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ジョギング日記  10月第4週分       

2015.10.24(土)

教え子の結婚式

  お日柄もよく、お天気もよく、夜は六本木ミッドタウンのリッツカールトンホテルでの結婚披露宴に参席した。新婦は慶應大学SFCの教え子、三原早由里さん。結婚して大島早由里になった。新郎は大島紳市さん。ご両親は中国人で、本人は小学校までは中国で育った。二人は同じ慶應大学出身だが、学部が違う。誕生年月日が同じ。卒業して入社した大和証券で研修を並んで受けた。そこで生まれたロマンス。

 披露宴は素晴らしかった。新郎新婦が輝いていたのは言うまでもないが、ご両家のご両親が素敵、友人たちが魅力的。私は新婦方の主賓として祝辞を述べたが、他の人のスピーチがとてもユニークで素敵。ダンスのパフォーマンスあり、歌つきのスピーチあり。同じテーブルの女性二人は、後半はずっと泣き続けていた。同じテーブルに新婦と同じくSFCの教え子が二人。城田佳帆織は、SFCでの同級生だった夫と一緒。松田美那は、「先生、私の結婚式には絶対来てください」と何度も言う。それも含めて楽しかった。お料理もワインも素晴らしかったことも忘れてならない。  


2015.10.23(金)

松本へ

  朝早く横浜を出て長野県松本市へ。菊名から横浜線で八王子へ(約1時間)、八王子から中央本線で松本へ(約2時間)という長い行程であるが、文庫本を読みながら、ときどき車窓からの景色を見ているうちに、意外と早く着いてしまった。松本駅で待つ大塚由紀子さん、運転の矢内健太郎さんに連れられて15分、(株)ハートフル松本FVPの工場へと案内された。そもそも、大塚さんにお招きいただいて、松本までやってきた。

 待っていたのは、それぞれ重い障害を持つ10人の労働者たち。昨年の4月からここで(株)エフピコと提携し、リサイクル事業の一部としてのPSPトレー、ペットボトルの選別業務に取り組んでいる。社員の耳塚さんは元美容師。その耳塚さんの案内と説明で、彼らの働きぶりを見せてもらった。

 全員がものすごい速さの手さばきで、不適品を選別する。15`もの押し固めたペットボトルを持ち上げる。決められた勤務時間中は、休まず、なまけず、私語なしで働いている。就労継続支援A型事業者だから、会社と労働契約を結び、社会保険、厚生年金加入、年次有給休暇あり、交通費支給、制服無償貸与、全員最低賃金(746円/時)クリア、月収10万円である。

 感心したのは、勤務ぶりだけではない。その日の仕事を終えての終礼では、全員規律のとれた姿勢で、23歳の野村順一さんの「本日の成績」の報告を聴く。「今週は目標を達成した。次もがんばろう」という野村さんの声に大きな声で応ずる。昨年4月の達成量の3倍になったという。最後に、この日の自己評価の数字とコメントを書き込んだファイルをできた人から耳塚さんと野村さんに見せて、確認をしてもらう。こういった動きが、すべてピシッとしているのがすごい。

 まだまだ書きたいことはあるが、ともかく、感動した、感心した。労働者が退社した後、4人の社員に講話するように、大塚さんに頼まれていた。1時間話したが、一番言いたかったことは、「皆さん社員にとって、こんなにやりがいのある素晴らしい職場はない。労働者に進歩がある。一緒に仕事をしていての手応えがある」ということである。「足下に泉あり」というのを何べんも言ったかな。

 こんなに素敵なものを見せていただいて、大塚さん、ありがとうございました。また来ます。    


2015.10.22(木)

日程が厳しい中

  来週の「地方自治論U」の授業のレジュメを昼前に完成して、ミニテストとともに350部印刷に回すために大学の教務課事務に送った。いつもより丸一日早い完成である。これから11月6日までは日程が詰まっていて、是非とも今日中に上げなければならなかった。私のレジュメでは、学生のリアクションペーパーと提出宿題をそれぞれ270人分読んで、前回授業の総括をするので、前もって作りだめができない。このところ2週間ほど、いままでの「毎日が日曜日」状態とは程遠い厳しい日程が続く。それもあって、11月6日が締め切りの『ガバナンス』の原稿を一昨日書いて送っておいた。今の予定では、大阪への新幹線の中で作業をせざるを得ない。ホントのこと言うと、こういうのボク嫌いじゃない。

 午後からは、日比谷公園内の市政会館で分権型政策制度研究センターの「持続可能な地域社会と住民自治に関する研究会」(第6回)に出席。「分権研」の「地方創生研究会」と言い換えないと覚えられない。今日は、出席者がいつもより多い。有識者委員はほぼ全員出席。自治体は5府県と長岡市の担当者が出席。議論は、毎度のことであるが、国主導の地方創生がいかにダメか、無理やり戦略計画を作らされる自治体が可哀想というということに終始。なんとか、生産的な議論に繋げたいという思いは、毎回変わらない。  


2015.10.20(火)

恩返しプロジェクト(仮称)

  朝は気温は高いし、風もなし。散歩とラジオ体操には絶好の日和。これを無駄にせず、身体を動かす。楽しからずや。

 午後、厚生労働省の移植医療対策推進室の担当官2人が来宅。23日(金)の「造血幹細胞移植委員会」の資料を事前にご説明いただく。「事前に」とはいうが、委員会当日は日程調整がつかず、欠席する。そのために、来てくれた。むずかしい話をわかりやすく、丁寧に説明してくれて、素人の私にもよくわかった。

 それが終わってすぐに、竹橋近くの「骨髄バンク」の会議室での会合にでかける。橋本明子さんのお声がけで、骨髄移植を受けて白血病から生還した人たちの「恩返し」プロジェクトを実行するための組織づくりの顔合わせ。橋本さん以外は、白血病のサバイバー4人。事務局をどうするか、経費をどうするかという入り口の話を少しした後は、近くの飲み屋で食事をしながら話の続きと歓談。歓談のほうが多かったが、ここからぼちぼちと計画が進んでいく。そんな予感がする楽しい酔い、宵であった。


2015.10.18(日)

卒業生の訪問

  卒業生の訪問  昨年SAを務めてくれた海野一馬君が来宅。卒業して陸上自衛隊に入隊した。横須賀での研修に続いて御殿場で研修を修了し、そのまま御殿場の部隊に配属された。研修中の運動会(?)では500人中8位になって表彰されたとのこと。「自衛隊は厳しいか?」と訊ねたら、「半年間で7回死にそうになりました」という。それでも、最近、階級の昇進があったらしい。持ち前の馬力とやる気でがんばっている様子で、頼もしい。「明日から、富士山麓で4泊5日の演習です」と言いながら、御殿場に戻っていった。教え子が、こうやって近況報告にやってくるのは、うれしいことである。

 日本シリーズはヤクルト対ソフトバンクの対戦となった。いずれも、レギュラーシーズンの覇者である。下克上は両リーグとも起きなかった。正義が通ったということがうれしい。


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