうとしているのかが見えない。自民党の憲法草案にあるような、権利を義務に置き換えるという要求は国民の間にはない」と語る。同じく日経新聞で西修駒沢大学教授は「憲法改正に向けた議論は尽くされており、国会は9条を含む改正項目の絞り込みを急ぐべきだ。96条(国会発議の3分の2条項)はハードルが高すぎる」と語る。私は木村草太氏の論に大きくうなずく。木村草太氏は、朝日新聞の16面、17面でAKB48の内山奈月さん相手に「そもそも憲法はなぜ作られたのか」をわかりやすく説明している。新進気鋭の憲法学者として、木村草太さんは「売れっ子」なのである。

 改憲論について、自分の考えも書いておこう。「改憲が必要だ」という議論のおかしさは、憲法の中の具体的なこういう条項は現状に合わないので改める必要があるという議論ではなく、「ともかく改憲」というところ。本当は9条改正なのに、そのホンネを隠しているからそうなる。これでは国民的議論が起こるはずがない。もう一つは、集団的自衛権の容認を、憲法改正でなく憲法解釈の変更でやることはよくない。これでは「日本の憲法はそんないい加減なものか」という見方をされ、「憲法の尊厳」が傷つく。それは国益を損じることにつながる。やるなら、憲法改正をすべきである。


2015.5.1(金)

安倍首相のアメリカ議会での演説

 5月になった。5月になっても晴天が続いている。したがって、早朝の散歩とラジオ体操も休まず続いている。これで10連投ぐらいか。岸根公園に咲いている花々が季節が移るのに合わせて入れ替わる。今はツツジが鮮やかに咲き誇る。これを見るのが散歩の楽しみの大なるものの一つ。

 安倍晋三首相がアメリカ議会の上下両院合同会議で演説をした。スタンディング・オベーションが10回以上ということで、好意的に受け入れられたことは、大変良かった。英語のスピーチも堂に入ったものであり、格調の高い素晴らしいものである。1点だけ懸念する部分がある。昨日の朝日新聞が和英全文を掲載している。そこから引用しよう。「日本は、世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく。そう決意しています。そのために必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現します」の部分である。

 ここの部分を聴いて、「あれあれ、そこまで言っていいのか」と驚いた私。早速野党は批判をしているが、当然である。安保法案はまだ閣議決定もされておらず、国会提出はまだ先である。それなのに「この夏までに」と期限まで明示して、「必ず実現します」は国会軽視どころか国会無視に近い。アメリカにいい顔をしたくてフライング、オーバースイングである。スピーチの原案もこのとおりだとすると、事務方のライターも同罪である。


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