浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 9月第1&2週分            

2015.9.11(金)

横浜は秋の空

 朝起きたら、世の中は晴れ渡っている。よし、5日ぶりの散歩だ、と張り切って外に出て歩き始めたら、身体は軽いし、足も軽い。久しぶりに見上げるお日様がまぶしい。真っ青な空に一部いわし雲が浮かぶ。ああ、秋の空だ。岸根公園には、水たまりが残り、雨で落ちた枯れ葉と枯れ枝が一杯。ラジオ体操の足元には、大きな笠のきのこがいくつも出ている。ああ、ここにも秋の気配。

 と我が世の秋を楽しんでばかりはいられない。ふるさと宮城がとんでもないことになっている。いくつかの河川が氾濫して、被害が出ている。仙台市内は至るところが冠水している。幸い、大雨は休止しているので、これ以上の被害はないかもしれない。それにしても、丸森町筆甫での降り始めからの総雨量が573ミリなど、宮城県内の各地で「観測史上初」という降雨量を記録している。こんなことは、今までの人生ではなかったことである。皆さんの無事を祈っている。

 そんな中、午前中は毎日新聞横浜支局の大場記者の取材を受けていた。神奈川県の黒岩知事の特別秘書が知事の支援者の病院開設にからんで担当課に接触したことについて、どう思うかというものである。取材を受けるのは嫌いではないので、ついつい取材は2時間に及んだ。


2015.9.10(木)

記録的な大雨

 長雨でうんざりしているところに、昨日は強烈な雨がここ横浜を襲った。そんなので驚いてはいられない。今朝のニュースはどの局も、栃木県、茨城県の豪雨被害を伝えていた。「大雨特別警戒」といった用語はここ2年で使用されるようになったが、この豪雨に使用されて、その実際の意味するところを実感した。テレビの天気図に出てくる南北に伸びる線状の雨雲(線状降水帯)は、今まで見たことがなかった。それが同じ地域に停滞するかのように次々に雨雲がわいてくる様子が見て取れたので、これだけの集中豪雨になるのが理解できた。

 夕方のニュースでは、怖ろしいまでの川の濁流、鬼怒川などの決壊、それによる被害の状況、孤立して救助を求める人、それにヘリコプターで救助に向かう様子が生々しく映しだされている。改めて、今回の豪雨の凄まじさを実感する。雨は、今後も降り続くとのこと。これ以上、被害が大きくならないことを祈る。

 そんな中、午後から日比谷公園内の市政会館で「持続可能な地域社会と住民自治に関する研究会」に出席した。このところ「地方創生」について議論しているが、今回は、自治体の出席者から、名称はさまざまだが各自治体の「地方創生総合戦略」の原案の紹介があった。どこの戦略もよくできているが、「これでは地方創生は成功に導けない」、「これまでの総合計画とほとんど変わり映えがしない」といった厳しい意見が寄せられた。実は、「身も蓋もないような批判になるが」と言いながら、最も厳しい批判をしたのが私である。地方創生は、どう考えても、国のひとりよがりで進められている。こんな総合戦略の策定を自治体に強いるとか、交付金で事業内容を縛るとか、地域の主体性を軽んじるとか、「こうすれば失敗する」という路線を忠実に辿っている。出席した岩手県、滋賀県、京都府、鳥取県、長岡市の担当者には、申し訳ないような議論になってしまったが、なんとか良い結果をもたらしたいという努力には敬意を表したい。


2015.98(火)

仙台日帰り

 昨日は仙台に日帰りで行ってきた。複数の用件があったが、いずれも7月に夏風邪でドタキャンしたことの2ヶ月遅れの挽回である。まず、小雨降る中、亡父の墓参りに東昌寺へ。誰もいない墓地で、静かに、ゆっくりと手を合わせることができた。その足で、長町の「まどか」に移動して、母のところへ。敞子姉も合流。母は耳が遠いのと、同じことを何度も繰り返す癖を除けば、95歳という歳相応の衰えはあるものの、元気なものである。「ここにいるのが一番いい。幸せです」とたまにしか会いにこない息子(私のこと)をほっとさせる言葉を繰り返す。

 夜は、知事時代の秘書の集まりである「いろは会」へ。会場は、毎回同じ「鳥よし」である。鳥よしは、いろは横丁にあるので、「いろは会」である。今回は、集まりがよくない。男性秘書経験者が3人、女性秘書経験者が2人の計5人。集まりは寂しかったが、その分、話のほうは面白かった。いつもどおりの現況報告と昔ばなしに加えて、突然、配偶者とのなれそめを語るという展開になった。中学校で同じクラスになった女生徒に一目惚れして、そのまま結婚したK君の話に一同感動の嵐。S君は、研修地横須賀市での合ハイで,本命は先輩に譲り、bQを獲得して、そのままゴールへ。Tさんは、山形県庁との合同企画で知り合った男性と結婚。新居は仙台市内なので、夫は高速バスで山形市に通勤。夫は「仙台に住みたかった」というので、不満はないとのこと。

 大病から生還した親方の横田さんが、しっかり現場復帰している姿に感動し、いつもながら明るい笑顔の栗田さんに癒やされる。いつもながらの冷奴と焼き鳥セットの旨さに感動し、特別に出してくれた「世界一糖度の高い」青森産とうもろこしにさらに感動し、その感動を残しながら、途中退席して横浜に戻った。

 今日のこととしては、「安部首相、無投票で再選」について書くべきなのだろうが、気の利いたコメントが思い浮かばない。だから、今日の日記はこれでおしまい。


2015.9.5(土)

(何度目かの)散歩再開

 天気よし、体調よし、日程支障なし、散歩を再開する条件が揃っている。久しぶりにウエアを身にまとい、外に出たら、暑くなく、涼しすぎず、絶好の散歩日和である。一体何日ぶりなのか忘れるぐらいの久しぶりなので、こうやって歩いているだけで心浮き浮きである。

