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ジョギング日記 10月第1&2週分       

2015.10.9(金)

レジュメ作成に一苦労

 朝食後から、次回の「地方自治論U」のレジュメ作成に没頭し、夕方5時前に完成した。夕方5時前に拘るのは、レジュメとミニテストの原稿を大学の法学部事務スタッフにメールで送らないとならないから。350部印刷してもらう都合があるので、今日送らないと、事務に届くのが授業前日の火曜日になってしまう。

 レジュメ作成の作業量が半端じゃない。前回授業終了時に提出されるリアクションペーパー(出席カード)276人分に目を通して、誤字を訂正してやる(小さな親切、大きなお世話)、誤解を解いてやる、質問に回答する、そして「記述が秀逸だったもの」16人を選ぶ。誤解の解と質問の回答が合わせて25項目。これを記載するのに多大の時間と労力を要する。さらに提出された宿題全部に目を通して「出来が秀逸だったもの」19人を選ぶ。「ミニテストが満点のもの」8人を見つける。これらを全部、レジュメに記載するので、この分だけで4頁、7時間を要する。次回のテーマ「選挙について」3頁は、暇な時に作成しておいた。全部で7頁になる。  なんでここまでやる必要があるのだろうと、自分でも迷うことがあるが、慶應大学SFC時代からの習慣なので、今更やめる気にもならない。誰もほめてくれないので、自分で自分をほめている私。

 今日はこれだけで終わってしまう。夕食には自分へのご褒美でビールを飲む。テレビでテニスの楽天オープンで錦織圭がチリッチに逆転勝ちして準決勝進出を決めた試合を観る。結果がわかっての再放送なので、ハラハラドキドキはなかったが、そのかわり安心して試合を楽しめた。


2015.10.8(木)

「ミヤネ屋」に出演

 月に1回の「ミヤネ屋」出演の日。天気がいいので、富士山が見えるだろうと新横浜駅から乗り込んだ新幹線、新聞を読んでいるうちに、富士山を過ぎてしまった。くやしい。残念だ。とてもくやしい。

 気を取り直して、番組へ。他のコメンテーターは住田裕子さんと春川正明さん。北海道での温帯低気圧の猛威の中継に長い時間を取った後は、芸能界の結婚の報道。めでたいことだが、コメントの機会なし。コメントしたのは、マイナンバーのところ。「アメリカに留学した頃、社会保障番号を持っていた」というのに続けて、その番号を言ってみせた。宮根さんは「言っちゃっていいの?それ言っちゃっていいの?」と驚きの声を上げた。40年以上も前にもらった番号を今でも覚えていることをちょっと自慢したかった私。知られたって、何のデメリットもないんだから。日本のマイナンバー(まだもらっていない)なら絶対教えないよ。


2015.10.7(水)

神奈川大学での活発な授業

 神奈川大学の授業、「地方自治論U」の授業は、今日が今学期3回目。テーマは「情報公開」。教室には276人の学生が聴講している。今日は、最後列に坐っている学生に、「やってきた宿題を読みあげなさい」と指名した。一人目「やってません」。「宿題もやってないで、最後列に坐っちゃいけない。罰ゲームで、最前列に席を移しなさい」と指示をする。2人目も同じ。「やってきませんでした」。「はい、最前列ね」と命じる。3人目、4人目は、自分の宿題を読み上げた。「よろしい。席につきなさい」。「あれで、授業がぐっと締まりました。たまには、ああゆうのもいいですね」と、放課後の飲み会でSA二人が同じことを言っていた。

 授業の終わりに、毎回ミニテストを実施している。最後列に坐っている男女学生が、テストの最中に私語している様子が見て取れた。「そこの二人、ミニテストは終わったのか」と注意して、その席まで移動していって、女子学生のほうが、ミニテストに手を付けていないのを確認した。それで、授業が終わったのだが、例の二人が教壇の私のところに来て、「実は、あの時は、私が授業に遅れてきて、ミニテストのことを彼に聞いていたのです。それでも、騒がしくしてすみませんでした」と女子学生が男子学生ともども謝罪に来た。「よく謝りにきた。偉い」とほめてあげた。実は、私としても彼らの素直な態度に感激したのである。まあ、大教室での授業、いろんなことがある。学生が反応してくれるのが、なんだかうれしい。

 4時限の障害福祉論のゼミには、厚生労働省の虐待防止専門官の曽根直樹さんにゲストとしておいでいただいた。曽根さんが埼玉県の民間施設にいる頃からの仲間だから、30年近い仲である。「福祉施設における虐待問題」について、学生に問題を投げかけながら、実にわかりやすい講義をしてくれた。学生の反応も活発であり、出席者19人全員が1回以上の発言をしていた。いい刺激になったと思う。なんの御礼もできないのに、わざわざおいでいただいた曽根さん、ありがとうございました。


2015.10.6(火)

TPP交渉が大筋で合意

 今日の朝刊一面は、新聞によって並びが違う。「TPP交渉が大筋合意」がトップを占めるのが日経、朝日、産経、「大村智氏にノーベル賞」がトップは毎日、読売である。安保法制についての扱いほど、各社の違いはない。どちらもビッグニュースである。

