浅野史郎のWEBサイト『夢らいん』

ジョギング日記 1月第3週分       

2016.1.16.(土)

衆議院定数の削減

 一昨日に続いて、朝の散歩に替えて昼の散歩を挙行している。天気が良く風がないので、寒さは感じない。朝の散歩とは一味違った楽しみが味わえる。寒い朝がおさまるまでは、しばらく昼の散歩でいくことにする。

 「衆議院選挙制度に関する調査会が、衆議院定数の10減を答申した。小選挙区で6減らし、比例区では4減らす案である。定数配分は、都道府県の人口比に基づくアダムズ方式でなされる。答申を受けて、今後は政党間の協議に委ねられる。各党とも「答申は尊重する」といいながらも、協議がまとまるかどうかはわからない。

 早くも、自民党内では異論が出ている。「議席が減る地方の声が届かなくなる」というのが反対の理由である。定数減となる選挙区の議員にとっては、死活問題であるから、地方選出の議員が反対するのは想定の範囲内である。それを乗り越えなければ、定数減はできっこない。これからの各党協議の行方が見ものである。

 定数減とは別に、男女同数の国会を実現しようと、超党派の国会議員が法改正への詰めの作業を続けている。しかし、これは法律改正ではなく、各政党が女性を候補者として多数擁立すればいいだけのことである。それができないのは、男性議員が許さないからである。女性候補者を増やす分、男性候補者が減ってしまうのだから、男性議員が圧倒的に多い各政党の中で話がまとまるはずがない。それも、これも、議員としての既得権を捨てたくない国会議員の宿命である。定数是正も、女性議員を増やす試みも、いずれも実現の道は遠い。


2016.1.15.(金)

震災復旧工事で談合疑惑

 午後から耳鼻科へ。左耳が耳垢で塞がれている。昨年の受診では取り除けなかったものを、再度やってもらう予定。その準備として、5日間、朝晩と耳垢を柔らかくする「寝耳に水」を薬として処方してもらう。今日はそれだけ。5日後にもう一度受診予定。

 東日本大震災で被災した高速道路の復旧工事で談合疑惑が持ち上がっている。2011年8月9月に9路線の復旧舗装工事12件の入札が行われた。その入札で、大手舗装工事会社12社が1件ずつ落札したというのだから、この12社で談合が行われたことが推察される。平均落札率95%は談合の疑い濃厚な高水準である。公取委は昨年1月に強制調査に着手している。一部業者からは「落札率をつり上げて、利益を確保したかった」という説明を受けている。

 震災からの復興・復旧には、10年間で32兆円の国費が投じられる。予算確保のために所得税が増額されている。その復旧工事で談合が行われ、本来よりも高い工事費がかかっている。大学の授業で、公共事業発注での談合問題について講義したばかりである。「法律も厳しくなり、談合は昔より減っている」と説明したが、これでは学生になんと言っていいかわからなくなる。「懲りない面々だな」とでも言うのだろうか。


2016.1.14.(木)

株安が止まらない

 午後から、日比谷の市政会館で、分権型政策制度研究センターの第9回研究会に出席。今回は、「持続可能な地域社会と住民自治に関する報告書」のレジュメについて議論をした。来月の次回では、報告書原案をまとめることになる。地方創生の進め方批判一辺倒から抜け出した報告書になるか、むずかしいところである。

 年初以来、東京株式市場での日経平均株価の下落が続いている。今日の終値は 17,240円と昨日比475円の下落である。中国株、米国株の下落、中国経済の先行き不安定、中東情勢などが下落の原因と考えられている。それに加えて、急激な原油安で産油国の財政が悪化し、当面の財政資金確保のために、オイルマネーが株式を手放して現金を増やす姿勢に出ていることも大きな要因である。

 株安の影響は、多方面に及んでいる。その一つが年金積立金管理運用独立行政法人(Government Pension Investment Fund, GPIF)による株式運用で巨額の損失を出しているということである。年金資産の運用に詳しい人なら理解していることだが、年金資産の運用は超長期になされるものであるので、短期の「損得」に一喜一憂すべきものではない。大事なのは、中長期ベースで策定される制度全体の資産(株式、債券、不動産、外国資産など)の種類ごとの配分計画(政策アセットミックス)のほうである。

 GPIFとして考えなければならないのは、巨額の資産運用委託手数料を運用会社に支払っているのをどうするかということである。この辺のことは、株安とは直接関係ないので、このぐらいにしておく。


2016.1.13.(水)

授業再開

 年末年始のお休みを終えて、今日は神奈川大学での新年最初の授業。「地方自治論U」の授業は、学期末試験が2週間後ということもあり、学生に緊張感がある。それに答えてというわけではないが、「今学期の復習」という時間もとった。学生側でも、「この辺は試験に出るな」ということを察知したのではないか。

