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ジョギング日記 6月第1週分            

2015.6.5(金)

国会審議、波乱の予感

 この1週間で3回目の講演は、地元横浜ベイシェラトンホテルで日立ITユーザー会会員向けのもの。テーマは「闘病が開けた人生の扉」。「運命」をキーワードにこれまでの人生の節目にどう対処したかを語り、その最後の「運命」としてATLという病を得たこと、そしてその後の闘病の様子を患者の心構えということを中心に1時間半話をさせてもらった。とても熱心で受けもいい聴き手に恵まれ、快調に話すことができたのがうれしい。

 講演後は、隣の高島屋で光子の付き添いを得てお買い物。帰宅後は、来週の授業準備の残りに着手して、予定より早く終了することができた。ほっとして、ビールを飲みながら、楽天対広島の試合をテレビ観戦する。

 最近の世の中の動きで気になることも、簡単に書いておこう。

 まずは、日本年金機構がサイバー攻撃を受けて125万件の個人情報が流出した事件である。これだけで大騒ぎになったが、その後、この件が不正アクセスのあった5月8日から17日間、担当係長止まりで処理されていたことがわかって、さらに大騒ぎになった。このことを今日の民主党との会合で報告したのは、厚労省年金局の樽見英樹年金管理審議官。樽見審議官は、私が厚生省年金局に在職時の部下である。「アーア、やっちゃった」と嘆くのは私だけではない。17日間報告がなかったのは、とんでもないことであるが、サイバー攻撃を許したのは、誰が悪いのか、何が足らなかったのかを確定するのは難作業である。責任の所在を明らかにすることも必要であるが、それよりもこういった事件の波及が心配である。言わずと知れた、今年10月に施行されるマイナンバー制度の運用は大丈夫かということである。「大丈夫だ」と軽々しく請け合うことはできないのではなかろうか。

 次に書きたかったのが、衆議院の憲法審査会で、民主党推薦の参考人、維新の党推薦の参考人だけでなく、自民党推薦の参考人である長谷部恭男早稲田大学教授までもが「安全保障法制は憲法違反」と明言した「大事件」である。「アーア、やっちゃった」と嘆いた自民党議員は多かっただろう。冗談みたいな話だが、冗談ではない。本来なら、これで安保法制はお蔵入りになるようなことである。野党は勢いづいているようだが、本来は、委員会審議では、野党の質問はこういう本質論から始めるべきだったのに、言葉の定義の問題など重箱のスミつつきの質問ばかりしていたことを恥じるべきではないか。


2015.6.4(木)

県議会議員への講演

 虫歯予防デー。いつも歯科医で「よく磨けています。その調子で」と褒められている私だから、この日に特段の感慨はない。いつもどおり、朝の散歩とラジオ体操を楽しむだけ。

 午前中、徳島県議会の「明政会」の議員に「議会のあり方」について講演をする。12人の会派で、一人欠席で11人。少人数だから「講演」というのとは違うが、こちらがやることは大人数でも少人数でも変わらない。結構熱く語らせてもらった。議会を改革しようという思いがあるからだろう、大変熱心に聴いていただいて、こちらも張り合いがある。

 午後からは、来週の授業の準備。今日一日では終わらず、明日に持ち越し。SA二人が、昨日入手できなかった宿題300人分を自宅に届けてくれた。私としては、この300人分の宿題をチェックするという宿題をもらった感じである。


2015.6.3(水)

議員登場

 久しぶりにまとまった雨が降った横浜の朝。この雨では散歩に出られない。昨夜は、テニス全仏オープンの準々決勝の錦織圭対ジョーウイルフィールド・ツォンガの試合を3時過ぎまでテレビ観戦していた。睡眠不足で散歩は「自粛」となるところが、「雨で中止」ということになった。どれだけ多くの日本人が睡眠不足になったことだろう。僅差の敗戦は悔しいが、私としてはいい戦いを見せてもらった満足感もある。

 雨の中、神奈川大学での授業へ。「地方自治論」の授業には、地方議会の議員3人がゲストで登壇する。学生にとって初めての経験になる「ナマの議員」登場である。平塚市議会の江口友子議員、横須賀市議会の藤野英明議員そして神奈川県議会の佐藤知一議員である。3人とも私の授業には何回も出てもらっている。佐藤議員に至っては、予定していた議員がドタキャンになって、ピンチヒッターを昨日お願いしたのに、快く引き受けてくれた。

 前回の授業では、地方議会は首長べったりで、存在感がない(のが多い)ということを強調した説明をしたばかりである。今日のゲスト3人は私が尊敬する最上質の議員である。300人分のリアクション・ペーパーを読んでいる途中だが、次のような記述が多い。「議員さんが活動できちんと成果を出していてすばらしい。議員は高収入で人数も多いが、果たしてそれに見合った仕事をしている人はどれだけいるのかとおもっていたが、こうして情熱を持って地方を変えたいと議員活動をしている人がいることを身をもって感じることができた」。こういう学生の反応は毎回のことだが、講師(私のこと)としては、とてもうれしい。中には、「私も議員になりたい」というのもあったが、これは決して薬の効きすぎではないだろう。


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