 TPP交渉が大筋で合意に至ったというのは、確かにビッグニュースではあるが、これで事なれりということにはならない。12か国とも、国内で合意内容に反対の勢力を抱えているからである。アメリカでは、連邦議会の承認が得られるか、未知数である。日本だって、参議院選挙を前にして、農業団体の反対圧力に抗して、国会が筋を通せるかはわからない。

 TPPが締結されれば、世界のGDPの4割を占める自由貿易圏が誕生する。これは実に大きなことである。アメリカの陰謀に巻き込まれるとか、中国を排除できてよかったとか、けちなことを言わずに、前向きにとらえていきたい。


2015.10.5(月)

妻の誕生日

 体調はどこも不具合はないのだが、鼻声が続いている。咳も痰も治まっているが、これでは禁足令は解けない。もうしばし、散歩にでることは自粛しなければならない。運動不足のほうも、そろそろ心配になるが、無理はできない。

 今日は、妻の誕生日である。毎回、お祝いの宴を催すことはないのだが、特に今年は同居の義母が帯状疱疹で痛みがひどく、お祝いどころではない。ごくごく細やかに、いつもよりちょっぴり張り切った夕食を用意して(用意したのは妻本人)、「おめでとう」の掛け声だけでお祝いとした。それでも、元気でこの歳を迎えられたことは、めでたいことである。おめでとう。

 めでたいことの続きで、ノーベル賞受賞決定のニュースが夜6時頃飛び込んできた。大村智・北里大特別栄誉教授(80)に医学・生理学賞である。直後のニュースを見ていたが、アナウンサーもゲストも大村さんのことや、大村さんの業績について詳しくしらないらしく、コメントが自信なさそうであったのが、ほほえましい。どうやら、人類を伝染病から救う薬の発見に結びつくすごい業績らしい。大村さん本人とNHKアナウンサーのライブのやりとりをニュースで見たが、大村さんが「ノーベル賞は微生物にやりたい」というコメントがとても印象的だった。改めて、おめでとうございます。


2015.10.2(金)

思い込みによる失敗

 体調は悪くないのだが、咳と痰が止まらない。家族からは、「気をつけなきゃだめ」と言われる。散歩は、当然ながら、自粛。自粛というより他粛に近い。

 思い立って、近くの薬局で龍角散を購入して服用してみた。「鎮咳去痰薬」とあるから、今の私に著効があるのではないかと期待した。「粉薬の缶から匙に山盛りに取って、舌の上に薬をおき、ゆっくり溶かすようにしながらノドの方に運ぶ」(説明書の服用方法から)。 これを1日3?6回服用する。服用直後に妻が来て、「なんだか、漢方薬のにおいがする」といっていた。

 2回服用したところで、「著効」があったのか、咳も痰も治まったので、書きかけの自治日報の原稿を書き進めた。書き終えたら、1600字を超えていたので、何とか1200字まで削らなければならない。四苦八苦して、1200字に収めたところで、改めて原稿依頼書を見たら、なんと「1600字から1700字で」とあるではないか。「バカ、アホ」と自分を責めながら、1600字に増やす作業に取り掛かった。削った部分の記述が思い出せない。八苦十六苦(さっきの倍の苦労という意味)して、作業を完了した。思い込みによる失敗。今回が初めてではない。


2015.10.1(木)

研究会で大議論

 風邪の引き始めのような感じで、散歩は自粛させてもらった。季節の変わり目で、身体がついていかないというところだろう。

 午後からは、日比谷の市政会館での「分権型政策制度研究センター」の研究会に出席した。議題は、地方版地方創生総合戦略の策定について。滋賀県、京都府、鳥取県、長岡市の担当者から総合戦略の作成状況の説明を受け、それに「学識経験者」が質疑を行う。毎回、「今日はおとなしくしていよう」と思うのだが、この学識経験者(私のこと)は最初から最後まで担当者に厳しい意見を投げかける。もっと厳しいのは、座長の新藤宗幸先生。それに対して、今回初参加の鳥取県の澤米渉さんが果敢に反論する。肩書は「元気づくり総本部 とっとり元気戦略課元気づくり担当 課長補佐」。結局は、毎度のことであるが、地方創生の進め方への批判、非難合戦になってしまう。「政府が悪い」といってしまえばそれまでであるが、何とかここから活路を見つけていかなければ、がんばっている自治体が浮かばれない。

 地方創生については、研究センター主催のシンポジウムが11月27日(金)14時-16時に都道府県会館101大会議室で開催される。「地方創生、これでいいのか」というテーマでのパネルディスカッションが、新藤宗幸 研究センター長の司会で行われる。パネリストは、青山彰久 読売新聞東京本社編集委員、寺谷誠一郎 鳥取県智頭町長、廣井良典 千葉大学法政経学部教授、松永桂子 大阪市立大学大学院創造都市研究科准教授である。


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