 「障害福祉論」のゼミは、次回がグループワークの発表の日である。それに向けて、最後のまとめを各グループでやる時間になった。緊張感をもって、最後の追い込みである。

 久しぶりの授業で、心身ともにピシっとなった気がする。来週は、今学期の最終授業である。さらにピシっと、ピリッといきたいものだ。


2016.1.12.(火)

米軍のB52の朝鮮半島派遣

 北朝鮮の「水爆実験」に対応して、米国は10日に戦略爆撃機B52を韓国に派遣した。B52は水爆を搭載しており、北朝鮮の核による挑発に対して、核の戦略兵器で対抗しようということなのだろう。  北朝鮮の水爆実験に対しては、国連決議による経済制裁だけでは足りないというのだろうか、武力挑発には武力挑発で応えるという米国の姿勢が見て取れる。米国は過去にも、北朝鮮の武力挑発に対して、F22やB2を飛ばしたが、今回はB52のグアムからの単独飛来である。

 米軍は沖縄の嘉手納基地にF22ステルス戦闘機を配備している。横須賀基地には艦載機を積んだ原子力空母だけでなく巡航ミサイルを積んだイージス艦も配備されている。米軍の北朝鮮への圧力がエスカレートしていけば、これらの基地から戦闘機が派遣されることもあり得る。2013年に米軍が北朝鮮に向けてB2を派遣した後に北朝鮮軍が日本海に向けた弾道ミサイルを発射しようとしたことがあった。米軍の動きは、北朝鮮による我が国への不測の軍事行動をもたらしかねない。

 金正恩第一書記の好戦的な性格が気にかかる。今年開催が予定されている、36年ぶりの北朝鮮労働党党大会を前にして、北朝鮮が景気づけの軍事行動を起こしかねない。今回の米軍のB52派遣がその引き金にならないことを願うばかりである。


2016.1.11.(月)

成人の日に

 今日が成人の日だって。いつから成人の日が1月15日から1月の第二日曜日の翌日ということになったのだろう。月曜日を祝日にして、3連休を作り、観光振興を図ろうという意図がみえみえ。7月の海の日、9月の敬老の日、10月の体育の日がその手の便法で月曜になる。その他に、祝日が日曜と重なると、翌日の月曜日が振替休日となる。今年の春分の日がそうなる。そのために、大学の教員が月曜日の授業を担当していると、1年に何回も他の曜日に振替措置を取らなければならなくなる。困ったことだ。

 成人の日についていえば、個人的には1月15日からの「引っ越し」が気に入らない。18歳まで仙台の大崎八幡神社の近くに住んでいた私にとって、1月14日のどんど祭が楽しみだった。当時はこの時期に雪が積もることが多かった。雪を踏みしめつつ、大崎八幡神社に正月飾りを納めにいく。境内の広場に集まった飾りものに火がつけられ、一斉に燃え上がる。夜遅くなると、元気な若者がふんどし一丁で裸参りの行列である。これを見るのが楽しみであった。長々とどんど祭の思い出を書いたのは、翌日が成人の日で学校が休みとなることを言いたかったから。勝手に暦を変えたのは誰だ。

 その成人の日。市町村単位で成人式が行われる。ふるさとに帰ってきて、昔の仲間と再会する機会であり、厳粛な中に和気藹々の雰囲気で挙行されるところが多いのだが、毎年、式典中に騒ぐとか、酒を飲んで暴れる、喧嘩をするところが報道される。今年も何件かあったようである。成人式が警察の警備付きなんてことになるのは、困ったこと。 成人式廃止論が広がる前に、新成人の自覚を促したい。    


2016.1.10.(日)

月一の日程

 今年初めての「ぷれジョブ藤沢」の月例会。現在活動中の3組から報告があった。古久家藤沢店の幸樹君、博多もつ鍋屋の琢磨君、マクドナルド藤沢本町店の梨乃さん、いずれも飲食店でのお仕事体験である。プレイヤー3人とも、緊張のせいか、報告の声に元気がないのが残念。月例会での発表の経験が少ないので、仕方がないか。2月の月例会で元気な発表を期待しよう。

 「ぷれジョブ藤沢」の月例会は、月に1回。現在、同じように月一の日程でやっているのが、分権型政策制度研究センターの研究会、読売テレビの「ミヤネ屋」出演、それに築地のがんセンターでの定期受診である。これらがあることが、生活のリズムになっている。

 日程ではないが、月刊誌が5種類届く。月初めに集中することもあり、読まないで置いておくと、すぐに次の号が届く。追われている感じがしないでもない。

 月一というのは、高齢者の日程としては、丁度いいリズムといえるだろうか。そんな日程をこなしているうちに1年が過ぎ、あっという間に10年が過ぎる。それが高齢者の月一日程である。    


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