 昨日のことだが、「ミヤネ屋」に安倍首相が出ていた。その前日には私が出ていた。安倍首相に直接聞き質したいことがあったので、一日違いのニアミスは残念だった。それにしても、国会会期中に大阪までやってきてテレビ出演とは、尋常ではない。現実に、野党からは批判の声が上がっている。ミヤネ屋としては、宮根誠司さんとしては、思わぬプレゼントとなったのではないか。番組史上でも異例のことである。テレビでの安部首相の説明自体には、特に変わりばえはしないが、この時間帯に番組視聴をしていた家庭の主婦層にとっては、初めて聞く話だったかもしれない。その意味では、政府側としては、ヒット企画になったのかもしれない。それにしても、安部首相側は、いつから計画していたのだろう、読売テレビからの働きかけはあったのだろうか。


2015.9.4(金)

愛用の万年筆異聞

 久しぶりに銀座に出て、伊東屋に行った。魅力的な文房具やグリーティングカードが、「こっち見て、こっち見て」と言っているのに目もくれず、まっすぐ別館の万年筆売り場へ。愛用の万年筆、快調に書けるのだが、キャップの頭のクリップが紛失し、キャップが確実に締まらない。これを直してもらうには、伊東屋しかない。ということで、万年筆を伊東屋に持ち込んだのである。製造元(プラチナ)に送るしかない、直せるかどうかわからないが、直せても1ヶ月以上かかると店員さんは言う。「それでもいいです。お金がかかってもいいです。直して欲しいのです」と店員さんに念押しをして、万年筆を預けてきた。

 なぜそんなに拘るのか。とても書きやすくて、この万年筆で書くと、字が上手に見えるからである。弘法は筆を選ばずではなく、下手糞は筆を選ぶのだ。書きやすさだけでなく、屋久杉でできているのが大きな魅力になっている。見た目もいいし、持った感じもいい。これは、私が知事を辞めた時、仙台の友人から記念にいただいたものである。およそ記念品としていただいたものは、どこかにしまっておくか、目立たずに飾っておくものがほとんどである。この万年筆は毎日手にとって使う。10年間も使い続けている。キャップが不具合になったからといって、あきらめられるはずがない。

 「直すのに1ヶ月かかる」というので、それまでのピンチヒッターとして、伊東屋で1本買い求めた。同じプラチナ製の中字用、屋久杉ではないので、少し安い。帰宅して、その万年筆で字を書いてみたが、元のとは書き心地が微妙に違う。書き上げた字も元のほど出来がよくない(ような気がする)。使い慣れてくれば、よくなるのかもしれない。それでも、ちゃんとした(キャップがきっちり締まるということ)万年筆を手にしただけで、生活がその分豊かになったような気がする。その分、幸せになったような気がする。

 伊東屋に行ったのは、その前に永田町の参議院第二別館で参議院政策担当秘書研修の講師を務めたから。現職の議員秘書が2週間ほど続くこの研修を受講すると、政策秘書に昇格できる。20人ほどの受講生に地方自治に関する問題を途中10分間の休憩をはさみ、10時から12時半までみっちり講義した。私も疲れたが、受講生も疲れただろう。ご苦労さん。いい政策秘書になってください。


2015.9.3(木)

連日のお仕事

 9月になって初めての日記だ。

 まず、昨日のこと。別府市の杉の井ホテルで大分県商工会議所連合会総会の記念講演。講演までは時間があり、その間にとてもおいしい昼食をいただき、とても素敵な温泉に入った。ご案内の小名川道子さんにホテルの話をいろいろ教えてもらった。元のホテルは倒産し、新しい経営者のもと、素晴らしい支配人の佐々木耕一専務が送り込まれた。それが8年前のこと。そこからホテルが見事に変身を遂げた。このところ数年は、稼働率100%が続いているという。確かに、ホテル内はお客さんで一杯で活気がある。小名川さんは、「佐々木さんはすごい。佐々木さんを尊敬しています」と力説する。一人のリーダーが組織を変える、その典型である。

 そして出番がやってきた。前の議事が時間がかかり、私の講演の開始が15分遅れた。それでも予定終了時間ぴったりに講演を終えた。講演は今回も地方創生について。いつも言うことだが、「内容はともかく、時間は守る」ということ。講演が終わって、姫野清高連合会会長と少しの時間懇談したが、そこで姫野会長から講演内容をとても褒めていただいた。時間厳守だけでなく、内容もよかったということか。うれしいことである。お料理も絶品、お風呂も最高、講演もうまくいって、短い滞在だったが、杉の井ホテルではいい思い満載であった。

 日帰りで、大分空港から伊丹空港へ。翌日のテレビ出演に備えて、この日は大阪のホテルに泊まる。

 そして今日は、「ミヤネ屋」に出演。同席コメンテーターは春川正明読売テレビ解説委員長とタレントの優木まおみさん。今日一番時間をとったテーマは、中国の抗日戦争勝利70周年軍事パレード。ゲストの宮家邦彦さんのわかりやすい解説を得て、コメンテーター陣も意見を差し挟むことができる。ここでも、宮根さんの捌きのうまさに感心する。その他、お騒がせの東京オリンピックのロゴの選考やり直し、謎が多い劇団員加賀谷理沙さん殺人事件、トンデモ学園長が修学旅行で1千万円私的流用など、コメントの機会が多かった。  


以前のジョギング日記はこちらから


TOP][NEWS][日記][メルマガ][記事][連載][プロフィール][著作][夢ネットワーク][リンク

(c)浅野史郎・夢ネットワーク mailto:yumenet@asanoshiro.org