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ジョギング日記 7月第4&5週分            

2015.7.31(金)

厚生省同期会

 7月の最後まで猛暑が続く一日。自宅で「避暑」をしているところに、大学から期末試験の答案360枚が届いた。心待ちにしていたところもあったので、すぐさま採点を開始した。まだ数十枚しか終えていないが、今のところはとんでも答案が多い。これでは、赤点不合格がどれほどになるのだろうかと心配にもなる。

 採点途中で、出かける時間になったので作業中断。向かう先は南青山の某会館。そこで厚生省45年入賞同期会が開催である。今回は、原発事故でもみくちゃにされた佐藤雄平福島県知事の退任ご苦労さんの会である。渡辺恒三厚生大臣の政務秘書官だった佐藤雄平君は、同じ時期に事務秘書官を務めていた真野章君と同年輩。ということで、特別同期会員扱いであった。その佐藤雄平君が参議院銀から福島県知事に転じ、その2期目にあの福島原発事故に遭遇した。役目とはいえ、心身ともに大変な苦労をされた。今回の同期会は、その佐藤雄平前福島県知事ご苦労さんの慰労会を兼ねてのものである。

 佐藤雄平君の苦労話から始まり、10名の出席者による各自の近況報告を続けていたら、会場の制限時間をオーバーしてしまった。それだけ談論風発ということ。久しぶりに同期の面々と話しができて、楽しい時間を過ごすことができた。長く続いた夏風邪が抜けて出席できたのが、ことのほかうれしい。


2015.7.30(木)

がんセンター待合室にて

 10日前に、風邪で特別受診をしたばかりだが、今日は築地の国立がんセンターで定期受診。診察の待合室にいると、そこに入ってきた女性が、「浅野史郎さんでしょうか」と私に向かって声をかける。「そうです」と答えると、「ずっとお会いしたかったのです、お会いできてよかった」と涙顔になる。

 隣に座ってもらって話をお聞きすると、彼女はATLと診断されてS病院に入院治療中に「がんサポート」の私の記事を読んで、S病院から東大医科研附属病院に転院を決めたとのこと。その後は、すっかり私の治療の軌跡を追う形になり、がんセンターの田野崎隆二先生により骨髄移植を受けて、現在は回復して元気にしている。治療中は、私が回復して活動している様子を見て勇気を得たらしい。待合室には、東大医科研から国立がんセンターのルートでATLを克服したサバイバー仲間の田中さんと小池さんも偶然居合わせた。ATLサバイバー仲間がまた一人増えた。

  がんセンターは全館冷房がきつく入っていて、坐っていると寒いほど。行き帰りの電車内も冷房がきつい。4年前の夏は、「冷房は控えめに、節電に協力を」というキャンペーンがうるさいほどだった。政府も後押ししていた。露骨だったのが関西電力。「大飯原発を再稼働しなければ、この夏を乗り切ることが できない」といいながら、すさまじい「電力不足&節電キャンペーン」を繰り広げた。ああそれなのに、実際はどうだったろうか。稼働している原発がゼロという中で、電力不足は全く起きなかった。そして、この猛暑の中、日本国中、屋根のあるところは、最大限に冷房装置が最大限に稼働している。

 我々素直な日本人は、みんな騙されたのである。原発反対派も「再稼働しないと日本は持たないのかな」と心が動いた。政府の説明が嘘だったことは、日本人全員が、今や身をもって実感している。政府は、目的のために、嘘をつくんだということも、日本人のほぼ全員が知ってしまった。そういうことを踏まえると、安保法制についての、政府の説明も嘘だらけではないかと疑うのは、むしろ健全な良識ではないだろうか。がんセンターの待合室のテレビで参議院の安保特別委員会の審議生中継を見ながら、そんなことを考えた。


2015.7.29(水)

大学の期末試験

 とんでもない暑さの中、神奈川大学へ。今日は、学期末試験である。「地方自治論T」の試験は履修者が多いので2教室を使う。試験問題は結構むずかしく、特に、授業に欠席が多い学生には歯が立たない。記述問題が3問なので、60分の試験時間内に全部答えられない学生が続出するのではないかと危惧していた。試験時間中に見回りをしていたら、30分を過ぎたところで答案完成の学生も散見された。一方で、30分過ぎても、ほとんど答案が書けていないのもいる。試験を終えて、顔見知りの学生に「できたか」と声を掛けたら、「完璧です」というのと「心配です」というのと半々だった。

 さてさて、学生はこれで一段落だろうが、こちらには大量の答案の採点業務が残っている。採点業務に使える日が少ないので、相当がんばらないと締切に間に合わない。学生ががんばったのだから、今度は教員ががんばる番である。


2015.7.27(月)

とんでもない暑さが続く

 炎熱地獄に喩えられるような暑い日が続いている。最高気温が35℃超で猛暑日、最低気温が25℃超で熱帯夜、そんな日が横浜でも連日続く。であるからして、用事のあるとき以外は、冷房の効いた家の中に閉じ籠もっている。夏風邪が完全に抜けていないということもある。当然ながら、ずいぶん長い間散歩にも出ていない。

 そんな中で昨日は藤沢市で障害福祉についての講演に出かけた。屋根のないところにいると、暑さがこたえる。聞きしにまさる炎熱地獄である。会場に着くまでで疲れてしまう。それでも2時間の講演をなんとかこなせたことはえらい。と自分を褒めてあげる。

 今日は、一歩も外に出ていない。ということは、身体を動かすことも極小ということである。思い立って、ストレッチをやったり、片足立ちをやってみた。運動と言うほどのこともないのだが、長く続けることができない。身体的につらいのではなく、詰まらないから。なるべく早く、お散歩現役に復帰したい。このままでは、身体が完全に鈍ってしまい、老化が進む。

 老化で思い出した。仙台にいる老母が昨日95歳の誕生日を迎えた。誕生カードを送り、電話でお祝いの言葉をかける。耳が遠いのと、年齢相応の記憶喪失以外は元気である。これからも元気であってほしい。


2015.7.23(木)

休んでましたが

 7月13日以来だから、10日ぶりの日記となる。14日に空咳が出て「風邪かな」と疑い、翌日の神奈川大学の授業終了後は、いつもの作業をせず、早めに帰宅した。翌16日(木)は午前中の厚生労働省の「造血幹細胞移植医療体制整備事業 選定・評価会議」、午後の「分権型政策制度研究センター研究会」、夕方の佐藤進さんとの会食をすべてキャンセル。気分がよくなったので、17日(金)仙台での講演を済ませたが、その頃から不調となり、大事をとって家で休んでいた。

 21日(火)は、がんセンターの田野崎隆二先生に臨時に診ていただいた。ふつうの風邪ならいいのだが、念のためということがある。レントゲン撮影結果も参照しつつの診察結果は、「大丈夫です。ふつうにしていていいです」ということだった。突然の診察をお願いしたのに、詳しく診ていただき、結果も良好。ありがたいことである。こういうのも「一病息災」というのだろうか。

 昨日は、神奈川大学での今学期最終授業に臨んだ。「地方自治論T」の授業では、試験前にどうしてもやっておかなければならないことがあったので、いつも以上に力を込めて講義した。病状も悪化せず、安心した。ほんの短い期間ではあり、大事にも至らなかったのだが、改めて健康の大事さ、ありがたさを実感しているところ。  


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